生理前の止まらない食欲との向き合い方とは?PMS(生理前症候群)との関係性や、食欲の原因や対策をご紹介

「甘いものが食べたい…」「満腹だけどもっと食べたい…」そんな生理前の止まらない食欲は、女性ホルモンのバランスの変化が関係しています。体でどんな変化が起こっているのかを知って適切に対処することで、体重増加やストレスを避け、心身ともに健やかな状態を保つことができます。今回は、生理と女性ホルモンの関係や、PMS(生理前症候群)とは何か、増加する食欲との付き合い方をご紹介します。ご自身にあった対処法を見つけてみてください。

生理と女性ホルモンの関係について

生理前に、こんな症状を感じたことはありませんか?

✔甘いものが異常に食べたくなる

✔お腹はいっぱいなのに、食べても食べても食べ続けてしまう

✔食べ過ぎて気持ちが悪くなったり、胃がもたれたりする

お腹がいっぱいになっても食べ続けてしまう、生理前の止まらない食欲。ある調査では、女性の3人に1人が生理前、生理中の食欲の増加を感じているそうです。実はこれには、女性ホルモンが深く関係しています。

生理と女性ホルモンの関係について

女性の体は生理周期によって、エストロゲンプロゲステロンというホルモン物質が分泌されます。生理は、 ホルモンバランスの変化によって「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」の4つの段階に分かれており、各段階で、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が変化します。

エストロゲンとプロゲステロンとは?

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、月経後から排卵期までの「卵胞期」に分泌されるホルモンで、分泌されると気分が安定し、前向きになったり、体が軽く感じられたり肌や髪の調子が良いと感じたりします。

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵直後から卵巣でつくられる女性ホルモンのひとつで、排卵後の「黄体期」に多く分泌され、生理がはじまる「月経期」には分泌量は通常に戻ります。プロゲステロン(黄体ホルモン)は女性の体が妊娠しやすいように子宮内の環境を整える働きがある一方で、生理前のイライラや不安といった精神的な症状や、頭痛やお腹の張りなどの体の症状を引き起こす原因になります。

エストロゲンが減るとなぜ食欲がわくの?

生理前の黄体期に入ると、前述のプロゲステロンの分泌が増える一方で、エストロゲンの分泌量は低下していきます。エストロゲンは食欲中枢に働いて、過剰な食欲を抑制する働きがあるため、黄体期は食欲の抑制が効きにくく、いわゆる食べ過ぎ状態になりやすい時期です。反対に、分泌の増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)の働きによって、妊娠に向けて体にエネルギーを蓄えようとして食欲が増加しやすくなります。つまり、2つのホルモンの分泌量の変化により、生理がはじまる直前は食欲の抑制が効きにくく、さらに食欲が増加する時期と言えます。

PMS(生理前症候群)とは?

PMS(生理前症候)とは?
PMS(生理前症候)とは?

PMSは、Premenstrual Syndromeの略で「月経前症候群」と訳されます。月経前の約3〜10日の間に現れる症状で、月経がはじまるとともに症状がおさまったり、なくなったりします。症状としては、精神的なものと身体的なものがあります。

・精神的な症状
イライラ、気分の落ち込み、不安感、攻撃的になる、怒りっぽい、集中力の低下、不眠、抑うつ、眠気など。

・身体的な症状
腹痛、腰痛、頭痛、吐き気、めまい、食欲不振、だるさ、むくみ、お腹・乳房の張り、肌荒れ、食べ過ぎ、甘いものが食べたくなるなど。

なお、PMSかどうかは、症状が出るのが月経前に限られているか、毎月繰り返し症状がでるか、といった点が判断基準となります。

PMSによる食欲増加との付き合い方

食欲を抑えるために、心や体をリラックスさせることはとても有効
食欲を抑えるために、心や体をリラックスさせることはとても有効

PMS(月経前症候群)の症状である、食欲がコントロールできない、甘いものが食べたくなる、など食欲増加につながる症状は、ホルモンバランスの乱れによって誰にでも起こる可能性があります。しかし、毎月望む望まないに関わらず必ずやってくる生理。生理前の食欲増加や食べ過ぎにはどう対処すればよいのでしょうか?

食事の回数を細かく分ける

一日の摂取カロリーは変えず、食事の回数を細かく分けます。通常より回数を増やすことで食欲を抑えてどか食いを防ぎます。

またトータルの摂取カロリーはそのままで食事の回数だけ増やすと、血糖値が乱高下せず、安定させることができるためどか食いでの体の負担も和らげます。生理前に起こる食への欲求も我慢せずにすむため、精神的にも楽に取り組めます。

体をリラックスさせる

食欲を抑えるために、心や体をリラックスさせることはとても有効です。のんびりお風呂に入ったり、マッサージをしたり、腹式呼吸で深く呼吸をしたり、お気に入りの方法で心身を癒してあげましょう。また体を適度に動かすことも効果的です。特に体の緊張をほぐしたり緩めたりするには、ストレッチやヨガがおすすめです。安眠にも効果的な、「寝る前の10分でぜひ試して欲しい、疲れた心と体をときほぐすリラックスヨガ」も参考にしてみてください。

幸せホルモン=セロトニンの分泌を促す

排卵後の「黄体期」、つまり生理前はエストロゲンの分泌が減る一方で、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌も低下します。セロトニンが不足すると心が不安定になり、食欲の抑制がきかず過食に走ったり、セロトニン不足の脳がブドウ糖を要求するため、甘いものが食べたいと誤認識してしまいます。そのため、普段からセロトニンを増やす行動を生活に取り入れ、生理前のセロトニンの急激な減少を防ぎましょう。セロトニンの分泌を増やすには、適度な運動や、良質な睡眠、日光浴、そしてセロトニンの原料となる、「トリプトファン」が含まれた食品を積極的に食べるようにしましょう。

食事の内容を工夫する

セロトニンの原料となるトリプトファンが含まれた食品は、具体的には、玄米やバナナ、チーズ、卵、豆腐などです。炭水化物やビタミンBと一緒に、バランスよく摂ると効果が高まります。炭水化物はダイエットの敵と思わず、通常の食事でバランスよく摂りましょう。また、生理前は血糖値の急激な上昇を抑える大豆製品がおすすめです。

どうしても食欲が抑制できないときは、栄養価の高い間食を摂ることで食欲を落ち着かせましょう。例えばバナナやリンゴなどの果物は栄養価が高く、生理前のむくみを取る効果もあって一石二鳥です。ナッツ類も、少量で満腹感を得られ、栄養もあるため間食におすすめです。生理がはじまり、セロトニンやエストロゲンの分泌量が通常に戻ってホルモンバランスが整えば、自然と食欲も収まってきます。

食事や適度な運動でホルモンバランスを整えて、食欲をコントロールしよう

月に一度訪れる女性特有の生理は、女性ホルモンの分泌によって調整されています。そのホルモンの分泌量の変化によって、心身に現れるさまざまな症状のひとつに食欲増加があります。食べたい衝動は、自分の気持ちの弱さやストレスではなくホルモンの作用かもしれません。無理に押さえつけることなく、仕組みを知ることで適切に対処しましょう。自分の体調や気持ちの変化をよく観察しながら、適度な運動や、過食を防ぐための食事方法など、ご自身にあった方法を試してみてください。生理と生理前の食欲と、上手に付き合って健康な心と体を保ちましょう!

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