健康長寿ウォーキング!たわらもと健幸ポイント事業

健康長寿ウォーキング!たわらもと健幸ポイント事業

奈良県田原本町で、健康寿命を延ばし、地域全体で支え合う新たな取り組みが始まっています。そのひとつが「たわらもと健幸ポイント事業」です。この事業は、日々の健康づくりを“見える化”し、楽しみながら継続できる仕組みを提供することで、健康寿命の延伸を目指します。

本記事では、この画期的な事業がどのように地域住民の健康を支えているのか、その詳細や参加の仕組みについて掘り下げていきます。

田原本町の健康に向けた取り組み

田原本町では、高齢者の健康寿命延伸と地域全体で支え合うための、さまざまな健康増進・介護予防の取り組みを推進しています。

具体的には、約1300人が参加する「たわらもと健幸ポイント事業」で楽しく歩きながら介護予防につなげ健康寿命の延伸を図るほか、自治会ごとに約700名が参加する「いきいき百歳体操」で身体機能の維持向上を目指しています。

さらに、男性向けの「俺たちの運動教室」や、認知症のある方とそのご家族、支援者が集まる「オレンジカフェ」、観光ボランティアの案内で地域の魅力を再発見しながら介護予防や健康増進を図る「たわらもと魅力発見ウォーク」も実施。

このほかにも認知症への理解を深める「認知症サポーター養成講座」など、多様なプログラムを通じて、住民一人ひとりの健やかな生活を支援し、地域全体の活力向上に貢献しています。

「たわらもと健幸ポイント事業」

「たわらもと健幸ポイント事業」は、65歳以上の高齢者の介護予防を目的とした健康増進事業です。

「歩くこと」と「測ること」を基本とした事業となっており、参加者が活動量計やスマートフォンを活用して自身の健康状態を「見える化」することで健康増進をはかります。

参加者は、歩数や身体の変化に応じて健幸ポイントを獲得でき、貯まったポイントは年度終了後に最大2,000円相当の地域商品券と交換することが可能です。

取り組みのきっかけ

2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、後期高齢者が急増することで、今後医療費や介護給付費の増大が懸念されています。田原本町でも医療費・介護給付費の適正化が急務となりました。

そこで、令和2年度から国の交付金を活用し、飛び地型自治体連携プロジェクトとして「健幸ポイント事業」を開始。歩くことでインセンティブとしてポイントを付与する仕組みを導入し、健康無関心層にアプローチすることで具体的な運動のきっかけを作りました。

令和6年度に5年間の交付金が終了したタイミングで、過去5年間の事業期間中に行った医療費・介護給付費抑制効果の分析から、高齢者への効果が高いことが判明したため対象年齢を20歳以上から65歳以上に変更し、介護予防に特化しました。

今後は高齢者を対象とすることで、介護給付費の増大を抑制し、健康寿命の延伸を目指していきます。

健康以外にも地域との繋がりを育む

この事業が始まった令和2年度は、全国的に外出を自粛するコロナ禍でしたがこの事業が参加者の外出するきっかけとなりました。また、活動量計のデータを送信するために、町内10カ所に設置された拠点へ住民が足を運ぶことが、地域交流を促すきっかけにもなっています。

さらに、スマートフォンアプリ「からだカルテ」の活用支援は、スタッフのサポートがあるからこそ高齢者のデジタルデバイド解消にも役立っています。このように健康増進に留まらず、地域との繋がりやデジタル活用の促進にも繋がっているのです。

「たわらもと健幸ポイント事業」に参加している方々からは、「足首を骨折したものの、日ごとに回復し、以前と同じように歩けるようになった」という声や、「90代という年齢でも、医者いらず、薬いらずの生活を送れている」という喜びの声も寄せられています。

また、「ダイエットに成功し、高血圧も改善した」という報告もあり、この事業が参加者の健康寿命の延伸に大きく貢献していることがうかがえます。

健幸ポイント交換が地域活性化にも貢献

貯まった健幸ポイントは、「いきいき健幸商品券」に交換できます。この地域商品券は町内の店舗で利用できるのが魅力。

地域経済の活性化につながっており、ポイントが貯まるというインセンティブが、参加者のモチベーション維持にも効果を発揮しています。

運動量が大幅にアップ!

「たわらもと健幸ポイント事業」は、参加者の運動習慣づくりに大きく貢献しています。令和5年度のアンケートでは、参加者の約74%が「事業開始前と比べて自分の居住地域で歩いている人が増えた」と回答。これは、事業が地域全体で歩く機会を増やし、運動への意識を高めていることを示しています。

さらに、具体的な身体の変化も顕著です。参加者のBMIの平均は27.1%から26.1%に、筋肉率の平均は男性26.2%から27.2%、女性20.4%から21.0%へと改善が見られました。

これらの数値的な成果に加え、ウェルビーイング指標も向上していることも驚きです。令和6年度の調査では、「自分は健康である」という主観的健康観が85%から90%へ、「生きがいが高い」が62%から75%へ、「幸福度が高い」が52%から61%へと、それぞれ参加者のQOL(Quality of Life)向上に繋がっていることが伺えます。

これらのデータは、「たわらもと健幸ポイント事業」が単なる運動促進に留まらず、参加者の心身両面の健康増進に大きく貢献していることを明確に示しています。

住民への周知は今後も課題に

広報紙やSNSなどに加え、参加者の口コミが非常に効果的でした。現在約1,300人の方が参加しています。(町の高齢者人口約13%)健康へ関心のある層への周知は進んだ一方で、運動習慣がない高齢者へのアプローチはこれからも続きます。

これからも参加者の具体的な成果やエピソードを、さらに多くの高齢者へと伝え、健康への意識を向上させる方針です。

介護予防のセルフケアとして「たわらもと健幸ポイント事業」を定着させたい

2025年には団塊の世代が全員75歳以上となり、後期高齢者の急増に伴う医療費や介護給付費の増大は、社会全体にとって喫緊の課題です。このような状況を踏まえ参加者一人ひとりが主体的に取り組む「介護予防のセルフケア」として、さらに定着させていく考えだといいます。

「たわらもと健幸ポイント事業」は、単なる健康増進のインセンティブに留まらず、地域全体で支え合う健康長寿社会を目指す素敵な取り組みでした。

令和7年度「たわらもと健幸ポイント事業」 新規参加者募集

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