足がつりやすい妊婦さんのお悩みに!こむら返り(足のつり)の原因と正しい対処法を知り、妊娠中でも快適なマタニティライフを

激しい運動をしたあとや脚にだるさがあるとき、または寝ているときなどに「こむら返り(足のつり)」が起こったことはありませんか?こむら返りは、年齢・性別を問わずに起こる可能性がある症状ですが、とくに妊婦さんに現れやすいと言われています。今回は、そんなこむら返りの原因と正しい対処法、予防法について解説。妊娠中にこむら返りでつらい思いをしないためにも、症状の原因を知って予防・早期改善に努めましょう。

こむら返りとは?起こる原因や妊婦さんに起こりやすい理由も解説

「こむら返り」とは、いわゆる“足がつった状態”のこと。筋肉が痙攣(けいれん)を起こすことで生じる症状で、医学的には「有痛性筋痙攣」や「筋クランプ」とも呼ばれます。

「こむら=ふくらはぎ」なので、ふくらはぎにのみ起こる症状だと思われやすいですが、実は次のような部分にも起こることがあります。

<こむら返りが起こる症状(例)>

・足の裏
・足の指のつけ根
・太もも
・胸 など

こむら返りは運動中や就寝中に発生しやすく、症状が現れるとその部分に激しい痛みが生じます。ほとんどの場合、患部の痙攣は数分でおさまりますが、症状が落ち着いてもしばらく痛みはとれないのが厄介なポイントです。

とくに寝ている間にこむら返りが起こると、驚きと痛みで目が覚めてしまい「眠れなくなってしまった…」なんてこともあるかもしれませんね。就寝中のこむら返りが続いてしまうと、睡眠障害になる可能性も。“こむら返りなんて大したことない”と軽視はできません。

こむら返りの原因

こむら返りは、筋肉の伸縮バランスが乱れることで起こります。通常、筋肉は脳からの指令によって収縮運動を行いますが、何らかの原因によって問題が起きると、筋肉の一部にしか指令が届かない状態になります。そうなると、その筋肉部分に異常な緊張が起こり、収縮したままの状態になってこむら返りの症状が現れるのです。

明確な原因は判明していませんが、次のような行為や事象が症状を引き起こしやすいと言われています。症状を緩和するためにも、ぜひチェックしてみてください。

<こむら返りを誘発する行為、事象(例)>

  • 筋肉疲労
  • 栄養不足
  • 血行不良
  • ミネラル不足、またはミネラルバランスの乱れ
  • 水分不足
  • 冷え
  • 急激な寒暖差
  • 筋肉量の減少
  • 病気による神経障害
  • 薬の副作用など

 こむら返りは年齢・性別に関係なく起こる症状ですが、妊娠することで症状が現れやすくなる場合があります。「今まで経験したことがなかったのに、急に…」なんて方も多いのです。

なぜ妊婦さんにこむら返りが起きやすいの?

妊婦さんがこむら返りを起こしやすい理由としては、「筋肉疲労」「血行不良」「ミネラル不足、またはミネラルバランスの乱れ」が挙げられます。胎児の成長とともに徐々に体重も増えていきますが、この体重増加によって脚への負担も増加。筋肉疲労や血行不良を起こして、こむら返りが生じやすくなるのです。

また、お腹が大きくなることで骨盤まわりの血流が悪化。こむら返りだけでなく、むくみも生じやすくなるため注意が必要です。

さらに摂取した栄養素が自分の体だけでなくお腹の中の赤ちゃんにも届けられるため、いつも通りの食事では栄養が不足しがちに。とくに、ミネラル(カルシウム、マグネシウムなど)が不足しやすいと言われています。妊娠後期になると循環血流量が増えることによって血液が薄くなり、ミネラルバランスがさらに崩れやすくなるため、意識してミネラルを摂取していかなければなりません。  

足がつったときの対処法

こむら返りは何もしなくても数分待てばおさまりますが、激しい痛みがともなうので一刻も早く症状を緩和したいですよね。つらい痛みが生じた際は、次の対処法を試してみてください。 

こむら返りを緩和する、簡単ストレッチ

  1. 座った状態で、こむら返りが起こっている脚を前に伸ばします。
  2. 伸ばした足のつま先を手でつかみ、反らせるようにして引っ張りましょう。手でつま先を掴むのが難しい場合は、タオルを足先に引っかけて引っ張ってもかまいません。

妊婦さんが前かがみの姿勢をとると、子宮に負担がかかる可能性もあるため要注意。つま先を掴む姿勢が負担になりそうであれば、壁と向かい合わせになるように座り、足の裏を壁に押し付けながらふくらはぎの筋肉を伸ばしてみましょう。 

こむら返りの予防におすすめの方法

次は、こむら返りの予防法を3つご紹介します。日常で簡単にできる方法なので、妊婦さんもぜひ積極的に取り入れてくださいね。

脚を温める

こむら返りは、脚の血行不良が原因で起こることがあります。血行不良は「冷え」が要因になりやすいため、脚を冷やさないように心がけましょう。とくに冷房で足元が冷えたり、お風呂をシャワーで済ませたりしやすい夏場は要注意。「冷房が効いた部屋ではレッグウォーマーを使用する」「暑い日でも湯船に浸かって温まる」など、末端を温める生活を意識しましょう。 

ミネラルを意識して摂取する

カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、神経の伝達を円滑にする役割があります。ミネラルは体で生成されない栄養素なので、意識して摂る必要があります。カルシウムやマグネシウムを多く含む食材は次の通りです。

<カルシウムを多く含む食材>

  • 乳製品
  • 大豆製品
  • 魚介類 など

<マグネシウムを多く含む食材>

  • そば
  • 豆類
  • 海藻類など

 適度に運動をする

運動をすることで、筋肉量の維持や血行促進効果が期待できます。血流が促進されると、疲労回復にもつながります。日常生活に運動を取り入れ、習慣化しましょう。おすすめは、だれでも簡単にトライできるストレッチやトレーニングです。スキマ時間や就寝前などに取り入れていきましょう。 

妊婦さんもOK!こむら返りの予防におすすめのストレッチ&筋トレ

最後に、こむら返り予防におすすめのストレッチ&筋トレをご紹介します。妊婦さんでもトライしやすい簡単なものをセレクトしたので、ぜひ実践してみてくださいね。

①アキレス腱伸ばし

ふくらはぎにある腓腹筋を伸ばすアキレス腱ストレッチ
ふくらはぎにある腓腹筋を伸ばすアキレス腱ストレッチ

こむら返りが起こりやすいのは、ふくらはぎの裏側にある「腓腹筋(ひふくきん)」です。アキレス腱伸ばしのストレッチを行って、この大腿骨からかかとに向かって付着している筋肉をほぐしていきましょう。

■実際に行ってみましょう

難易度:易しい

  1. 直立姿勢で両手を天井に向かってまっすぐ伸ばし、伸ばしたい方の脚を後ろに引いて床につけましょう。
  2. 姿勢はまっすぐ伸ばしたまま、体重を前側の脚に乗せていきます。
  3. アキレス腱の伸びを感じながら、15~20秒ほどキープ。
  4. 1の姿勢に戻り、反対側も同じようにストレッチをします。

■アキレス腱のばしのポイント

体重を前側の脚に乗せる際、後ろに引いている脚の膝はしっかりと伸ばしましょう。体に力を入れず、リラックスした状態で腓腹筋の伸びを感じてください。両手を天井方向に伸ばした際にバランスが崩れてしまう場合は、両手を腰に当てましょう。

②ランジ

大腿四頭筋やハムストリングスを鍛える脚を前後に開くスクワット
大腿四頭筋やハムストリングスを鍛える脚を前後に開くスクワット

上半身を起こしたまま屈伸運動を行うランジは、お腹を圧迫しにくく妊婦さんにもおすすめ。姿勢を正すように意識しながら、大腿四頭筋やハムストリングスを鍛えていきましょう。

■実際に行ってみましょう 

難易度:易しい

  1. 背筋を伸ばして立ち、両足を肩幅ほどに開きます。このとき、両手は腰にあてておきましょう。
  2. 右足を前に踏み出し、右膝が90度くらいになるように腰を落としていきます。
  3. 上半身が左右にブレないように気を付けながら、数秒キープします。
  4. 1の状態に戻ったら、反対の脚と入れ替えて行います。
  5. 1~4を左右交互に数回繰り返してください。

■ランジのポイント

姿勢が崩れないように、目線はまっすぐ正面を向くようにしましょう。脚を前に踏み出すときは、膝がつま先よりも前に出ないように注意してください。

予防法を取り入れてこむら返りしにくい体を手に入れよう

今回は、こむら返り(足のつり)の原因や対処法・予防法などをご紹介しました。こむら返りは誰にでも起こり得る症状ですが、とくに体の変化が大きい妊婦さんに現れやすいもの。つらい症状に悩まされないためにも、日常で予防法を取り入れていきましょう。お腹を圧迫するような姿勢やハードな運動を避けながら、無理なくこむら返りを予防・緩和してください。

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