【実体験】美ボディ大会(コンテスト)とは?受賞歴がある兵藤明日香さんへインタビュー!
監修者情報
兵藤 明日香
パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクター
パーソナルトレーナー、フィットネスインストラクターとして都内で活動。2016年から3年間株式会社ティップネスにてスタッフとして活動し、フィットネスクラブの現場業務を全般的に経験。2019年4月フリーランスに転身。今後もお客様の目標達成のお手伝いに努めながらも、トレーナー・インストラクターを志す方々のお手伝いができるような事業展開も視野に入れながら現在活動中。
◾️資格
・トレーナー資格CFSC
・全米ヨガアライアンスRYT200
・栄養コンシェルジュ
・日本脱力関節調律協会ゴルフ上達関節調律師(2021.4~2022.9)
女性向け美ボディ大会(コンテスト)とは?
美ボディ大会(コンテスト)は、その名のとおり「美しい体」を披露して競い合う大会で、「フィットネスコンテスト」や「ボディメイクコンテスト」などと呼ばれることもあります。近年のフィットネス需要拡大や健康志向の高まりを受けて、美ボディ大会の注目度もアップ。2022年北京五輪で銀メダルを獲得したカーリング女子・藤沢五月さんが、これまでのイメージを覆すムキムキボディで大会に登場し話題になったのも記憶に新しいですよね。
大会には、「トレーニングの成果を披露したい」「同じ志をもつ仲間を作りたい」「トレーニングのモチベーションを高めたい」など、一人ひとりがさまざまな目的を持って参加しています。
協会ごとに主催されている
大会は各協会ごとに開催されており、たとえば「BEST BODY JAPAN(ベストボディジャパン)」は一般社団法人 ベストボディ・ジャパン協会が、「JBBF(Japan Bodybuilding & Fitness Federation)」は公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟が主催しています。協会によって大会のテーマや審査基準、出場資格、大会スケジュールなども異なり、日本国内での開催をメインにしていたり、国をまたいで開催していたりとさまざまです。
身長や年齢によって出場枠が決められている
同じ大会であっても、身長や年齢、テーマなどによって出場枠が分けられているのが一般的。たとえば「BEST BODY JAPAN(ベストボディジャパン)」であれば、ベストボディ・ジャパン部門とモデルジャパン部門、そしてマッスルモデル&フィットネスモデル部門の3つの出場枠が用意されています。それぞれ審査基準が異なるので、エントリー前に自分がどの部門に適しているのかを見極めましょう。
美ボディ大会(コンテスト)の3つの審査基準
美ボディ大会(コンテスト)では出場する大会や出場枠(部門)によって、審査基準や高く評価される項目が異なります。いわゆる“ボン・キュ・ボン”なメリハリボディが好まれる大会もあれば、ほっそりした細マッチョが評価される大会も。エントリー時には大会の審査基準をチェックしておきましょう。
- 美ボディの仕上がり具合
- 仕草や体の動きなどを含むポージング
- 衣装やメイクアップとのマッチング
上の3つは、多くの大会で審査基準となる項目です。もちろん大会によって異なりますが、ひとつの基準として知っておきましょう。
美ボディの仕上がり具合
もっとも重要視されるのは、やはり「体の仕上がり具合」です。発達しすぎていない適度な筋肉美や腹筋がはっきり割れたムキムキボディなど、大会ごとに異なる“美ボディ”の定義に近い体になっているかどうかを評価されます。この「体の仕上がり」という言葉は美ボディ大会やフィットネス界でよく使われるフレーズで、トレーニングに取り組んで理想のボディに近づいた状態を指します。
仕草や体の動きなどを含むポージング
多くの美ボディ大会では、決められた衣装を身にまとった出場者たちが審査員や観客の前でポーズを決めます。審査対象となる部位の筋肉を「マッスルコントロール」により上手く出せているか、左右の肩の高さや左右の背中の広がりなど、いわゆる“シンメトリー”(どれほど左右対称になっているか)にポーズを決めることが綺麗に見せるポイントでもあります。ポーズのうまさやかっこよさのほか、姿勢の良さやポージングのときの態度、ウォーキングの様子などが評価基準に含まれる場合も。手の動きや筋肉の見せ方など、細かな仕草までチェックされます。
衣装やメイクアップとのマッチング
衣装の指定がある大会も多く、「その衣装が似合っているのか」「どのくらい魅力的に表現できているのか」なども評価基準になります。ルックスを評価する項目ですが、単純な外見の良さだけでなく、笑顔や目の動き、表現力なども見られます。
【美ボディ大会受賞者】torcia(トルチャ)インストラクターの兵藤明日香さんへインタビュー
美ボディ大会(コンテスト)は日頃のトレーニングの成果を発揮し、評価を受ける大会です。モチベーションアップや刺激にもつながる絶好の機会。日々フィットネスに励んでいる方の中には、美ボディ大会に参加してみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、美ボディ大会で数多くの受賞経験をもつtorcia(トルチャ)インストラクターの兵藤明日香さんにインタビュー。「どうやって準備しているの?」「結果を出すにはどうすればいいの?」など、気になる疑問にお答えいただきました。美ボディ大会に興味をお持ちの方、ファイナル出場や入賞など次のステップに進みたい方はぜひ参考にしてくださいね。
兵藤明日香さんのプロフィール
インストラクター/トレーナー歴5年。2019年からボディメイクコンテスト出場に向けて本格的にトレーニングを開始し、2020年より出場。
2020年 Summer Style Award関東大会Rookie Challenge Cup3位
2021年 Summer Style Award東京Spring3位
2021年 Summer Style Award横浜準優勝
2022年 Summer Style Award横浜3位
2022年 Summer Style Award日本大会5位&特別賞
2022年 J-classic大阪 優勝
2022年 K-classic GRAND PRIX Amateur優勝(PROカード獲得)
2022年 K-classic PRO戦優勝
2022年 Summer Style Award KOREA Amateur優勝(PROカード獲得)
など輝かしい成績を残す。インストラクターとしては、自身も取り組んだ筋トレ、食事管理、姿勢改善、関節可動域改善などをもとに、一人ひとりに合ったトレーニングを提供している。
美ボディコンテストへの出場を決意した理由
──そもそも美ボディコンテストに出場しようと思ったきっかけは?
兵藤明日香さん(以下、兵藤さん):大会出場を志したのはフリーのインストラクターとして独立した2019年でした。すでに多くのレッスンを受け持っていてインストラクターとしては多くのお客様からご支持をいただいていたのですが、ある日鏡を見たときに「あれ?私ってこの体でいいんだっけ」と思うようになって。もちろん当時もある程度トレーニングはしていたのですが、細身だったこともありかなり華奢に見えましたね。今より筋肉量は少なかったです。
トレーナーは、通ってくれているお客様の“手本”や“目標”であるべき。だからこそ、この見た目のままではトレーナーとして説得力がないなって思うようになって……。自分が目指すトレーナー像に近づくためにまずは見た目を変えよう、ボディメイクしようと思い立ったんです。
──美ボディコンテストへの出場は、トレーナーとしての自信をつけるためでもあった?
そうですね。だれがどう見ても「あ、この人ちゃんとトレーニングしているよね」と思ってもらえるトレーナーになりたかったんです。自分が必死に言葉で説明せずとも、お客様のほうから興味を持ってもらえる存在になりたいという思いもありましたね。
「毎日の積み重ね」が美ボディコンテストで結果を出す秘訣
──大会出場からわずか2年で優勝されていますよね。どのような準備をしたのでしょうか?
兵藤さん:私の場合、基本的には大会の8週間前からいわゆる「減量期」をスタートしています。一般的には3〜6ヶ月以上の減量期間を設けている方が多いのですが、私の場合職業柄日々の活動量が高いこともあり、それほど長くとっていません。
とはいえ体重を増やす「増量期」も「なんでもあり!」というわけではなくて。とくに上位入賞を狙うようになった2021年以降は「減量期」「増量期」どちらも日々食事やトレーニングに気を配り徹底し、年間を通して“準備期間”のような感じですね。大会前とそれ以外の期間で強弱はあるものの、常に自分の体と向き合うことが結果を出す秘訣かなと思います。
──毎日が準備期となるとつらくなる瞬間もあるのでは?
兵藤さん:それが不思議となくって(笑)!最初はトレーナーとして結果を出したいという想いからだったのですが、今は自分が望んで出場しているから“楽しい”が勝っていますね。たとえば、今は体重を増やす「増量期」で、私にとっては「たくさん食べなくてはいけない」ということがちょっとキツイ時期なんです。でも、うわ〜キツイと思いながらも苦痛ではないんですよね。
──メンタルを維持する秘訣や工夫はありますか?
ストレスを溜めないよう、減量期とうまく付き合うようにしています。食事が良い例なのですが、大会に出場しはじめたばかりの頃は減量期に入ったらすべての外食の予定を断っていたんです。でも食べられないうえに、友人と会えない寂しさもあって……。
減量に慣れてきた今は、大会前に友人の結婚式や食事会に参加することも多いんです。“これくらい食べたら何キロ増える”という自分の体の基準が明確になってきたので、大会に支障がない範囲で参加しています。お店を選ぶときにヘルシーで美味しいレストランを提案するなど、できる範囲でうまくコントロールできています。
美ボディコンテスト出場で得たこと
──美ボディコンテストで結果を残していますが、周囲からはどのような反応がありましたか?
兵藤さん:実際に私の変化を見たお客様からは「頑張ったら体って本当に変わるんだね」という言葉をかけていただきました。口ではなく体で証明する、美ボディコンテストに出場するきっかけでもあったところなので嬉しかったですね。
──トレーナーとしての変化はありますか?
綿密にボディメイクや食事管理、トレーニングをするようになったことで得たものも大きかったです。たとえばお客様から「(ダイエットの)停滞期に入った」とご相談を受けたとき。以前からも勉強した範囲内では理論的な説明はできていたのですが、“なんで停滞しているんですかね”って聞かれたときに一般的な教科書通りの説明しかできなくて……。今思えば結構抽象的な説明だったと思います。
自分自身が、知識のもと本気で減量やボディメイクに取り組んだからこそ、経験をもとに提案できることが増えて、よりお客様の役に立てるトレーナーになれたのではないかなと思っています。
兵藤明日香さんの全ての原動力とは?
──着実に前に進み続ける兵藤さんの“糧”、原動力を教えてください。
兵藤さん:一言でいえば、私にとってフィットネスが「愛」と「熱」を最大限に注げる存在だったから、ですね。最近はよく「やりたいことを仕事にする」「好きなことを仕事にする」なんて言われますが、私も色々な仕事を経験したうえで今の仕事に就いていて。
「好きなことを仕事にする」ことは簡単なことではないですし、決して楽(らく)なことばかりではありませんが、だからこそ自分の生きたいスタイルで生きることの大切さを身をもって感じています。(美ボディ大会についても)もちろん良い順位の成績を出したいという気持ちもあるのですが、 それ以上に努力の過程さえも心から楽しめています。それは、自分の愛と情熱を目一杯注げる存在だからなんでしょうね。
──最後に、今後美ボディ大会出場を目指す方、上位入賞を目指している方それぞれにメッセージをお願いします!
兵藤さん:はじめて大会に出場される方は、「出てみたい!」と思ったら、とにかくまずは挑戦してみてほしいです。大会では審査員からのフィードバックを貰えますので、まずは出場してみてご自分の「現在地」を知ることからだと思います。私もゼロからのスタートだったのですが、理想の体を掲げて少しずつ目標へと近づいていきました。自分のペースを大切に、「極端に」ではなく「段階的に」運動と食事を整えていくことが理想を叶える近道になると思います。
すでに出場して上位入賞を目標にしている方には、「コンディショニング」の重要性をお伝えしたいです。出場者のなかにはストイックになるあまりオーバートレーニングによる疲労の蓄積でケガをしたり体調を崩したり、無理な食事制限で過食や拒食になったりする方もいらっしゃいます。ケガをしないために、綺麗に筋肉をつけるためにも、日々のストレッチやリリースもかなり重要です。体調を整えないと、筋肉を育てるにも除脂肪をするにもうまくいきません。質の良い十分な睡眠や、バスタブを使った入浴や交代浴(水風呂とお湯、交互に入浴すること)、腸内環境の管理も大事だったりします。とにかく自分の体を愛し、大切にしながらトレーニングしていきましょう。
フィットネス女子に人気の美ボディ大会にトライしてみよう
大会やコンテストと聞くと「自分にはハードルが高い」と思われるかもしれませんが、美ボディ大会(コンテスト)はトレーニングや筋肉、フィットネスを愛するすべての人のための場所。多くの協会がコンテストを開催し、さまざまなカテゴリーも用意されています。モチベーションアップや仲間との出会い、フィットネスのスキルアップにもつながりますので、ご自身が出られそうな大会・出てみたい大会を探してみましょう。まずは、怖がらずにレッツトライ!美ボディ大会への出場をきっかけに、フィットネスを、鍛えた体を、自分自身をもっと愛してあげましょう。