企業や近隣自治体とコラボで健康増進!相模原市の健康づくり

循環器病のリスクと減塩の必要性

2019年の神奈川県の分析調査※1によると、相模原市の循環器病による死亡率は県平均を上回っていることが判明しました。
循環器病は高血圧や動脈硬化と密接に関係しており、その一因としてあげられているのが、食塩の過剰摂取です。
厚生労働省が定める食塩摂取量の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。
しかし、神奈川県の平均摂取量はこの目標値を約3g上回っており、相模原市でも減塩への意識改革と具体的な対策が急務となっています。
実際に、令和3年度に市が実施した市民生活実態調査によると、成人の5人に1人が高血圧で治療を受けていることが判明。
さらに令和6年度に市が行った実態把握では、男性の2人に1人、女性や3歳児の4人に1人が塩分をとりすぎているという現状が明らかになっています。
無理なく続けられる!相模原市の具体的な減塩への取り組み

こうした背景を受けて、相模原市では「さがみはら街ぐるみ減塩プロジェクト」が立ち上がりました。
減塩を身近に、賢く美味しく進めるために、「まずはマイナス1グラム」をスローガンに、市民一人ひとりが減塩を“自分ごと”として捉えられることを目指した取り組みがスタートしています。
参加型イベントで楽しく学ぶ
食生活を振り返るきっかけとして、相模原市ではさまざまなイベントの場を活用した啓発が行われています。
市内の大型ショッピングモールで開催した「わくわくいっぱい!食育ひろば」では、食品に含まれる塩分量をクイズ形式で楽しく学べるブースが設けられました。
参加者からは「パンにもこんなに塩分が含まれているとは知らなかった!」「外食が多いので、これからはメニュー選びに気をつけたい」といった声があがり、食生活を見直す良いきっかけづくりになったようです。
企業や近隣自治体との「コラボレシピブック」も刊行
さらに近隣自治体と連携し、複数の企業から協賛を得てレシピブックを刊行! これを市民に無料配布する取り組みも毎回好評です。
県をまたいだ自治体間のコラボレーションは全国的にもめずらしく、市域を越えた人々の生活圏で健康づくりを支える取り組みとして注目されています。
無理なく減塩に取り組めるメニューや、暑い季節でも自炊を乗り切るための簡単レシピなど、バリエーション豊かな内容で実践的なレシピを提供しています。
減塩メニューを掲載したレシピブックは、単に塩分を控えるのではなく、食材のうまみやだし、香辛料などを効果的に活用することで、美味しく満足感のある減塩料理を実現するための工夫が凝らされています。
一般的に減塩は普段の食生活に制限がかかる印象を持たれがちです。例えば、これまで習慣にしていた料理が楽しめなくなる、味が薄くて美味しくないというイメージがどうしてもつきまといます。
そのため、読んでいて楽しくなるようなレタリングやキャッチーな表現が用いられており、減塩に対するネガティブな印象が払拭される内容になっています。
レシピブックは相模原市のホームページから閲覧可能

市担当者が「特におすすめ」と話すのが、暑い季節でも電子レンジで手軽に作れるメニューを掲載した「レンチンで野菜革命レシピブック」です。
味の素株式会社をはじめとする企業と協賛してレシピを考案しており、「ピーマンときゅうりのオイスターナムル」など、火を使わずに野菜をたっぷりとれるレシピが紹介されています。
また、一人暮らしの学生さんにもおすすめの「ガチ1分クッキング with ラブベジ(R)」では、東京家政学院大学の学生さん達が考案した栄養バランスにも配慮されたレシピが掲載されています。
火を使わずにもみ込むだけで調理が叶う「チキンコールスロー」など、忙しい方でも簡単に作れるレシピは必見です。
次回以降のレシピブック制作は決まり次第告知され、公民館やスーパーマーケットなどで配布される予定です。
このほか、レシピブックに掲載しきれなかった東京家政学院大学の学生さん考案レシピは、相模原市公式Facebook「健活さがみはら」で閲覧可能です。
塩分摂取の要因を把握し、より具体的な減塩の提案を目指す

今後も「さがみはら街ぐるみ減塩プロジェクト」をはじめとした生活習慣病対策を推進していく動きは変わらないようで、「みんなで支え合う健康都市さがみはらを目指したい」と市担当者は語ります。
街ぐるみでの減塩を加速させていくためにも、「どのような食品からどのくらい塩分を摂取しているのか、食塩摂取の要因をより詳細に分析していく予定です」と意気込みを語ってくれており、今後のプロジェクトの動向にも期待が寄せられます。
※1 県内二次医療圏別 疾病・医療費関連データ分析(国民健康保険および後期高齢者医療制度レセプト集計データに基づく二次医療圏比較等)
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