「化粧品に効果があってはいけない」って本当？

「化粧品に効果ない」というより「化粧品は効果・効能を言及できない」というのが正しいです。化粧品の広告では「効果がある」という表現を使うと薬機法（薬事法）違反となるためです。

効果があるという表現はできないものの、商品の成分表には配合量が多い順に表記されているので、その成分について調べるとその商品の効果・効能がわかります。

たとえば、「レチノール」は細胞のターンオーバーを促進してくれたり、「ビタミンC誘導体」は皮脂の分泌をサポートしてくれます。自身の悩みに合わせた成分が入っている化粧品を使うことで、効果が実感できる可能性があります。

化粧品と医薬部外品の違い

そもそも化粧品と医薬部外品って何が違うの？と思いますよね。

化粧品と医薬部外品の違いについて表にまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。

	定義	対象の商品
化粧品	容姿に変化をもたらす商品	化粧水などスキンケア用品、メイクアップ用品、シャンプー、ハミガキ粉など
医薬部外品（薬用化粧品）	「あせも」や「ただれ」、「ニキビ」の防止などに使用された商品	化粧水などスキンケア用品、整腸薬、コンタクトレンズ洗浄液など

医薬部外品の方が化粧品よりも効果・効能の範囲は広がります。化粧品であるにもかかわらず、医薬部外品のみに認められている効果・効能を言及すると、薬機法違反になってしまうのです。

化粧品で認められている効果

化粧品で認められている効果は、「うるおいを与える」や「肌のキメを整える」など、基本は肌のメンテナンスにかかわるものです。

化粧品の効果・効能の範囲は「化粧品等の適正広告ガイドライン」にて56個定められていて、この56個の効果・効能以外の表現はできません。

万が一ガイドラインから逸脱した表現をしてしまうと、薬機法違反となってしまいます。

たとえば「肌あれを防ぐ」という表現はできても、「肌あれを改善する」という表現はできないのです。

医薬部外品で認められている効果

承認された成分を規定量以上配合している医薬部外品でも、基本的には「予防・洗浄」の効果・効能に留まり、「治す表現」は認められていません。
「化粧水や乳液だけで肌あれを改善！」というような表現もできないのです。

ただ化粧品とは違い、「ニキビを防ぐ」「メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ」という言い回しは可能です。
ほかにも、薬用せっけんには「皮膚の殺菌・消毒」が認められるなど、化粧品に比べると認められている効果が多くなります。

化粧品が向いている人の特徴

化粧品は、「今の肌状況をより良くして、肌を美しく見せる」商品であるため、肌あれのや悩みの有無にかかわらず美容全般に興味がある方におすすめです。
防ぎたい肌悩みがない場合は、さまざまな化粧品を試せるチャンスでもあります。自分の肌の状態をみて、試してみたい成分や気になる商品を試してみるのもよいですよ。

医薬部外品でなくても、成分表記は配合量の多い成分順になっています。使ってみたい成分が最初の方に書いてある商品を選んでみてくださいね。
ただし、配合量が1％以下の成分は順不同の記載になっているため注意が必要です。

医薬部外品が向いている人の特徴

医薬部外品は、化粧品では対策できないような肌の悩みを予防したい方におすすめ。

たとえばニキビを防ぎたい場合は、「ニキビを防ぐ」という化粧水や乳液を選ぶとよいでしょう。
ニキビ予防の有効成分としては、殺菌効果の「サリチル酸」や抗炎症効果の「アラントイン」「グリチルリチン酸ジカリウム」などがあります。

また、肌あれや「日焼け」によるシミ・ソバカスの予防と肌の清浄を求める方は、化粧品と医薬部外品（薬用化粧品）の併用がおすすめですよ。

日焼けによるシミ・ソバカスはその日のうちのケアが重要なので、化粧品でケアしつつ、医薬部外品で肌あれを予防するなど、上手に商品を組み合わせて対策しましょう。

自分に合った化粧品で肌あれを予防しよう！

本記事では、「化粧品は効果があってはいけないのか？」について、化粧品と医薬部外品の違いも含めて解説しました。

「化粧品に効果がない」というより「化粧品は効果・効能を言及できない」ため、効果を感じるかどうかは人それぞれです。医薬部外品（薬用化粧品）ではないからといって肌が美しくならないとも限りません。

自分の肌の状態をみて、適切に商品を選んでいくことが大切なのです。自分の肌に合った化粧品を見つけ、日々のケアで肌あれを予防し、すこやかな肌を目指しましょう！