更年期特有のイライラやストレスを解消したい!「更年期障害」が起こる原因、症状緩和に効く生活習慣とは

更年期特有のイライラやストレスを解消したい!「更年期障害」が起こる原因、症状緩和に効く生活習慣とは

更年期特有のイライラや気分の落ち込みといった不安定な精神状態でお困りの方のために、つらい症状の改善方法をご紹介する記事です。自律神経の整え方に詳しいヨガインストラクターが、食事や運動といった生活習慣を通して更年期障害を緩和する方法を解説します。

監修者情報

坂本 真由美

坂本 真由美

ヨガ講師、ライター、風水師、占星術師

2013年からフリーランスのヨガインストラクターとして活動。大手フィットネスクラブのレッスンを担当したり、自宅からのオンラインレッスンを開催中。
「シンプルで、自然に沿った暮らしを楽しむ」をテーマに、風水や星の動きを生活に取り入れている。

■資格

・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・IHTAヨガインストラクター1級
・Yoky風水プラクティショナー
・空間Detox®インストラクター
・Astroratio USA Academy認定占星術師

更年期障害とは

いつも心身ともに健康でいたいのに、自覚できるほど周囲に八つ当たりしてしまう…。更年期特有の精神的な症状は、他人に説明しづらく、つらいものですよね。突然自分の性格が悪くなったように感じて、落ち込んでしまう方もいるでしょう。

そういった悩みを持つ方の中には、気分の浮き沈みに翻弄され、ひとりでストレスを抱えている可能性も。原因や対策を探り、少しでも晴れやかに過ごせる方法を見つけましょう。

そもそも更年期とは?

女性ホルモンの分泌量は、閉経前後に急激に減少します。このホルモンバランスの乱れによって引き起こされるさまざまな不調を「更年期障害」と呼びます。

更年期と呼ばれる時期はいつから?

女性が閉経を迎える時期は、一般的に45~55歳ごろといわれます。個人差はありますが、閉経前5年間と閉経後5年間をあわせた10年間が「更年期」とされています。たとえば、52歳で閉経する方の場合は、47~57歳ごろが更年期の期間です。

更年期障害のなかでも自律神経の乱れで起きる症状とは?

更年期に生じる症状のなかでも特につらいのは、気分の浮き沈みやイライラなどの精神的な不調。どこまでが病気のせいなのか線引きしづらく、家族や職場での理解を得るのも難しいですよね。

更年期ならではの精神的な不調は、主に「自律神経」の問題によって引き起こされています。具体的には以下のような症状が挙げられます。

憂うつ

40歳は“不惑”といわれますが、更年期障害がはじまるとむしろ迷うことが多くなり、心が落ち着かない状態に陥ります。老後への不安、これまでの人生に対する反省や落ち込みなど、暗い気持ちにとらわれやすくなるのです。

イライラ

ささいな出来事にカッとなって暴言を吐いてしまったり、物に当たってしまうことがあります。常に何かに身構え、起こった出来事に反撃しようとするような緊張状態も症状のひとつです。

物忘れや記憶力低下

やろうと思っていたことを忘れてしまったり、忘れ物が増加。会話のなかで人やモノの名前が出てこなくなったり、適切な言い回しが見つからないことも頻発します。

不眠

ベッドに入ってから1時間以上も目が冴えて眠れなかったり、眠りが浅く何度も目覚めたりしてしまいます。長時間眠ることができず、一旦目が覚めるとそのあと眠ることができないという方も。慢性的な睡眠不足に陥り、疲労感が残ったままになります。

なぜ更年期になると不調を引き起こすのか?

更年期障害は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量の減少が原因
更年期障害は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量の減少が原因

更年期障害は、更年期にさしかかったすべての方に起こるわけではありません。ではどのような場合に、更年期障害が引き起こされるのでしょうか。

女性ホルモン「エストロゲン」の揺らぎ

更年期障害は「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌量の減少が原因で起こります。体内のさまざまな機能を調節しているホルモンのバランスが乱れることにより、体調に変化をきたすのです。

エストロゲンの減少は閉経期の女性に必要なことですが、脳はこの急激な減少を“異常”ととらえてしまいます。足りないエストロゲンを補おうとさらにエストロゲンを出すように卵巣に指示し、体はアンバランスな状態に。このように体内の指示がちぐはぐになり、自律神経の調節がうまくいかなくなることで更年期障害が起こるのです。

更年期障害の症状を緩和する方法

更年期障害の症状を和らげるのは栄養バランスの良い食事を三食しっかりとること
更年期障害の症状を和らげるのは栄養バランスの良い食事を三食しっかりとること

つらい更年期障害の症状は、毎日の食事や運動習慣で改善することができます。気軽に実践できる方法を紹介するので、ぜひ試してみてください。

食事

更年期障害の症状が強く出ない方の特徴のひとつに、「一日三食、規則正しい食事をとっていること」が挙げられます。栄養バランスの良い食事を三食しっかりとることが、自律神経の安定を促して更年期障害の症状を和らげてくれるのです。

特に、女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」や、ホルモンバランスを整える作用のある「ビタミンE」は積極的に毎日の食事に取り入れましょう。牛乳を豆乳に変えたり、肉の代替商品として近年人気の大豆ミートを取り入れるのもよいですね。

有酸素運動習慣

体を動かすことも、更年期障害によるイライラや不安感の解消に役立ちます。

「気分がふさいでいてとても動く気分になれない」という方も多いかと思いますが、いきなり激しい運動をする必要はありません。まずは20分程度のウォーキングなど、気楽に取り入れられるものからはじめてみましょう。もともと体を動かすことが好きな方は、エアロビクスやZUMBA®など、大きく体を動かしてストレス解消できるものがおすすめです。

運動が苦手で走ったり踊ったりするのはちょっと…という方には、ゆったりとした呼吸に合わせて動く「ヨガ」が最適!自律神経を整えるヨガについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。初心者の方でも自宅で簡単にトライできるヨガポーズばかりなので、さっそく今日から試してみてはいかがでしょうか。

睡眠習慣

自律神経を安定させて更年期障害の症状を抑えるためには、「良質な睡眠」が欠かせません。すでに更年期障害で睡眠に関するお悩みを抱えている場合は、睡眠の質を上げる工夫を取り入れましょう。

まずは、部屋の灯りの調整から。“日が昇ると起き、日が沈むと寝る”という自然のリズムを再現するため、眠る1時間くらい前から部屋の照明を徐々に落としていきましょう。さらに、使用する照明の位置を低く、床に近いものに切り替えてみてください。

リラックスできる灯りに切り替わったら、自律神経を整える「夜ヨガ」に挑戦してみましょう。ヨガにもさまざまな種類がありますが、入眠前には激しい動きのないリラックスヨガが適しています。夜におすすめのヨガポーズは、こちらの記事で紹介しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。

毎日寝る前にヨガを行うことで、“この動きのあとは寝る時間だ”と体が覚えてくれます。自然と眠りにつきやすくなるため、入眠障害にお悩みの方にもおすすめです。

積極的に更年期障害と向き合い、将来を充実させよう

気分が落ちてしまい、無気力状態になったり怒りっぽくなったりする「更年期」。本記事でご紹介した生活習慣の改善はもちろん、気心の知れた友達との食事やお気に入りの映画を観賞するなど、リラックスできる時間も増やしていきましょう。“どうしようもないこと”と思われがちな更年期障害ですが、少しの工夫で症状は緩和できます。更年期障害が改善され、かつバランスの良い食生活や運動習慣が身についたら、今後の人生にとってプラスになることばかりですね!

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