ダイエット後にリバウンドする原因は?体重&ボディラインをキープするコツと、リバウンドを防ぐ生活習慣
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
ダイエット後の生活が原因?リバウンドしてしまうメカニズム
「つらい食事制限をしてダイエットに成功したのにまた体重が増えてしまった……」と、体重計の上で落ち込む瞬間ってありますよね。ダイエット後に体重や体型が戻ってしまうリバウンドは、なぜ起こるのでしょうか。まずは、リバウンドしてしまうメカニズムから解説します。
体重を元に戻そうとする体内メカニズム「リポスターシス」
食事や生活リズム、運動不足など、ダイエット後にリバウンドしてしまう原因はさまざまですが、大きく関係しているのは「リポスターシス」と呼ばれる体内メカニズムです。
これは体重が急激に増減した際に「レプチン」というホルモンの分泌が加減され、元の体重に戻るように調節される仕組みのこと。例えダイエットをして5kg体重が落ちたとしても、このリポスターシスが働くことで脳から体に食欲増大や消費カロリー削減の信号が出され、体重が戻りやすくなるのです。
リバウンドを繰り返すことで太りやすくなる
ダイエット→リバウンド→もう一度ダイエット……と、リバウンドを繰り返してしまう方も多いのではないでしょうか。この体重増減のサイクルも、リバウンドが引き起こされる理由のひとつ。通常ダイエットをして体重を落としたときは脂肪とともに筋肉も減りますが、リバウンドするときは脂肪のみが増えます。つまり、リバウンド後は筋肉だけが減った状態になります。
筋肉量が少なくなった分、カロリー消費を助ける「基礎代謝」が下がり、蓄積した脂肪が燃焼しづらくなります。その結果、太りやすく痩せづらい体質へと変化してしまうのです。
危険なダイエットに要注意!リバウンドしやすいダイエット法
体のメカニズムやダイエット後の生活だけでなく、チャレンジしたダイエット法そのものがリバウンドの原因になっている場合も。リバウンドしやすい誤ったダイエット法を3つご紹介します。
① 過度な食事制限ダイエット
ダイエット中は体重を減らすことばかり意識してしまいますが、過度な食事制限は体重だけでなく筋肉量を減らす要因にもなります。筋肉が少なくなると基礎代謝も下がってどんどん太りやすい体になり、自然とリバウンドしやすくなってしまうのです。
また、食事制限により十分な栄養素を摂取できないと、だるさや体の重さ、疲れなどさまざまな不調が生じます。健やかな体を手に入れるためにも、過度な食事制限は避けてくださいね。
② 〇〇だけダイエット
世の中には、特定の食材だけを食べる「〇〇だけダイエット」が数多く存在します。りんごやバナナ、グレープフルーツといった果物をはじめ、ゆで卵や玉ねぎ、こんにゃく、サラダなどその種類はさまざま。しかし、この「〇〇だけダイエット」は生きていく上で必要な栄養素に対して、摂取する栄養が極端な偏食により偏ってしまいます。摂取する糖質が減ることで、頭がぼーっとしてしまったり、タンパク質が不足してしまうと筋肉が細くなってしまうことにも繋がり、健康的なダイエットとは言えません。
また、「〇〇だけダイエット」をしている期間は一時的に体重が落ちたように見えますが、それをやめたと同時に体重が元に戻りはじめてしまいます。リバウンドになりやすいため、おすすめではないでしょう。
③ 嘔吐や下剤を服用する危険なダイエット
体重の増減に一喜一憂するあまり、なかには嘔吐や下剤などを使って痩せようとする方もいます。食べたものをすぐに出せば“数字(体重)”は減りますが、これは本来のダイエットの意義とはまったく異なるものです。また、下剤量を誤ったり服用期間が長くなりすぎたりすると、健康状態が危うくなることも。危険なのでけっして手を出さないようにしましょう。
体重&ボディラインをキープ!リバウンドを防ぐダイエットのポイント
過度な食事制限や特定の食材だけを食べるダイエットなどが、リバウンドの原因になるとお話しました。では反対に、どのようなダイエットを選べばリバウンドせず、理想の体重や体型に近づけるのでしょうか。
食事と睡眠をしっかりとって生活習慣を整える
過度な食事制限はリバウンドの原因になりますが、食事バランスを整えることはダイエットにおいて重要なポイントです。炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルの五大栄養素をバランス良く摂取しながら、摂取カロリーを調整しましょう。お菓子や揚げ物などはカロリーが高く、脂質も多いので注意が必要です。
20代女性の場合、1日に必要となる総摂取カロリーは約1,650~2,200kcalです。カロリーを制限するために朝食を抜く方もいますが、朝食をスキップすると次に食事をとるタイミングで血糖値が急上昇し、脂肪が蓄積しやすくなります。
また、睡眠不足が続くと肥満につながるホルモンが分泌されやすくなります。三食しっかりとりながら十分に眠り、生活習慣を整えていきましょう。ダイエット中の食材選びのコツは、こちらの記事で詳しく解説しています。現役インストラクター直伝のメニューで、美ボディを目指しましょう。
運動をして筋肉量を増やす
リバウンドを防ぐためには、運動をして筋肉量を上げることも大切です。より多くの筋肉を動かすことはエネルギーを消費すること、ひいてはたくさんの脂肪を燃焼させることに繋がります。
運動で効率良く筋肉量をアップさせるためには、トレーニングでなるべく大きな筋肉を刺激するよう心がけましょう。とくにお尻まわりにある「大殿筋」や太ももの「大腿四頭筋」、背中に大きく広がる「広背筋」などがおすすめ。レンジやラットプルダウンなどを取り入れながら鍛えていきましょう。
おうちでできるトレーニングを探している方には、こちらの記事がぴったり。痩せるために鍛えたい筋肉や体型別のおすすめ筋トレを紹介しています。
ダイエット後の生活も大事!ボディラインと体重をキープするコツ
ダイエット中の過ごし方はもちろん、ダイエットが終わったあとの生活もリバウンドを防ぐうえでは重要です。ダイエットに成功したからといって、揚げ物や甘いものをたくさん食べたり、運動をまったくしないでいるとすぐに元通りに。食事への意識や運動習慣は続けていきましょう。
とはいえ、ずっとダイエットに取り組むのはつらいもの。我慢によって生じるストレスも肥満の原因になってしまいます。
そこで、ダイエット後は継続できる範囲で規則正しい生活をおくっていきましょう。忙しい日には無理して筋トレをしなくてもOK。そのかわり「階段を使う」「家から駅まで10分間歩く」など、生活の中で自然に体を動かしてみてください。
また、ダイエット後は食事も厳しく制限する必要はありません。「外食では栄養成分やカロリーに目を通す」「食事を記録して、栄養バランスを把握する」「野菜から食べて血糖値の上昇を緩やかにする」など、軽く意識するだけでも十分です。ボディラインと体重をキープするためにも、無理のない範囲で健康的な生活を続けていきましょう。
運動×食事でバランス良く体重を減らしていこう
せっかく成功したダイエットの効果を維持するためには、ダイエット法の選び方と終わったあとの生活習慣が大切です。過度な食事制限は体に負担がかかり、リバウンドも起こりやすいもの。栄養素をバランス良く摂取しながら、同時にしっかりトレーニングをして筋肉量もアップさせていきましょう。