サウナで得られる効果とは?正しい入り方や入浴時間、整う感覚を解説

サウナで得られる効果とは?正しい入り方や入浴時間、整う感覚を解説

この記事では、サウナに入って「整う」とはどういう状態なのか気になっているサウナ初心者の方向けに、「整う」とは何か、サウナの効果や入り方の注意点を詳しく解説します。この記事を読めばサウナのことがまるっとわかること間違いなしです!

監修者情報

山本 信子

山本 信子

ヨガ講師・ライター

2015年にヨガの聖地であるインドのリシュケシュにて資格を取得。

夫の駐在に帯同したインドネシアで日本人、インドネシア人の女性向けにヨガレッスンを行う。
インナーマッスルを鍛える動きのあるレッスンが得意。マタニティヨガ、子連れヨガクラスの指導経験あり。

■資格

・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・キッズヨガ指導者養成講座修了

サウナの基礎知識【整うって何?】

サウナ好きの方がよく使う「整う」という言葉。そもそもどのような感覚なのでしょうか。

「整う」感覚は人によって異なります。「体が軽くなる」「頭が真っ白になる」など、感想はさまざまですが、サウナによって得られる多幸感や心身がリフレッシュしたと実感する状態を「整う」と呼びます。

「整う」ためには、ただサウナに入ればよいというわけではありません。サウナに入る手順を踏む必要があります。

ステップ1サウナに入る
ステップ2水風呂に入る
ステップ3外気浴(休憩)をする

「整う」ためには、上の3つのステップを何度か繰り返し行ったあと、外気浴(休憩)をする際に体がふわっと軽く浮くような感覚を覚えたり、頭がすっきりと晴れ渡ったような感覚になることがあります。この恍惚感や幸福感を感じられると「整う」ことができたといえるでしょう。「サウナハイ」や「サウナトランス」とも呼ばれ、「瞑想」のような効果もあります。

この「整う」感覚に大きく関係するのが、自律神経です。サウナと水風呂では寒暖差が激しく、体は興奮状態になり交感神経が優位になります。しかし、上記の「整う」3ステップを繰り返していくうちに、気持ちよさやを感じたりリラックスしたりすると副交感神経が優位になり、体は幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」や、ストレスを和らげ精神の安定につながる「セロトニン」などを分泌。それが「整う」感覚につながっているのではないかと考えられています。

サウナに期待できる6つの効果

サウナの6つの効果

ここ数年、サウナは年代や性別を問わず幅広い層から人気を集めています。単に「整う」感覚に病みつきになるというだけではなく、さまざまな健康効果やリラックス効果、美容効果が期待できるからです。ここではサウナに期待できる6つの効果を解説します。

①血流の促進

種類や用途によって、サウナの温度・湿度はさまざま。湿度100%のミストサウナは室温40度ほど、遠赤外線の効果を利用する赤遠サウナは湿度10%で温度は60℃〜70℃。そして一般的な温泉施設にあるサウナで、近年のサウナブームの先駆けとなったドライサウナは湿度は10%程度、温度は80℃〜100℃以上と高温です。サウナにはさまざまな種類がありますが、どのサウナにも期待できる効果は熱を浴びることによる「熱気浴」からの体温上昇、発汗作用、血流の促進です。

これらのメカニズムは、熱の刺激によって交感神経が活発になり、心拍数が上がることで発汗作用が起こります。しばらくすると熱に慣れてきて副交感神経が活発になり、体がリラックスして血管が開き、血圧が下がってきます。血管が開くことにより、心臓に負担をかけずに血流が良くなるというわけです。サウナに入ると、血流量が安静時の2倍近くまで増えるともいわれています。

②疲労回復

サウナによって血流が促進されると、体のすみずみにまで必要な酸素や栄養が運ばれ、血管や内臓・脳の回復、疲労回復などの効果を得られます。このほか、筋肉内の血流促進によって肩や腰のこりをほぐしたり、末端の血管が拡張して冷え性を緩和するといった効果も。さらに、サウナから出たあとも長く保温効果が続きます。

③体臭改善

誰しもが気になる体臭は、汗をかくための体温調節がうまくできないことが原因で発生します。汗腺には成分がほとんど水分のサラサラした汗を出すエクリン腺と、成分が体内のタンパク質や脂質を多く含んだべとべとした汗を出すアポクリン腺のふたつがあり、加齢臭やワキガ臭といった体臭の原因となるのはアポクリン腺から出る汗です。

夏は冷房、冬は暖房と空調設備が整った環境で生活しているとエクリン腺の働きが悪くなり、アポクリン腺が活発化して体臭が強くなることがあります。サウナでしっかりと汗をかいて汗腺を鍛え、人間の体が持つ本来の機能を正常化させることで、エクリン腺の働きが活発になり体臭も改善されやすくなります。

④美肌効果

サウナの温熱効果によって血流が促進されると、美肌効果も期待できます。血液の巡りがよくなることで栄養が体中に届けられるほか、体内に留まっている毒素や老廃物なども効率よく排出できるように。肌つやがよくなり、むくみや吹き出物に悩まされることもなくなるかもしれません。

⑤ダイエット効果

サウナがもたらすダイエット効果にはふたつの要因があります。ひとつは、疲労物質である「乳酸の排出」です。せっかく運動をしても乳酸が溜まったままの状態では脂肪が燃焼されにくく、ダイエットには逆効果。サウナによって血流が促進されると、汗とともにこの乳酸も排出されます。

もうひとつは、血流の促進によって代謝が上がること。代謝がよいと運動をしなくても通常の生活でエネルギーを消費してくれるので、脂肪燃焼効果が上がり痩せやすい体質になっていきます。

⑥自律神経のバランスを改善

サウナでは、交感神経が優位な状態から、水風呂、外気浴のルーティンを続けていくことで副交感神経が優位になり、ホルモンバランスが整うことで恍惚感幸福感を得て「整う」状態になると解説しました。それはつまり、自律神経の乱れで引き起こされる、さまざまな心身のトラブルを改善することにもつながります。

自律神経が乱れると、不眠や睡眠の質の低下、食欲不振や倦怠感、気分の落ち込みやイライラといった精神的な不調のほか、更年期の症状なども生じることがあります。サウナで「整う」ことで、それらの症状が緩和する可能性があります。

【7ステップ】サウナの効果を高めて「整う」入り方

サウナの効果をさらに高める入り方
サウナの効果をさらに高める入り方

「整う」ためのサウナの入り方は冒頭で、サウナ→水風呂→外気浴(休憩)の3ステップと紹介しました。ここではサウナの効果をさらに高めるための入り方を具体的に解説します。

水分を補給する

最初のステップは水分補給です。サウナでは大量の汗をかくので途中で水分を摂るのはもちろん、事前にしっかりと水分補給することも忘れずに!

体を洗う

皮膚の汗腺に汚れが詰まっていると、発汗の邪魔になってしまい効果が半減してしまうため、体と頭(髪と頭皮)をきれいに洗ってから入りましょう。公衆浴場のエチケットとしても大切なステップです。

体を温める

高温のサウナに準備もなく入ってしまうと血圧が急に上がってしまう可能性があるため、先に体を温めてからサウナに入るようにしましょう。シャワーでも、お風呂につかってもOKです。体を温めて血行が促進された状態でサウナに入ることで、代謝アップ効果をさらに引き上げてくれます。

サウナ室に入る

サウナ室内にベンチが数段ある場合は上段の方が高温になるため、まずは下の段に座り、慣れてきてから上段に挑戦しましょう。入浴時間の目安は、60〜100℃以上の高温のサウナでは5〜10分、低温のサウナでは5〜15分です。とはいえ、その日の体調やサウナへの耐性は人それぞれです。脱水症状や熱中症になる危険もあるため、絶対に無理をしないように注意しましょう。

水風呂に入る

サウナから出たら、汗をかけ湯で流してから水風呂に入ります。目安は2分程度です。冷たい水は心臓への負担がかかる場合があり、血圧が上がってしまう可能性もあります。冷たいと感じる30℃程度のぬるま湯でも十分に効果があるので、水風呂でも無理はしないようにしましょう。

外気浴や休憩をしながら水分補給

水風呂から出たら体を拭いて休憩スペースへ。「整い椅子」などに座ってリラックスできる姿勢で休みます。このタイミングで水分もしっかり補給しておきましょう。屋外で外気浴ができる場所があれば外の風にあたって気持ちがよく、よりリラックスできるでしょう。

繰り返し入浴

ここまでの流れを2〜3回繰り返します。慣れるまではまずは1ターンをやってみましょう。何度も繰り返す場合は、休憩ごとにしっかり水分補給をしてくださいね。サウナで大切なのは、長時間入ることではなく、しっかり汗をかくこと。体調を見ながら無理をせず、回数や時間を調整しましょう。

サウナに入る際の注意点

「せっかくサウナに入るので効果的に入りたい」「慣れていないし、気分が悪くならないか心配」という方は必見。サウナの効果を十分に得つつ、体調を崩さないための注意点を解説します。

筋トレをしない

筋トレをすると過剰に汗が出てしまうだけでなく、血圧が一気に低下し、最悪の場合倒れてしまう可能性があります。危険なのでサウナ中はもちろん、サウナ前後にも筋トレは避けましょう。代わりにおすすめしたいのがマッサージです。サウナで血行が促進されているので、マッサージをすることでむくみ解消や凝りの改善効果が高まったり、老廃物の排出効果が上がり痩せやすい体を目指せます。

運動前ではなく運動後に入る

スポーツジムに併設されたサウナを利用する場合など、運動とあわせてサウナを効果的に使いたいならば、運動後に1時間程度クールダウンの時間を設けてから利用するのが効果的です。先にサウナに入ると体温が上昇したままで運動することになり、体に負担がかかってしまいます。

飲酒後は入らない

アルコールを摂った後は血管が広がり、一時的に血圧が下がります。運動後と同様、飲酒後にサウナに入るとさらに血流が促進され血圧が急激に下がってしまい、めまいや頭痛、動悸などが生じやすく大変危険です。さらに、サウナで汗をかくことで体内が水分不足の状態になると、アルコールが分解されづらくなります。つらい二日酔いの原因にもなるため要注意です。

「整う」を体感しながら効果的にサウナを利用しよう

発汗作用や血行促進、体臭改善、美肌、ダイエットといった健康・美容効果のほか、自律神経のバランスを整えるなどの精神的な効果など、サウナにはさまざまなメリットがあります。サウナの魅力を最大限感じるためにも、無理せず正しい入り方を守りましょう。人々をサウナのとりこにさせる「整う」感覚も、正しいステップを踏むことで得られます。ぜひ正しい手順と注意点を守ってサウナを楽しみ、その効果を実感してくださいね!

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