「保湿しすぎ」はどれくらい?肌に起こるトラブルと正しいケアを紹介
本記事でご紹介する商品・サービスは、実際に執筆者が使用・体験した上でレビューを行っています。
どれくらいが「保湿しすぎ」になる?
保湿しすぎると、肌トラブルの原因になることがあります。では、どれくらいが「保湿しすぎ」になるのでしょうか?以下の項目をチェックしてみてください。
- 化粧水や乳液などを、製品の使用推奨量を超えて使っている
- 油分が多い夜用のクリームなどを昼間も使っている
- 油分が多い部分用のクリームなどを顔全体に使っている
- 油分が多い乳液やクリームなどを重ねづけしている
- 保湿を1日3回以上する
- 保湿した直後ではないのに、肌がベタつく
- 皮脂が多い
- 保湿しているはずなのに肌が乾燥する
- 保湿しているはずなのに毛穴が目立つ
これらのうち1つでも当てはまった方は、「保湿しすぎ」の状態になっているかもしれません。本記事を参考に、スキンケアを見直してみましょう。
保湿のしすぎで肌に起こる5つのこと
保湿をしすぎると、ニキビや毛穴の開きといったトラブルを招く可能性があります。ニキビや毛穴の開きを防ぐために行っている保湿が逆効果になってしまうのはなぜなのでしょうか?以下で解説します。
ニキビができる
ニキビができる原因は、大きく分けて3つあります。
- 皮脂が過剰に分泌される
- アクネ菌が増える
- 毛穴がふさがる
これらの原因が重なり、互いに影響を及ぼしながら、ニキビができていくのです。
保湿をしすぎると余計な油分が肌に残って皮脂と混ざり、毛穴がふさがれることがあります。毛穴がふさがれることで皮脂が詰まり、それをエサにしてアクネ菌が増えると、ニキビの原因になります。
特に、皮脂の分泌が多いオイリー肌の方が油分の多いアイテムで保湿をしすぎると、ニキビができやすくなるでしょう。肌質に合ったアイテムで適度に保湿をすることが大切です。
毛穴の開きが目立つようになる
洗顔やクレンジングのしすぎなどで肌が乾燥していても角質がゴワゴワして毛穴が目立ってきますが、保湿しすぎても毛穴の開きが目立つ場合があります。
油分の多いクリームなどを重ね塗りしすぎると油分が肌に残り、毛穴に入り込んでしまう可能性があるのです。
また、前述したように保湿のしすぎはニキビの原因にもなり得ます。ニキビの炎症が悪化したりニキビをつぶしたりすると、その部分の毛穴が開いたまま目立ってしまうことがあります。その開いた毛穴に保湿剤や皮脂が詰まると、さらに毛穴が目立ったり肌が荒れたりする悪循環になりかねません。
肌にかゆみが生じる
本来、肌には乾燥などのダメージから自分たちを守るバリア機能が備わっています。バリア機能があるからこそ、肌はうるおいを保って健康的な状態でいられるのです。
保湿をしすぎると肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなったりニキビができやすくなったりします。その結果、肌にかゆみが生じることも。
また、敏感肌の人は特に、保湿剤そのものや保湿剤をつけるときの摩擦がダメージとなり、かゆみを生じる場合もあります。
\\\たった2本でうるおう///
肌がたるむ
先ほど、保湿しすぎると肌のバリア機能が低下すると述べました。バリア機能が低下すると、かゆみを生じるだけでなくたるみの原因にもなりかねません。
それは、肌本来の保湿機能が失われてしまうから。肌のうるおいをキープできなくなると肌のハリがなくなり、たるみやすくなるのです。
年齢肌が気になるからといって保湿剤を使いすぎると、かえって老けて見える原因になる可能性があるので気をつけましょう。
皮膚炎になるケースもある
保湿をしすぎると肌のバリア機能が低下し、肌のうるおいを保つ機能が弱まります。その結果、肌が乾燥によるダメージを受けて皮膚炎を発症する可能性も。
また、皮膚炎は刺激のある成分への接触によっても誘発されます。使っている保湿剤が肌に合っていない場合、それらを大量に、そして繰り返し使うことで皮膚炎になる場合もあります。
皮膚炎の主な症状は、かゆみや赤み、腫れなどです。しっかり保湿をしているはずなのにこれらの症状が現れたときは、保湿のしすぎを疑ってスキンケアを見直したほうがよいでしょう。
違和感があれば早めに皮膚科へ相談することをおすすめします。
肌の保湿をしすぎないために覚えておくべきポイント
ここまで説明してきたように、肌を保湿しすぎると悪影響が出る場合もあります。かといって、スキンケアをまったくしないわけにはいきません。保湿をしすぎず適度にケアするには、以下のポイントを押さえましょう。
クレンジングは素早く終わらせる
クレンジングをしすぎると肌に必要な油分まで奪ってしまい、乾燥を感じやすくなります。その結果、必要推奨量の保湿剤ではうるおいが足りないように感じられ、過剰に保湿剤を塗ることになりかねません。
クレンジングは素早く終わらせ、すすぐときはお湯ではなくぬるま湯を使う、メイクが濃くないときは洗浄力が強すぎないものを選ぶなど、肌に必要な油分まで奪わないように気をつけましょう。
特に肌が乾燥しやすい方は、洗浄力がマイルドなクレンジングがおすすめです。
洗顔をしすぎない
1日に何回も洗顔したり、1回あたりの洗顔に時間をかけすぎたりと、洗顔をしすぎても肌に必要な油分を奪うことにつながります。強い力でゴシゴシ洗うのはもってのほか。肌の油分を奪うだけでなく、摩擦によるダメージを与えてしまいます。
洗顔をするときは洗顔料をよく泡立て、泡で包み込むように優しく洗うのがコツです。クレンジングと同様に、すすぐときはぬるま湯を使いましょう。
乾燥肌の方には、保湿成分が配合された洗顔料や優しい洗い心地の洗顔料がおすすめです。脂性肌の方には、短時間でサッと皮脂を落とせる適度な洗浄力の洗顔料が適しています。
化粧水は肌を叩いて浸透させない
化粧水を浸透させたいからといって肌を叩くと、ダメージを与えてしまいます。手のひらで包み込み、優しく押し込むようにして浸透させましょう。
タオルで強くこすったりメイクをするときに力を入れすぎたりするのも、摩擦になって肌にダメージを与えるためNGです。
「肌は叩かず、摩擦を与えない」と覚えておきましょう。
うるおい成分が多く入った化粧品は重ねて使わない
うるおい成分が多く入った化粧品は、使用推奨量を超えて重ねづけしないようにしましょう。特に油分の多いものは、重ねづけすると肌の油分が過剰になる可能性があります。
また、保湿したいからといって過剰に重ねづけすると、肌の油分と水分のバランスが崩れる原因にもなります。化粧品は適切な使用量を守りましょう。
自分の肌質にあった保湿剤を選ぶ
カサカサしがちな乾燥肌の方と、皮脂の分泌が多いオイリー肌の方では、必要な保湿剤の成分が異なります。
例えば、乾燥肌であればうるおい成分の多い化粧水を使い、クリームは油溶性のうるおい成分を含むものがよいでしょう。
オイリー肌であれば、化粧水はうるおい成分を含むものを選び、クリームは油分の多すぎない軽めのものがおすすめです。
自分の肌質を見極め、肌質にあった保湿剤を選びましょう。自分の肌質がよくわからない場合は、一度カウンセリングを受けてみるのも手です。
ミネラルオイル(鉱物油)の入った化粧品は避ける
化粧品の保湿成分として、ミネラルオイルが使われることがあります。
ミネラルオイルとは、石油由来のオイルのこと。石油由来というと肌に悪いイメージを持つ方はいるかもしれませんが、現在のミネラルオイルは精製度が高く、肌に害はありません。
ただし、保湿力がある一方で肌への密着度が高く、べたつきを感じることも。使いすぎると毛穴をふさいでニキビなどの原因になる可能性があるため、特にオイリー肌の方は使用を控えましょう。
保湿グッズは時間を守って使用する
シートマスクやスチーマーなどの保湿グッズについて「長く使うほど肌がうるおって良いのでは」と考えている人はいるかもしれません。しかし、それは間違いです。
パッケージに記載してある目安時間を超えてシートマスクを肌に乗せていると、せっかく肌に与えた水分がシートに奪われてしまいます。
また、スチーマーは使いすぎると肌のバリア機能を弱め、肌のコンディションが乱れる原因にもなりかねません。
このような事態を防ぐため、保湿グッズは目安時間を守って使用しましょう。
【肌質別】正しい保湿ケアの方法
肌質によって、必要な保湿ケアは変わってきます。これを理解せずにスキンケアをすると、保湿しすぎになったり、逆に乾燥したりする可能性も。ここからは、乾燥肌・オイリー肌・混合肌の肌質別に、正しい保湿ケアの方法を紹介します。
乾燥肌
乾燥肌向けの保湿ケアのポイントは以下の通りです。
- クレンジングは洗浄力の強いオイルタイプではなく、優しい使用感のジェルタイプを選びましょう。
- 洗顔料は洗浄力がマイルドなもの、保湿成分が配合されたものを選びましょう。
- 化粧水は、肌にうるおいを与えてバリア機能を強化するのに役立つセラミド入りのものがおすすめです。
- 化粧水を使うときは、コットンパックをして肌にしっかり入れ込みましょう。乾燥が気になるところには重ねづけします。
- 乳液は、肌からの水分の蒸発を防ぐエモリエント成分(油溶性のうるおい成分)が多めに入ったものを選びましょう。化粧水と同じく、乾燥が気になるところには重ねづけします。
- 乳液を使っても乾燥が気になるときは、クリームの使用も検討しましょう。
オイリー肌
オイリー肌向けの保湿ケアのポイントは以下の通りです。
- クレンジングや洗顔料で余分な皮脂を落としましょう。とはいえ、長時間ゴシゴシ洗うのはNGです。短時間で皮脂を落とせるタイプのものを選びましょう。
- オイリー肌でも保湿は大切です。肌のバリア機能が高まればニキビもできにくくなるため、バリア機能を助けるセラミド入りの化粧水がおすすめです。
- 化粧水はコットンパックで入れ込みましょう。
- 「オイリー肌だから」と乳液を使わないのはNG。乾燥した肌を守ろうと、かえって皮脂の分泌が多くなる可能性があります。毛穴がふさがれないよう、ミネラルオイルの入っていない乳液で保湿しましょう。乾燥が気になる部分には軽めのクリームを使ってもOKです。
混合肌
混合肌向けの保湿ケアのポイントは以下の通りです。
- 混合肌は肌の水分が少なく、油分が多い状態です。水分と油分のバランスを整えるには、水分補給が重要。化粧水は、肌のうるおいを守るセラミド配合のものを選びましょう。
- 肌にしっかり水分を届けるため、化粧水はコットンパックで入れ込みましょう。乾燥やテカリが気になる場所には化粧水を重ねづけしましょう。
- せっかく肌に水分を補給しても、そのままでは蒸発してしまいます。乳液を塗ってうるおいを閉じ込めましょう。日中のテカリが気になる場合は塗布量を減らすか、油分の少ないものに変えましょう。
- 乾燥が気になる場所には、保湿クリームを塗りましょう。
保湿のしすぎに関するQ&A
保湿しすぎでニキビはできる?
ニキビは乾燥が原因でできることもありますが、保湿のしすぎでできることもあります。
油分の多い保湿剤を使いすぎると、肌に残った余計な油分と皮脂が混ざり、毛穴がふさがれやすい状態に。毛穴がふさがれると、皮脂が詰まってアクネ菌が増え、ニキビを誘発します。
皮脂が多いオイリー肌の方は特に要注意です。
保湿しすぎのサインは?
基本的に、肌質に合わせた適切なスキンケアができていれば保湿しすぎにはなりません。
1日何回も保湿したり油分の多いアイテムを重ねづけしたりしていて、以下の項目に当てはまる人は、保湿しすぎかもしれません。
- 保湿した直後ではないのに、肌がベタつく
- 皮脂が多い
- 保湿しているはずなのに肌が乾燥する
- 保湿しているはずなのに毛穴が目立つ
保湿しすぎに気をつけて適切なスキンケアをしよう
肌の保湿は重要ですが、使用推奨量を超えて保湿剤を使ったり1日に何回も保湿したりするのは逆効果になる可能性もあります。
例えば、保湿しすぎるとニキビができたり毛穴が目立つようになったりすることも。
また、肌のタイプによっても必要な保湿ケアや適したスキンケアアイテムは変わってきます。自分の肌質を知り、肌質に合った保湿剤を適切に使用しましょう。
保湿しすぎに気をつけて適切なスキンケアを続ければ、コンディションの整った美肌に近づけるはずです。