白髪にブリーチするとどうなる?メリット・デメリットとおすすめカラー・ケア方法
監修者情報

水谷 さなえ
美容ライター・編集者
東北大学大学院農学研究科にて生理学を学ぶ。在学中からモデル・マネージャーとして美の世界に携わり、大学院修了後は美容情報サイトの企画やディレクションに携わる。
現在は美容系メディアのライター・編集者として活動中。
◼︎資格
日本化粧品検定1級
生物科学修士
みんなが知りたい!本当に染まるカラートリートメント

白髪にブリーチしたらどうなる?

白髪はすでにメラニン色素が失われているため、ブリーチをしても「真っ白」に変わることはありません。白髪は大きく変化せず、そのまま残るものです。
一方で、黒髪部分はブリーチによって明るくなるので、白髪との境界がなじみやすくなります。
全体のコントラストがやわらぎ、白髪が目立ちにくく見える効果が期待できます。
ただし注意点もあります。ブリーチ後の髪は黄ばみが出やすく、白髪と黒髪では光の反射や質感に違いがあるため、完全に均一な仕上がりにはなりません。
理想の色味に近づけるには、追加のカラーリングやトナーでの調整が必要です。
白髪にブリーチするメリット・デメリット

白髪にブリーチをすることには、メリットとデメリットがあります。この点を理解して、自分に合った選択が重要です。
では、実際にどのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
メリット
白髪にブリーチをすると、黒髪とのコントラストがやわらぎ、全体が自然で柔らかい印象に仕上がります。
従来の暗いトーンで染める白髪染めとは違い、透明感のある軽やかなカラーにできる点が大きな特徴です。
髪色が明るくなることで顔まわりもトーンアップし、血色が良く見える効果も期待できます。
年齢による肌のくすみをカバーしたい人にはうれしいポイントです。
さらに「白髪を隠す」のではなく「白髪を活かす」発想に切り替えられるのも魅力です。
グレイヘアへの移行を前向きに楽しめるスタイルとして取り入れやすく、年齢を重ねた髪だからこそ似合う新しいおしゃれを表現できます。
デメリット
ブリーチは髪と頭皮に強い負担を与え、ダメージが蓄積しやすいのが大きなデメリットです。
キューティクルが開いて内部のたんぱく質が変質することで、髪の強度が落ち、切れ毛やパサつきが起こりやすくなります。
さらに、ブリーチ後の髪は黄ばみが残りやすい特徴があります。
これは髪に残っている黄色系の色素が抜けにくいためで、白髪を理想的な色合いに保つにはパープルシャンプーやカラートリートメントなどの継続的なケアが欠かせません。
こうしたケアを続けるには手間やコストもかかるため、仕上がりの美しさと維持の負担をどうバランスを取るのかを事前に考える必要があります。
【おすすめカラー】白髪にブリーチした後に選びたい色味

ブリーチ後のカラー選びは、仕上がりの印象を大きく左右します。
白髪の活かし方や好みの雰囲気に合わせて色味を選びましょう。
ここでは、白髪を活かすためのおすすめのカラーや工夫を4つ紹介します。
白髪ぼかしハイライトで自然になじませる
部分的にブリーチを入れるハイライトは、白髪をデザインの一部として、全体を自然に見せる方法です。
全体ブリーチと比べて髪への負担が少なく、美容室での施術時間やダメージが気になる人にも取り入れやすいのが特徴です。
ハイライトを入れることで髪に立体感や動きが生まれ、白髪が目立ちにくくなるのがメリット。
スタイルに奥行きが出るため、若々しい印象に仕上げたい場合も向いています。
さらに、根元が伸びても境界がはっきり出にくいので、頻繁に染め直さなくても自然な状態を保てるでしょう。
結果として、メンテナンスの手間やコストを抑えやすいというメリットもあります。
ハイトーンベージュやグレージュで柔らかい印象に
ベージュやグレージュは、白髪と黒髪のコントラストを自然にぼかせる万能カラーです。
明るさのトーンを均等に整えられるため、幅広い年代に取り入れやすいのが特徴です。
特にグレージュは、グレーの落ちつきとベージュの温かみをあわせ持ち、白髪を目立ちにくく見せながら柔らかな雰囲気を演出します。
さらに、ベージュやグレージュには肌の血色を引き立てて顔色を明るく見せてくれる効果もあります。
オフィスシーンでも浮かないナチュラルな仕上がりになるため、働く女性から支持される色味です。
シルバー・アッシュ系で白髪を活かす
シルバーやアッシュ系のカラーは、ブリーチ後に残りやすい黄ばみを抑える効果があります。
白髪をより自然に見せながら、黒髪部分とのコントラストもなじませてくれるのが大きな魅力です。
仕上がりはクールで洗練された印象になり、光に透けたときの透明感も引き立ちます。
落ちついた大人らしさを演出したい人に向く色味と言えるでしょう。
また、グレイヘアへ移行している途中の過程でも取り入れやすく、白髪を隠すのではなく“活かす”スタイルを楽しめます。
ラベンダー系で華やかに見せる
紫シャンプーが黄ばみを抑えるのは、色の関係で紫が黄色を打ち消すからです。
色相環(カラーチャート)で見ると、紫は黄色の正反対に位置しています。
補色を重ねると色が中和され、黄ばみが目立たなくなります。
ラベンダー系のカラーも同じ仕組みで、ブリーチ後に残る黄色味を打ち消して透明感を与えるため、髪全体を明るくきれいに見せたい人に効果的です。
加えて、ラベンダー特有のやわらかな色味は、上品さや女性らしい華やかさを引き出します。
肌のくすみを和らげ、顔色をワントーン明るく見せる視覚効果も期待できるため、年齢を問わず挑戦しやすいカラーです。
白髪を白く見せたい人が知るべきポイント

「白髪を真っ白にしたい」と考えてブリーチを検討する人は少なくありません。
しかし、実際にはブリーチだけでは白髪を理想の白さにすることはできません。
その理由と解決策を紹介します。
ブリーチだけでは「真っ白」にはならない
白髪はすでにメラニン色素が失われた状態のため、ブリーチをしてもこれ以上明るくすることはできません。
明るくなるのは黒髪部分だけであり、白髪そのものに変化は起こりません。
黒髪をブリーチでどれだけ脱色しても、白髪と同じ“純白”にすることは不可能です。
実際には黄味が残りやすく、白と金髪に近い色が混じった仕上がりになりやすいです。
さらに、白髪と黒髪では太さやツヤ、光の反射率が異なるため、同じようにブリーチしても見え方に差が出ます。
その結果、質感の違いが残り、髪全体を均一な白色に見せることは難しいと理解しておく必要があります。
白っぽくするにはトナーやシルバー系カラーが必要
真っ白に近い仕上がりを求める場合、ブリーチだけでは不十分です。
ブリーチ後にトナーやシルバー系のカラーを重ねる必要があります。
特にパープルやシルバーは、色相環で黄色の反対に位置するため、補色効果で黄ばみを抑え、よりクリアな色味を引き出せます。
ただし、このプロセスは仕上がりを左右する繊細な調整が必要です。
セルフカラーでは色ムラや想定外の発色になる可能性が高いため、美容室でプロに任せた方が安心です。
経験のあるスタイリストなら、黄ばみを抑えつつ均一な色合いを作り出し、理想に近い「白髪感」を実現してくれます。
ブリーチなしでできる白髪ぼかし

ここからは、ブリーチによるダメージが心配な人に向けて、より髪や頭皮に負担をかけにくい方法で白髪を目立ちにくくする方法を紹介します。
ブリーチをする前に試してみるのもよいでしょう。
カラーシャンプーで徐々になじませる
パープルやシルバーのカラーシャンプーを取り入れると、紫外線や酸化による白髪特有の黄ばみを抑え、全体に透明感を与えられます。
サロンに通わなくてもセルフケアで使えるうえ、価格も手頃で続けやすいのが魅力です。
色素は一度で定着するのではなく、シャンプーのたびに少しずつ髪に入っていきます。
そのため、効果を実感するには週2〜3回のペースで継続することがポイントです。
急激に印象を変えるのではなく、自然にトーンを整えていくアイテムなので、髪色をナチュラルに保ちたい人や、グレイヘア移行中に違和感をやわらげたい人に向いています。
ただし、大幅なカラーチェンジには不向きなため、その点は理解しておく必要があります。
- リシリアフレル
- 株式会社ピュール
白髪染め+ハイライトの組み合わせ
白髪染めと合わせて部分的にハイライトを入れる方法は、髪全体へのブリーチに比べて髪や頭皮への負担が少なく、ダメージを最小限に抑えられます。
ハイライトが加わることで白髪と黒髪の境界線が自然にぼやけ、均一に染めなくても柔らかい仕上がりに見せられるのが特徴です。
また、明暗のコントラストが髪に立体感を与え、動きのあるスタイルを演出できます。
さらに、根元が伸びても境目が目立ちにくいため、頻繁にリタッチしなくても自然な状態を保てます。
施術範囲が部分的で済むので、全体ブリーチよりも時間やコストを抑えやすい点も大きなメリットです。
カラートリートメントでツヤを保つ
カラートリートメントは、色味の調整とダメージ補修を同時に行えるヘアケア用品です。
カラーシャンプーよりも染料の定着力が高く、短期間で色の変化を実感しやすいのが特徴です。
自宅で使えるため手軽さがあり、髪にツヤや潤いを与えながら理想の色味へ近づけることができます。
ダメージを気にせず色を重ねられるので、ヘアカラーを頻繁に変えたい人や、一時的なイメージチェンジを楽しみたい人にも向いています。
特にシルバーやアッシュ系のカラートリートメントは、白髪の黄ばみを抑えて全体に透明感を与える効果が高く、グレイヘアをより美しく見せたい人におすすめです。
- 利尻カラートリートメント
- 自然派club サスティ
【セルフで挑戦】白髪をブリーチする方法

「美容室でのブリーチはコストがかかるから、自分で試してみたい」と考える人も少なくありません。
ただし、セルフブリーチは正しい準備と手順を踏まないとダメージや失敗につながりやすいです。
ここでは、セルフブリーチに必要な道具から正しい手順、注意点まで解説します。
準備するもの(ブリーチ剤・カラー剤・ケア用品)
セルフで白髪をブリーチする前に、必要な道具をそろえておきましょう。
- 市販のブリーチ剤
- 希望する色味のカラー剤
- 補修ケア用品(たんぱく質系トリートメントなど)
- 保湿アイテム(ヘアオイルやアウトバストリートメントなど)
- 手袋・ケープ・ブラシといった作業用の小物
特に重要なのは補修と保湿のケア用品です。
ブリーチ直後の髪はキューティクルが開き、内部のたんぱく質や水分が失われやすい状態になっています。
内部を補修するアイテムと外側を保湿するアイテムを両方用意し、施術後すぐにケアできるように準備しておくと、ダメージを最小限に抑えられます。
また、ブリーチ剤やカラー剤を使用する前には必ずパッチテストを行い、肌トラブルがないか確認しておくと安心です。
手順(塗布→放置→流し→カラーオン)
セルフでブリーチを行う場合の基本的な流れは次の通りです。
- 乾いた髪にブリーチ剤を塗布
まずは毛先から塗りはじめ、最後に根元へ向かって広げていくのがポイントです。根元は体温の影響で明るくなりやすいため、順序を守ることで色ムラを防げます。特に後頭部は見えにくく均一に塗りにくいので、鏡を使って丁寧に確認しながら進めましょう。 - 規定時間放置
説明書に記載された時間を目安にしますが、初回は短めに設定して様子を見ましょう。髪質や室温によって明るくなるスピードは変わります。 - 洗い流して水気を取る
ブリーチ剤をしっかり落とし、タオルで水分を軽く拭き取ります。薬剤が残ると頭皮トラブルや色ムラの原因になります。 - カラー剤を重ねて再度放置
希望の色味をのせ、再び規定時間置きます。このときも放置時間を守ることが色ムラ防止のポイントです。 - カラー剤を洗い流す
頭皮や髪に残らないよう、ぬるま湯で丁寧にすすぎます。 - トリートメントで仕上げる
ダメージを受けやすいブリーチ直後に補修ケアを行うと、仕上がりの質感が大きく変わります。
セルフブリーチで特に大切なのは「時間管理」と「均一な塗布」。この2つを意識するだけでも失敗を大幅に減らせます。仕上がりを安定させたいなら、はじめは短めの放置時間で調整するのがおすすめです。
セルフで失敗しやすい例と回避法
セルフブリーチで最も多いトラブルは色ムラです。
薬剤の量が均一でなかったり、部位ごとに放置時間がずれてしまったりすると、仕上がりにばらつきが出ます。
さらに、ブリーチ剤が頭皮に直接つくと炎症やかゆみを引き起こす可能性があります。
放置時間を誤ると髪が必要以上に脱色され、希望よりも明るい金髪に近い色になるケースもあるので注意しましょう。
こうした失敗を防ぐには、必ず事前にパッチテストを行い、塗布は少しずつ丁寧に行うことが大切です。
時間は必ず説明書を目安に管理し、不安を感じる場合や仕上がりにこだわりたい場合は、美容室でプロに任せるのが安心です。
ブリーチ後のケアとおすすめアイテム

ブリーチをした直後の髪は、キューティクルが開いて内部の水分やたんぱく質が流出しやすく、乾燥や切れ毛などのトラブルが起こりやすい状態です。
美しい色味を保つためにも、日常的なケアが欠かせません。
まず取り入れたいのは、たんぱく質を補給できる補修トリートメントです。
インバスで使う集中ケアタイプを週1〜2回取り入れることで、パサつきを抑え、髪にしなやかさとツヤを与えられます。
さらに、普段のケアとしては洗い流さないトリートメントの使用が効果的です。
オイルやミルクタイプをドライヤー前に塗布することで、乾燥や熱ダメージから髪を守り、カラー後のきれいな質感を長持ちさせることができます。
ダメージが気になるときは、サロン専売の集中ケアマスクや美容液タイプのアイテムを併用するとより安心です。
- MEDULLA(メデュラ)
- 株式会社Sparty
白髪にブリーチに関するよくある疑問
ブリーチと白髪染めをすると白髪は増えるの?
ブリーチや白髪染め自体が直接的に白髪を増やすわけではありません。
しかし、薬剤の刺激によって頭皮や毛根に負担がかかると、活性酸素が発生しやすくなり、結果的に白髪が増えるリスクにつながると考えられています。
特に頻繁にブリーチの使用を繰り返すと頭皮へのダメージが蓄積するため注意が必要です。
白髪の進行を少しでも抑えるためには、ブリーチ後の保湿ケアや抗酸化作用のある頭皮ケアアイテムを取り入れるのがおすすめです。
市販ブリーチで白髪も染まる?
白髪はもともと色素が抜けているため、市販のブリーチで「真っ白」になることはありません。
ブリーチの効果があらわれるのは黒髪部分で、色を抜くことで全体を明るくし、白髪との境界線を目立たなくさせることが主な目的です。
そのためブリーチは、白髪を活かしつつ髪全体をなじませたい人に向いています。
40代・50代でもブリーチはあり?
ブリーチは年齢に関係なく可能ですが、40代以降は髪が細くなったり乾燥しやすくなったりと、髪質や頭皮環境に変化が出やすいため、若いころよりダメージを受けやすくなります。
そのためセルフでの施術はリスクが大きく、専門知識を持つ美容室で行うのが安心です。施術後は補修トリートメントや保湿ケアを習慣にすることで、ブリーチを取り入れながらも髪のツヤやハリを保ちやすくなります。
白髪染めとブリーチ、どちらを先にする?
基本的には「ブリーチで髪を明るくしてからカラーをのせる」のが正しい流れです。
白髪染めを先にしてしまうと色素が髪に残りやすく、ブリーチで抜けにくくなるため、希望の色味が出にくくなります。明るくしたい場合は必ずブリーチを先に行うようにしましょう。
ブリーチ後の伸びた白髪はどう対処すればいい?
時間が経つと根元の白髪が伸びて気になりやすくなります。その際は、美容室でのリタッチや部分的なハイライトを加えることで自然になじませることが可能です。
また、自宅ケアでは白髪染めシャンプーを取り入れると境界を柔らかく整えられ、次回のカラーまでのつなぎとして役立ちます。
白髪ブリーチで自分らしいおしゃれを楽しもう

白髪にブリーチをすることで「隠す」から「活かす」スタイルへ発想を変えることができます。
黒髪との境界をぼかし、軽やかで透明感のあるカラーを楽しめるのは大きな魅力です。
もちろんダメージやケアの手間は伴いますが、補修や保湿を丁寧に行えば美しい髪色を長くキープできます。
白髪を前向きにとらえ、自分らしいカラーリングを取り入れることで、新しいおしゃれや魅力を引き出していきましょう!










