家庭用蓄電池の価格はいくら?相場・内訳・高くなる理由までわかりやすく解説
監修者情報

高橋 卓也
ソーラーパートナーズ総研 所長/一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)住宅部会 普及促進WGリーダー
太陽光発電アドバイザーとして累計15,000件以上の相談に対応。専門知識を活かしてコンテンツ制作にも携わるほか、業界団体において住宅用太陽光発電の普及に向けたセミナー講演などを多数行っている。
◼︎資格
特定非営利活動法人 日本住宅性能検査協会(内閣府認証)
・太陽光発電アドバイザー
・ペロブスカイト太陽電池アドバイザー
・蓄電池アドバイザー
一般社団法人 日本不動産仲裁機構(法務大臣認証ADR機関)
・不動産ADR
みんなが知りたい!節電につながる蓄電池

家庭用蓄電池の価格相場はどれくらい?
家庭用蓄電池の価格は、本体価格と設置工事費を含めた総額で考えるのが基本です。
相場感としては、おおよそ100〜300万円前後を目安にしておくとよいでしょう。
一般的な家庭用蓄電池は、容量が20kWh未満(最大で19.9kWh程度)の製品が中心で、この範囲であれば、機器代や工事費、消費税を含めても200万円前後に収まるケースが多いのが実情です。
価格帯に幅が出る主な理由は、蓄電池の容量と設置条件による工事内容の違いです。
たとえば、容量が比較的小さく、設置環境もシンプルな場合は、100万円台前半〜後半に収まるケースもあります。
一方で、容量が大きく、配線の延長や基礎工事など工事内容が増える場合には、総額が300万円を超えることもあります。
このように、家庭用蓄電池の価格は「一律いくら」と決まるものではなく、容量と工事条件の組み合わせによって変動する設備であることを理解しておくことが大切です。
家庭用蓄電池の価格は「容量」でほぼ決まる

家庭用蓄電池の価格を最も大きく左右するのは、どれだけの電気をためられるかを示す「容量(kWh)」です。
基本的には、容量が大きくなるほど本体価格は高くなると考えて問題ありません。
その理由はシンプルで、容量が増えるほど内部に搭載されるバッテリーセルの数や制御部品が増え、製造コストが上がるためです。
この構造はどのメーカーでも共通しているため、ブランドや機種が異なっていても、同じ容量帯であれば価格帯は大きく外れにくい傾向があります。
「見積もり金額が高いと感じる」「機種ごとの価格差がわからない」と迷ったときは、まず容量が何kWhかを確認してみましょう。
容量を把握するだけで、その価格が相場から大きく外れていないかを判断しやすくなります。
容量の考え方や家庭に合った選び方については、以下の関連記事で詳しく解説しています。
小容量・中容量・大容量の価格イメージ
家庭用蓄電池は、容量帯ごとにおおよその価格イメージがはっきり分かれます。
まずは、それぞれの容量で「どのくらいの価格感なのか」を押さえておきましょう。
小容量タイプ(おおよそ6〜9kWh台)は、初期費用をできるだけ抑えたい家庭向けで、価格は100万円台半ば〜後半が中心です。
夜間の電気代を減らしたい場合や、停電時に冷蔵庫や照明など最低限の電力を確保できれば十分という家庭に向いています。
中容量タイプ(おおよそ10〜14kWh台)は、一般的な戸建て家庭で最も選ばれやすいボリュームゾーンです。
価格の目安は200万円台前半〜半ばで、日常の電気代対策と、停電時の安心感を両立しやすい容量と言えます。
大容量タイプ(おおよそ15kWh台〜)になると、200万円台後半〜それ以上になるケースが多くなります。
停電時も普段に近い生活を維持したい場合や、在宅時間が長く電気使用量が多い家庭など、導入目的が明確なケース向けの選択肢です。
このように、家庭用蓄電池は容量が一段階上がるごとに、価格も一段階上がる構造になっています。
まずは「どの容量帯が自分の暮らしに合うのか」を整理することが、適正価格を見極める近道になります。
同じ容量でも価格が変わる理由|本体と工事費の違い

家庭用蓄電池の価格は、容量だけで一律に決まるわけではありません。
同じ容量であっても、本体の仕様や設置工事の内容によって、総額は前後します。
実際の見積もりでは、本体価格の違いと工事費の違いが重なり、数十万円単位で価格差が出ることも珍しくありません。
「容量は同じなのに、なぜ金額が違うのか」と感じた場合は、本体と工事費を分けて確認することが重要です。
この2点を切り分けて見ることで、価格の妥当性を判断しやすくなります。
本体価格に差が出るポイント
同じ容量の家庭用蓄電池であっても、本体価格には一定の差が生じます。
この違いは、主に性能面や設計の考え方によるものです。
たとえば瞬間的な出力が高く、複数の家電を同時に安定して動かせるモデルや、過充電・過放電を防ぐ安全制御が優秀な製品は、コストが上がりやすくなります。
また、10年・15年といった長期保証が付くモデルは、耐久性を重視した設計が採用されているため、初期価格が10〜30万円ほど高くなる傾向があります。
このような価格差は、容量の違いではなく「容量以外の付加価値」によって生まれています。
そのため、単に金額の高低だけで比較するのではなく、自分にとって必要な性能や保証かどうかを基準に判断することが重要です。
価格を抑えるポイント
家庭用蓄電池は、選び方次第で初期費用を抑えることも可能です。
まず検討したいのが、国や自治体の補助金の活用や、太陽光発電とのセット導入です。
条件が合えば、実質的な負担額を数十万円単位で下げられるケースもあります。
次に重要なのが、複数業者での見積もり比較です。
一括見積もりを利用すれば、本体価格だけでなく、工事費や提案内容の違いが見えやすくなり、不要な費用を削減できる可能性があります。
また、停電時に想定される使用範囲が限られている家庭であれば、特定負荷型の蓄電池を選ぶことで価格を抑えやすくなります。
さらに、最新モデルにこだわらなければ、型落ちモデルを選ぶことで、基本性能を維持したまま費用を下げられる場合もあります。
大切なのは「とにかく安い機種」を探すことではありません。
自分の使い方に合った容量や機能に絞ることが、結果的に無駄のない価格で導入する近道になります。
工事費で差が出やすいポイント
価格差が出やすいもう一つの要因が、設置工事にかかる費用です。
設置場所や配線距離、既存設備の状況によって工事内容が変わり、工事費だけで10〜40万円程度前後することもあります。
たとえば、分電盤の交換が必要な場合や、屋外設置のために新たな基礎工事を行うケースでは、追加費用が発生しやすくなります。
さらに、既存の太陽光発電との接続方法によっても作業量や工事の難易度が変わり、見積もり金額に差が出ます。
複数の見積もりを比較する際は、工事内容まで含めた総額で確認することが、適正価格を見極めるうえで欠かせないポイントです。
自分の条件だと、家庭用蓄電池はいくらが妥当?

家庭用蓄電池の価格に「この金額が正解」という基準はありません。
重要なのは、相場と比べて高いか安いかではなく、自分の家庭条件に合った価格帯かどうかです。
これまで整理してきた相場感や容量の考え方をもとに、自分がどのゾーンに当てはまるのかを確認してみましょう。
一般的な戸建て家庭の目安
日中は仕事や学校で家を空けることが多く、太陽光発電とセットで蓄電池を導入する一般的な戸建て家庭であれば、総額200万円前後がひとつの目安になります。
容量で見ると、8〜12kWh前後が価格と使い勝手のバランスを取りやすいゾーンです。
このクラスであれば、日常の電気代削減に加え、停電時も冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電といった最低限の生活を維持しやすくなります。
費用と安心感を無理なく両立できる点が、多くの家庭で選ばれている理由です。
価格を抑えたい場合の考え方
初期費用をできるだけ抑えたい場合は、容量を必要以上に大きくしないことが最も重要です。
停電時の用途や電気の使い方を限定すれば、100万円台前半〜後半に収まるケースもあります。
また、価格を左右するポイントとして見落とされがちなのが、給電方式の違いです。
家全体に電気を供給できる「全負荷タイプ」は利便性が高い一方で、機器や工事が複雑になり、価格も上がりやすくなります。
一方で冷蔵庫や照明など必要な回路だけに給電する方式(特定負荷型)を選べば、機器構成がシンプルになり、本体価格・工事費の両方を抑えやすくなります。
価格を抑えるうえで大切なのは「できるだけ安い蓄電池を探すこと」ではありません。
自分の家庭で本当に必要な容量と機能を見極めるという考えを重視しましょう。
補助金を使うと価格はどう変わる?
家庭用蓄電池は、国や自治体の補助金を活用できる場合があります。
条件が合えば、実質負担が数十万円単位で下がるケースも多く、初期費用のハードルを下げられるのは大きなメリットです。
ただし、補助金の金額や対象条件は自治体や年度ごとに異なり、予算上限に達すると受付が終了することもあります。
そのため、補助金が出る前提で価格を考えてしまうと、判断を誤るリスクがあります。
まずは補助金がなくても納得できる価格かを基準に考え、そのうえで「使えれば負担が軽くなる」と捉えるのが安全です。
補助金の具体的な内容は、以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ|家庭用蓄電池の価格は「相場」より「自分の条件に合うか」
家庭用蓄電池の価格相場は、本体と工事費を含めて100〜300万円前後がひとつの目安です。
実際の価格差は、蓄電池の容量と設置条件による工事内容でほぼ決まります。
容量が大きくなれば本体価格は上がり、設置環境によっては工事費も大きく変わるため、同じように見える蓄電池でも総額に差が出ます。
そのため、価格を判断するときは「相場より高いか安いか」ではなく、自分の暮らしや電気の使い方に合った容量・機能かどうかを基準に考えることが重要です。
相場を把握したうえで、自分の条件に合う価格帯かを冷静に見極めることが、後悔しない蓄電池選びにつながります。







