筋トレ後はリカバリーが重要!疲労回復を早める7つの方法を解説
監修者情報
坂本 真由美
ヨガ講師、ライター、風水師、占星術師
2013年からフリーランスのヨガインストラクターとして活動。大手フィットネスクラブのレッスンを担当したり、自宅からのオンラインレッスンを開催中。
「シンプルで、自然に沿った暮らしを楽しむ」をテーマに、風水や星の動きを生活に取り入れている。
■資格
・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・IHTAヨガインストラクター1級
・Yoky風水プラクティショナー
・空間Detox®インストラクター
・Astroratio USA Academy認定占星術師
筋トレをした後の筋肉はどんな状態?
筋トレをすると、鍛えた箇所が太く大きく見えることがありますが、筋肉は急に成長することはありません。筋トレによって普段の生活とは異なる大きな負荷がかかると、筋肉はエネルギーが足りなくなって疲れてきます。その結果、エネルギーを補充しようとして筋肉に血液が集まるため、一時的に筋肉が太くなったように見えるのです。これが「パンプアップ」と呼ばれる現象です。
流れ込んだ血液の中の水分が10~20分程度留まるため筋肉が太くなったように見えますが、実際は筋トレ直後の筋肉は多くの筋繊維が切れて傷ついた状態になっています。
筋トレ後の疲労回復はなぜ重要なのか
筋トレ後には、筋肉に疲労物質が溜まっています。傷ついた筋繊維が修復しきれていないうちは筋肉痛もあるでしょう。筋肉痛があるということは、痛みを引き起こす発痛物質も残っているということ。まずはこういった筋トレ後の不要な“残りかす”をしっかり排出する「疲労回復期間」をとることが、筋肉の回復と成長に不可欠なのです。
筋トレの後に「超回復」することで筋肉は増加する
筋トレを行うと、疲れによって体力が低下し筋肉痛を引き起こします。このタイミングで体を休ませ、疲労を回復させたあと筋肉が肥大したり筋力アップすることを「超回復」と呼びます。傷ついた筋肉が超回復するまでには、平均で2~3日かかるといわれています。筋肉痛はケガではありませんが、発痛物質が体内に残っている証拠のため、まだ超回復が終わっていないサインといえます。筋肉が十分に回復していない状態で次のトレーニングをすると、回復中の筋繊維がまた壊されてしまうため筋肉の成長が遅くなってしまいます。筋肉痛が治まるまでは、同じ部位の筋トレは控えましょう。
より効率的に、筋トレ後の疲労回復を早める7つの方法
超回復のためには休息が必要だとわかりましたが、できれば効率的に休んでなるべく早く筋肉を回復させたいですよね。積極的に疲労回復を早めていくためには、以下のような方法があります。
①水分補給をしっかり行う
体内に残る疲労物質や発痛物質を取り除くためには、運動で失われた水分をしっかり補給し、血液やリンパの巡りを良くして体外に排出することが大切です。冷たい水ばかりだと体内が冷えて代謝が下がるため、運動後のほてりが治まったあとは常温の水や温かい飲み物に切り替えると効果的です。
②運動直後30分以内にプロテインを補給
筋トレを頑張り、これから超回復がはじまるぞ!というときに、筋肉を修復する材料が十分になかったらどうなるでしょう?ご想像のとおり、なかなか筋肉の修復が終わらず、回復に時間がかかります。超回復後も、思っていたほどの筋力アップはしていないかもしれません。
このような事態を防ぐために、筋トレ後は30分以内にプロテインを補給しましょう。筋肉を修復するためのたんぱく質だけでなく、筋肉の合成を促し分解を抑えるアミノ酸や新陳代謝を助けるミネラル、消化吸収をサポートするビタミンなども含まれている飲み物ならより効率的に筋肉の回復を促せます。
③栄養バランスの良い食事
筋肉の修復にはプロテインだけでなく、アミノ酸やビタミン、ミネラルも必要です。“筋肉増強=たんぱく質”というイメージがありますが、筋肉を育てたいからといってたんぱく質ばかり大量に摂取すると、普段から疲労感の抜けにくい体になる可能性があるため要注意です。これはたんぱく質の代謝には肝臓や腎臓が関わっており、過剰な負担をかけると疲れやすさを感じるようになるためです。
普段からむくみやすい方は、食べ物の偏りによるたんぱく質の摂り過ぎやプロテインドリンクの飲み過ぎが原因かもしれません。一度食生活や摂取する栄養素を見直してみましょう。
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④十分な睡眠
睡眠時に分泌される「成長ホルモン」は筋肉の回復力を高めてくれます。ゆったりとしたリラックスヨガの呼吸は成長ホルモンの分泌を助けるといわれているため、寝る前にヨガをするのもおすすめです。
良質な睡眠のためには、入眠の2~3時間前までに食事を済ませておくこともポイント。夕食はたんぱく質が豊富で、消化に負担がかからないものを摂取しましょう。お風呂は熱湯にさっと浸かるよりも、ぬるめのお湯にゆっくり浸かるほうが安眠には効果的です。
⑤筋トレをしない「お休み期間」を設ける
超回復をするためには「同じ筋肉を続けてトレーニングしないほうが良い」とお伝えしましたが、刺激する部位が重ならなければ良いのでしょうか。結論は、休息日をとるのが正解!同じ部位を続けてトレーニングするよりは良いですが、できる限り休息日を設けて“筋トレをしない日”を作りましょう。
運動に慣れていない方は週2日、慣れている方は週3日をトレーニング日として、残りの日は筋肉を「休んで育てる日」にあてます。ただ体を休ませるだけでなく、食事や睡眠などでサポートしてしっかり超回復させましょう。連日同じ部位を鍛えることがないよう、筋トレの位置を分散させていても、知らず知らずのうちに別の部位に効いてしまっていることもしばしば。たとえば腕を上げる動きひとつをとっても、背中の筋肉や腰まわりなどさまざまな部位の筋肉も連動して使っています。
筋トレを休まず続けると、いくらトレーニングする部位を分けていたとしても全身の疲労感やだるさが抜けづらくなります。より良い超回復の効果を目指したいときこそ、急がば回れ。休息日を挟みながら筋トレをするほうが効率が良いのです。
⑥ストレッチ
筋トレ後は筋肉が緊張し、硬くなっています。ストレッチをして十分にほぐしておくことで、血流が良くなり疲労回復効果アップが期待できます。硬くなった筋肉のまま活動することで起こりやすくなるケガの防止にもおすすめです。
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⑦アクティブレスト
積極的休養とも呼ばれる「アクティブレスト」は、じっとして休むのではなく、あえて軽めに体を動かすことで血流の良い状態を作り、疲労物質の排出を促す回復法です。ランニング後のクールダウンのほか、ストレッチや軽めの有酸素運動、プールやお風呂に浸かることもアクティブレストのひとつ。疲労回復の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。
筋肉を成長させたいなら疲労回復の時間も大事にしよう
筋トレを頑張っている方にとっては、休息日を設けることは少しもどかしく感じるかもしれません。しかし効果的に筋肉を回復させて筋力をつけるためには、トレーニング日だけでなく“休息日をどう過ごすのか”も大切なのです。あえてお休みの日を作り、食事内容や睡眠の質など多方面から丁寧に生活を整えることで、毎日がむしゃらにトレーニングするよりも筋肉量を増やせるかもしれません。