1日に必要な水分量とは?計算方法や美容、ダイエットで推奨される水分量の目安も紹介 

1日に必要な水分量とは?計算方法や美容、ダイエットで推奨される水分量の目安も紹介 

監修者情報

湯浅 道子

湯浅 道子

美容家

大手エステティックサロンで8年勤務しトータル美容を学ぶ。コスメコンシェルジュを取得し、雑誌「Ray」のベスコス選定員の経験も。
さまざまなメディアで、思春期世代から更年期世代までの幅広い美容情報の発信、監修をおこなう。

◼︎資格
日本化粧品検定1級・2級
コスメコンシェルジュ特級
コスメ薬事法管理者
薬機法管理者
景表法検定1級

水分は健康や美容に欠かせない要素ですが、1日にどれくらい摂取すればよいのでしょうか?十分な水分を補給することで、代謝の促進や老廃物の排出、肌のうるおいキープなど、さまざまなメリットが期待できます。

本記事では、1日に必要な水分量の目安や計算方法、目的別の適切な摂取量、水分補給のベストなタイミングについて詳しく解説します。健康的な体づくりや美肌を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

1日に必要な水分量の目安とは?

人の体の半分以上は水でできている、と耳にしたことはありませんか?これは事実で、成人女性の場合は約55%、成人男性の場合は約60%が体液と呼ばれる水分で成り立っています。具体的な数値で表すと、体重53kgの成人女性は約29kgが水分という計算です。体の半分以上を占める水分は体液として全身を循環しており、酸素や栄養を細胞に届けたり、体温調節をしたりと、生命を維持する役割を果たしています。

しかし、呼吸や汗、尿などを通じて、1日あたり、成人男性は約2.5リットル、成人女性は約2.2リットルの水分を失うため、適切に補給しなければなりません。食事から摂取できる水分は約1.0リットル、体内でほかの栄養素から作られる水は約0.3リットルとされており、不足する水分(成人男性1.2リットル、成人女性0.9リットル程度)を水やお茶などの飲み物で補うことが必要です。

1日に必要な水分量を摂取しないとどうなる?

水分が不足すると、体の機能が正常に働かなくなり、さまざまな症状があらわれます。軽度の水分不足ではのどの渇きや集中力の低下が起こり、さらに進行すると脱水症状や体温調節機能の低下、最悪の場合は意識障害に至ることもあります。特に高温環境や運動時は、より多くの水分を失いやすいため注意が必要です。以下の表に、水分不足による影響や症状をまとめました。

体内の水分減少率影響・症状
1~2%のどの渇き、集中力低下、軽い疲労感
3~5%頭痛、めまい、吐き気、体温上昇、運動能力低下
6~8%けいれん、手足の震え、血圧低下、脱力感
10%以上意識障害、腎機能不全、最悪の場合は生命の危機

こまめな水分補給を心がけ、特に汗を多くかく日や体調不良のときは意識的に水を摂取することが大切です。

1日に必要な水分量を確保するメリット

適切な水分補給は、健康や美容にさまざまなよい影響をもたらします。まず、十分な水分を摂取することで血液がサラサラになり、代謝がアップ。老廃物の排出がスムーズになり、便秘の改善やむくみ予防にもつながります。また、水分は肌のうるおいを保つ役割もあり、乾燥を防ぎながらハリのある美しい肌を維持するのに欠かせません。

しかし「こまめに水を用意するのが面倒」「重いペットボトルを買いに行くのが大変」と感じる人も多いはず。そんなときはウォーターサーバーを活用すると、いつでも手軽においしい水を飲めて便利です。水分補給を習慣化し、健康的で美しい体を目指しましょう。

美容・ダイエットなど目的別に推奨される水分量の計算方法

1日に必要な水分量は2.3〜2.5リットルほどで、飲み物での水分補給は0.9〜1.2リットル程度が必要ですが、美容やダイエット目的だと推奨される水分量は少し変わります。

美容のために必要な1日の水分量

美容のために必要な1日の水分量は、体重1kgあたり40mlをかける計算で導き出せます。たとえば、体重50kgの方だと、以下のような計算になります。 

計算例:50kg×40ml=2,000ml

この場合、1日に必要な水分量は約2.0リットルになるため、2.0リットルのペットボトル水を1日に1本飲むようにすればクリアします。

ダイエットのために必要な1日の水分量

ダイエットのために必要な1日の水分量を導き出せる計算式はありませんが、ダイエット中は食事から摂取できる水分量が減るため、いつも以上に水分補給を意識しましょう。目安としては1日約1.5~2リットルです。

水分補給の最適なタイミングとは?

水分補給におすすめのタイミング
水分補給におすすめのタイミング

水分補給はこまめに行うことが大切です。一気飲みは胃腸にも大きな負担をかけてしまうため、一度にまとめて飲むのではなく、最適なタイミングでこまめに水分を摂るようにしましょう。ここでは、水分補給におすすめのタイミングをご紹介します。

のどが渇く前

のどの渇きを感じるときは、すでに脱水がはじまっています。水分補給はのどが渇いたときに行う方が多いのですが、そうではなく、のどが渇く前に水分を摂るようにしましょう。水分はそのほとんどが腸で吸収されますが、一度に200~250mlしか水分を吸収できません。一気にたくさん飲んだとしても尿として排出されてしまい、体に十分吸収されないので、1時間にコップ一杯を目安にして、こまめに水分補給をしましょう。

起床時

人は活動しているときや気温が上昇する日中に水分不足になりやすいですが、就寝中も呼吸や体温調節での発汗によって水分が失われています。寝ている間の数時間は水分補給ができないため、特に起床時の体は軽い脱水状態になっています。就寝中の水分不足をしっかりと補うためにも、朝目覚めてすぐにコップ一杯の水を飲むように心がけましょう。なお、起床時に飲む水は体を目覚めさせる役割もあり、腸のぜんどう運動を誘発するはたらきがあります。

また、起床時の水分補給には「水」だけでなく「レモン水」もおすすめ。レモンに含まれるビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化成分が、肌のダメージを防ぎ、美容にもよい影響を与えます。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

関連記事:レモン水に期待できる効果やおすすめの飲み方を解説した記事はこちら

運動時

運動をすると発汗量が増えて、通常よりも体内の水分がたくさん失われます。運動量にもよりますが、運動前後にコップ一杯の水分補給をするのに加えて、運動をしている最中も15~30分に1回ほど200mlの水を飲むようにしましょう。特に気温が高い夏は、体内の水分量が急激に減少することがあります。また、冬は汗をかきにくいため、のどの渇きを感じるのが遅くなることも。夏と冬は水分補給が遅れてしまいがちなので、いつも以上に意識して水分を補給しましょう。

関連記事:運動中の水分補給におすすめの飲み物や摂取タイミングについて解説した記事はこちら

入浴の前後

入浴中は、500~800mlもの水分が失われると言われています。大量の発汗によって脱水症状を起こしやすくなるため、入浴前後はそれぞれコップ一杯の水分を摂るようにしましょう。入浴前の水分補給はお風呂に入る15~30分前に、入浴後の水分補給はお風呂から上がってすぐに飲むことをおすすめします。

就寝前

就寝中は発汗や呼吸によって体の水分が失われるため、脱水症状を防ぐためにも就寝前にコップ一杯の水分を摂ることが大切です。ただし、カフェインやアルコールを含む飲み物は避けましょう。カフェインには覚醒作用があり、アルコールには利尿作用があるため、夜中に目が覚めたり、睡眠の質が低下する原因になります。

おすすめの飲み物は、白湯やルイボスティーなどのカフェインが含まれない温かいもの。体を内側から温めることでリラックス効果が得られ、より深い眠りにつながるとされています。また「毎晩お湯を沸かすのが面倒…」という方は、ウォーターサーバーを活用すれば、手軽に温かい飲み物を用意できるのでおすすめですよ。

関連記事:寝る前に飲むといいものについて解説した記事はこちら

水分補給に最適な飲料

水分補給に最適な飲料は水
水分補給に最適な飲料は水

健康や美容のために水分補給が大切とはいえ、水分なら何でもよいというわけではありません。水分補給には「最適な飲料」があるので、飲み物にもこだわって水分補給をしましょう。

最適な飲料は「水」

飲料はさまざまな種類がありますが、水分補給に最適なのは水です。水にはカロリーや余計な成分が含まれていないため、飲むタイミングや健康障害を心配せず安心して摂取することができます。水には硬度の高い「硬水」と硬度の低い「軟水」がありますが、飲みやすいと感じるのは軟水です。軟水は胃腸にやさしい水なので、日常生活で積極的に飲むのは軟水のほうがいいでしょう。

利尿作用がある飲み物は摂取量に注意

カフェインなどを含有した利尿作用のある飲み物は、脱水を加速させてしまうことがあります。緑茶や紅茶、コーヒー、ウーロン茶、アルコールなどはカフェインを含むため、水分補給のときには控えるようにしましょう。利尿作用のある飲み物を飲むときは、摂取量にも気をつけて飲みすぎないことも大切です。普段飲むのは水にして、利尿作用のある飲み物はたまに楽しむ程度にしておくといいですね。

1日の水分量に関するよくある質問

最後に、1日の水分量に関してよくある3つの質問に回答します。

「1日2リットル水を飲むとダイエットになる」と言われているのはなぜ?

1日2リットルの水を飲むことで体内の水分の循環が活発になり、老廃物を排出しやすくなるためです。同時に血流もよくなるため、カロリーの消費量が増えてダイエット効果が上がります。水を飲むことで食べすぎも予防できます。

また、水分を摂ると便がやわらかくなったり、腸のぜんどう運動が促される効果も。次第に腸内環境が整い、痩せやすい体に近付くのです。

水分を摂りすぎるとどうなる?

水分は健康維持に不可欠ですが、過剰に摂取すると「低ナトリウム血症」などの健康リスクを引き起こす可能性があります。これは、大量の水を短時間で摂取することで血中のナトリウム濃度が低下し、頭痛、吐き気、けいれん、最悪の場合は意識障害を引き起こす状態です。また、腎臓が処理しきれない量の水を摂ると、体がむくんだり、頻尿によって睡眠の質が低下したりすることもあります。水分の摂りすぎで体調が悪くなった場合は、水分摂取を控えましょう。

年齢によって1日に必要な水分量は変わる?

年齢によって代謝量や体の水分保持能力が変化するため、必要な水分量も異なります。成人の1日の水分摂取目安は約2.5リットルですが、一般的に、高齢者の1日あたりの必要水分量は約1.5〜2.0リットルとされています。高齢者はのどの渇きを感じにくく、水分摂取が不足しがちです。脱水症状や熱中症のリスクを防ぐためにも、こまめな水分補給を意識することが大切。特に食事と一緒に水を飲むなど、習慣化して無理なく摂取しましょう。高齢者は加齢に伴いのどの渇きを感じにくくなり、水分摂取が不足しがちです。

1日に必要な水分量を意識して、健康的な体と美肌を目指そう

私たちは生活するだけで1日に約2.5リットルの水分を失っています。そのため、成人男性で1.2リットル、成人女性で0.9リットル程度の水分を飲み物から意識的に補給することが大切です。特に、起床時・運動時・入浴前後・就寝前などの適切なタイミングで摂取すると、より効率的に体に水分を補えます。

毎日の水分補給を習慣化することで、血流がスムーズになり、老廃物の排出が促されるため、健康維持や美容にも役立ちます。無理なく続けて、理想の体と健やかな生活を手に入れましょう!

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