つらい四十肩・五十肩を改善しよう。自宅で簡単にできるワニのポーズ・糸通しのポーズなどオススメポーズ5選。
監修者情報
槇村 糸
監修
幼少時代からバレエを始め、ダンサーとして舞台活動を行う。現在はフリーランスのフィットネスインストラクターとしての活動も行っており、公共施設や教育機関などで子ども〜成人に向けたヨガ、バレエ、ボディメイクなどのレッスン指導を行う。
■所有資格:日本ヨガインストラクター協会2級
未然に防ぐことが大切な「四十肩、五十肩」
「四十肩」「五十肩」は病名ではありません。四十肩、五十肩は年齢を重ねるにつれて肩周りのスジが炎症を起こして痛みが発生することの総称です。肩が上がらないのは関節包という膜が炎症を起こし、分厚くなって癒着してしまうことが原因で起こります。肩を動かしたときに痛みが生じたり、腕を背中に回したりすることができない、肩より上にあるものが取りづらくなったりするといった症状がみられたときは、四十肩や五十肩を疑ったほうがよいでしょう。
四十肩・五十肩になりやすい人の特徴
四十肩、五十肩は誰にでも起こりうる病気で、特段こういった人がなりやすいということがない厄介な症状です。肩周りを酷使しすぎてもスジを痛めやすく、運動不足でも軟部組織が固まってしまい発症することがあります。このことから日頃のストレッチにより使いすぎた筋肉を伸ばすことにくわえ、凝り固まった筋肉をほぐすことが大切なのです。また糖尿病の合併症として併発することもあるため、運動以外の生活習慣にも配慮することが必要といえます。
ワニのポーズの正しいやり方
難易度:易しい
ワニのポーズは寝る前に簡単にできるポーズの一つです。ワニのポーズは肩周りの筋膜リリースに非常に有効といえるでしょう。筋膜リリースをすることで、筋肉を包んでいる膜がほぐれ、より柔軟性が向上します。そのほかにも背中や腰回りのストレッチ、骨盤の歪み矯正などの効果があり、腰痛対策にもなります。また内臓を刺激して便秘の改善などにもつながるため、たくさんのメリットを受けられるでしょう。
実際にポーズをとってみましょう
- 仰向けの状態で手の平を下にして両手を真横に広げ、膝を立てます。
- 両膝を揃えたまま足裏を床から離し、膝を90度に曲げ、スネと床が平行になるようにします。
- 両膝を揃えたまま、両膝を右側の床に倒します。
- 倒した状態で左肩が床から離れないように注意しながら深呼吸し、3分程度キープします。
左腕を円を描くように大きく回すことでより肩周りのストレッチ効果が高まります。
ワニのポーズのポイント
- 無理に体を捻ってしまうとケガに繋がるので注意しましょう。
- 呼吸に集中しながら効いている部位を強く意識するように心がけましょう。
- 足を倒した際に肩が浮かないように注意しましょう。
糸通しのポーズの正しいやり方
難易度:普通
糸通しのポーズは、四つん這いの状態で行うポーズです。僧帽筋、背筋、脇の筋肉のストレッチ効果のほか、ウエストの引き締め効果もあります。リフレッシュや疲労回復も期待できるポーズですので、デスクワークなどで疲れたときにするのもよいでしょう。
実際にポーズをとってみましょう
- 四つん這いになります。
- 左手を右側にスライドさせ、右の脇下を通し、ゆっくりと左肩を床につけます。
- 左の二の腕も床に押し付けるようにして肩甲骨周りを伸ばしながら30秒程度行います。
逆の腕も同じようにしてワンセットにしましょう。下に来る腕を背中の後ろまで伸ばすことでよりストレッチ効果を高めることも可能です。
糸通しのポーズのポイント
- お尻が膝の真上に来るような姿勢をキープしましょう。
- 足の甲は床についたままにします。
- 上にくる手はなるべく頭から離すようにし、脇の筋肉を伸ばしましょう。
- 凝り固まっていて痛みが生じる場合は無理をせずに上にくる手を顔の前に置くようにしましょう。
牛の顔のポーズの正しいやり方
難易度:難しい
肩周りのストレッチ効果のほかに、正しいポーズで行うことで股関節、骨盤周りの歪み改善にも高い効果があるポーズです。ある程度の柔軟性が必要となる、難易度が少し高いポーズといえるでしょう。
実際にポーズをとってみましょう
- あぐらをかくような姿勢で、左膝が上になるように、膝と膝を体の中心で重ねます。
- 右手を上げて手のひらを左側に向けます。
- 2の状態で肘を曲げ、手のひらを背中に回します。
- 左腕を体側におろし、手のひらは体側に向けます。
- 4の状態で肘を曲げ、背中に回した右手を掴みます。
20秒ほどキープしたら、足と手を入れ替え、反対側も行っていきます。
牛の顔のポーズのポイント
- 上の腕を曲げるときに息をゆっくりと吐き、下から回す腕を曲げるときにゆっくりと息を吸います。
- 背筋を伸ばして正面を向きましょう。
- 手が背中で掴めない場合は無理をせず、タオルなどを使用し、手繰り寄せるようにしましょう。
魚のポーズの正しいやり方
難易度:易しい
寝る前などに簡単にできる肩こり対策のポーズです。首や背中周辺の筋肉をほぐすことで姿勢の改善が期待できます。
実際にポーズをとってみましょう
- 仰向けになり、足を揃えた状態で伸ばします。
- 手の平を床に向けてお尻の下に入れます。
- 肩甲骨をグッと内側に入れるように寄せます。
- 肘で体重を支えながら胸を天井に向けて持ち上げ、背中を思い切り反らせます。
- 頭頂を床につけ、腕で床を押しながらこの体勢をキープしましょう。
魚のポーズのポイント
- しっかりと背中を反らせましょう。
- 首に痛みがある場合は無理をしないようにしましょう。
- 頭が逆転するポーズなので、気持ち悪さなどが出ないか注意しましょう。
鷲のポーズの正しいやり方
難易度:普通
肩まわりだけではなく、足首やふくらはぎを含めた全身にストレッチ効果があるのが鷲のポーズです。全身の筋肉を使うため、血行促進、むくみの解消などにも効果が期待できます。椅子に座って行うことで上半身に絞って行うことも可能です。
実際にポーズをとってみましょう
- 足を肩幅に開いて立ちます。
- 膝を軽く曲げて左の太ももをつま先が床に向くように右太ももの上に重ねます。
- 両腕を床と平行になるよう前に伸ばして、右腕を左腕の上に重ねるようにします。
- 腕を曲げて手首を捻り、手の平を合わせます。
この姿勢を30秒程度キープし、左右を入れ替えます。
鷲のポーズのポイント
- 片足立ちになるので、体の軸を意識してバランスを取りましょう。
- お尻が前に出ることがないようにしましょう。
- 足をクロスさせる際に膝を痛めないように注意しましょう。
- 腕を絡めるのが難しい場合は小指だけを絡めても問題ありません。
まずは毎日つづけることを目標に!
ここまで四十肩・五十肩にならないためのヨガポーズをご紹介してきました。普段の運動不足の解消のほか、お仕事で肩周りが凝り固まっていてつらいという方は、ぜひ一度お試しください。これらのヨガは毎日続けることでより効果を発揮しますので、日々のルーティンワークに組み込むようにするとよいでしょう。