50代女性必見!筋肉をつけるための筋トレエクササイズ6選

50代女性必見!筋肉をつけるための筋トレエクササイズ6選

監修者情報

柴田 直樹

柴田 直樹

トルチャインストラクター

株式会社ティップネス勤務。

入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。

現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。

◼︎資格

・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎

50代になってから「筋力が落ちてきたな」「昔に比べて疲れやすくなった気がする」と、体の衰えを感じる方も多いのではないでしょうか。50代女性の若さと健康維持には、筋トレがおすすめです。筋力の維持・筋力アップをすることで、痩せやすい体づくりや生活習慣病の予防にもつながります。

しかし、「50代から筋トレしても効果あるの?」「筋トレと言われても何からはじめればいいかわからない…」と不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、アラフィフ女性に向けて、筋肉をつけることで得られるメリットと、初心者向けのトレーニングのやり方をご紹介します!筋力の維持・アップは今からでも遅くありません!

女性の筋肉は50代がターニングポイント!

女性の筋肉は、閉経を迎える50代がターニングポイントです。筋肉量の低下は25〜30歳ころにはじまり、50歳前後から筋肉量が大きく低下します。

筋肉量低下の要因には、加齢や運動不足などが挙げられますが、50代女性の場合、閉経によるエストロゲンの減少が大きく関係しているのです。

エストロゲンとは女性らしさを作るホルモンで、筋肉量減少を防ぎ、筋力を維持するなど、さまざまな機能を調整する作用を持っています。閉経するとエストロゲンの欠乏によって体のバランスが崩れ、更年期症状や筋肉量・筋力低下を引き起こすのです。

筋肉量の低下を防ぐには運動が欠かせません。筋力の維持と筋力アップには、やはり筋トレが効果的です。「今から筋力トレーニングなんて効くのかしら…」と心配される方もいらっしゃいますが、ご心配にはおよびません。年齢によって筋力アップにかかる時間は変わりますが、正しいやり方でトレーニングすることで、何歳になっても必ず筋力はアップできますよ。

参考:日本人筋肉量の加齢による特徴|老年医学会雑誌第47巻1号

閉経年齢:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html

50代の女性が筋力をアップするメリット

「筋力はないよりあったほうがいいだろうな」となんとなく考えている方も多くいらっしゃいますが、筋力をアップすることの具体的なメリットは一体なんなのでしょうか。代表的なメリットを4つご紹介します!

  • 基礎代謝アップ
  • 姿勢の維持や改善
  • 生活習慣の予防
  • メンタルの安定

一つひとつ詳しく解説します。

関連記事:筋トレの効果について詳しく解説した記事はこちら

基礎代謝アップ

筋トレは基礎代謝のアップに効果的です。年齢を重ねるにつれて、食べる量は変わっていないはずなのに”痩せにくくなった”と感じることはありませんか?その原因は、基礎代謝量が年齢とともに低下しているからです。

基礎代謝とは、人が生命維持するために最低限必要なエネルギーのことを指します。筋肉は基礎代謝の中でも一番多くエネルギーを使うので、筋肉量が多くなると基礎代謝も高くなり、一日の消費カロリーも高くなるのです。

一方で、筋肉量が少ないと基礎代謝が低下するため、エネルギーが消費されず痩せにくい体になってしまいます。筋トレで筋肉量をアップすることで基礎代謝を高め、痩せやすい体づくりにもつながります。

姿勢の維持や改善

筋トレの大きなメリットの2つ目は、綺麗な姿勢の維持・改善です。

年齢を重ねても、しゃんとした立ち姿の方はいつだって若々しく美しく見えますよね。綺麗な姿勢を維持するためには体幹、つまり胴体の筋力が重要です。背骨を支えている体幹の筋肉を鍛えると、体をしっかり支えられるようになるので姿勢が綺麗になります。

また、綺麗な姿勢を保てると内臓の活発な働きを保つことができます。姿勢が悪いと内臓を支える骨盤や背骨がゆがみ、内臓の位置がずれて正常な働きができませんが、綺麗な姿勢を維持できれば内臓を正常な位置で支えることができるので、胃もたれや胃の不快感、便秘などの解消も期待できます。

ほかにも、姿勢が悪いと元気がなさそうに見えたり、実年齢より老けてみられたりしますが、姿勢を正すだけで心も体も前向きになります。美しい姿勢は、健康と若さの秘訣ですよ!

生活習慣病の予防 

筋トレは生活習慣病の予防に効果的です。女性は50代を超えると生活習慣病にかかりやすくなります。その理由は、女性ホルモンであるエストロゲンが減少するからです。

女性は閉経に伴い、エストロゲンが急激に減少します。エストロゲンには血管の状態を健やかに保ったり、内臓脂肪を分解したりする働きがあるため、閉経前の女性は皮下脂肪がつきにくい体でした。しかし閉経後はエストロゲンが欠乏するため、内臓脂肪がつきやすくなります。また、悪玉菌コレステロールや血圧も高くなりやすく、生活習慣病のリスクもぐっと高まってしまうのです。

筋力トレーニングなどの運動を生活に取り入れると、心肺機能を高めて血管を健やかに保つことができます。さらに、筋力をつけることで基礎代謝が上がって脂肪燃焼しやすい体になり、結果、生活習慣病の予防になるのです。そのため、50代女性の健康維持には筋力トレーニングが必要不可欠と言っても過言ではありません。

メンタルの安定

筋トレは体の健康だけでなく、メンタルの安定にも効果があります。その理由は、筋トレを行うとメンタルに良い影響を与えるセロトニンやドーパミンといった脳内ホルモンが分泌されるからです。

セロトニンは「幸せホルモン」とも呼ばれ、精神を安定させたり気分を高揚させたりする働きがあります。また、ドーパミンが多く分泌されるとモチベーションが向上し、ポジティブ思考になるのです。

閉経前後の更年期は、エストロゲンの減少によりセロトニンが不足し、感情がうまくコントロールできず、イライラしたり気分の浮き沈みが激しくなったりとメンタルも不安定になりがちです。そのため、ポジティブなホルモンが分泌される筋トレは、50代女性のメンタルに良い影響を与えると言われています。なんと、スクワットなどの筋トレを週3日程度行うことは、抗うつ剤などの治療と同等の効果があると言われるほどです。

筋トレを取り入れ、心身ともに健康を保っていきたいですね。

関連記事:更年期障害の原因や症状緩和について解説した記事はこちら

【部位別】50代女性におすすめ!基本の筋トレエクササイズ6選

50代のアラフィフ女性におすすめの基本の筋トレエクササイズ6選をご紹介します。運動をはじめたばかりの方でも手軽に取り組めますよ。すでに運動を習慣にされている方にも、健康な体づくりにおすすめのトレーニングなので、ぜひ取り入れてみてください。

膝立ち体幹トレーニング|体幹・お腹まわり

体幹の筋力をアップするこの簡単なトレーニングでは、お腹まわりをぐるっと取り囲む腹横筋を中心に鍛えられます!綺麗な姿勢づくりに役立ちます。

■膝立ち体幹トレーニングのやり方

難易度:易しい

  1. 膝立ちの姿勢になり、両手は腰にあてます。
  2. 膝はこぶし1つ分の幅を開いてつま先を立て、両腕を肩の高さでまっすぐ前に伸ばします。
  3. 膝から頭まで一直線を維持したまま、上体を45度後ろへ傾けます。
  4. 15秒程度キープをしたら元の姿勢に戻る動きを2〜3回繰り返します。

■膝立ち体幹トレーニングのポイント

上体をまっすぐにしたまま後ろへ傾けて、上体の重さをお腹まわりで支えているように感じられたら効いている証拠です。

腰が引けたり、背中が丸まったりしないように注意しましょう。無理に傾きを大きくするより、正しい姿勢をキープすることを心がけてみましょう。

クランチ|腹筋・お腹まわり

ぽっこりお腹の解消に効果的なクランチ

腹筋と呼ばれる筋肉にはいくつかの筋肉がありますが、クランチでは王道のシックスパックを作る腹直筋を鍛えることができます。ぽっこりお腹の解消に効果的です。

■クランチのやり方

難易度:普通

  1. 仰向けに寝て両足を軽く持ち上げ、股関節(脚の付け根)と膝が90°になるように保ちます。
  2. 両腕を頭の後ろに添えます。
  3. 息を吐きながら、背中を丸めるようにして肩甲骨が床から浮く程度まで上体を起こします。
  4. 10回を1セットとし、2〜3セット繰り返します。

■クランチのポイント

腹筋運動が苦手な方にはちょっときついと感じられるかもしれませんが、体を膝まで起こす必要はありません。少しお腹が痛く苦しく感じられたらそれが効いている証拠です!上体を起こすためには、あごを引いてお腹を見るようにしながら背中を丸めていきましょう。

勢いや反動で上体を起こすのはNGです!ゆっくり息を吐きながら上体を起こすことで、1回の運動での負荷が高まります。たくさんの回数よりも、お腹に効いているかどうかが大切です。

リバーストランクツイスト|腹筋・お腹まわり

腹筋群の下部(腹直筋、腹横筋など)と側面(腹横筋、腹斜筋など)を鍛える、腹筋全体に効果的なリバーストランクツイスト

腹筋群の下部(腹直筋、腹横筋など)と側面(腹横筋、腹斜筋など)を鍛える、腹筋全体に効果的なトレーニングです。お腹全体の引き締めに効果的です。

■リバーストランクツイストのやり方

難易度:普通

  1. 仰向けに寝て、両手を体側に伸ばしましょう。
  2. 膝を伸ばしたまま股関節を90度に曲げて足裏が天井を向くようにします。
  3. 両足を揃えたまま左側へ傾け、床につくギリギリまで下ろしたら中心に戻します。
  4. 次に右側に傾け、床につくギリギリまで下ろしたら中心に戻します。
  5. 左右に行って1回として、10回1セットを2〜3セット行います。

■リバーストランクツイストのポイント

足を天井に向かって真っ直ぐあげるのがつらく感じたり、足の重さがきつく感じたら、膝を直角に曲げて行いましょう。

雑巾を絞るように斜めに絞る力がお腹まわりに感じられたら効いている状態です。

ドローイン|腹筋・お腹まわり

呼吸とともにお腹をへこませて、腹横筋を中心に鍛える運動です。正しく呼吸を行うことで骨盤を正しい傾きに調整するだけでなく、ぽっこりお腹を引き締める効果があります。

■ドローインのやり方

難易度:易しい

  1. 仰向けに寝た状態で膝を立て、両手は体側に伸ばしましょう。
  2. 鼻から大きく息を吸い、お腹を膨らませます。
  3. 口からゆっくりと息を吐き、お腹をへこませます。このとき腰を反らせたり丸めたりしないように注意します。
  4. 息を吐き切って、これ以上はお腹がへこまないというところまでいったら、その状態をキープしながら浅い呼吸を繰り返します。
  5. 10~30秒キープしたら元に戻します

■ドローインのポイント

お腹を上からペタンコに潰すだけでなく、おへその内側5センチ程度の中心に向かってお腹の前面・側面・背面全方向から圧縮するようにお腹をしぼませて息を吐いてみましょう。またお腹をへこませるだけでなく、その状態で呼吸をすることが大事であるため、息を止めないようにしましょう。

お腹の動きがわかりにくいと感じたらお腹に手を当て、お腹のへこみを手のひらで感じながら行ってみましょう。

関連記事:ドローインのやり方を詳しくまとめた記事はこちら

スクワット|太もも・下半身

太もも(大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングス)の筋力をアップする基本のスクワット

太もも(大腿四頭筋、内転筋、ハムストリングス)の筋力をアップする基本のスクワット。太ももの筋肉は体の中で一番大きな筋肉で、筋力アップによって基礎代謝量が向上します!きちんと腰を落とすことができたら、ヒップ(大殿筋)アップにもつながります。

■スクワットのやり方

難易度:普通

  1. 肩幅に脚を広げて立ち、つま先を軽く外側に向けます。
  2. 両腕は軽く前に伸ばすか、胸の前でクロスします。
  3. 両膝がつま先より前に出ないように、息を吸いながらお尻を斜め下に引くようにしてゆっくり腰を落とします。
  4. 太ももが床と平行になるくらいまで腰を落としたら、息を吐きながら2の体勢に戻ります。
  5. 10回を1セットとし、2〜3セット繰り返します。

■スクワットのポイント

スクワットは、股関節(脚の付け根)を曲げて腰を落とした姿勢を作ることで運動効果が得られます。このとき、ただの膝の曲げ伸ばし運動にはならないように気をつけましょう。

前ももにばかり重さが乗っているように感じるようであれば、もっと腰を後方へ引く必要があります。その際、後ろに転ばないように注意しましょう。

関連記事:下半身痩せトレーニングについて詳しく解説した記事はこちら

プッシュアップ|二の腕まわり

胸や肩まわりを鍛えることでバストアップや代謝アップができるため、ボディメイクやダイエットに効果的なプッシュアップ

大胸筋や上腕三頭筋(二の腕)を鍛えるトレーニングです。胸や肩まわりを鍛えることでバストアップや代謝アップができるため、ボディメイクやダイエットに効果的です!

■プッシュアップのやり方

難易度:普通

  1. うつ伏せの状態になり、両手は肩幅よりやや広めの位置にセットしたらつま先と手のひらで体重を支えます。
  2. 両膝を伸ばし、かかとから頭頂までが真っ直ぐになるようにします。
  3. 息を吸いながらひじを曲げ、胸を下ろし、床につかない位置で止めます。
  4. 息を吐きながら、両手で床を押し、胸を元の位置まで引き上げます。
  5. 2〜3の動きを繰り返し行います。まずは5回を1セットとし、1〜2セット行います。

■プッシュアップのポイント

はじめのうちは、体を下ろすときに胸が床に着地する動きだけでも大丈夫です。「ゆっくり下ろす」ことを心がけてみましょう。

胸や二の腕にしっかり効かせるためには、肩甲骨を下げた状態(=肩を下げた状態)で行うのがポイントです。そのため、耳と肩の距離を離して、首を長く保ちながら行いましょう。体を引き上げるときは、肩甲骨を中央に寄せるようなイメージで行ってみましょう。

つらいと感じるようであれば、膝を床につけた状態で行いましょう。

関連記事:プッシュアップのやり方について詳しく解説した記事はこちら

50代女性が筋トレをする際に心がけること

50代女性の筋トレに無理は禁物。筋トレをする際に心がけて欲しいポイントを解説します。

適度な負荷で行う

50代女性の筋トレは、適度な負荷で行うことが大切です。50代は筋力が低下しているため若いころと同じ感覚で筋力トレーニングをしてしまうと関節や筋肉への負担が大きくなり、かえって体を壊す原因になります。

がんばりすぎて翌日筋肉痛がつらすぎる…なんてこともあるので、少し足りないくらいでOK。まずは無理なく筋力を鍛えましょう。

頻度を上げすぎない

50代は筋肉量だけでなく筋肉の回復力も低下しているので、週2回程度を目安に筋トレを行いましょう。日を空けて筋肉に回復時間を与えることで、しっかりと筋肉が強化されますよ。

逆に、筋肉を十分に回復させないままトレーニングを行うと、慢性疲労の状態となり筋肉量が落ちてしまう要因となります。

自分の可動域を把握する

加齢に伴い筋肉は硬くなり、関節の可動域も狭くなっているので、無理に可動域を広げると筋損傷や関節痛の原因になります。

腰痛や関節痛がある方も我慢や無理は厳禁です。自分の可動範囲を把握し、痛みのない範囲で筋トレを行いましょう。

50代からの筋トレでも遅くはありません!

本記事では、50代女性が筋トレを行うメリットと、お試しいただきたい筋力トレーニングをご紹介しました。

50代からの筋トレでも、決して遅いことはありません。正しいトレーニングを行えば、年齢を重ねても筋肉を鍛えることができます。また、日々のスキマ時間に筋トレや運動を少し取り入れるだけでも、心身ともに嬉しい効果が期待できますよ。若々しく健康な体に、筋肉は欠かせません。

運動をいつはじめようか、と考えたら”人生で一番若い日である今日”が良いのではないでしょうか?体を大切にし、健康で活力溢れる生活で人生を彩るためにも、筋力トレーニングをぜひ取り入れてみましょう!

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