ぽっこりお腹や脚のむくみ、関節の痛みなどの体の不調は「反り腰」が原因!?反り腰を解消するおすすめエクササイズを紹介
監修者情報
山本 信子
ヨガ講師・ライター
2015年にヨガの聖地であるインドのリシュケシュにて資格を取得。
夫の駐在に帯同したインドネシアで日本人、インドネシア人の女性向けにヨガレッスンを行う。
インナーマッスルを鍛える動きのあるレッスンが得意。マタニティヨガ、子連れヨガクラスの指導経験あり。
■資格
・全米ヨガアライアンス(RYT200)
・キッズヨガ指導者養成講座修了
反り腰とは?反り腰になる原因
ただ姿勢が悪くなるだけでなく、腰痛や冷え性、脚のむくみやハリ、関節の痛みなどの原因にもなりうる「反り腰」。体の不調のみならず、ポッコリお腹やヒップダウンなど見た目に変化が現れることもあります。まずは、反り腰の状態や原因についてチェックしていきましょう。
反り腰とは?
筋力の低下によって通常閉じている骨盤が開いたまま前傾した結果、体のバランスを取るために後ろに重心をかけて腰が反ってしまう状態を「反り腰」といいます。反り腰になると、内臓の位置が下がり、慢性的な腰痛やむくみなどの症状が現れやすくなります。
反り腰になる原因とは?
反り腰の原因は、大きく分けて次の4つ。当てはまるものがないか確認してみましょう。
- 運動不足による筋力の低下
反り腰の原因としてもっとも多いのが「運動不足による筋力の低下」です。背骨をまっすぐ伸ばすための脊柱起立筋や骨盤を立てるための腸腰筋、太ももの筋肉である大腿二頭筋など、主要姿勢筋と呼ばれる筋力が低下することで、正しい姿勢を保つことができず姿勢が悪くなります。その結果、骨盤が前に傾き、バランスを取ろうと腰が後ろに反ってしまうのです。
- 長時間のデスクワーク
デスクワークが多い場合、どうしても猫背や反り腰になりがちです。座っているときは立っているときの2倍の圧力が脊柱にある椎間板にかかるため、人は知らず知らずのうちにその圧力から逃れようと、猫背や反り腰といった楽な姿勢になっていきます。しかし、一時的に楽になったとしても、実際は局所的に負担がかかっている状態です。1ヶ所に負担がかかることで徐々に負担が蓄積され、やがて痛みや不調に繋がります。
- 立ち姿勢の悪さ
「お腹の腹直筋が弱いと、骨盤が前傾しやすく反り腰に」「腰椎と太ももを結んでいる腸腰筋が弱いと、体に負荷がかかる不自然な状態で硬直する」「太ももの裏側にある大腿二頭筋が弱いと、腰にかかる負担が大きくなり、正しい姿勢で立てなくなる」など、筋力不足による立ち姿勢の悪さも反り腰の原因になります。悪い立ち姿勢の状態が続くとさらなる筋力低下を招き、体への負担がますます増えてしまいます。
- ヒールの高い靴を履く
ヒールを履くと必然的につま先に重心がかかった前傾姿勢になり、骨盤が前に傾きます。骨盤が前に傾くと、バランスをとるために腰は後ろに反り、反り腰になります。ヒールをたまに履く程度であれば極端に心配する必要はありませんが、頻繁にヒールを履く場合は腰が後ろに反った状態が習慣化し、反り腰になってしまう可能性があります。
反り腰セルフチェック
人間の背骨は、体のバランスを保ったり、体にかかる負荷を吸収したりするために“緩やかなカーブ”を描いています。腰あたりにある腰椎は前方にカーブしているのですが、そのカーブがきつくなった状態が反り腰です。反り腰は自分ではなかなか気付けないもの。自宅でできる簡単なセルフチェックで、自分の腰の状態を確認してみましょう。
壁を使った反り腰チェック
後頭部、肩、お尻、かかとの4点を壁にくっつけます。壁と腰の間にあるスキマに片手を入れます。手のひらが入る程度のスキマが空いていれば正常です。もしも握ったこぶしが余裕で入るくらいのスキマがあれば、反り腰の可能性があります。
腰や股関節の痛みも…反り腰の悪化による体の不調
筋力低下などが原因でおこった反り腰ですが、具体的にどのような悪影響があるのでしょうか。反り腰によって起こる症状をご紹介します。
ポッコリお腹
腰が前傾してお尻が突き出た状態のため、自然と胸や下腹が前に突き出したような姿勢になり、太っていなくてもポッコリお腹に見えてしまいます。また反り腰が続くと背中側の筋肉は縮み、反対にお腹側の筋肉が伸びてしまうことも。腹部の筋肉が使われないため内臓の位置が下がり、結果的にお腹がポッコリ出てしまいます。
腰痛
反り腰の状態が続くと腰に負担がかかり続け、慢性的な腰痛を引き起こす可能性があります。また骨盤が前傾することで、歪みが生じ血液の循環が悪くなります。血流が悪くなると筋肉はさらに硬くなり、より強い痛みが生じやすくなります。
脚のむくみ・冷え
骨盤の前傾によって血流が悪くなると、女性を悩ませる冷えやむくみに繋がります。冷えは血流の悪化で体温が下がることで、むくみは血流の悪化で血管の内側と外側の水分バランスが崩れ、皮膚の下や細胞の間などに余分な水分がたまることで生じます。
股関節の痛みや脚のゆがみ
反り腰の場合、骨盤が前傾して脚の付け根の部分に歪みが出たり、股関節が内側へねじれた方向で固まったりすることも。その結果、股関節を後ろへ伸ばす動作や横に開く動作の際に、痛みを感じることがあります。また、股関節のゆがみから、内股やX脚になってしまう可能性も……。脚が短く見えるだけでなく、血液やリンパの流れが滞るため、むくみや冷えなどが生じる場合もあります。
自宅で簡単!反り腰解消エクササイズ&筋トレ3選
反り腰は体に負担をかけ、さまざまな不調につながる可能性があります。ここでは、反り腰を解消するためのおすすめのエクササイズと筋トレをご紹介します。どれも自宅で簡単にできるものばかり。1日1回のエクササイズ&筋トレで、反り腰を解消していきましょう。
<①キャットアンドカウ>
反り腰の方は腰の筋肉が緊張したまま固まっているため、背骨の可動域も狭まっています。反り腰改善エクササイズでは、この背骨にアプローチ!背骨を丸める動きを意識して行いましょう。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 四つん這いの状態になり手首を肩の真下へ。膝は股関節の真下に置き、こぶしひとつ分程度開いておきます。
- 鼻から息を吸い込み、吐く息で背中を丸めて視線をおへそに向けます。
- 息を吸いながら背中を反らせ、視線を正面に向けます。
- 呼吸に合わせて1~3の動きを繰り返しましょう。
■キャットアンドカウのポイント
背骨を反らす場合は、手首を肩の真下に置き、腰が反りすぎないように意識しましょう。
<②ヒップリフト>
お尻の筋肉や太ももの筋肉、腹筋など、反り腰に関わるあらゆる筋肉を一度に鍛える効果が期待できるエクササイズです。反り腰の改善はもちろん、お腹まわりの引き締めやヒップアップ効果も期待できます。寝たままで簡単に行えるため、運動に慣れていない方にもおすすめです。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 仰向けに寝て、両膝を90度に曲げて両足を立てます。足幅は腰幅程度に開きましょう。
- 膝から肩まで一直線になるようにお尻を上げ、2秒キープします。
- ゆっくりと首から腰へと背骨を床に下ろして元に戻ります。
- 2~3を20回、2セット行います。
■ヒップリフトのポイント
腰を上げるのではなく、下腹部にしっかり力を入れてお尻を引き上げましょう。腰を上げるイメージで取り組んでしまうとさらに腰を反らしてしまい、痛みが生じやすくなります。
<③レックレイズ>
下腹部を鍛えることができ、姿勢改善効果が期待できる「レッグレイズ」。ポッコリお腹にお悩みの方にもおすすめです。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 仰向けの状態になり、両足を伸ばします。両手は体側に伸ばし、お尻の下に少し入れ込みます。
- 両足を揃え、吐く息でゆっくりと持ち上げます。
- 吸う息でゆっくりと、ギリギリ床につかないところまで両足を下げます。
- 2~3を10回、3~5セット行います。
■レッグレイズのポイント
吐く息でおへそを床に引き付け、腰を平らに床に接地させるようにすると、腰を反らさずに両足を引き上げやすくなります。
反り腰改善で体の不調を緩和!美しい姿勢でポッコリお腹を撃退しよう!
腰痛や冷え性、むくみ、股関節などの関節の痛み、さらにはポッコリお腹の原因にもなる「反り腰」。筋肉の衰えが大きな原因なので、まずは反り腰によって凝り固まった腰まわりをストレッチで緩め、筋トレで姿勢を保つための筋力をつけましょう。本記事でご紹介した筋トレは、太ももやお尻、下腹部など大きな筋肉を使う動きばかり。反り腰改善だけでなく、お腹まわりの引き締めやヒップアップ効果も期待できるので、ぜひトライしてみてくださいね!