ステッパー(踏み台)いらずのエクササイズ5選!足踏み&かかと上げでむくみ解消、筋力・体力をアップしよう
監修者情報
槇村 糸
ヨガ・バレエ講師
幼少時代からバレエを始め、ダンサーとして舞台活動を行う。
現在はフリーランスのフィットネスインストラクターとしての活動も行っており、公共施設や教育機関などで子ども〜成人・高齢者に向けたヨガ、バレエ、ボディメイクなどのレッスン指導を行う。
■資格
・日本ヨガインストラクター協会2級
・ADI(エアロビックエクササイズインストラクター)
運動不足になっていませんか?
「最近体を動かしていないな」「運動不足で体力が落ちた気がする…」と感じることはありませんか?
令和3年度にスポーツ庁で実施した「スポーツの実施状況等に関する世論調査」によると、運動不足を感じている人の割合は77.9%。なんと約5人中4人が運動不足を感じているのです。とくに、30代から50代の働く世代で運動不足を感じている人は8割を超える結果に。運動不足になってしまう理由として、20代から50代では半数近い方が「仕事や家事が忙しいから」と回答しています。忙しい日々を送るなかで、運動をする時間を取れない方が多いようです。
参考:スポーツ庁「令和3年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」(結果の概要)」
衰えがちな脚力を鍛えるメリット
車や電車、宅配サービス、テレワークの普及など、生活が便利になった現代社会では活動量自体が減ってきています。たしかに生活は豊かになっていますが、体を動かす機会が減ると筋力が衰えてしまいます。筋力低下は筋肉を萎縮(固くなって動きづらい状態)させるだけでなく、脳や心血管機能の低下、さらには骨までもろくさせてしまいます。
体が完成する20代をピークとして筋力は緩やかに減少しているため、筋力を維持・増進するためにはトレーニングが欠かせません。とくに50代を越えたあたりからは、歩行に必要な足や腰の筋力が急激に減少していくため要注意です。
歩行のために鍛えたい足腰の筋肉
日々の活動量減少に直結するため、足腰の筋力の維持・増進はとても大切です。足の筋力低下は膝痛の一因にもなりますが、この痛みがさらなる歩行量減少を招く原因に。筋力が衰えると膝が痛くなり、その膝の痛みのせいで歩行を避けるとさらに活動量が減るという悪循環に陥ってしまうのです。
歩行のために重要な筋肉は以下のとおり。重点的にトレーニングをすることで、歩行機能をアップできます。
- 太ももの内側にある「内転筋」
- 前ももの「大腿四頭筋」
- もも裏の「ハムストリングス」
- ふくらはぎの「ヒラメ筋」と「腓腹筋」
- 足を持ち上げるために必要なインナーマッスルで、骨盤内を通って背骨と太ももの骨をつなぐ「腸腰筋」
何歳になっても鍛えることで筋肉量はアップします。「体力が足りないな」「最近疲れやすいな」と感じたときこそ、すぐに筋力トレーニングをスタートしましょう。
踏み台運動の効果とは?
家でできる簡単な足腰エクササイズとして、踏み台運動があります。自宅でできる人気のエクササイズグッズとして、踏み台運動をサポートしてくれる「ステッパー」というマシンも人気ですよね。
ステッパーは足腰の筋肉を効果的に刺激してくれる優れもの。負荷をかけすぎずに長時間行えるため有酸素運動としての効果も高く、足腰の筋肉を鍛えながら全身の脂肪燃焼も期待できます。
しかし、どうしても場所を取るため用意が難しいことも。ステッパーを用意できない場合は、次にご紹介するエクササイズ&筋トレにトライしてみてください。
自宅でできる足腰を強くする簡単エクササイズ&筋トレ5選
最後に、足腰の筋力を高めるためのエクササイズを5つご紹介します。どれも特別な準備&道具は不要で、今すぐにでも挑戦できる簡単なものばかり。さっそくトライしてみましょう!
①ステッパーいらず!その場足踏み
日常生活で使いきれていない太ももや体幹の筋肉を全体的に刺激する運動です。簡単に感じますが、繰り返し大きな動作をすることで十分なトレーニング効果を得られます。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 立った姿勢になります。
- 両腕はまっすぐ床方向へ、指先まで伸ばします。
- 腕を大きく振りながら太ももをしっかり持ち上げて、その場で足踏みします。
- 3〜5分間程度、足踏みを繰り返します。
■ステッパーいらず!その場足踏みのポイント
お腹に力を入れて足を上げることで、しっかり足を持ち上げることができます。
腕は前だけでなく、後方へも大きく振りましょう。
立って行うのが不安な方は、イスに座って足踏みするだけでもOKです。
②かかとあげ
ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)を効果的に刺激できる「かかとあげ」。ポンプ機能を高め、足先の血の巡りも改善してくれます。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 安定したイスや壁に掴まって、立った姿勢になります。
- 両足のつま先を正面向きに揃えます。
- 両足のかかとをゆっくり持ち上げます。
- 2秒ほどキープしたらかかとを床へゆっくり下ろします。
- 30回程度繰り返します。
■かかとあげのポイント
つま先立ちになるとき、小指側に倒れてしまうと足首を捻挫する可能性があるため要注意!親指と人差し指の付け根で床を押すようにしましょう。
息を吸いながらかかとを上げ、吐きながら下げるようにしましょう。
③足首ストレッチ
ふくらはぎを刺激しつつ、脚全体に適度に負荷をかけられるストレッチです。むくみや冷えが気になる方にもおすすめです。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- イスに深く腰掛けた姿勢になります。
- 右足が床と水平になるように右膝を伸ばします。
- 右つま先が天井向きになるようにしっかり立てます。
- つま先が正面を向くように伸ばします。
- つま先の向きを10回程度変える動作を繰り返したら、左足も同様に行います。
■足首ストレッチのポイント
つま先を天井向きにするときは、すねに力が入りつま先を自分の方へ向けるイメージで行いましょう。
足を水平に上げるのがつらい場合は、床に仰向けで寝た姿勢でつま先を動かしてみましょう。
④足上げ
太ももの筋肉(大腿四頭筋、ハムストリングなど)やお尻の筋肉(大殿筋、中殿筋)をまんべんなく鍛えることのできる3種類のトレーニングです。バランスが崩れないように壁に手を置いて行ってみましょう。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 両手を壁に置き、壁に向かって立った姿勢になります。
- 右膝をおへその高さまで持ち上げ、5秒ほどキープしたらゆっくり戻します。
- 左膝も同様に、交互に10回程度繰り返します。
- 次は、右足を伸ばしたまま真後ろに持ち上げ、5秒ほどキープしたらゆっくり戻します。
- 左足も同様に、交互に10回程度繰り返します。
- 次は左手を壁に置き、体が横を向いた姿勢になります。
- 右足を伸ばしたまま真横に持ち上げ、5秒ほどキープしたらゆっくり戻します。
- 左足も同様に行います。
■足上げのポイント
股関節や太ももの筋肉を効果的に鍛えるためには、足の付け根(股関節)をしっかり動かすことが大切です。足の動きにつられて腰が丸まったり反ったりしないように、お腹に力を入れながら行ってみましょう。
太ももやお尻の筋肉がしっかり使えていれば、足を高く持ち上げる必要はありません。足を持ち上げたところで少しキープをして、太ももやお尻に力が入っているか確認してみましょう。
⑤段差を使ったスタンディングカーフレイズ
かかと上げと同じく、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋、ヒラメ筋)を鍛えることのできるトレーニングです。段差を使うことで動作が大きくなるため、かかと上げよりも負荷が大きくなります。バランスを崩さないように手すりや壁などに掴まって安全にできる場所で行いましょう。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 足を腰幅に開き、20cm程度の段差につま先を乗せます。足裏全体の1/3くらい、指先と指の付け根までが乗るようにしましょう。
- 手すりや壁に掴まりながら、体の重心をやや前寄りにしながらつま先立ちをします。
- かかとを段差よりやや低い位置までゆっくり下ろします。
- つま先立ちとかかとを下ろす動作を、30回程度繰り返します。
■段差を使ったスタンディングカーフレイズのポイント
つま先だけを段差に乗せているため、後ろに倒れてしまう危険があります。つま先に重心がかかるよう、重心を前寄りにしましょう。
すばやく動かすとこむら返り(攣った状態)になる可能性が高まるため、かかとの上下はゆっくり行いましょう。
足腰を鍛えて活動量をアップしましょう!
どんなに運動不足や筋力不足を感じていても、トレーニングすれば筋力は必ず鍛えられるもの。衰えがちな筋力を高めるためにも、本記事でご紹介した簡単エクササイズを取り入れてみてくださいね。毎日5分の運動が、未来の元気な自分を作ってくれますよ。