1日に必要な水分量とは?計算方法や美容、ダイエットで推奨される水分量の目安も紹介
監修者情報
横浜 達也
大手フィットネスクラブを退社後、フリーランスとして活動。
「運動の習慣化で人生が変わる」「運動と食の習慣化と人財の架け橋」をテーマにオンラインダイエット、パーソナルトレーナー、ライター、コンサルティングを中心に活動。
■資格
・2ツ星栄養コンシェルジュ®
・JGFOゴルフフィットネストレーナー JGFO-GFT
・スタジオヨギー チェアヨガインストラクター
・Motivation Academy認定 アドバンストレーナー
・adidas performance training認定
・AFAAマットサイエンス(ピラティス&YOGA)
1日に必要な水分量の目安とは?
人の体の半分以上は水でできている、と耳にしたことはありませんか?これは事実で、成人女性の場合は約55%、成人男性の場合は約60%が体液と呼ばれる水分で成り立っています。具体的な数値で表すと、体重53kgの成人女性は約29kgが水分という計算です。体の半分以上を占める水分は体液として全身を循環しており、酸素や栄養を細胞に届けたり、体温調節をしたりと、生命を維持する役割を果たしています。
私たちの体に必要不可欠な水分ですが、呼吸や汗、尿として自然と排出されて、普通に生活するだけでも1日に約2.5リットルが失われます。食事で得られる水分は約1.0リットル、体内で作られる水は約0.3リットルほどと言われているため、水やお茶などの水分で残り約1.2リットル以上を補給しないといけないのです。
美容・ダイエットなど目的別に推奨される水分量の計算方法
1日に必要な水分量は2.5リットルほどで、飲み物での水分補給は1.2リットル以上が必要ですが、美容やダイエット目的だと推奨される水分量は少し変わります。
美容のために必要な1日の水分量
美容のために必要な1日の水分量は、体重1kgあたり40mlを掛ける計算で導き出せます。たとえば、体重50kgの方だと、以下のような計算になります。
50kg×40ml=2,000ml
この場合、1日に必要な水分量は約2.0リットルになるため、2.0リットルのペットボトル水を1日に1本飲むようにすればクリアします。
ダイエットのために必要な1日の水分量
ダイエットのために必要な1日の水分量を導き出せる計算式はありませんが、ダイエット中は食事から摂取できる水分量が減るため、いつも以上に水分補給を意識するようにしましょう。目安としては1日約1.5~2リットルです。
水分補給の最適なタイミングとは?
水分補給はこまめに行うことが大切です。一気飲みは胃腸にも大きな負担をかけてしまうため、一度にまとめて飲むのではなく、最適なタイミングでこまめに水分を摂るようにしましょう。ここでは、水分補給におすすめのタイミングをご紹介します。
のどが渇く前
のどの渇きを感じるときは、すでに脱水がはじまっています。水分補給はのどが渇いたときに行う方が多いのですが、そうではなく、のどが渇く前に水分を摂るようにしましょう。水分はそのほとんどが腸で吸収されますが、一度に200~250mlしか水分を吸収できません。一気にたくさん飲んだとしても尿として排出されてしまい、体に十分吸収されないので、1時間にコップ一杯を目安にして、こまめに水分補給をするようにしましょう。
起床時
人は活動しているときや気温が上昇する日中に水分不足になりやすいですが、就寝中も呼吸や体温調節での発汗によって水分が失われています。寝ている間の数時間は水分補給ができないため、起床時は体が乾燥している状態です。就寝中の水分不足をしっかりと補うためにも、朝目覚めてすぐにコップ一杯の水を飲むように心がけましょう。ちなみに、起床時に飲む水は体を目覚めさせる役割もあり、腸のぜんどう運動を誘発するはたらきがあります。
運動時
運動をすると発汗量が増えて、通常よりも体内の水分がたくさん失われます。運動量にもよりますが、運動前後にコップ一杯の水分補給をするのに加えて、運動をしている最中も15~30分に1回ほど200mlの水を飲むようにしましょう。特に気温が高い夏は、体内の水分量が急激に減少することがあります。また、冬は汗をかきにくいため、のどの渇きを感じるのが遅くなることも。夏と冬は水分補給が遅れてしまいがちなので、いつも以上に意識して水分を補給するようにしましょう。
入浴の前後
入浴中は、500~800mlもの水分が失われると言われています。大量の発汗によって脱水症状を起こしやすくなるため、入浴前後はそれぞれコップ一杯の水分を摂るようにしましょう。入浴前の水分補給はお風呂に入る15~30分前に、入浴後の水分補給はお風呂から上がってすぐに飲むことをおすすめします。
就寝前
起床時のところでもお伝えしましたが、就寝中は発汗や呼吸によって体の水分が失われます。脱水症状を未然に防ぐために、就寝前にもコップ一杯の水分を摂るようにしましょう。なお、就寝前の水分補給では、利尿作用のある飲み物を摂ることはおすすめしません。利尿作用のある飲み物を就寝前に飲むと、睡眠の質を下げる可能性があるので注意しましょう。
水分補給に最適な飲料
健康や美容のために水分補給が大切とはいえ、水分なら何でもよいというわけではありません。水分補給には「最適な飲料」があるので、飲み物にもこだわって水分補給をするようにしましょう。
最適な飲料は「水」
飲料はさまざまな種類がありますが、水分補給に最適なのは水です。水にはカロリーや余計な成分が含まれていないため、飲むタイミングや健康障害を心配せず安心して摂取することができます。水には硬度の高い「硬水」と硬度の低い「軟水」がありますが、飲みやすいと感じるのは軟水です。軟水は胃腸にやさしい水なので、日常生活で積極的に飲むのは軟水のほうがいいでしょう。
利尿作用がある飲み物は摂取量に注意
利尿作用のある飲み物は、脱水を加速させてしまうことがあります。緑茶や紅茶、コーヒー、ウーロン茶、アルコールなどは利尿作用のある飲み物に該当するので、水分補給のときには控えるようにしましょう。利尿作用のある飲み物を飲むときは、摂取量にも気をつけて飲みすぎないことも大切です。普段飲むのは水にして、利尿作用のある飲み物はたまに楽しむ程度にしておくといいですね。
1日の水分量に関する疑問に回答
最後に、1日の水分量に関してよく寄せられるふたつの疑問に回答します。
必要な水分量を摂らないとどうなる?
水分摂取量が不足すると、脱水症状や熱中症、脳梗塞、心筋梗塞などを起こすリスクが高まります。体の水分が5%失われるだけでも、めまいや吐き気、頭痛などの症状が現れるので注意しなくてはなりません。また、水分不足では血行不良や代謝の低下、肌荒れ、便秘、疲労感、自律神経の乱れなどが起こります。ダイエットや美容の妨げになるので、1日に必要な水分量をこまめに摂るようにしましょう。
「1日2リットル水を飲むとダイエットになる」と言われているのはなぜ?
1日2リットルの水を飲むことで体内の水分の循環が活発になり、老廃物を排出しやすくなるためです。同時に血流も良くなるため、カロリーの消費量が増えてダイエット効果が上がります。水を飲むことで食べすぎも予防できます。
また、水分を摂ると便がやわらかくなったり、腸のぜん動運動が促される効果も。次第に腸内環境が整い、痩せやすい体に近付くのです。
1日に必要な水分量をこまめに摂って理想の体や美肌を手に入れよう
人は、ただ生活するだけでも1日に約2.5リットルもの水分が失われます。それを補うためにも、1日に約1.2~2.0リットルほどの水をこまめに摂取するようにしましょう。水分摂取をするときは、ぜひ本記事でご紹介した5つのタイミングを意識してくださいね。