ムードフードがストレス社会で注目される理由とは?食品例や取り入れ方を紹介
監修者情報
横浜 達也
大手フィットネスクラブを退社後、フリーランスとして活動。
「運動の習慣化で人生が変わる」「運動と食の習慣化と人財の架け橋」をテーマにオンラインダイエット、パーソナルトレーナー、ライター、コンサルティングを中心に活動。
■資格
・2ツ星栄養コンシェルジュ®
・JGFOゴルフフィットネストレーナー JGFO-GFT
・スタジオヨギー チェアヨガインストラクター
・Motivation Academy認定 アドバンストレーナー
・adidas performance training認定
・AFAAマットサイエンス(ピラティス&YOGA)
ムードフードとは?
ムードフードとは、「mood(気分・情緒)」と「food(食べもの)」を組み合わせた造語で、簡単にいうと“気分を変える食べ物や飲み物”のことです。ムードフードには、脳内物質の分泌を促進する成分や、ストレスを軽減する効果がある成分が含まれています。
ムードフードがトレンドになっている理由
ムードフードがトレンドになっている理由は、現代社会でストレスや不安、うつ病といったメンタルの問題が深刻化しているため。たとえば、ストレスの要因となっているのは次の通りです。
- 競争社会の激化
- 労働時間や生活リズムの不規則化
- 人間関係の複雑化
- 情報過多
- スマホやSNSの過剰使用
- 不健康な食生活
- 過労
- 運動不足
- 気候(天候、気温、湿度)の変化
- 睡眠不足 など
現代社会では上記の要因によってストレスを抱える方が増え、そのストレスが大きくなって、うつ病や自律神経失調症などにつながると考えられています。だからこそストレスを軽減したり気分転換をしたりする対策が必要になるのです。
ムードフードを食べたり飲んだりすることで、気分や精神状態を改善する効果が期待できます。健康的な食事やライフスタイルの一助としてムードフードを取り入れ、少しでもストレスの軽減、メンタルの改善を目指していきましょう。
「ムードフード」と呼ばれる食品の具体例
ムードフードと呼ばれる食品はさまざまです。そのなかで代表的な食品をご紹介します。
抗ストレス作用がある食品
抗ストレス作用のある食品は、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を含む食品、脳や神経細胞の健康維持に必要な栄養素「オメガ-3脂肪酸」を含む食品、精神の安定に役立つ「グリシン」を含む食品です。また、アミノ酸の一種のギャバ(Gamma Amino Butyric Acid)を含む食品も抗ストレス作用があります。以下のような食品に含まれているので、意識して摂取するようにしましょう。
セロトニンを含む食品 | バナナ、キウイ、ナッツ類、チーズ、豆類 |
オメガ-3脂肪酸を含む食品 | 青魚、えごま油、くるみ、アーモンド |
グリシンを含む食品 | 大豆、鶏肉、タラ、ホタテ貝柱 |
ギャバを含む食品 | 発芽玄米、カカオ、トマト、発酵食品(納豆、ヨーグルト、キムチ、味噌など)、GABAチョコレート |
また、ビタミンB群は神経系の健康維持に必要な栄養素で、ストレス対策にも役立ちます。肉類や魚介類、卵、全粒穀物などに含まれているので、抗ストレス作用がある食材と一緒に取り入れてみましょう。
緑茶のうま味成分である「テアニン」には、神経興奮を抑制する効果があります。テアニンを含む緑茶を飲むことでα波が発生し、リラックス状態に導いてくれるため、ストレス緩和が期待できるのです。ちなみにテアニンは、玉露や抹茶などの高級茶ほど多く含まれます。
ハーブ/ハーブティー
さまざまな効果・効能が得られると言われるハーブティーも、ムードフードの代表的な食材です。さまざまな種類があるなかでもとくにリラックス効果のあるカモミールティー、ストレスや不安を和らげるレモンバームティー、疲労回復効果のあるローズヒップティー、不眠改善に役立つパッションフラワーティーなどがおすすめ。香りや味がそれぞれ異なるので、好みのものを選んで飲んでみてくださいね。
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ムードフードを生活に取り入れるメリット
バナナや発芽玄米、緑茶、ハーブティーなど、身近な食べ物・飲み物で生活に手軽に取り入れられるムードフード。ここでは、ムードフードを生活に取り入れることで得られるメリットを4つご紹介します。
ストレスの緩和
ムードフードに含まれる成分には、ストレスホルモンの分泌を抑制する効果があります。ストレスを感じる前に摂ると効果的なので、朝食に取り入れてみましょう。バナナやアーモンド、発芽玄米のおむすびと味噌汁を食べるなどがおすすめです。
睡眠の質の向上
睡眠の質を改善する効果が期待できるのも、ムードフードの良いところです。良質な睡眠は疲労回復や免疫力向上につながります。健康維持のためにも、夕食にムードフードを取り入れてみてください。納豆やキムチを食べる、青魚を使った料理を食べるといいでしょう。
リラックス効果
ムードフードには、神経の昂りを鎮めたり不安や緊張を緩和したりする働きがあります。心身をリフレッシュする効果もあるので、仕事や家事の合間、就寝前などにハーブティーを飲んでみてはいかがでしょうか。
集中力向上効果
ムードフードに含まれる成分には神経伝達物質を調整する効果があり、集中力を高める働きも期待できます。もうひと頑張りしたいときには、緑茶や玉露、抹茶などを飲んでみましょう。ギャバを含むチョコレートを一口食べるのもおすすめです。
ムードフードを上手に取り入れるコツ
最後に、ムードフードを上手に取り入れるコツを3つご紹介します。
ストレスの要因を知る
まずは、自分がどんなシーンでストレスを感じるのかを確認しておきましょう。ストレスを感じるシーンや引き起こすものに気づくことで、ムードフードを摂るべきタイミングに気づけるはずです。
継続して取り入れる
ムードフードは一日だけ意識して摂取しても、望んだ効果を得ることはできません。できるだけ継続して取り入れることが大切なので、ムードフードを食べることを習慣化しましょう。ムードフードはサプリや機能性食品を活用する手もありますが、できるだけ普段の食事で摂るのがおすすめです。朝食はバナナヨーグルトか発芽玄米のおむすびにする、昼食には味噌汁をプラスする、夕食は和食中心にするなど、食事のパターンを決めておくと継続して摂取しやすくなります。
栄養バランスが偏らないように注意
ムードフードは、あくまでもプラスアルファとして取り入れるべき補助食品です。ムードフードを意識してひとつの食品だけを食べ続けると、栄養バランスが崩れることがあります。偏った食生活では、心身ともに健康を維持することも難しくなります。健康的な体と心を維持するためにも、ムードフードを意識的に摂取しつつも、たんぱく質や炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルなどの五大栄養素とともに食物繊維をバランス良く摂取するようにしましょう。
ムードフードを意識的に摂取してストレスを緩和しよう!
ストレス社会と言われる現代をより健康的に生きるためには、ストレス緩和の対策を日常生活の中で取り入れることが大切です。ストレスの緩和、リラックス効果、睡眠の質の向上が期待できるムードフードを意識的に摂り入れましょう。ただし、ムードフードだけを摂取しても、ストレスの緩和や健康を維持することはできません。栄養バランスの良い食生活を心掛け、適度な運動、質の高い睡眠を取って、心身の健康を維持していきましょう。