背筋を効果的に鍛える筋トレ6選!背中全体を大きくする鍛え方を紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
背中のトレーニングで鍛えられる筋肉
背中のトレーニングで鍛えられる筋肉は数多くありますが、かっこいい背中をつくるためには主に以下の5つの筋肉を鍛えるとよいでしょう。
- 広背筋
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋
- 大円筋
- 菱形筋
各筋肉の特徴を以下の表にまとめました。
筋肉の名称 | 特徴 |
---|---|
広背筋 | 広背筋は背中で最も大きく、アウトラインを形作るうえで最も重要な筋肉。広背筋を鍛えることで背中が横に広がり、大きな逆三角形の背中をつくることができます。主に腕を下げる、後ろに腕を引く動作で使われます。 |
僧帽筋 | 後頭部から肩の後方に広がり、肩甲骨より下の背骨にまでくっついているのが僧帽筋。鍛えると背中に厚みを持たせられる筋肉です。肩甲骨をさまざまな方向へ動かす役割を担っています。 |
脊柱起立筋 | 脊柱起立筋は正確には脊柱起立筋「群」。多数の筋肉が後頭部から背骨を伝って骨盤の中央にかけてくっついており、背骨を保持したり背中を反らせたりする機能があります。鍛えると特に背骨両脇にかけて大きな盛り上がりをつくることができます。 |
大円筋 | 大円筋は肩甲骨の下端から二の腕の骨の内側にくっついている筋肉。サイズは小さいですが、発達すると脇にぽこっとした膨らみをつくることができ、背中全体のボリューム感がアップします。 |
菱形筋 | 背骨から肩甲骨の内縁にかけてくっついている筋肉。主に肩甲骨を寄せる働きがあります。 |
背筋を鍛えるメリット
背筋を鍛えると、逆三角形といわれるような大きくたくましい背中に近づきます。しかし、背筋を鍛えるメリットはそれだけではありません。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。
たくましい背中になる
背筋を鍛えると、逆三角形といわれるような大きくたくましい背中になり、よりかっこいい体に近づきます。鍛え上げられた背中のシルエットは服の上からでもわかりやすく、魅力的な後ろ姿になります。
筋肉をつけてたくましい体をつくるために注目されがちなのが腹筋と大胸筋ですが、背中を鍛えていないと姿勢が悪くなったり、背中のたるみが目立ってだらしない印象に。
背中をしっかりと鍛えれば猫背を防ぎ、良い姿勢を維持できるので、ふとした一瞬でもかっこいい佇まいでいることができます。
太りにくい体になる
消費エネルギー量よりも摂取エネルギー量が上回ると体重は増えてしまいます。つまり、消費エネルギー量を増加させれば、その分太りにくくなるのです。
筋肉は代謝が活発な組織なので、筋肉量を増やすことで、何もしなくても消費するエネルギー=基礎代謝が増加するため、太りにくい体に変化します。
腰痛の改善や予防につながる
腰痛になる原因の一つは背骨に過剰な負担がかかることです。猫背や反り腰など姿勢が悪かったり、背骨を支える筋力が弱かったりすると負担がかかりやすくなります。
これらを改善するためには、姿勢の改善や背骨を支える力を鍛えることが大切です。特に、背骨に直接くっついている脊柱起立筋や広背筋などを鍛えることが効果的です。不良姿勢を改善し、背骨を支える力を高められるので、過剰な負担がかかりにくくなります。
【器具なし】自重でできる背筋トレーニング3選
背筋を鍛えるには、具体的にどのようなトレーニング方法がよいのか見ていきましょう。ここでは、器具がなくても自体重や身近にあるものだけで行える背筋トレーニング3選をご紹介します。
バックエクステンション
バックエクステンションは床にうつ伏せになって腰を反らせて行うトレーニングです。主に脊柱起立筋を鍛えることができます。特別な道具も必要なく動作もシンプルなため、初心者でも取り組みやすいトレーニングです。
初心者向けに、最も負荷が軽いトレーニング方法をご紹介します。
バックエクステンションのやり方
- 床やマットの上にうつ伏せになり手を耳の横におきます。
- 息を吸いながら胸と膝を浮かせ、腰を反らします。
- 息を吐きながらゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- 10回繰り返し、それを2〜4セット行いましょう
バックエクステンションのポイント
バックエクステンションは、低強度ですが背骨を大きく反らすトレーニングです。自重とはいえ腰にある程度の負荷がかかるため、痛みが出るときは無理をせずに休みましょう。
また、肩や首に余計な力が入らないようにリラックスして行うことも大切です。慣れていないと首や肩に力が入りすぎて、上手に動作ができず脊柱起立筋にしっかりと負荷がかかりません。
首や肩は極力リラックスして、首から下の動作だけで行うことを意識しましょう。
ラットプルダウン(タオル)
ラットプルダウンはタオルを両手に持って頭上にかかげ、首の後ろまで下げるトレーニング。主に、腕を引く動きを行う広背筋を鍛えることができます。
タオル一つで行うことができて動作自体もとても簡単なので、体力に自信がない運動初心者におすすめの背中筋トレです。タオルはスポーツタオルくらいの細長いサイズのものを一つ用意してください。
ラットプルダウンのやり方
- 椅子などに座り、手を肩幅より拳1〜1.5個程度広げ両手でタオルの端を握ります。
- タオルを持った両手を頭上に上げ、ひじを完全に伸ばします。
- 息を吐きながらタオルを首の後ろ側まで下げます。
- タオルが首の根元に触れたら、ゆっくりとひじを伸ばし最初の姿勢に戻ります。
- 10回程度同様に繰り返し、それを2〜4セット行いましょう。
ラットプルダウンのポイント
降ろす位置は首の根元までで十分です。それより下に引っ張ってもあまり効果はありません。無理に腕を首よりも下まで下げると逆に肩まわりを痛めてしまう可能性があります。タオルを下げる際は適度な位置までにしましょう。
また、腰を反らさないように注意しましょう。腰を反らせると、広背筋にしっかり効かせることができません。
チンニング
チンニングは和訳すると懸垂という意味です。鉄棒などにぶら下がり、ひじを曲げ自分を引っ張り上げるトレーニングです。主に広背筋に負荷をかけることができ、自重とはいえとても高強度なトレーニングになります。
公園の鉄棒などでも行えますが、今回は机を使ったチンニングのやり方を詳しく解説します。
チンニングのやり方
- テーブルの下で仰向けの状態になります。
- 両膝を立てて、膝は約90度になるように曲げます。
- 肩の真上にまっすぐ腕を伸ばしながら、両手でテーブルの端をつかみます。
- まずはお尻を床から浮かせた状態になり、両腕を使って体をテーブルに引き寄せるようにして体を持ち上げます。
- 床にお尻と背中がつかないところまで体を下ろします。
- 4〜5の動作を10回を1セットし、3セット行いましょう。
チンニングのポイント
親指をテーブルから離して行うと、背中の筋肉や三角筋後部を使って体を上げやすくなります。
体を上げるときに肩を下げる意識を持つと、肩甲骨が体の内側に寄りやすくなり、背中の筋肉や三角筋後部を使いやすくなります。
ダンベルを使った背筋トレーニング3選
ダンベルを使ったトレーニングは、適切な負荷をかけて筋肉を大きく刺激できます。
ここではダンベルを使った背筋トレーニング3選をご紹介します。
ダンベルデットリフト
ダンベルを両手を持ち、股関節を軸にして上半身を前に倒してから起こす動作を繰り返すトレーニングです。背筋群全体に効きますが、主に脊柱起立筋や僧帽筋、菱形筋など背骨を安定させるための筋肉を鍛えることができます。
高負荷で行えて効果の高いトレーニングですが、やり方を間違えると腰を痛めてしまう可能性も高いため、必ず正しいフォームで行いましょう。
ダンベルデットリフトのやり方
- 両足を肩幅に開いて立ち、左右の手にそれぞれダンベルを持ちます。
- 軽く膝を曲げ、お尻をやや後ろに引きます。おへそは正面ではなく斜め下の床に向けます。
- 脇を締めて肩甲骨を背中の中央に寄せ、軽くひじを曲げてダンベルを太ももの外側(腰の横側)にセットします。
- 息を吸いながら足の付け根から上半身をゆっくり前屈させます。腰が丸まらないように気をつけながら脚に沿ってダンベルを下げていきます。
- すねの真ん中までダンベルを下げたら、息を吐いて3の姿勢に戻ります。
- 4~5を1回として、15回を2セット行いましょう。
ダンベルデットリフトのポイント
腰が丸まらないように注意しましょう。腰が丸まったままデッドリフトを行うと腰への負担がとても大きくなり、腰を痛めてしまう可能性が高まります。
ダンベルローイング
ダンベルローイングはダンベルを両手に一つずつ持ち、ダンベルを引っ張り上げるトレーニングです。
背中で最も大きな筋肉である広背筋を主に使いますが、特徴的なのは体幹の筋肉にもアプローチできること。背骨両脇にある脊柱起立筋や、肩甲骨を寄せる筋肉である僧帽筋や菱形筋も同時に鍛えられます。
一方で、初心者が行うにはやや難しい部分も。まずは軽い重さで正しいフォームを覚えてから行うようにしましょう。
ダンベルローイングのやり方
- 足を腰幅に開き、両手にひとつずつダンベルを持ちます。
- お尻を後ろに引き、太ももと床が平行になるところまで膝を曲げます。膝はつま先より前に出ないようにします。
- 背中が丸まらないように胸を張り、あごを少し上げて視線を上に向けます。
- 脇を締めてひじを曲げ、ダンベルを脚の付け根まで引き上げて肩甲骨をしっかり寄せます。
- ゆっくりとダンベルを元の位置まで下げます。
- 4~5を1回として15~20回、2セット行いましょう。
ダンベルローイングのポイント
背中が丸まってしまうと腰を痛める原因になるため、必ず胸を張って背筋を伸ばして行いましょう。腰を真っ直ぐに保ちながら行うことを意識してください。
また、ダンベルを引き上げるときに口から息を吐きながら行うと腰の反りすぎを防げます。引き上げるときに肩甲骨を寄せることを意識して行うと広背筋のほかにも菱形筋や僧帽筋にもしっかりと効いてきます。
ダンベルアップライトロウ
ダンベルアップライトロウは、立位の状態で両手に持ったダンベルを腰から肩の高さまで引っ張り上げるトレーニングです。主に肩の三角筋を使うトレーニングですが、僧帽筋上部にも負荷が入り背中を鍛えるのにも役に立ちます。
しかし、間違ったやり方をすると肩を痛めてしまう危険性がありますので、正しいフォームで行うことを意識しましょう。
ダンベルアップライトロウのやり方
- 足幅を腰幅にして立ち、左右の手にそれぞれ適度な重さのダンベルを持ちます。
- 鼻から息を吸いながら、ひじを外側に曲げ、ダンベルが胸の前を通るように手首を肩まで引き上げます。
- 口から息を吐きながら、ひじを伸ばしてダンベルを下げます。
- 最初の姿勢に戻ったら同じように動作を繰り返します。
- 10回程度を1セットとし、2〜4セット繰り返し行いましょう。
ダンベルアップライトロウのポイント
特に注意するのは上げ下げの速度です。反動を使って上げてしまうと僧帽筋上部にほとんど負荷がかからないうえ、肩への負担も大きくなります。
効果をだすためにもケガを防ぐためにも、動きをコントロールして反動を使わずに行うことを意識しましょう。
効率よく背筋を鍛えるためのコツ
トレーニングの効果を最大限引き出すためには、トレーニングだけをがんばっても不十分です。しっかりと食事や休養をとったり、じっくりと負荷を上げていく必要があります。
ここでは効率よく背筋を鍛えるためのコツを3つご紹介します。
徐々に負荷を上げていく
筋トレの効果を効率よく出すためには、徐々に負荷を上げていくことが大切です。ずっと同じ重量でトレーニングを行うことは初心者にありがちなミスなのですが、いつまでも同じ負荷で行っていては筋肉が成長しません。
少しずつ重量や回数を増やして負荷を上げていきましょう。目安としては、正しいフォームでトレーニングができる範囲で「最後の1回ができるかできないか」を狙って負荷設定をするとよいでしょう。
可変式ダンベルを利用すると、徐々に負荷を上げる際に役立ちます。ぜひ購入してみてください。
- NÜOBELL(ヌオベル)32kg
- 株式会社コンプライアンス
休息時間を確保する
早く効果を出したいからといって毎日トレーニングをするのはNGです。オーバートレーニングとなり逆に筋力が低下してしまうかもしれません。
筋肉は回復するための時間が必要です。しっかりと回復していないタイミングでトレーニングをすると疲労が積み重なり、逆に筋力が下がっていってしまうことも。最初は週2〜3回の頻度におさめ、必ず休みを入れるようにしましょう。
栄養バランスの良い食事を摂る
筋トレの効果を出すためには食事が非常に重要です。どれだけトレーニングをしても栄養バランスが悪い食事だと筋肉が成長しません。
例えば、筋肉の原料であるたんぱく質が足りないと筋肉は成長しませんし、糖質が足りないと筋肉が分解されて減っていってしまいます。ミネラルの一つである亜鉛が足りないと男性ホルモンのテストステロン分泌が少なくなり筋発達が十分にできません。
筋肉を大きくするために、五大栄養素といわれる炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルに加えて食物繊維もバランスよく摂り、主食、主菜、副菜を意識した食事をとるようにしましょう。
正しい背筋の筋トレを行ってかっこいい背中を作ろう
かっこいい体をつくるためには背中の筋トレが不可欠です。背筋を鍛えることで姿勢が良く、厚みがあり形の良い体型を作れます。
背筋を鍛えるために何より大切なのは筋トレです。正しいフォームで背中全体の筋肉に刺激を入れることで筋肉を発達させることができます。また、負荷のかけ方や休養、食事も同じくらい大切になります。日々の過ごし方が体型を変えるのです。
正しいフォームで筋トレを行い、適切に負荷をかけ背筋をしっかりと鍛えてカッコよく魅力的な体型を目指しましょう。