ゴルフ由来の腰痛が起きる原因とは?左側・右側に分けて徹底解説

監修者情報
正覺 友香里
ゴルフコーチ・ゴルフクラブアドバイザー
中学2年でゴルフを始め、高校で県大会優勝。ゴルフクラブアドバイザーやキャディとしての勤務経験を持ち、現在は初心者〜中級者向けにマンツーマンレッスンを行う。
元ドラコンプロで、九州のタイトルマッチ戦2位の実績あり。
■資格
USGTF(全米ゴルフ指導者連盟)ティーチングプロ
【結論】ゴルフは腰痛が起きやすいスポーツ


正覺 友香里
ゴルフは腰をひねる動作が多く、フォームや体の状態次第で腰痛を招きやすいスポーツです。
ゴルフは「腰痛はゴルファーの職業病」とまで言われるほど、腰に負担がかかりやすいスポーツです。特にスイング動作では、腰を大きくひねる動きが繰り返されるため、体の使い方や柔軟性、筋力のバランスが悪いと腰に過剰な負荷がかかり、痛みの原因になりがち。また、アマチュアゴルファーの場合は、誤ったフォームや準備運動不足などにより、腰への負荷が一層高まる傾向にあります。
このように、ゴルフはほかのスポーツと比べても腰痛を招きやすい競技と言えるでしょう。次の章では、その具体的な原因について詳しく見ていきます。
ゴルフで腰痛が起きる原因

ゴルフで腰痛を引き起こす背景には、スイング時の体の使い方や筋肉の柔軟性、プレー前の準備不足といった複数の要因が関係しています。ここでは、特に腰に負担をかけやすい代表的な原因を3つに分けて解説していきます。
誤ったフォームでアドレス・スイングしている
ゴルフスイングは一見シンプルに見えて、実は非常に複雑な全身運動です。正しいフォームを意識せずにアドレスやスイングを行うと、特定の部位に負荷が集中し、腰に思わぬ負担がかかります。特に、猫背や反り腰といった姿勢のクセがある人は誤ったフォームになりやすいので要注意。
アドレスでは胸を張り、腰から前傾する形が基本です。また、スイングでは腰を軸にした回転を意識しないと、左右の腰に偏った負荷がかかることもあります。
一般的に、スイングによる左右の腰痛は以下のような原因で起こりやすくなります。
痛みの出る側 | 主な原因 |
---|---|
左側の腰 | ・回転不足による引っかかり ・左足での踏ん張りすぎ ・インパクト時の体の開き |
右側の腰 | ・バックスイング時の過度な捻転 ・トップでの体重移動不足 ・右に流れる動き |
腰まわりの筋肉が硬い
ゴルフでは、腰だけでなく、お尻や太ももの前後、背中、腹筋など、さまざまな筋肉が連動して動きます。これらの筋肉が硬くなると、スイング時に力をうまく分散できず、結果として腰に負担が集中します。特に、筋肉疲労が蓄積していると柔軟性が失われやすく、可動域が狭くなることで無理な姿勢や動きにつながりやすくなります。
たとえば、前傾姿勢がうまく取れない、スイングがぎこちないといった状態は、腰に余計な力がかかる原因に。体が全体的に硬いと感じる人ほど、腰痛を引き起こしやすいので、日頃からストレッチなどで筋肉をやわらかく保つことが大切です。
準備運動が足りていない
筋肉がやわらかく、正しいフォームでスイングできていたとしても、準備運動をせずにプレーを始めれば、腰を痛める可能性が高まります。特に朝一番など、体が冷えた状態でいきなりスイングをすると、筋肉や関節が衝撃に対応しきれず、腰に強い負担がかかります。
ケガを防ぐためにも、ゴルフ前には関節をほぐすストレッチや、体をしっかり温める軽いジョギングや体操などを取り入れて、スムーズに動ける状態を作っておきましょう。
ゴルフで腰痛を起こさないためのポイント

ゴルフによる腰痛は、日頃のちょっとした意識や工夫で予防することができます。ここでは、スイング時のフォームの見直しから、体への負担を軽減するアイテムの活用、自宅でできる簡単なケアまで、実践しやすい対策を3つ紹介します。
正しいフォームでアドレス・スイングする
腰痛を防ぐには、体に負担のかからない正しいアドレスとスイングを身につけることが重要です。たとえば、使用するクラブに応じて足幅を調整し、背筋を伸ばしながら骨盤から前傾する姿勢を取ると、無理のない構えができます。膝は軽く曲げ、腕や肩に力を入れずリラックスして構えるのもポイント。こうした基本を意識することで全身がスムーズに連動し、腰への負担を減らせます。フォームが安定すれば飛距離アップも期待できます。
さらに、フォームを安定させるためには筋力向上も欠かせません。ゴルフ上達に欠かせない筋肉やそのトレーニングについては以下の関連記事を参考にしてください。また、自分のフォームに自信がない方は「チキンゴルフ」のような専門のゴルフスクールでの指導を受けるのもおすすめです。
- チキンゴルフ
- 株式会社クリア
関連記事:ゴルフの上達に必要な筋肉やそのトレーニングを紹介した記事はこちら
腰まわりをサポートするアイテムを着用する
ゴルフ中の腰痛対策として、コルセットやサポーターなどのアイテムを取り入れるのも有効です。これらは腰まわりの筋肉を外側から補助し、スイング時に腰が不安定に動くのを防ぎます。特に、適度な圧力で腰の曲がりすぎを抑えるタイプは、フォームの安定性を高めるうえでも役立ちます。また「骨盤整隊カシャーン」のような骨盤のゆがみを整える機能を備えたサポーターなら、腰痛予防と骨盤ケアの両方をサポートできて一石二鳥です。
関連記事:腰痛サポートベルト「骨盤整隊カシャーン」の購入レビュー記事はこちら
- 骨盤整隊カシャーン
- 株式会社コパ・コーポレーション
就寝前にストレッチを実施する
ゴルフによる腰痛の多くは、誤ったフォームや筋肉の硬さが原因です。特にプレー後は、筋肉が疲労して硬くなりやすく、そのままにしておくと腰に負担が残りやすくなります。そうしたリスクを減らすうえで効果的なのが、就寝前のストレッチです。
お風呂上がりなど体が温まっているタイミングで、腰や太もも、背中まわりをゆっくり伸ばすことで筋肉の緊張が和らぎ、疲労回復を助けてくれます。これを毎日の習慣にすれば柔軟性も向上し、腰痛の予防にもつながります。特にラウンドや練習の後は、意識して取り入れるようにしましょう。
関連記事:股関節の可動域を広げるストレッチを紹介した記事はこちら
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ゴルフと腰痛の関係性に関するよくある質問
腰の痛みを感じたらすぐに中止するべき?
腰に急激な痛みや違和感をおぼえた場合は、すぐにプレーを中止するべきです。無理をして続けると、炎症が悪化し、最悪の場合は歩くのもつらい状態にまで進行する可能性があります。我慢できるからと放置せず、まずは安静にすることが大切です。日常生活にも支障を感じるようであれば、早めに整形外科や整骨院など専門機関に相談しましょう。
体のゆがみは腰痛に関係する?
体のゆがみは腰痛に大きく関係しています。体のバランスが崩れていると、スイング時に特定の筋肉へ負担が集中しやすくなり、その結果、腰を痛めやすくなります。特に骨盤や背骨のズレがあると、知らないうちに腰へ負荷がかかり続け、痛みにつながることも。
ゆがみは1〜2日で改善できるものではないため、日頃から正しい姿勢を心がけることが大切です。気になる方は、自分の体にゆがみがあるかどうか、整形外科や整骨院で専門的に確認してもらうと安心ですよ。
腰への負担を減らして、ゴルフを快適に楽しもう

ゴルフによる腰痛は、フォームの乱れや筋肉の硬さ、準備不足など、日々の積み重ねが原因になりがち。だからこそ、ストレッチや体のケア、正しいフォームを意識することで、腰への負担を減らすことができます。違和感を抱えながらのプレーでは、本来の実力も楽しさも発揮しきれません。
正しいフォームの見直しやストレッチ、サポートアイテムの活用などを取り入れながら、腰への負担を減らし、より快適にゴルフを楽しみましょう!