股関節の痛みを和らげるストレッチを紹介!ストレッチでの禁忌も解説

股関節は年齢を重ねるごとに柔軟性が損なわれ、可動域が狭まってしまいます。「歩くだけで痛い」「しゃがめなくてつらい」など、股関節の痛みに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、股関節の柔軟性アップに効果的なストレッチを5つピックアップ!股関節が痛む原因や特徴的な症状、日常の中で気をつけるべきポイントなどもあわせてご紹介します。

股関節の痛みの原因は?

股関節に痛みを感じるのか原因を理解することが、痛みの改善につながる
股関節に痛みを感じるのか原因を理解することが、痛みの改善につながる

股関節の痛みの原因はさまざまで、原因によって痛みが出る部位や症状、頻度などが変わってきます。まずは、股関節の痛みの原因や特徴的な症状からチェックしていきましょう。

  • 股関節に起因する痛みとは?
  • ほとんどの股関節の痛みは関節炎が原因

なぜ股関節に痛みを感じるのか原因を理解することが、痛みの改善につながります。

股関節に起因する痛みとは?

“股関節の痛み=脚の付け根が痛む”とイメージする方も多いかもしれませんが、痛みが出る部位はさまざま。脚の付け根だけでなく、太もも、骨盤周辺、お尻、ときには膝にまで、次のような痛みが出ることがあります。

  • どちらか片側だけが痛い
  • 左右同じ場所が痛む
  • 歩行やジャンプ、階段の昇降、かがむ動作のときに痛む
  • 激しい運動をすると必ず痛む
  • 妊娠中や出産後に痛む

当てはまった方は、股関節ストレッチで症状を緩和していきましょう。

ほとんどの股関節の痛みは関節炎が原因

股関節が痛む原因のほとんどは、関節に炎症が起こる「関節炎」が原因です。胴体と脚をつないでいる股関節は、立つ・歩く・座るといった日常の動作で重要な役割を担っています。健康な股関節であれば、骨の間にある軟骨によってスムーズに動かせますが、加齢や肥満、過度な運動、運動不足による関節可動式の縮小が原因で軟骨がすり減り、骨同士が摩擦すると炎症が起きてしまうのです。

ただし、痛みが長期間続いたり、強い痛みがある場合には「変形性股関節症」「リウマチ性股関節症」「骨頭壊死」「大腿骨頚部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)」などの病気の可能性も考えられます。

なかでも、40~50代の方は変形性股関節症を発症しやすいため要注意!軟骨の摩擦などによって股関節が変形してしまう病気で、強い痛みや股関節の違和感が特徴です。

股関節のストレッチをする際の注意点!

股関節の痛みにはストレッチが効果的ですが、前述した変形性股関節炎を発症している場合には、次の「禁忌肢位」やとってはいけない行動について知っておきましょう。

  • 股関節を内側にひねる動き
  • しゃがむ動作
  • 関節に強い負荷をかけるストレッチ
  • 勢いにまかせて関節を動かすこと

変形性股関節炎を患っている方が無理な姿勢で股関節に負担をかけると、余計に股関節に負荷がかかり症状がひどくなる可能性も。大きくひねる動きやしゃがむ動作、強い力や勢いに任せた動きは避けて、ゆっくりと力を加えていきましょう。

誤ったフォームでストレッチを続けると一箇所に負荷がかかりやすくなります。フォームを崩さないよう注意しながら、自分のペースでストレッチしていきましょう。

股関節の痛みを改善するストレッチ5選

では、さっそく股関節ストレッチに挑戦しましょう!今回は、初心者でも簡単にトライできるお手軽なストレッチを5つ厳選しました。

  • 股関節の動きをほぐすストレッチ
  • 座ったままできる股関節ストレッチ
  • 股関節が硬くてもできるストレッチ
  • 四つん這いでできる股関節ストレッチ
  • 寝ながらできる股関節ストレッチ

四つん這いや仰向け、座ったままなど…自分にとって楽な姿勢のストレッチからはじめてみましょう。

股関節をほぐすストレッチ

壁で体重を支えながら行うため、体力に自信がない方にもぴったり
壁で体重を支えながら行うため、体力に自信がない方にもぴったり

こり固まりやすい股関節の動きをスムーズにするストレッチです。壁で体重を支えながら行うため、体力に自信がない方にもぴったり!揺れの強さを調節できるので、痛みを感じない範囲を探りながらはじめてみましょう。

股関節の動きをほぐすストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 壁に対して垂直に立ち、片方の手を壁に添えます。
  2. 脚を肩幅に開きます。壁から遠いほうの脚を浮かし、ぶらぶらと軽く揺らしましょう。
  3. 脚の付け根がほぐれたら、脚は浮かした状態のまま斜め前方向に向かってつま先を強く蹴り出します。 
  4. 3の動きを30回繰り返したら、反対の脚も同様に行いましょう。

股関節の動きをほぐすストレッチのポイント

浮かした脚を地面に向かって蹴るときは、太もも周辺の硬くなった筋肉を大きく揺らすようなイメージで。蹴ったときに、股関節からつま先まで脚が直線になるように伸ばしていきましょう。

座ったままできる股関節ストレッチ

座った状態で脚をぱたりと倒すだけの簡単なストレッチです。シンプルな動きですが脚の重さを使って股関節をほぐせるため、ストレッチ効果は絶大。膝の角度に注意しながらトライしてみてください。

座ったままできる股関節ストレッチのやり方 

難易度:易しい

  1. 体操座りの状態になり、脚の幅を肩幅より大きく開きます。
  2. 両手をお尻の後ろの床につけ、胸を開きます。
  3. 息をゆっくりと吐きながら、両膝を右にぱたりと倒し、次に左側へと倒します。
  4. 膝を倒す動きを左右交互に10回ずつ行いましょう。

座ったままできる股関節ストレッチのポイント

脚を左右に倒すときは、膝が90度になるよう意識しましょう。両膝を床につくようにして、太ももの付け根や股関節からしっかり動かすのがポイントです。お尻が床から浮かないように意識しましょう。

股関節が硬くてもできるストレッチ

股関節の硬さにお悩みの方におすすめの、座ったままできるストレッチです。股関節を左右に開くことでこり固まったお尻の筋肉もほぐれ、腰痛や姿勢改善効果が期待できます。胸を張って上半身をしっかり開くため、バストアップや巻き肩による肩こりの解消にもおすすめです。股関節の動きをスムーズにして、立ち上がる・歩く・座るといった“些細な動作”をより美しくアップデートしていきましょう。

股関節が硬くてもできるストレッチのやり方 

難易度:易しい

  1. あぐらの姿勢をとり、両足裏をぴたっと合わせます。
  2. 足先を両手で包み、両足を体のほうにグッと寄せていきます。
  3. 肘を使って、膝を床へと押し付けていきましょう。
  4. この体勢のまま、数秒~20秒ほどキープしましょう。

股関節が硬くてもできるストレッチのポイント

膝を床に押し付ける際、視線は前を向いて背中が丸まらないよう意識してください。
膝は床につかなくてもかまいません。無理のない範囲で股関節をほぐしていきましょう。

四つん這いでできる股関節ストレッチ

股関節の柔軟性アップに効果的
股関節の柔軟性アップに効果的

四つん這いの姿勢で、股関節を引き寄せるストレッチです。上半身の重みが重力となって股関節にほどよい負荷をかけるため、股関節の柔軟性アップに効果的。骨盤や股関節だけでなく、背骨の歪みを整える効果も期待できます。呼吸が浅くならないように注意しながら、姿勢のキープと脚の引き寄せに集中しましょう。

四つん這いでできる股関節ストレッチのやり方

難易度:普通

  1. 四つん這いの姿勢をとります。
  2. 右足を外側に大きく開きましょう。
  3. お尻を後方に引き、股関節を床に向かって引き寄せてください。
  4. 左足も同様に行いましょう。

四つん這いでもできる股関節ストレッチのポイント

股関節を床に近づけるときは、腰まわりを斜め前方向に落とすように意識しましょう。 
腰からつま先までは一本の線でつながっているようなイメージで行います。

寝ながらできる股関節ストレッチ

仰向けの姿勢のまま、リラックスした状態で両足を動かす股関節ストレッチです。股関節の歪みを改善してこりをほぐすだけでなく、脚のむくみやたるみ解消にも効果的です。ダイナミックな動きがないため、ベッドの上で寝転びながらトライするのもおすすめです。

寝ながらできる股関節ストレッチのやり方

難易度:普通

  1. 仰向けになり、体をまっすぐ伸ばしましょう。
  2. 両膝を立てて、左足首を右膝にかけます。
  3. 左手は両足の腿の間を通るように、右手は右側から右足の腿裏をホールドします。
  4. 吐く息でゆっくりと右膝を引き寄せていきましょう。
  5. 反対側も同様に行いましょう。

寝ながらできる股関節ストレッチのポイント

反り腰の方は、仰向けの姿勢のときに腰が床から浮きすぎないよう注意しましょう。

股関節ストレッチを行う際に意識する3つのポイント

股関節ストレッチを行う際に知っておきたい、3つのポイントをご紹介します。

  • トリガーポイントを重点的にほぐす
  • 負荷をかけ過ぎない
  • 毎日継続する

より効果的かつ安全に行うためにぜひチェックしておいてくださいね。

1.トリガーポイントを重点的にほぐす

ストレッチ以外にもマッサージや筋膜リリースをピンポイントで行うほか、入浴や軽い運動などで体を温めるのも効果的
ストレッチ以外にもマッサージや筋膜リリースをピンポイントで行うほか、入浴や軽い運動などで体を温めるのも効果的

股関節ストレッチの効果を感じられない場合、筋肉がこり固まってしまった部分(=トリガーポイント)をほぐせていない可能性があります。とくに筋肉がこり固まりやすい、腰椎と大腿骨を結ぶ「大腰筋」、骨盤内部と大腿骨を結ぶ「腸骨筋」を意識的に伸ばしてみましょう。

ストレッチ以外にもマッサージや筋膜リリースをピンポイントで行うほか、入浴や軽い運動などで体を温めるのも効果的です。

2.負荷をかけ過ぎない

ストレッチ中に「痛気持ちいい」と感じた場合は、正しいフォームで股関節を伸ばせている証拠です。反対に強い痛みや違和感、軟骨や骨が鳴る音が続く場合は無理に強い力を加えてしまっている可能性が高いでしょう。症状や痛みの悪化、別の箇所をケガしてしまう恐れがあるため、直ちにストレッチを中断してください。

痛みが強くなった場合は自己判断せず、医療機関を受診するようにしてくださいね。股関節の曲げ伸ばしの際に反動をつけないこと、マットや布団などの柔らかな床の上で行うことなども負荷を抑えるポイントです。

3.毎日継続する

股関節ストレッチは即効性が高いため、しばらく曲げ伸ばしをすればほぐれたような感覚を覚えます。たしかに一回のストレッチでも一時的に股関節の可動域は広がりますが、あくまでも短時間の作用で、時間が経てばすぐにまた股関節がこり固まってしまいます。

まずは短い時間からでもいいので、毎日ストレッチを継続することが大切!股関節の痛みが改善されたあとも、少しずつ負荷やストレッチにかける時間を調節しながら継続していきましょう。

股関節の痛み改善のために普段からできること

毎日の習慣やクセに目を向けるだけで、痛みの緩和や症状の改善が期待できます
毎日の習慣やクセに目を向けるだけで、痛みの緩和や症状の改善が期待できます

股関節痛を改善するためには、ストレッチ(運動療法)に加えて以下のことを実践してみましょう。毎日の習慣やクセに目を向けるだけで、痛みの緩和や症状の改善が期待できます。

  • 座りっぱなしをやめる(デスクワーク中は1~2時間に1回股関節ストレッチを挟む)
  • 過度なトレーニング後にはアイシングを行う
  • 筋トレをしてインナーマッスルを鍛える
  • 脚を組む、片足を軸に立つといった片側に体重がかかる姿勢を避ける
  • BMI(ボディマス指数)が高い場合は、減量して関節への負荷を減らす

股関節の痛みが気になる方はストレッチを試してみましょう!

股関節に痛みや違和感があるからといって動きを制限してしまうと、余計に筋肉がこり固まって血行不良や体力の低下、関節可動域の縮小による痛みを引き起こします。まずは、1日5分のストレッチからトライするのがおすすめです!毎日継続することで股関節がほぐれ、歩きやすさや体の軽やかさを感じられるでしょう。

強い痛みが出ない範囲で、ぜひストレッチ(運動療法)を取り入れてくださいね。ただし、ストレッチを続けても痛みが改善しない場合はほかの疾患が隠れている可能性も。念のため、専門機関や病院を受診しましょう。

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