【生活習慣】朝までぐっすり寝る方法を4つ紹介!睡眠の質向上を目指そう

監修者情報
水谷 さなえ
美容ライター・編集者
東北大学大学院農学研究科にて生理学を学ぶ。在学中からモデル・マネージャーとして美の世界に携わり、大学院修了後は美容情報サイトの企画やディレクションに携わる。
現在は美容系メディアのライター・編集者として活動中。
◼︎資格
日本化粧品検定1級
生物科学修士
朝までぐっすり眠るには「睡眠の質」にこだわる


水谷 さなえ
朝までぐっすり眠るには、睡眠の質を高めることが重要です。
睡眠時間が長いからといって、必ずしも良質な睡眠がとれているわけではありません。例えば、寝相が悪い、悪夢を見る、起床後に歯の痛みを感じる、あるいは就寝直前に食事をする習慣がある場合、睡眠の質が低下している可能性があります。
睡眠には、脳の老廃物を除去したり記憶を定着させたりといった重要な役割があります。睡眠の質が低下すると、脳の疲労がとれず、ケアレスミスが増えたり集中力が低下したりします。また、生活習慣病や自律神経の乱れを招く場合も。
睡眠の質を高めて朝までぐっすり眠るには、生活習慣を見直すことや睡眠環境を整えることが大切です。
朝までぐっすり寝る4つの方法
ここからは、朝までぐっすり寝るためにできることを紹介します。「寝ている途中で目が覚めてしまう…」という方は、以下を参考に生活習慣を見直してみましょう。1日だけ実施するのではなく、継続することが大切ですよ。
規則正しい生活リズムを保つ
私たちの体には体温や血圧などを調整する「体内時計」が備わっています。この体内時計によって生体リズムが生まれ、昼間に高くなっていた体温や血圧が夜にかけて低くなっていき、眠りやすい状態が整うのです。
しかし、人間の体内時計は25時間のサイクルを持っており、1日の長さである24時間から少しずれています。このずれを調整し、毎日のリズムをリセットする役割を果たすのが「朝日」です。
毎日同じ時間に起床して朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、生体リズムが安定します。その結果、夜には自然と寝つきが良くなり、深く質の高い睡眠がとれるようになります。
また、体内時計は自律神経やホルモンの分泌と密接に関連しているため、自律神経を整えることも大切です。
睡眠環境を整える
快適に眠るためには、適切な睡眠環境を整えることが不可欠です。まず、マットレスや枕は自分の体型や寝姿勢にあわせて選び、体をしっかり支えられるものを使いましょう。
寝室の温度は、夏は25〜28℃、冬は18〜20℃が理想的です。また、湿度は年間を通して50%前後に保つと、乾燥や過剰な湿気を防ぎ、より快適な睡眠をサポートします。
また、光や音で睡眠が遮られないよう、カーテンを閉めて外の光を遮り、アイマスクや耳栓を使うのもおすすめです。
アイマスクや耳栓をする
人間の脳は、眠っているときでも光や音の刺激を感知するといわれています。そのため、光や音で目覚めてしまうのを防ぐには、アイマスクや耳栓の使用が効果的です。
耳栓を選ぶときは、15dB以上の遮音性があるものを選ぶとよいでしょう。これにより、周囲の騒音を快適な睡眠環境とされる35〜40dB程度まで抑えることができます。また、睡眠中に痛くならないよう、柔らかい素材のものを選びましょう。
アイマスクを選ぶ際には、遮光性を重視することがポイントです。特に、目元をしっかり覆う大きめサイズや、立体構造で目に圧迫感を与えないものがおすすめですよ。

リラックスする時間を作る
就寝前は、読書や軽いストレッチ、深呼吸などを行い、リラックスできる時間を作りましょう。リラックスすると副交感神経が優位になり、自然に眠気を感じやすくなります。
一方で、リラックスを妨げる行動を避けることも重要です。難しい考え事をしたり、スマホをいじったりすると交感神経を刺激してしまい、体が覚醒状態になって眠りにくくなります。
特にスマホやパソコンから発せられるブルーライトは、睡眠を妨げるといわれています。就寝1時間前には使用を控え、どうしても明かりが欲しい場合は、柔らかい光で眠気を妨げないナイトライトなどを使用するのがおすすめです。

睡眠の質を上げるコツ


水谷 さなえ
朝から夜までの行動を少し工夫するだけで、ぐっすり眠れる環境を整えられますよ!
睡眠の質を上げるには、日中の過ごし方や生活習慣を見直すことが大切です。ここでは、睡眠の質を向上させるための具体的なコツを紹介します。
朝日を浴びる
昨今の研究により、朝の光を浴びることで体内時計がリセットされ、睡眠の質が向上することが明らかになっています。
朝日を浴びると、脳内で覚醒を促す神経伝達物質「セロトニン」が生成されます。日中生成されたセロトニンを原料に夜は睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌され、メラトニンの働きによって眠気が生じます。
朝起きたらまずカーテンを開け、なるべく朝日を浴びるようにしましょう。可能であれば、朝の散歩を取り入れると、さらに効果が高まります。日が出ていないときは、蛍光灯やLEDライトなどの人工的な光で代用することが可能です。
筋トレやストレッチで体を動かす
運動を習慣化することで睡眠の質が向上し、深く眠れるようになる可能性があり、実際に定期的に運動を行っている人は、不眠症状が少ないことが研究でも示されています。
ただし、激しい運動は交感神経を刺激し、逆に眠りを妨げる恐れが。そのため、負荷を抑えた筋トレやストレッチ、リラックス効果の高いヨガなどの軽い運動がおすすめです。睡眠の質を高めるヨガポーズについては、以下の関連記事で具体的に紹介しています。
また、運動を行うタイミングも重要です。寝る直前ではなく、就寝の3時間ほど前に行うことで、心拍数や体温が徐々に下がり、体が自然と眠りの準備を整えやすくなりますよ。
関連記事:睡眠の質を高めるおすすめのヨガポーズについてまとめた記事はこちら
就寝前は落ち着いた照明に切り替える
照明の色や明るさは、睡眠の質に大きな影響を与えます。特に、明るすぎる蛍光灯の白っぽい光は脳を刺激し、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑えてしまうのだとか。そのため、就寝前に明るい光を浴び続けると、眠気が妨げられ、入眠しにくくなる可能性があります。
睡眠の質を向上させるには、就寝2時間前から部屋の照明を薄暗くし、暖色系の間接照明に切り替えることがおすすめです。オレンジや黄色の落ち着いた光は、リラックス効果を高め、体が自然と睡眠モードに移行できます。徐々に暗くなるように設定できる調光機能付きの照明を活用するのもよいでしょう。

アルコールやカフェインは就寝前に摂取しない
就寝前にアルコールを摂取すると、一時的にはリラックス効果を感じることがありますが、実際には睡眠の質を低下させる原因になります。アルコールが体内で分解される過程で交感神経が刺激され、睡眠が浅くなったり、中途覚醒を引き起こしたりするためです。特に、就寝1時間前の飲酒は少量であってもこれらの影響を及ぼすことがわかっています。
また、カフェインにも強い覚醒作用があり、コーヒーやエナジードリンクなどの摂取は睡眠に悪影響を与える可能性があります。カフェインの覚醒効果は摂取後約4~5時間続くため、夕方以降の摂取は控えましょう。代わりに、ノンカフェインのハーブティーやぬるめの白湯を取り入れると、腸から温まることで体がリラックスして、スムーズに入眠できますよ。
関連記事:寝る前に飲むといいものについてまとめた記事はこちら
朝までぐっすり寝る方法に関するQ&A

朝までぐっすり寝る方法にストレッチは効果ありますか?
就寝前のストレッチは、朝までぐっすり眠るために非常に効果的とされています。心地よく感じられる程度の軽いストレッチを行うことで、緊張していた筋肉がほぐれ、副交感神経の活動が優位になり、体と心がリラックスする状態になります。その結果、自然と眠りにつきやすくなります。
ストレッチだけでなく、ヨガやピラティスといったリラクゼーション効果の高い運動もおすすめです。特に、寝る前に布団の中でできる簡単なヨガポーズやストレッチは負担が少なく、日々の習慣に取り入れやすいでしょう。
一瞬で寝られる簡単な方法はありますか?
「一瞬で寝られる」とされる方法には、アリス式睡眠法や米軍式睡眠法などがあります。それぞれの特徴を簡単に紹介します。
<アリス式睡眠法>
頭の中に浮かんできた映像を、意識的に何も考えずに「眺め続ける」ことで入眠を促す方法です。思考を止めることで脳をリラックスさせ、自然に眠りに落ちやすくなります。
<米軍式睡眠法>
仰向けに寝た状態で、体の筋肉を順番にリラックスさせていく方法です。まず顔の筋肉を意識的にゆるめ、その後、肩、腕、脚へと全身の力を抜いていきます。この方法は、戦場のような緊張状態でも眠る必要がある軍人向けに考案されました。
どちらの方法も、リラックスを目的としている点で共通しています。ただし「早く寝なければ」と焦る気持ちは逆効果です。こうした焦りが交感神経を刺激し、入眠を妨げてしまうことがあります。
そのため、一瞬で眠ろうと意識するのではなく、これらの方法を「リラックスするための一環」として取り入れることをおすすめします。焦らずに、体と心を落ち着けることが大切ですよ。
生活習慣を整えて朝までぐっすり寝よう
睡眠の質を高めるポイントは、生活習慣を整えることです。規則正しい生活リズムを保ったり、朝日を浴びたり、筋トレやストレッチで体を動かしたりなど、日々の工夫が質の高い睡眠につながります。
この記事では、朝までぐっすり眠るための方法や、睡眠の質を上げるコツを紹介しました。まずはやってみたい!と思った方法を選び、無理のない範囲でトライすることからはじめてみてはいかがでしょうか?少しずつ生活習慣を整えて、朝までぐっすり眠りましょう!