水を飲むと痩せるのはなぜ?3つの理由や摂取方法、注意点も詳しく解説

監修者情報
湯浅 道子
美容家
大手エステティックサロンで8年勤務しトータル美容を学ぶ。コスメコンシェルジュを取得し、雑誌「Ray」のベスコス選定員の経験も。
さまざまなメディアで、思春期世代から更年期世代までの幅広い美容情報の発信、監修をおこなう。
◼︎資格
日本化粧品検定1級・2級
コスメコンシェルジュ特級
コスメ薬事法管理者
薬機法管理者
景表法検定1級
【結論】「水を飲むと痩せやすくなる」という根拠はない

「水を飲むと痩せる」と言われることがありますが、科学的にそれを証明する明確な根拠は現時点ではありません。ただし、水分補給によって腸内環境が整ったり、血流やリンパの流れが促進されたりすることで、むくみの軽減や代謝のサポートにつながる可能性はあります。
とはいえ、こうした効果はあくまで間接的なものであり、水を飲むだけで痩せるわけではありません。次の章では、水を飲むと痩せると言われる背景について、体の仕組みを踏まえて解説します。
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【なぜ?】水を飲むと痩せると言われる理由


湯浅 道子
水を飲むと腸の動きや血流が促され、老廃物の排出やむくみの軽減につながるため、痩せやすい体づくりをサポートすると考えられています。
「水を飲むと痩せる」と言われる背景には、水分補給が体内のめぐりを整える働きがあると考えられているためです。適度に水を摂ることで腸が刺激され、排便がスムーズになると、腸内環境の改善にもつながります。
また、十分な水分が行き渡ると血液やリンパの流れが良くなり、老廃物が排出されやすくなるため、むくみの軽減や代謝のサポートも期待できます。さらに、水分バランスが整うことで血圧や血糖値の急激な変動を防ぎ、体調を安定させる効果も。こうした体内環境の変化が重なることで、結果的に痩せやすい体の状態が整っていくと考えられています。
適切な水の摂取方法


湯浅 道子
水は一度に大量に飲まず、1日0.9〜1.2リットルを目安にこまめに摂取しましょう。常温の水や白湯が体にやさしくおすすめですよ。
水を飲めば良いと言っても、ただたくさん飲めば効果が出るわけではありません。「1日に必要な水分量」や「飲むタイミング」「水の温度」など、基本を押さえることで、体にとってより効果的な水分補給ができます。それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。
推奨される水分量
成人は、呼吸や汗、尿などを通じて1日あたり約2.2〜2.5リットルの水分を失うとされています。そのうち、食事から約1.0リットル、体内で栄養素から作られる水分が約0.3リットル補給されるため、不足する分は飲み物で補う必要があります。
目安として、成人男性は約1.2リットル、女性は約0.9リットルの水分を飲み物から摂取することが推奨されています。コップ1杯(約200ml)で換算すると、男性で6杯前後、女性で4〜5杯が目安。なお、過剰な水分摂取は水中毒のリスクがあるため、多くても1日2.0リットル程度にとどめましょう。
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最適な水の飲み方
水は一度にたくさん飲むのではなく、少量ずつこまめに飲むのが理想的です。1日あたりコップ1杯(約200ml)を4〜6回ほどに分けて摂取することで、体に負担をかけず、吸収もしやすくなります。また、飲むタイミングを決めておくことで飲み忘れの防止にもつながりますよ。
たとえば、起床時、食事の30分前、入浴前後、就寝前などが代表的なタイミングです。さらに、スポーツの前後や飲酒時も、意識的な水分補給を心がけましょう。運動後は汗によって大量の水分が失われるため、脱水を防ぐためにも早めの補給が重要です。
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最適な水の温度
水の温度も体への影響を考えるうえで大切なポイントです。基本的には常温(20〜35℃)の水が最も体にやさしく、吸収もスムーズとされています。冷たい水はリフレッシュ効果がある反面、胃腸を冷やして消化機能を低下させるおそれがあるため、飲み過ぎには注意しましょう。
特に寒い季節や寝る前には、50〜60℃程度の白湯がおすすめです。白湯は一度沸騰させた水を冷ましたもので、体を内側からじんわり温める作用があり、朝や就寝前の水分補給に適しています。温度にも気を配ることで、より効果的に体を整えることができますよ。
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水で痩せようとする際の注意点


湯浅 道子
水を飲むときは一度に大量に摂らず、コップ1杯ずつこまめに補給するのが基本です。また、排尿は我慢しないようにしましょう。
水はダイエットのサポートに役立ちますが、飲み方を間違えるとかえって体に負担をかけることも。ここでは、水分摂取の際に意識したい3つのポイントを紹介します。
一度に大量に飲まない
水分補給は健康維持に欠かせませんが、短時間に大量の水を一気に飲むと、体に負担がかかることがあります。胃腸が刺激されて腹痛を起こしたり、水中毒のリスクが高まるおそれもあるため注意しましょう。
体が一度に吸収できる水の量には限りがあるため、1回につきコップ1杯(約200ml)を目安に、こまめにゆっくり飲むのが理想的です。食事の30分前や起床後、入浴後など、飲むタイミングをあらかじめ決めておくと習慣として定着しやすくなります。
排尿を我慢しない
水分を多く摂れば、尿の回数が増えるのは自然な反応です。ただし、排尿を長時間我慢するのは、膀胱や泌尿器への負担が大きくなるため注意しましょう。
特に、膀胱内に尿をため続けることで、細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎などの感染症につながる可能性があります。また、尿の排出が滞ると、腎臓への負担が増えるケースも。尿意を感じたら無理に我慢せず、こまめにトイレへ行きましょう。
水だけで痩せるわけではない
「水を飲めば痩せる」と言われることがありますが、水そのものに脂肪を直接燃やす作用はありません。ただし、水分がしっかり補給されていれば、血流や老廃物の排出がスムーズになり、体調を整えるうえでプラスに働くことがあります。こうした間接的なサポートが、痩せやすい環境づくりにつながることはあるでしょう。
とはいえ、体重を減らすには、食事内容の見直しや日常的な運動習慣が欠かせません。水分補給はあくまで健康的な生活習慣を支える一要素にすぎないことを覚えておきましょう。
水を飲むとなぜ痩せるのか?に関するよくある質問
飲むのは水以外でも良いの?
水以外でも、カロリーや糖分が含まれていない飲み物であればダイエット中に取り入れて問題ありません。たとえば、白湯は体を内側から温める作用があり、代謝をサポートするとされています。炭酸水は満腹感を得やすく、食べすぎ防止に役立つことも。また、麦茶はノンカフェインで胃にやさしく、ポリフェノールによる抗酸化作用も期待できます。レモン水も、ビタミンCを手軽に補える点が魅力です。
ただし、糖分やカロリーを含む清涼飲料水は、逆に太る原因になるため避けましょう。
水を飲んだらどのくらいで痩せる?
水を飲み始めたからといって、すぐに体重が大きく減るわけではありません。ただし、むくみの軽減や排便のスムーズさなど、体の変化を早ければ1週間程度で感じる人もいます。一方で、代謝や体の巡りが整い、痩せやすい状態を実感できるようになるには、少なくとも1ヶ月以上の継続が必要とされています。
水はあくまで体調を整えるサポート的な存在。無理をせず、毎日こまめに水分を摂る習慣を続けることが、健康的なダイエットの第一歩につながります。
水を正しく摂取して無理なく痩せやすい体へ

水を飲むだけで急に体重が減るわけではありませんが、飲み方を工夫することで、体調を整えながら痩せやすい状態をつくることも可能です。ポイントは、水の「量・タイミング・温度」の3つを意識し、日常の中に自然に取り入れること。
水分補給は、ダイエットの土台を支える基本的な習慣のひとつ。まずはコップ1杯からでも良いので、無理のないペースで始めてみましょう。