妊娠中におすすめの鉄分サプリメントを紹介!自分に合ったおすすめの選び方も解説

監修者情報
湯浅 道子
美容家
大手エステティックサロンで8年勤務しトータル美容を学ぶ。コスメコンシェルジュを取得し、雑誌「Ray」のベスコス選定員の経験も。
さまざまなメディアで、思春期世代から更年期世代までの幅広い美容情報の発信、監修をおこなう。
◼︎資格
日本化粧品検定1級・2級
コスメコンシェルジュ特級
コスメ薬事法管理者
薬機法管理者
景表法検定1級
妊娠中に鉄分が不足するとどうなる?

妊娠中は、赤ちゃんの発育に必要な栄養が優先的に使われるため、鉄分が不足しやすくなります。
さらに、妊娠にともなって血液量が増えるものの、赤血球の増加が追いつかず血液が薄まることで、鉄欠乏状態になりやすいのも特徴です。
鉄分が不足すると、具体的に次のような不調があらわれることがあります。
疲れやすく、だるさが続く
鉄分は、体内で酸素を運ぶ赤血球の成分「ヘモグロビン」を作るのに欠かせない栄養素です。鉄分が不足するとヘモグロビンが十分に合成されず、全身が酸素不足に陥ります。
その結果、エネルギーがうまく作り出せず、少しの動作でも疲労を感じたり、慢性的なだるさに悩まされたりします。
妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりの影響でも疲れやすくなりますが、鉄分不足が原因のこともあるため、見過ごさないよう注意が必要です。
不眠や朝の目覚めが悪くなる
鉄分は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の生成にも関与しています。
これらの物質は自律神経や睡眠リズムに影響を与えるため、鉄分が不足すると、寝つきの悪さや中途覚醒、朝の目覚めの悪さといった睡眠トラブルを引き起こすことがあります。
妊娠初期はホルモンの変化やつわり、中期以降は胎動や頻尿などにより睡眠の質が落ちやすく、そこに鉄分不足が重なることで、より不眠を感じやすくなるので注意しましょう。
動悸や息切れに悩む
妊娠中は、お腹の赤ちゃんに酸素を届けるために体内の血液量が増加しますが、それにともなって鉄分の必要量も大幅にアップします。
ところが、鉄分が不足すると赤血球の主成分であるヘモグロビンが十分に作れず、体が酸素不足の状態に陥りやすくなります。
酸素不足を補おうと、心臓は血液を送り出すために心拍数を上げて働きを強めます。その結果、動悸や胸のドキドキを感じやすくなるのです。
さらに、妊娠中はお腹が大きくなるにつれて横隔膜が圧迫され、呼吸が浅くなりがちです。
鉄分不足による酸素不足と相まって、階段の上り下りや買い物など、日常のちょっとした動作でも息切れを感じやすくなることがあります。
爪の変形を起こしやすい
鉄分不足が進行すると、爪の色が白っぽくなったり、薄く割れやすくなったりすることがあります。
さらに悪化すると、爪の中央がへこんでスプーンのように反り返る「スプーンネイル(匙状爪)」になることも。これは、鉄欠乏性貧血によく見られる特徴的なサインの一つです。
妊娠中に爪の変化が見られた場合は、鉄分の摂取状況を見直すサインです。
鉄分を多く含む食材を意識して取り入れつつ、必要に応じて鉄分サプリメントの活用も検討しましょう。
妊娠中におすすめの鉄分サプリメント4選

妊娠中期以降は鉄分の必要量が非妊娠時の約2倍に増えるとされており、食事だけで補うのは大変です。このようなときに役立つのが鉄分サプリメントです。
ここでは妊婦さんにおすすめの鉄分サプリを厳選して4つ紹介します。
Dear-Natura ヘム鉄|妊娠中に必要な栄養素をまとめて摂れる
吸収率の高いヘム鉄をベースに、妊娠期に欠かせない葉酸とビタミンB12をバランスよく配合。
毎日の習慣にしやすいワンタッチキャップ付きボトルで、忙しい妊婦さんでも無理なく続けられます。
ドラッグストアでも手に入りやすく、初めてのサプリにも選びやすい商品です。

ヨネキチ 3種の鉄リッチ|3種類の鉄を一度に補給できる
ヘム鉄・非ヘム鉄・フェリチン鉄の3種類の鉄を配合したサプリメントで、1日3粒あたり鉄分18mgをしっかり補うことができます。
加えて、赤血球やヘモグロビンの生成を助ける葉酸やビタミンB12も含まれており、貧血予防に必要な栄養素をまとめて摂れるのが魅力です。

富士フイルム 新ヘム鉄&ミネラル|栄養バランスを考えた1粒設計
鉄のなかでも吸収性に優れたヘム鉄に加え、亜鉛・銅といったミネラルやビタミン類も配合されており、妊娠中の栄養バランスを手軽にサポートしてくれます。
粒が小さめで飲みやすく、つわりがつらい時期でも取り入れやすいのも好評なポイントです。

レピールまめ鉄|無添加設計で添加物を控えたい人に
植物由来の「まめ鉄」を使用し、香料・保存料・着色料・甘味料などを使わない無添加設計。妊娠中の体に配慮した設計で、添加物をなるべく避けたい方やナチュラル志向の人にも取り入れやすいサプリです。
- レピールまめ鉄
- Lepeel Organics
妊娠中の鉄分の役割と重要性

鉄分は、女性が日常的に不足しやすい栄養素のひとつですが、妊娠中はさらに多くの鉄を必要とします。
これは、赤ちゃんの発育や胎盤の形成に鉄が使われるほか、母体自身の血液量も大きく増加するためです。
鉄分が不足した状態が続くと、母体に貧血が起こりやすくなるだけでなく、赤ちゃんへの酸素や栄養の供給が十分に行き届かなくなります。
その結果、切迫早産や低体重児のリスクが高まったり、産後の回復が遅れたりする可能性もあるため注意が必要です。
妊娠中に必要な鉄分の量は時期によって異なります。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、妊娠初期は1日あたり13mg、中期〜後期には20mg程度が推奨されています。
食事だけで補いきれない場合は、鉄分を含むサプリメントなども活用して、推奨量を摂取しましょう。
妊娠中の鉄分サプリメント選びのポイント

妊娠中は鉄分をはじめ、さまざまな栄養素が普段以上に必要になります。
そのため、サプリメントを取り入れる際は、単に鉄が含まれているかどうかだけでなく、ほかの成分や配合バランスにも注目しましょう。
ここでは、妊娠中に鉄分サプリを選ぶ際の3つのチェックポイントを解説します。
- 鉄分の種類を把握する
- 妊娠中に必要な栄養素を一緒に摂取できるサプリメントを選ぶ
- 妊娠中に避けるべきサプリメントの成分を把握する
鉄分の種類を把握する
鉄分サプリメントに含まれる鉄には、大きく分けて「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。
ヘム鉄は動物性由来で、体への吸収率が高いのが特徴です。
鉄欠乏の症状が出ている人や、貧血の診断を受けている人には、より効率的に鉄を補えるヘム鉄が向いています。
一方の非ヘム鉄は植物性の鉄で、吸収率はやや劣りますが、胃への負担が少ないというメリットがあります。
そのため、つわりがひどい時期や胃腸が弱っている人には、非ヘム鉄をビタミンCと一緒に摂る方法が適しています。
このように、鉄の種類によって特徴が異なるため、体調や妊娠ステージに合わせて選びましょう。
妊娠中に必要な栄養素を一緒に摂取できるサプリメントを選ぶ
妊娠中に鉄分サプリを選ぶときは、鉄が含まれているかどうかだけでなく、そのほかの栄養素もバランスよく配合されているかに注目することが大切です。
特に意識したいのが、葉酸・カルシウム・ビタミンB群。なかでも葉酸は、妊活中や妊娠初期の女性に対して積極的な摂取が推奨されている栄養素です。
カルシウムはお腹の赤ちゃんの骨づくりに関わる栄養素であり、ビタミンB群はエネルギー代謝や血液の生成など幅広い役割を持っています。
これらの栄養素を毎日の食事だけでバランスよく摂るのは難しいこともあるため、複数の栄養素が一度に補えるサプリメントを選ぶことで、効率よく不足をカバーできます。成分表示を確認し、自分に合ったマルチタイプのサプリを選ぶとよいでしょう。
妊娠中に避けるべきサプリメントの成分を把握する
鉄分サプリメントを選ぶ際は、妊娠中の体に配慮された設計かどうかも確認しておきたいポイントです。
たとえば、ビタミンA(特にレチノール型)は、摂取量によっては妊娠中の利用に注意が必要とされており、厚生労働省などの公的機関も摂取の目安を設けています。
また、カフェイン、人工甘味料、保存料などについても、商品選びの際に意識すべき成分です。
こうした成分は、1回の摂取は少量でも、継続摂取によって想定以上に取りすぎてしまう可能性もあります。
成分表示を確認し、自分の体調やライフスタイルに合った製品を選びましょう。
鉄分サプリメントの飲み方と注意点

妊娠中に鉄分サプリメントを取り入れる際、飲み方やタイミングについて迷う方は少なくありません。
サプリは薬ではないため明確な服用ルールはないものの、摂取のタイミングや量によって、吸収効率や体への負担が変わることがあります。
ここでは、妊娠中に鉄分サプリを活用するうえで知っておきたい基本の飲み方と注意点について解説していきます。
鉄分サプリメントを飲むタイミング
鉄分サプリメントは、基本的に食後に摂取するのが理想的です。
空腹時に飲むと、胃に刺激を与えて吐き気や胃もたれを引き起こすことがあるため、胃腸への負担を減らすためにも食後の摂取がおすすめです。
「外食で飲みそびれた」「うっかり忘れてしまった」といった場合でも、朝起きてすぐや夜寝る前などの空腹時を避ければ、多少時間がズレても問題ありません。
決まった時間にこだわりすぎず、自分の体調に合わせて、胃に食べ物が入っている状態で飲むことが大切です。
また、鉄分の吸収をサポートする栄養素としてビタミンCが知られています。
オレンジやキウイ、ブロッコリーなど、ビタミンCを豊富に含む食品と一緒に摂ると吸収効率が高まるため、意識して組み合わせるとより効果的です。
鉄分サプリの摂取量と過剰摂取に注意する
鉄分サプリメントを飲みはじめる前に、1日にどのくらい摂取すべきかを正しく把握しておくことが大切です。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によれば、妊娠中に必要な鉄分の目安は以下の通りとされています。
- 妊娠初期:1日あたり約13mg
- 妊娠中期〜後期:1日あたり約20mg
この量には、食事からとる分も含まれるため、サプリメントで補う際は、日々の食事内容とのバランスを考慮しましょう。
鉄分が不足しがちな時期とはいえ「多く摂れば安心」というわけではありません。
鉄分を過剰に摂取すると、便秘や吐き気、胃の不快感といった症状を引き起こすことがあります。
特にサプリメントは効率的に吸収されるため、知らないうちに必要量を超えてしまうケースも少なくありません。
市販の鉄分サプリには1粒あたり10〜18mg程度含まれている製品も多いため、1日の摂取上限(妊婦で40〜45mg程度)を超えないよう注意しましょう。
妊娠中に不足しがちな鉄分は、サプリで上手に補給しよう

妊娠中は鉄分をはじめとする栄養素の必要量が大きく増加します。理想は3食の食事で必要な栄養をすべてまかなうことですが、つわりや忙しさで思うように摂れない日もあるでしょう。
そのようなときは、鉄だけでなく葉酸やビタミン類なども一緒に補えるサプリメントを上手に活用するのがおすすめです。
サプリを選ぶ際には、鉄の種類や成分のバランス、1日あたりの摂取量、飲むタイミングなどを確認し、自分の体調や生活スタイルに合ったものを検討してみてください。
無理なく続けられる鉄分サプリメントを選び、妊娠期の栄養管理に役立てましょう。