そのつらさ、PMS(月経前症候群)かも?PMSの原因と改善方法

そのつらさ、PMS(月経前症候群)かも?PMSの原因と改善方法

イライラしてしまう、体がだるい、乳房が張って痛いなど…月経前は体や心にさまざまな不調がでてきますよね。これらの症状の多くは「PMS(月経前症候群)」によるもので、多くの女性を毎月憂鬱な気分にさせる悩みのタネです。本記事では、PMSの原因や症状、気になる緩和方法についてご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

PMS(月経前症候群)とは何か?

「PMS(月経前症候群)」は月経の10日程前から起こる身体的・精神的な不調のことで、月経開始とともに消失するのが一般的です。代表的な症状として腰痛や腹痛、頭痛、むくみ、お腹や乳房の張りといった身体的な不調のほか、眠気や集中力の低下、めまい、食欲不振、過食、だるさなどの精神的な不調が挙げられます。

ちなみに、不安や緊張感、情緒不安定、怒り、イライラなどの精神的な症状が主な場合には、「月経前不快気分障害(PMDD)」と診断されます。

同じ方でも時期によって症状や程度が大きく異なることが多く、“これ!”といった対策を立てづらいのもPMSの特徴です。症状が重い場合には、社会活動や人間関係に支障をきたすこともあります。

PMS(月経前症候群)の原因ってなに?

明確な原因が解明されていないPMSですが、一説では「女性ホルモンの変動」が大きく関わっていると考えられています。PMSについてしっかり理解するためにも、PMSを引き起こすとされる4つの原因を確認していきましょう。

1.女性ホルモンのバランス

排卵から月経までの期間(黄体期)には、卵胞ホルモンの「エストロゲン」と黄体ホルモンの「プロゲステロン」が分泌されます。エストロゲンは月経〜排卵前(卵胞期)に多く分泌され、これにより排卵を促す黄体形成ホルモンが分泌されます。このホルモンは気分を安定させる、記憶や認知機能を高める、コレステロール値を下げる、代謝をアップさせる、女性らしい丸みのある体形をつくる、肌を整えるなどの働きを持つものです。

妊娠準備を促すプロゲステロンは、排卵~次の月経までの間(黄体期)に多く分泌されるホルモンです。分泌によって基礎体温が上がり、受精卵を着床させるために子宮内膜を整えたり、乳腺を発達させたりします。

PMSの原因のひとつとして考えられるのは、黄体期の中盤にピークに達したエストロゲンとプロゲステロンの両ホルモンが、黄体期後半(月経の約一週間前)に急低下すること。ホルモンバランスが急激に変動することでPMSが起こっているのではないかと言われています。

2.女性ホルモンから他ホルモンへの影響

エストロゲンとプロゲステロンの急激な変化が、脳内ホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすこともPMSの原因のひとつと考えられています。エストロゲンとプロゲステロンが減ると幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」がうまく伝達できなくなり、抑うつ傾向や不安感を招きます。

また、プロゲステロン減少によって、セロトニンと同様に気分を落ち着かせる働きをもつ「ガンマアミノ酪酸(GABA)」が影響を受けることも要因と考えられています。

3.自律神経系の乱れ

自律神経系は、心身を活動的な状態にして興奮・緊張状態にする「交感神経」と、内臓の消化を促し、休息・睡眠をとりやすいリラックス状態に導く「副交感神経」から成り立っています。これらの交感神経、副交感神経の機能低下やバランスの乱れもPMSの原因と考えられています。

4.ストレス

脳内ホルモンや神経伝達物質は、ストレスの影響を強く受けます。ストレス社会と言われる現代においては、仕事の忙しさやプライベートでの悩みごとがPMSの引き金になることもしばしば。症状を緩和するためにも、心身をリフレッシュさせストレスを解消していきましょう。

心身をリフレッシュさせストレスを解消しよう
心身をリフレッシュさせストレスを解消しよう

PMS(月経前症候群)の症状緩和のために大切なこととは?

最後に、PMSの症状を緩和させるための大切なポイントを解説していきます。すぐに取り入れられる簡単な習慣ばかりなので、PMSにお悩みの方はさっそく今日から実践してみてください。

ストレッチやヨガなどの運動をしっかり取り入れる
ストレッチやヨガなどの運動をしっかり取り入れる

ストレッチやヨガなどの運動をしっかり取り入れる

PMSの原因のひとつに、血液循環の悪化やむくみ、悪い姿勢などが挙げられます。こうした原因にはストレッチやヨガ、エクササイズなどの軽い運動が有効です。

筋トレなどの負荷のかかる運動とは異なり、ストレッチやヨガは体がだるい状態でも簡単に行えます。血行促進や姿勢改善のほか、リラックス効果や精神的な不安感を軽減する効果もあるため、PMSのときにも最適です。ヨガを習慣化することができれば、気分のコントロールもしやすくなるでしょう。

他の記事では、つらいPMS(月経前症候群)を緩和するヨガポーズを紹介していたり、自宅で簡単にできるPMS(月経前症候群)改善ストレッチをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

食事やサプリメントで必要な栄養を補給

黄体ホルモンの影響でだるさやむくみなどが出やすい月経前。体内の塩分や糖分が増えると、こうした症状がより悪化する恐れがあるため要注意です。日頃から塩分・糖分の少ない食事に切り替え、だるさやむくみを軽減していきましょう。

また、むくみ改善などに効果のあるビタミンB群やミネラル、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンなどの摂取も効果的。市販のサプリメントにはPMS緩和をうたっているものもあるため、一度試してみてもよいかもしれません。

食事やサプリメントで必要な栄養を補給
食事やサプリメントで必要な栄養を補給

ストレスをなくしてリラックスを心がける

リラックスできない状態が続いていると、イライラや不安感がより増幅するため要注意。半身浴やアロマテラピー、ヨガやストレッチ、軽いウォーキングなど、いろいろ試しながら自分に合うストレス解消法を見つけてくださいね。

PMS(月経前症候群)の原因と改善方法を理解して対策を

理由もなくイライラしたり、落ち込んだり…PMSで一番つらいのは精神的に不安定になってしまうことではないでしょうか。理由がわからないからこそ、対策が取れず余計にイライラしてしまうことも。ぜひ本記事でご紹介したPMSの原因や症状緩和に繋がるポイントを参考に、自分の心と体をケアしてあげてください。

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