【初心者向け】フォームローラーの使い方!肩こりなど目的別の使い方も紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
フォームローラーを使うことで期待できる効果
フォームローラーは、凝り固まった筋膜をほぐすことで、筋肉の柔軟性を取り戻して機能を正常化させる効果を期待できます。
それにともない体にうれしいメリットが多くあります。
- さまざまな筋肉を刺激する
- 筋肉や細胞組織の回復を促す
- トレーニング前の使用でケガを防ぐ
- 柔軟性アップ&可動域を広げる
それぞれ詳しく解説します。
さまざまな筋肉を刺激する
全身の筋肉を動かそうと思っても、クセや体の傾きなどが影響してどうしても“同じパーツ”にばかり負荷がかかってしまうもの。しかし、フォームローラーを使うことで、さまざまな筋肉を刺激することが可能です。筋トレの効果を最大化するためにも、フォームローラーを使って普段の筋トレや自重トレーニングでは刺激が届かない部分にもアプローチしていきましょう。
筋肉や細胞組織の回復を促す
ハードなトレーニングに励んだあとは、筋肉や細胞組織の修復に時間がかかるもの…。実は、フォームローラーには、そんなトレーニング後の回復率アップ効果も期待できるのです。適度な刺激によって傷んだ筋肉への栄養供給が促進され、結果的に細胞組織はより早く修復していきます。また、ゴリゴリとマッサージするように周辺筋肉を刺激することで、体内にたまった水分や老廃物の排出、血行促進効果もあるとされています。
トレーニング前の使用でケガを防ぐ
トレーニング前にフォームローラーを使って準備運動をしておくと、より入念なウォームアップが可能に。いつも以上のフィジカルパフォーマンスを発揮できるのはもちろん、体をしっかりほぐすことでケガやひどい筋肉痛も回避しやすくなるでしょう。
柔軟性アップ&関節の可動域を拡大
フォームローラーは凝り固まった筋肉をほぐし血流の改善に効果的なため、動かすことに支障があった肩まわりの柔軟性を取り戻し、可動域が広がることを期待できます。
フォームローラーで筋肉ほぐしや筋膜リリースを継続的に行うことで、筋肉の緊張がほどけ血流も改善していくので、肩こりや首こりの解消にも役立ちますよ。
フォームローラーの基本の使い方
フォームローラーの基本の使い方は以下のような流れになります。
- ほぐしたい体の部位の下にフォームローラーを置いて乗る
- 前後左右に体を揺らして筋膜リリース
- 最後にストレッチを行う
① ほぐしたい体の部位の下にフォームローラーを置いて体を乗せる
まずは凝りや疲労を感じる体の部位の下にローラーを置き、体を乗せます。自分の体重をかけながら、マッサージするようにゆっくりとローラーを転がしていきましょう。
痛みを感じる場合は無理をせず、圧を調整しながら呼吸を止めずに行ってください。
② 前後左右に体を揺らして筋膜リリース
体をローラーに置いた状態から、前後左右さまざまな方向へ体を揺らしローラーを転がしましょう。筋肉はあらゆる方向にあるため、ローラーをさまざまな方向で動かすことで、しっかり筋膜を剥がしてケアすることができます。
③ 最後にストレッチを行う
ローラーでストレッチが終わったらストレッチを行いましょう。血流を促進し、関節の可動域をさらに広げる効果に期待できます。
呼吸を忘れずに、ほぐした箇所を重点的にゆっくりとストレッチを行うのがおすすめです。
目的別にフォームローラーの使い方を紹介!
フォームローラーは、筋肉の緊張をほぐすので疲労回復、姿勢改善に期待できます。
また、体を乗せてコロコロ転がすだけでも気持ちよく、マッサージ効果を感じられますよ。
ここからは、肩こり解消や腰痛改善など目的別にフォームローラーの使い方を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
肩こり解消
肩こりの解消は、肩につながる筋肉を全体的にほぐしてあげるとより効果的です。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
肩甲骨まわり
- フォームローラーを縦向きに置き、ローラの上の角が後頭部に当たるように仰向けに寝転がり、肩甲骨内側を乗せます。
- 両ひざを立ててお尻を浮かせ、体重をかけることで肩甲骨の内側のコリをよりほぐしやすくします。
- お尻を浮かせたまま、ひじを上下前後に大きく大きく10回ずつを目安に動かします。
首から背中
- フォームローラーを横向きに置きます。
- 首をローラーに置き、首を左右にねじります。
- 顔も向きや体の角度を変えて、首のさまざまな角度をほぐしていきます。
- ローラーを背中に移動し、頭の下で手を組みひじは上を向くように、ひざを立ててお尻を浮かせます。
- 肩甲骨上部をローラーを細かく動かすようにゴロゴロさせます。
脇
- 体を横向きに横たわり下側の腕を頭上に伸ばし、フォームローラーが背中に近い側が当たるように脇の下に置きます。
- そのままキープしたり、ゴロゴロさせます。
■首こり解消のポイント
部位に押し当てる角度を少しずつ変えることで、より効果が高まります。
同じ部位を長時間刺激することは避け、呼吸を止めずに行いましょう。
背中ほぐし
背中がガチガチの人におすすめなのが背中ほぐしです。
フォームローラーでじんわり圧をかけることで、縮こまっていた背中がほぐれて可動域が広がり、背中痩せや猫背改善にも期待できますよ。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- フォームローラーを横向きに置き、背中をローラーに乗せるように仰向けになります。
- 両手は頭の後ろで組み、ひじは天井方向、両ひざを立ててお尻を浮かせたまま、ローラーを背中の上から下までゴロゴロ転がします。
- 背中が猫背で丸まりやすい箇所を細かくコロコロほぐします。
- 転がすのを止めて、手の力で頭を前に倒し首から背中を伸ばすイメージで数秒キープしましょう。
- 縮こまった背骨を反り伸ばすように、3.4.をずらしながら行いましょう。
- お尻をおろしてひじを外側に広げて背中を反ったまま深呼吸をします。
■背中ほぐしのポイント
リラックスした状態で取り組みましょう。ローラーを転がしたり、お尻を上げたりすると力が入ってしまう方は、ローラーを動かさずお尻を床につけたまま深い呼吸を続けます。
腰痛改善
フォームローラーで腰まわりやお尻をほぐすことにより、腰痛の原因になる反り腰やお尻のコリを解消し腰痛改善に期待できます。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 右ひじを床につけ上体を右側に倒し、左手は状態の前に置き軽く支える程度、右側のお尻の外側をローラーを乗せます。
- お尻の上から下まで大きく上下にゴロゴロほぐしていきます。
- 腰骨の下の部分にローラーを当てて床に寝転がり、体重を乗せてリラックスしてキープします。
- 左側も1.2.3.を同様に行います。
■腰痛改善のポイント
体勢がきつい方はお尻をつけて負荷を軽減してもOK。
左右差がある場合は、硬い方を多めに行ったり、細かくゴロゴロすると効果的です。
常に呼吸を忘れずに、キープ時に力が入ってしまう方は左右にゆすってリラックスできるようにしましょう。
太ももの張り解消
太ももの張りを解消することで血流が良くなり、冷え性やむくみの改善にも効果的です。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
内もも
- うつ伏せになりひざを90度に曲げた状態で、ローラは横向きに置いて脚の内もも、付け根に押し当てて30秒ほどキープします。
- そのままの状態で付け根のまわりにコロコロ転がしてほぐします。
- ローラーを内ももひざ側に移動して30秒ほど押し当ててキープします。
- 内ももひざまわりをローラでコロコロほぐしていき左も同様に行いましょう。
ももの前側
- 上体を起こし右脚は前に立てておき、左脚は軽く曲げ、その下にローラーを横向きに置きます。
- ひざ側から鼠径部にかけて、ゆすったり移動しながらじんわり体重をかけましょう。
外もも
- 体全体を右側に向け上体を手やひじで支えて起こし、右側の脚を伸ばして右ももの下にローラーを置きます。
- 左脚は右脚にクロスするようにして前側に立てて、太ももの外側を大きくゴロゴロ転がしてほぐしていきましょう。
■太もも張り解消のポイント
痛いと感じる場合は上体を捻ったり、手やひじで支えて圧を弱めたりして軽減しながら行いましょう。
決して無理はせず、痛気持ちいい程度の範囲内で呼吸をしながら行います。
ふくらはぎのむくみ解消
ふくらはぎの筋肉は、脚に滞っている血液を心臓の方へ押し戻す大切な働きがあるため、別名「第二の心臓」と呼ばれています。
フォームローラーでふくらはぎをほぐすことによって血流が改善し、老廃物が流れやすくなるのでスッキリした美脚を目指せますよ。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
ふくらはぎ
- 右ひざ下にローラーを横に置き、左脚はクロスして右ひざに乗せ圧をかけ、左右にゆすりながらひざ裏、ふくらはぎの付け根をほぐします。
- 左脚を立て両手を上体の後ろ側についてお尻を浮かせ、ひざ裏からアキレス腱にかけて、ふくらはぎ全体をほぐしていきます。
- 足先を外側に向け、骨のキワをなぞるようにローラーを転がしてほぐします。
- つま先を内側に向け、内くるぶしからひざ内側をローラを転がしてほぐします。
- 反対側も同様に行います。
■ふくらはぎのむくみ解消のポイント
リンパが詰まっているといくらマッサージをしてもむくみは解消しないので、まずはひざ裏の凝り固まっているゴリゴリした箇所をほぐしましょう。
大きく動かしても、細かく動かしてもOKです。体はリラックスした状態で痛気持ちいい程度を目安に行ってください。
フォームローラーを使う際に注意すべきポイント
フォームローラーは正しい使用方法で取り入れれば、疲労回復や姿勢の改善に期待できます。また、パフォーマンス向上や怪我の予防の手助けとなってくれるでしょう。しかし、間違った方法は効果が出ないどころか、逆効果になってしまうことも。
フォームローラーを使う際の注意すべきポイントをお伝えします。
ローラーはゆっくりと動かす
フォームローラーは部位ごとに、丁寧にゆっくりと動かしましょう。1箇所につき45秒〜60秒を目安にし、1分以上は行わないことがポイントです。
フォームローラーを早く動かしても、時間が短すぎても筋膜リリースにはなりませんし、長すぎても体を痛めてしまいます。初めての方は、体が温まっているお風呂上がりにフォームローラーに取り組むのがおすすめです。
呼吸を止めない
フォームローラーの使用中は、ゆっくりと自然な呼吸を続けながら取り組むのがポイントです。
呼吸を続けて行うことで、筋肉の緊張が適度にほぐれやすくなるので、より効率的に凝りを解消できます。反対に、呼吸を止めてしまうと筋肉が緊張してしまい、フォームローラーで圧をかけると筋膜を痛めてしまう恐れがあるので注意が必要です。
硬い部位をほぐしているときに呼吸を止めてしまう傾向があるため、常に呼吸を意識して行いましょう。
体に負荷をかけすぎない
自分で力を調節できてしまうので、必要以上に圧を加えてしまうことがありますが、そのやり方はNGです。強く行うと痛みが生じたり、逆に筋肉が硬くなったりする可能性があるからです。
フォームローラーの使用時は全身の力を抜き、自然に呼吸ができるくらいにリラックスした状態で行うようにしましょう。最初は物足りないくらいの強さで始め、その後の反応を確認しながら、ご自身で強さを調整してください。
痛みがある場合は中止する
フォームローラーを使用して痛みが生じてしまった場合、筋肉の痛みがひくまでフォームローラーの使用を避けましょう。圧のかけすぎで筋肉が損傷してしまったり、炎症を起こしたりしている可能性があります。
筋肉や皮膚は損傷すると組織が硬くなってしまう特徴があるので、その場合は逆に体が硬くなってしまうので注意が必要です。また、ケガをしているときや骨に異常があるときなども、かえって症状を悪化させる可能性があるのでフォームローラーの使用は控えてください。
フォームローラーを正しく使って効率的に体をほぐそう
フォームローラーを使えば、凝りや疲労を感じる部位をローラーに乗せて圧をかけたり、転がしたりするだけで簡単にマッサージや疲労回復効果を感じることができます。
しかし、同じ箇所を長時間刺激することや圧のかけすぎなどは、逆に体を痛めてしまう可能性があるのでやりすぎは厳禁です。呼吸を続けながら、1箇所につき45秒〜60秒程度、最初は物足りないと感じるくらいで始めていきましょう。
正しい使い方でフォームローラーを継続的に使えば、肩こりや首こりもスッキリ!猫背や巻き肩などの姿勢も改善されて若々しく美しいスタイルを保つことができますよ。ぜひ、フォームローラーを日々の生活に取り入れてみてくださいね。