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男性は35~44歳から、女性は45~54歳から加齢に伴い筋力が低下し始めます。体の線のたるみや疲れやすさを感じることが増え、将来の体力に不安をお持ちの方もいるでしょう。いつまでも生き生きと健康的な体を保つには、上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋のトレーニングがおすすめです。健康に歩き続けるためにも、ボディメイクにも重要な働きをする腸腰筋。今回は、自宅で簡単にできる腸腰筋の筋トレのやり方をご紹介します。
目次
腸腰筋とは、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉の総称です。小腰筋は退化してほとんど機能していないといわれているため、実質「大腰筋」と「腸骨筋」だけになります。
腸腰筋は深腹筋(しんふっきん)とも呼ばれているインナーマッスルで、上半身と下半身を繋ぐ筋肉です。
大腰筋は腰背部から、腸骨筋は骨盤の内部からはじまります。両方の筋肉が一体化してひとつの腱をつくり、大腿骨の内側に付着している筋肉です。
腸腰筋の機能は、主に股関節の屈曲と外旋です。普段の生活ではなかなか聞かない言葉なので、イメージが難しいかもしれませんが、股関節の屈曲とは、太ももをお腹に近づける動作です。歩くときや走るときなど、日常動作で多く使われています。股関節の外旋とは、大腿骨(太ももの骨)が外側に向かって回転する動作です。あぐらをかくときや、サッカーのインサイドキック(足の内側でパスをする)をする際などに使います。
腸腰筋を鍛えると、腰まわりのバランスを維持してくれるため、正しい姿勢を保持しやすくなります。食事制限のみのダイエットよりも、若々しく美しい体のラインを演出してくれるでしょう。年齢は立ち姿だけでなく、歩き姿にも現れます。無意識のうちに、重たい足取りでドスドスと歩いたり、つまずきやすくなってはいませんか?歩くとすぐに疲れを感じる方は、腸腰筋が衰えて上手く使えなくなっている可能性があります。腸腰筋が衰えると、姿勢が崩れて歩行に影響が出るだけでなく、心肺機能の低下にも繋がります。高齢になっても正しい歩行や姿勢を維持するためには、腸腰筋を鍛えておくことが大切なのです。
どの筋肉にも言えることですが、鍛えるだけでなくしっかりほぐして柔軟性をつけてあげることも大事です。腸腰筋が硬いと骨盤を支える力が弱まるため、骨盤が後ろに傾いてしまいます。骨盤が後傾することにより、足腰の動きが悪くなったり、下腹がぽっこり出やすくなります。血流も悪くなるため、下半身太りやむくみも溜まりやすくなるでしょう。トレーニングとストレッチ、どちらかに偏らず行うことで理想的な腸腰筋の状態が得られるでしょう。
腸腰筋を鍛えると、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。ここでは主なメリットを3点ご紹介します。
基礎代謝量とは、人間が生命維持のために消費する必要最小限のエネルギー代謝量のことです。運動をしていなくても、人は心臓を動かし、呼吸し、体温を維持するなどの行為でエネルギーを消費しています。 じっとしているときでもカロリーを消費するため、基礎代謝量が多い方が痩せやすい体ということになります。基礎代謝量の内訳では、心臓や脳などに比べて筋肉は比較的消費量が多いことがわかっています。筋肉の中でも重要なのは、体温維持に関わるインナーマッスル。大きなインナーマッスルのひとつである腸腰筋を鍛えると、基礎代謝量を上げてダイエットの効率をアップできるのです。
腸腰筋には、骨盤を前傾させて姿勢を正しく保つ働きがあります。腸腰筋が衰えると骨盤が後ろへ倒れてしまい、猫背になって年齢よりも老けてみられることも。全身の血流も悪くなり、肩こりや腰痛、便秘の原因にもなってきます。腸腰筋を鍛えることで、見た目の綺麗さだけでなく、普段の生活でも疲れにくい若々しい体を保つことができるのです。
腸腰筋の日常動作での主な機能は、脚を持ち上げることです。歩くときにつま先が引っかかるなど、脚がうまく持ち上がらない場合、腸腰筋の筋力が落ちていることが考えられます。筋力があっても、柔軟性が落ちている場合は股関節の伸展(脚のつけ根を伸ばす)が難しくなります。歩行時に、右足を一歩踏み出したときは右足のつけ根が曲がりますが、反対の左足を踏み出すときは最初の右足が後ろに行き、右足のつけ根が伸びます。腸腰筋が硬いと歩行時に後ろ足のつけ根が伸びないため、推進力が落ちて歩行の効率が悪くなります。股関節がうまく機能しないことで、太ももの前側やふくらはぎなど、別の部位に負担がかかる歩き方になってしまう可能性もあります。いつまでも自分の脚で立ち、好きなところへ歩いて行ける体を保つことは、自分のためでもあり、支えてくれる家族のためにもなります。不調が出てから慌てないように、今からトレーニングしておきたいですね。
腸腰筋を鍛えよう!と、やる気は出てきたけど、トレーニング初心者でどのメニューからはじめたらいいのか迷ってしまう。そんなときは、こちらの簡単なトレーニングからはじめてみましょう!初心者向けの易しい筋トレ、上級者向けの筋トレと合わせてご紹介します。ご自身のレベルに合ったものから取り組んでみましょう。どのメニューも特別な器具なしで、自宅でできるものばかりです。
立った状態で脚を高く上げていき、股関節の屈曲動作を行なうことで腸腰筋を鍛えるトレーニングです。座位や寝た姿勢が苦手な方におすすめ。片足立ちになることでバランスが心配な方は、壁に背中をつけて行っても構いません。
難易度:易しい
脚を上げる際に背中を丸めないこと。床をしっかり踏みしめて体の軸を感じ、左右の腰の高さが変わらないように意識しましょう。
寝ころんで揃えた両膝を上げ下げするトレーニングです。膝を伸ばして上げ下げするレッグレイズよりも強度が低く、腰を痛めにくいため、初心者や筋力に自信の無い方でも行いやすい筋トレです。腸腰筋は骨盤の前傾時に収縮するため、脚を下ろしていく動作のときにもお腹の力を抜かないことが重要となります。
お腹にしっかり力が入らないと、両手や首肩で踏ん張ってしまい頭が上がってきます。力みすぎてしまう方は、少し両肘を曲げると良いでしょう。頭は床につけたまま、反動をつけずに行います。
上級者向けのトレーニングです。プランク(腕立て伏せの形)から横向きになり、片手片足で体を支えた状態で、床から離した側の肘と膝を近づける筋トレです。床側は腹斜筋、天井側は腸腰筋を鍛えることができます。脇腹を引き締めたい方、歩き疲れない体幹を手に入れたい方におすすめです。
難易度:難しい
腰が床方向に落ちないよう、体軸を感じながら高さをキープしましょう。難しいと感じる方や、バランスが取りづらいと少しでも感じたら、床側の膝や肘を曲げるなどして軽減して行なってみるようにしましょう。
いくつになっても輝く自分でいたいですよね!男女年齢を問わず、健康維持や美しいボディラインのために筋トレは効果的です。エステでプロに磨いてもらうのも良いけれど、自分の努力で鍛えた健康な体は、未来の自分と家族への最高のプレゼントです。今回は腸腰筋を鍛えることに重点を置いてご紹介しましたが、ストレッチで柔軟性を上げることも大切です。腸腰筋のストレッチに興味がある方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
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