腸腰筋をほぐすストレッチ7選!腰を柔らかくして目指せ腰痛改善【大腰筋が重要】

腰痛や反り腰の痛みに悩んでいませんか。背中や腰をほぐしてもなかなか良くならない場合は、体の前面の硬さが影響している可能性があります。この記事では、体の前面で上半身と下半身を繋いでいる「腸腰筋」をほぐすストレッチのやり方やその効果を解説します。股関節まわりを動かしやすくすることで姿勢が整い、腰痛改善も期待できます。今すぐ、自宅で簡単にできる腸腰筋ストレッチをはじめましょう!

腸腰筋とはどんな筋肉?

腸腰筋は、上半身と下半身を繋ぐ3つの筋肉の総称です。腸腰筋は腰椎(ようつい)・骨盤から脚のつけ根にかけてついている股関節の重要なインナーマッスルで、主に脚を持ち上げる動きに使われます。

歩き出すときに脚を前に振り出す動作や、坂道や階段で脚を持ち上げる動作、仰向けから起き上がる動作などをイメージすると腸腰筋の機能がわかりやすいでしょう。

腸腰筋が硬いと起こるデメリット

腸腰筋が硬いと起こるデメリット

前屈でお腹と太ももが近づかない方、スクワットしゃがむ動作がやりにくい方は、腸腰筋が硬くなっているかもしれません。腸腰筋は美しい姿勢の維持や、内臓を正しい位置にキープさせることにも関係しており、日常生活において大きな役割を担っている筋肉です。

腸腰筋が硬くなってしまうと、以下のようなデメリットがあります

  • 腰痛や反り腰が起こりやすくなる
  • むくみや冷え性が起こりやすくなる
  • ぽっこりお腹になりやすくなる
  • 思わぬケガを引き起こすことも

詳しく確認してみましょう。

腰痛や反り腰が起こりやすくなる

座り姿勢が長く続くと、腸腰筋が縮んだ状態で硬くなってしまうため、骨盤が引っ張られて前傾し、その反動で腰を反らしすぎてしまい、腰痛が生まれます。

長時間のデスクワークをされている方や、運転のお仕事をされる方に腰痛が多いのはこのためです。

むくみや冷え性が起こりやすくなる

腸腰筋が硬くなると、股関節まわりの動きが悪くなります。股関節の可動域が狭まり筋肉が弱まると、血行が悪くなり老廃物が溜まりやすくなるため、下半身のむくみや冷え性を引き起こします。

ぽっこりお腹になりやすくなる

腸腰筋が硬くなると骨盤が前傾し、正しく体幹を使えずに下腹を突き出したような姿勢になってしまいます。

また、腸腰筋が内臓を正しい位置に維持できず、下垂してしまうこともぽっこりお腹の原因となります。さらに下垂した内臓の働きが鈍り、便秘を引き起こすと、ぽっこり度合いが加速する可能性があります。

思わぬケガを引き起こすことも

脚を引きずるように歩く癖ができたり、階段でつまずきやすくなったという方は、腸腰筋が硬くなっておりうまく使えていない可能性があります。

つまずいたときにとっさの動きがとれず、無理な体勢で受身をとろうとして捻挫や脱臼をしたり、骨折などの大ケガを負ってしまうこともあります。

腸腰筋ストレッチに期待できる効果は?

腸腰筋ストレッチは、硬くなったり縮こまったりした腸腰筋(特に大腰筋)をのばし、柔軟性を高めてくれます。腸腰筋ストレッチを取り入れることで、以下の効果を期待できます。

  • 姿勢が良くなる
  • 腰痛予防
  • つまずきの防止

一つずつ解説するので、確認してみてください。

姿勢が良くなる

腸腰筋をほぐして柔軟性を持たせることで腰が柔らかくなり体幹が安定します。体幹が正しく使われると、背筋が伸びて猫背の改善につながります。さらに、骨盤の傾きもなくなることで、反り腰が軽減されます。

腰痛予防

腸腰筋が硬くなることで骨盤が前傾すると、その反動で反り腰となって腰痛が起こります。腸腰筋をストレッチすることで、腰を柔らかく保つことができ、腰痛予防につながります。

つまずきの防止

腸腰筋は主に脚を上げる動きに使われる筋肉なので、柔軟性がなくなると、うまく脚を前に振りだせずつまづいてしまう可能性があります。腸腰筋の柔軟性を保つことで、脚がスムーズに前にでるので、つまづくことが少なくなります。

腸腰筋をほぐす!おすすめストレッチ7選

腸腰筋を柔らかくする簡単なストレッチのやり方をご紹介します。おうちですぐにできる初心者向けのストレッチで、腸腰筋を柔らかくほぐしましょう。

①骨盤安定のストレッチ|腸腰筋ストレッチ

骨盤を安定させ脚の上げ下げをスムーズにしてくれる腸腰筋を鍛えるストレッチです。腸腰筋は腸を支える筋肉なので、腸活の一つとして取り入れてみるのもおすすめです。

骨盤安定のストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 仰向けになって腰を床にしっかりとつけ、両手は体側に伸ばします。
  2. 膝を軽く曲げたまま両足をゆっくりと上に持ち上げていきます。
  3. 真上まで上げたら、ゆっくりと腰が反らないところまで下ろしていきます。
  4. 両足をそろえたまま2〜3を20回程度くり返します。

骨盤安定のストレッチのポイント

腰の痛みを感じた場合は、両足を下げすぎず、上のほうで振れ幅を小さめにして脚を上げ下げしましょう。もっと頑張れる方は、かかとを床のできるだけ近くまで下ろしてみましょう。

②ニーアップ|大腰筋ストレッチ

背骨と太ももを繋ぐ大腰筋のストレッチ、ニーアップ
背骨と太ももを繋ぐ大腰筋のストレッチ、ニーアップ

背骨と太ももを繋ぐ大腰筋のストレッチです。大腰筋がほぐれると姿勢が安定するため、腰の痛みが起こりにくくなります。寝たままできるため、お風呂上がりや就寝前、朝起きたときに暖かい布団の中で行うのもおすすめです。朝は意外と体が固まっているため、ゆっくりとした呼吸を意識して行いましょう。

ニーアップのやり方 

難易度:易しい

  1. 仰向けに寝て、右膝を曲げて両手で持ちます。
  2. ゆっくりと息を吐きながら右膝を胸に引き寄せ、太ももとお腹をくっつけるようにします。このとき、左膝裏が浮きやすいので、左足を痛みのない範囲で床に伸ばしましょう。
  3. ゆっくり呼吸しながら、2の状態を20秒間キープします。
  4. ゆっくり息を吸いながら、太ももとお腹を離します。
  5. ゆっくりと息を吐きながら、両手を離し優しく右膝を伸ばし右足を床に下ろします。
  6. 左足も同様に行います。

ニーアップのポイント

抱えていないほうの脚をしっかり伸ばし、床からの浮きを抑えることがポイント。左右にぐらつく方は、背骨を長くする意識を持つと安定しやすいです。

③片膝立て|腸骨筋ストレッチ

立て膝から片足を一歩前に出し、上体を反らせて骨盤の奥の腸骨筋を刺激する片膝立ストレッチ
立て膝から片足を一歩前に出し、上体を反らせて骨盤の奥の腸骨筋を刺激する片膝立ストレッチ

立て膝から片足を一歩前に出し、上体を反らせて骨盤の奥の腸骨筋を刺激するストレッチ。長時間立っていられない、歩くと腰が痛むという方はこのストレッチで疲れにくい股関節をつくりましょう。

片膝立てのやり方 

難易度:易しい

  1. 膝立ちになり、右足を一歩前へ出します。
  2. 右膝は90度に曲げ、左膝から腰、頭頂までまっすぐに保ちます。
  3. 両手はバランスが取りやすいように、体側におろすか、腰に軽く添えましょう。
  4. 息を吐いておへそをへこませながら上体を反らし、目線を天井に向けます。
  5. ゆっくりと呼吸を繰り返しながら5秒から10秒程キープします。
  6. 息を吸いながら上体を戻します。
  7. 反対側も同様に行います。

片膝立てストレッチのポイント

床についた膝が後ろにずれてくると骨盤が前に傾いて、腸骨筋が伸びにくくなります。床側の膝はしっかり固定しましょう。床についた足の指を開いて床を押すと膝下が安定しやすくなります。

④コブラのポーズ|腰、背中のストレッチ

腸腰筋をストレッチして腰や背中の疲れを取り、猫背解消や冷え性改善にも役立つコブラのポーズ
腸腰筋をストレッチして腰や背中の疲れを取り、猫背解消や冷え性改善にも役立つコブラのポーズ

腸腰筋をストレッチすることで腰や背中の疲れを取り、猫背解消や冷え性改善にも役立つポーズ。胸も開くため、イライラした気分をリフレッシュできる効果も。背中を緊張させ過ぎずに、腰を柔らかく伸ばしていくイメージで行います。

コブラのポーズのやり方

難易度:易しい

  1. うつ伏せになり、両足は腰幅に開きます。両手は肩の真下あたりに置きます。首が縮まらないよう、脇を軽く締めて肩甲骨を下げます。
  2. 息を吸いながら上体を起こします。耳と肩を遠ざけるようにして首を長く保ち、尾骨は斜め下方向に向けて伸ばします。恥骨で床を押し、上半身を伸ばしましょう。
  3. 20秒キープしてから、ゆっくりとうつ伏せに戻ります。

コブラのポーズのポイント

かかとが外側に倒れると脚の力が抜け、腰だけが反ってしまうため、かかとは真ん中に寄せましょう。腰だけで折ろうとせず、足先から背骨、頭頂まで体全体をハリのある状態に保つよう意識することが大切です。

⑤バックランジ|おしり・内もものストレッチ

お尻の引き上げ効果や太ももの内側をすっきりさせる効果などが期待できる、バックランジ
お尻の引き上げ効果や太ももの内側をすっきりさせる効果などが期待できる、バックランジ

体幹の筋肉の一つであり、上半身と下半身をつなぐ重要な筋肉である腸腰筋群を引き伸ばしつつ鍛えるバックランジは、お尻の引き上げ効果や太ももの内側をすっきりさせる効果などが期待できます。

バックランジのやり方

難易度:普通

  1. 真っ直ぐに立ち、両手を胸の前で軽く握り合わせます。
  2. 左足を大きく真後ろへ一歩引いて、つま先を立てたまま腰を落とします。
  3. 右膝が直角になり、左膝が床すれすれのところまで下がったら、1の姿勢に戻ります。
  4. 左右交互に、10回を1セットとし、2〜3セット繰り返します。

バックランジのポイント

上半身の姿勢を崩さないようにしましょう。姿勢を安定させるために視線は落とさずまっすぐ正面を向き、膝がつま先より前に出ないように気を付けてください。

関連記事:バックランジのやり方を詳しくまとめた記事はこちら

⑥橋のポーズ|腰・肩・背中の寝ながらできるストレッチ

お尻の引き締め効果なども期待できる、橋のポーズ
お尻の引き締め効果なども期待できる、橋のポーズ

橋のポーズは、凝り固まった腰・肩・背中の筋肉をほぐし、腰痛や骨盤の痛みの改善だけでなく、下半身や骨盤底筋の強化や、お尻の引き締め効果なども期待できます。

橋のポーズのやり方

難易度:易しい

  1. 仰向けの状態で、両膝を立てます。両腕は体側に伸ばします。
  2. 膝と膝の間はこぶし一つ分程度のスペースを作り、かかととつま先も同じようにスペースを作ります。
  3. ゆっくりと息を吸いながら足裏で体重を支え、腰を天井方向に持ち上げましょう。
  4. 背中の下で両手を組み、肩甲骨を引き寄せながら胸を天井方向に持ち上げます。
  5. 4の状態をキープして、ゆっくりと深呼吸します。

橋のポーズのポイント

膝が痛い場合は、かかとの位置をお尻の方に近づけるなどして調整しましょう。

上体を持ち上げる際は、勢いで持ち上げるのではなく、筋肉を使うことを意識しましょう。
また、首や肩に力が入らないように注意してください。

関連記事:寝たまま、座ったままでもできるずぼらストレッチ・ずぼら筋トレをやり方を解説

⑦ストレッチポール®でお尻のストレッチ|大殿筋ストレッチ

このストレッチは、腰痛の方、股関節の動きが悪く股関節痛をお持ちの方、下半身が疲れやすい方におすすめしたいストレッチです。

ストレッチポール®でお尻のストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. ストレッチポール®を横向きにして、おしりが乗るように仰向けになります。
  2. 右足を伸ばした状態で、左膝を曲げて両手でつかみ、胸の方に引き寄せます。
  3. そのまま15〜30秒キープして、右足のつけ根をストレッチします。
  4. 脚を変えて、左足を伸ばして右足を曲げ、両手で右ひざをつかんで胸の方に引き寄せます。
  5. そのまま15〜30秒キープして、左足のつけ根をストレッチします。
  6. 左右1回ずつで1セットとし、1〜3セットくり返します。

ストレッチポール®でお尻のストレッチのポイント

足を引き寄せるときは、無理せず、”いた気持ちいい”を目安にストレッチしましょう。また、足の付け根の筋肉の柔軟性が左右によって差がある場合は、硬い方を優先的にストレッチしましょう。

関連記事:ストレッチポール®を使ったストレッチのやり方を解説

ここが重要!腸腰筋ストレッチを行う際のポイント

腸腰筋を柔らかくするためのストレッチにおけるポイントは、以下の3点です。

  • 体を温めてから行う
  • ゆっくりと呼吸しながら行う
  • 「伸ばす動き」を意識して行う

ストレッチの効果を最大限高めるためにも、意識しながらチャレンジしてみてください。

体を温めてから行う

ストレッチは、運動後やお風呂上がりなど、体が温まり血液循環が良くなったときに行うのがおすすめです。体が温まっている状態だと、力を緩めやすく、より筋肉を伸ばしやすくなるでしょう。

ゆっくりと呼吸しながら行う

筋肉は、反動をつけると伸ばしたい部分が縮んでしまいます。ゆっくりと、時間をかけて伸ばしましょう。深い呼吸を意識することで、自然と良いペースでストレッチすることができます。

「伸ばす動き」を意識して行う

腸腰筋は股関節を曲げる(屈曲)筋肉であるため、反対の伸ばす動き(伸展)を意識して行いましょう。股関節ではなく腰を反ってしまうと、逆に腰痛を助長してしまいます。上体がぐらついたり、左右に傾くと腸腰筋の伸びに繋がらないため気をつけましょう。

腰を反らせたり、骨盤を傾かせたりしないよう行う
腰を反らせたり、骨盤を傾かせたりしないよう行う

腸腰筋が柔らかくなると毎日が楽になる

腸腰筋を柔らかくする、おすすめのストレッチをご紹介しました。トレーニングウェアやシューズを用意してジムに通わなくても、自宅で腰痛改善が期待できます!毎日のほんのちょっとの習慣が、痛みのない心地良い毎日をつくってくれます。腸腰筋を柔らかくして動きやすい股関節を手に入れると、マッサージを受けた日だけ楽になる…、のではなく「普段の毎日が楽」になりますよ!

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