腹筋は毎日するべき?効果的な頻度とおすすめのトレーニングを部位別に紹介
監修者情報
柴田 直樹
オンラインフィットネス「トルチャ」マーケター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
腹筋は毎日したほうがいい?週何回が効果的?
腹筋をはじめとする筋トレには、「毎日したほうがいい」「毎日はしないほうがいい」「週3回がベスト」など、さまざまな意見があります。ここでは、「毎日したほうがいい」と「週2〜3回がいい」という2つの代表的な意見について詳しく解説します。
必ずしも毎日行う必要はない
“トレーニングは毎日したほうがいい”と思われがちですが、毎日の腹筋を行うことは一般的には効果的ではないと言われています。筋肉は休息と回復の時間を確保することも重要です。
ただし、腹筋のメニューによっては毎日継続できる場合もあります。腹筋を毎日行いたい方は「腹筋の部位を変えながら刺激を与える」「全身のバランスを保つためにほかの筋群のトレーニングを取り入れる」などを実践してみましょう。
週2〜3回腹筋をする場合
「超回復(ちょうかいふく)」という言葉をご存知でしょうか?超回復とは、トレーニングや運動において、適切な休息や回復期間を経た後に、以前のレベルを超えた状態に回復する現象のことです。つまり、十分な休息を取ることで、筋肉や体のパフォーマンスが向上することを意味します。
中〜強程度の腹筋を1回行いお腹全体をしっかり鍛えてから、2〜3日の休息を入れることで、超回復を効果的に利用することができます。
腹筋を毎日行うことと週2〜3回行うことは、それぞれメリットがあるため、自分のライフスタイルによって継続できる方を選ぶと良いでしょう。
【予備知識】腹筋で鍛えられる筋肉を解説
腹筋はひとつの大きな筋肉ではなく、次の4種類の筋肉で成り立っています。
- 腹直筋
- 外腹斜筋、内腹斜筋
- 腹横筋
それぞれの筋肉の特徴や場所を詳しくチェックしていきましょう。
腹直筋(ふくちょくきん)
腹直筋(ふくちょくきん)は、お腹の前側にある筋肉です。腹部の安定性を保ち脊椎を支えているほか、内臓を保護する役割もあります。
腹直筋のトレーニングは、腹部の引き締まりや体幹の強化に効果的!クランチやレッグレイズといった腹筋トレーニングは、腹直筋を意識的に鍛えることができます。
外腹斜筋・内腹斜筋(がいふくしゃきん・ないふくしゃきん)
腹斜筋(ふくしゃきん)は脇腹付近にある筋肉を指します。一般的に腹斜筋は2つに分かれていて、表層部にあるのが「外腹斜筋(がいふくしゃきん)」、その内側にあるのが「内腹斜筋(ないふくしゃきん)」です。
腹斜筋は体をひねる動作に使われる筋肉で、スポーツをする人にとって重要です。腹圧を制御し、内臓を保護する役割も担っており、腹斜筋の強化は体の安定性や姿勢の改善、さらには日常生活の活動にも使われる大切な筋肉です。
腹斜筋のトレーニング方法の代表的なものは、サイドプランクやロシアン・ツイストなどです。
腹横筋(ふくおうきん)
腹横筋(ふくおうきん)は、内腹斜筋よりもさらに内側にあるインナーマッスルのことです。腹横筋は、内臓をサポートすることと、腹圧を調節する役割があります。特に、腹式呼吸のときや体を動かす際の腹圧の調整に重要な役割を果たしています。
腹横筋を鍛えるためのエクササイズには、プランクやサイドプランク、バイシクルクランチなどがあり、腹横筋の強化と同時にほかの腹筋やコアの筋肉も鍛えることができます。
【動画あり】毎日できる腹筋トレーニング4選!鍛えたい部位別に紹介
ここからは、鍛えたい部位別におすすめの腹筋トレーニングを動画とともにご紹介します。毎日できるトレーニングばかりなので、初心者の方もぜひトライしてみてください。
腹斜筋を鍛えるトレーニング「サイドレッグリフト」「ワンレッグトゥタッチ」
サイドレッグリフトのやり方
- 横向きに寝て、内ももの間にタオルを挟みます。
- 体の向きは横一直線にすることを意識し、内ももに挟んでいるタオルが落ちないように意識しながら両足を持ち上げます。
- 次は両足を閉じた状態のまま、床につく手前まで下げます。
- 2〜3のように上下に動かす動作を15〜20回ほど行いましょう。
- 反対側も同様に行います。
サイドレッグリフトのポイント
腰が反ってしまわないように、お腹に力を入れ続けることが大切です。
ワンレッグトゥタッチのやり方
- 仰向けに寝た状態になります。
- 片足は膝を立て、もう片方の足は伸ばしておきます。
- 腹部に力を入れ、伸ばした左足と対角にある右腕を天井に向かって上げて手で足首をタッチし、15回ほど繰り返しましょう。
- 脚と腕を入れ替え、反対側も同様に行います。
ワンレッグトゥタッチのポイント
手と足を同時に動かして足首またはつま先をタッチしましょう。
頭を持ち上げる際、首を痛めないようにお腹に力を入れましょう。
サイドレッグリフト・ワンレッグトゥタッチ共に1日20回ずつ、3セット行うと効果が期待できます。
腹直筋を鍛えるトレーニング「カールアップ」
カールアップのやり方
- 仰向けに寝て両膝を立てます。手は耳の横に添えて、肘は自然に広がるような体勢を作りましょう。
- お腹に力を入れて背中を丸めながら体を起こします。
- 肩甲骨が床から離れるまで上体を起こしたあと、体を元に戻します。戻すときもお腹の力は入れたままにしましょう。
- まずは10回行い、少し休憩を挟んで2セット目も行ってみましょう。
カールアップのポイント
体を起こすとき、目線をおへそに向けるとお腹に効きます。腰が反らないよう、腰は床につけましょう。
腹直筋下部~腸腰筋を鍛えるトレーニング「リバースクランチ」
リバースクランチのやり方
- 仰向けに寝て、膝を曲げた状態からスタートします。
- お腹に力を入れながら息を吐いて曲げた足を真上に上げ、お尻を持ち上げましょう。
- 少しずつ動作を大きくしていきます。
- 同じ動作を1分間続けてみましょう。
リバースクランチのポイント
お尻と足を上げるときには息を吐いてください。勢いで足を上げるのではなく、お腹を意識しながら持ち上げると効果的です。もし真上に上げるのが難しい場合は、足を上げる際に頭の方に向けると無理なく上げられます。
インナーマッスルを鍛えるトレーニング「プランク」
プランクのやり方
- 床やマットの上でうつ伏せの状態になります。肘を90度に曲げ、肘から先を直接床につけます。
- 足はつま先を立てて揃えましょう。足幅は肩幅程度に保ちます。
- 腹筋に力を入れ、おへそを内側に引き上げる感覚を持ちながら、体を持ち上げます。この状態で体を支えます。
- 頭は首と一直線になるようにし、視線を床に向けます。姿勢を維持し続け、正しいフォームを保ちながら30秒から1分程度キープします。
プランクのポイント
インナーマッスルを鍛えて全身を安定させるトレーニングとなる、プランクを初めて行う場合や体力によっては、最初は数秒間からはじめ、徐々に時間を伸ばしていくことがおすすめです。
関連記事:プランクが難しいと感じている方向け、初心者向けにプランクのコツについてまとめた記事はこちら
【毎日筋トレしたい人向け】腹筋の効果を高めるコツ
毎日腹筋を鍛えたい方に向けて、腹筋の効果を高めるコツを3つご紹介します。
- 筋トレ前後のアミノ酸の摂取
- 筋トレ後のプロテインの摂取
- 腹筋以外のトレーニングと組み合わせる
上の3つを取り入れる理由やポイント、おすすめのプロテインなどをチェックしていきましょう。
筋トレ前後のアミノ酸の摂取
筋肉を作るタンパク質のもととなっているアミノ酸は、私たちが生きるための活動を支えてくれる重要な働きをしています。また、トレーニングによる筋肉のダメージや疲労を回復させ、筋肉の修復を促進するためにもアミノ酸が必要です。特に「BCAA=分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)」は、筋肉タンパク質の合成に重要な役割を果たします。
腹筋トレーニングや筋トレ前後など、運動をしたときはアミノ酸を素早く吸収したいため、サプリメントなどで取り入れるのがおすすめです。
アミノ酸は、トレーニング開始30分前とトレーニング直後の摂取が理想。長時間トレーニングをするなら運動中にもこまめにアミノ酸を摂るようにしましょう。日常生活でアミノ酸を摂取するには、たんぱく質中の必須アミノ酸が多く含まれている食材を取り入れてみてください。
筋トレ後のプロテインの摂取
トレーニング後にプロテインを摂取すると、筋肉タンパク質の合成が促進され、筋肉の成長と修復を補助します。運動後約30〜45分以内を目指してプロテインを摂取しましょう。
また、プロテインの摂取は筋力の向上につながることがあります。適切な摂取量とトレーニングとの組み合わせにより、筋肉の増強とエネルギー供給が改善され、スポーツパフォーマンスの向上が期待できます。
- be LEGEND(ビーレジェンド)プロテイン
- 株式会社RealStyle
腹筋以外のトレーニングと組み合わせる
腹筋を効果的に鍛えるなら、腹筋以外の筋群の筋トレを組み合わせながら全身の筋肉バランスを保ちましょう。例えば、お尻や太ももの筋トレをすることで体幹も鍛えられ下半身の筋力強化につながります。また、腹筋と一緒に背筋を鍛えれば、上半身の筋力がアップします。
腹筋のトレーニング頻度に関するQ&A
最後に、腹筋のトレーニング頻度に関する疑問にQ&A形式でお答えします。
腹筋を毎日するのはダイエットに効果的?
腹筋や筋力トレーニングなどで筋肉量を増やすことは、もちろんダイエットに効果的です。ただ、腹筋トレーニングだけでは筋力はつきますが痩せにくいのが現実です。ダイエット効果(脂肪を落とす、体重を減らすなど)を狙うためには有酸素運動、食事管理を組み合わせましょう。そのうえで腹筋トレーニングを毎日するなら、部位を変えながら行うのがおすすめです。
ぽっこりお腹を引き締めるための効果的な頻度は?
お腹まわりについた脂肪、いわゆるぽっこりお腹は引き締めが難しい箇所です。お腹まわりに余計な脂肪がついていると、筋トレで関節に負担がかかり、ケガにつながる可能性も。脂肪が気になるなら、まずは有酸素運動などで体脂肪を落とすことを目指しましょう。
体脂肪が目標まで減少したら腹筋トレーニングをはじめます。毎日行うなら部位を変えながら腹筋トレーニングをするのがおすすめです。また、超回復を待つ、トレーニングの間に休息期間を設けることも検討してみましょう。自分が続けやすい方法で腹筋トレーニングを行ってみてください。
腹筋は毎日やっても効果あり!腹筋の部位を知って効果的なトレーニングをしよう
腹筋トレーニングを行う頻度にはさまざまな意見がありますが、腹筋の部位を知って、部位を変えながらトレーニングするのは毎日行っても問題ありません。効果的に腹筋を鍛えるなら、腹筋以外の筋肉を鍛えたり、有酸素運動と組み合わせるのがおすすめです。腹筋トレーニングを生活に取り入れて、継続できるように頑張りましょう。