表情筋は鍛えない方がいいのは本当?正しく表情筋を鍛える方法を解説
監修者情報
杉山 なつみ
ヨガ講師・バリ島ヨガスタジオマーケター
2015年12月にヨガの資格を取得後、都内を中心に企業向け健康セミナーの実施や、ヨガスタジオでの自主開催レッスンやスポーツ選手向けのパーソナルヨガレッスンを行う。
2019年1月にインドネシア・バリ島へ移住。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、現地のマーケティングや、バリ島からのオンラインレッスンを開催中。
■資格
・日本ヨガインストラクター協会2級
表情筋とは?
表情筋はその名のとおり、顔の表情を動かすのに必要な筋肉です。頰や口まわりだけでなく、目や鼻、おでこまわりなどを動かす際にも使われており、表情の変化や会話、まばたき、食事、呼吸などあらゆる動作に欠かせません。
数ある表情筋の中でも、この脱マスク生活で注目されているのが「口輪筋」と「オトガイ筋」です。口輪筋は唇を囲んでいる筋肉で、衰えると口元がゆるんでだらしなく見えたり、口角が下がって老けて見えたりします。オトガイ筋はあごにある筋肉で、口輪筋とも繋がっている筋肉です。オトガイ筋の衰えは二重あごや口が開きっぱなしになる原因になります。
表情筋は鍛えない方がいい?気になる3つのポイントを解説
脱マスク下で「表情筋を鍛えたほうがいい」と言われる一方で、鍛えすぎるとさまざまなデメリットが生じることをご存じでしょうか。表情筋を鍛えすぎた場合の気になるポイントをチェックしましょう。
ほうれい線が深くなる
小鼻から口元に向かってハの字に伸びたシワ、ほうれい線。老け見えの原因になる女性の大敵ですよね。そんなほうれい線は皮膚の伸縮によって深くなっていくため、表情筋トレーニングで皮膚を必要以上に動かすと、ほうれい線がくっきりと深く刻まれてしまいます。
たるみが出る
同じく、過度な表情筋トレーニングは皮膚のたるみも引き起こします。皮膚に強い負担をかけると本来であれば皮膚や脂肪がたるまないように引き上げている筋肉がダメージを受け、皮膚が下垂してしまうのです。顔の筋肉や皮膚は繋がっているため、ひとつのパーツがたるむと他の皮膚も引っ張られてたるみやすくなります。顔全体の下垂を防ぐためにも、表情筋の鍛え方やトレーニングの頻度には注意しましょう。
シミやくすみが出る
手を使った表情筋トレーニングも数多くありますが、強く押さえたり何度も摩擦を繰り返したりするとシミやくすみ、色素沈着、肌荒れなどの原因になります。顔の皮膚は非常にデリケートでささいな刺激でもダメージを受けてしまいます。強い力で触れないのはもちろん、何度もこすったり手を長時間置いたりするのは避けた方が賢明です。
表情筋を鍛えないとどうなる?
表情筋を鍛えすぎた場合の気になるポイントをご紹介しましたが、反対に、まったく鍛えなかった場合はどうなるのでしょうか。
コロナ禍でマスク生活が長引き、表情筋が知らず知らずのうちに衰えてしまったという方も多いはず。表情筋が衰えると笑顔や驚きなどの感情が伝わりづらくなり、無愛想な印象を与えてしまいます。自分では笑ったつもりでも、筋肉がうまく動いていないため口角や目元に大きな変化が生じません。
また、表情筋の衰えは皮膚のたるみや二重あご、ずっと口が開いているポカン口(口唇閉鎖不全症)を引き起こしやすくなります。口元がたるむと口呼吸になりやすく、口呼吸が習慣になると虫歯や歯周病、睡眠時無呼吸症候群などの原因に。健康と美容のためにも、表情筋は適度に鍛えたほうが良いのです。
表情筋を正しく鍛える方法
表情筋は鍛えすぎも、鍛えないことも良くないことがわかりました。ここからは、表情筋を正しく鍛える3つのポイントをご紹介します。
左右バランスよく鍛える
表情筋を鍛えはじめた人によくある悩みが、顔の左右のバランスが悪くなってしまうこと。無意識のうちに利き手側の表情筋ばかり鍛えてしまい、片側だけにたるみが生じたり、ほうれい線が強くなったりするケースも多いのです。表情筋を鍛える際は左右をバランスよく鍛えるために、回数や時間をはかりながら鍛えましょう。鏡の前で左右の顔を見比べながら行うのもおすすめです。
やりすぎに注意
先ほどご紹介したように、表情筋を過度に鍛えてしまうとほうれい線やたるみ、シミや肌トラブルの原因になってしまいます。「結果を出したい」「顔を引き締めたい」と前向きに取り組む気持ちは大切ですが、激しく鍛えても結果が出るものではありません。トレーニングは毎日数分程度に留め、やりすぎないように注意しましょう。
美顔器を使う
力の加え方やどこを鍛えたらいいかわからないという方には、EMS美顔器がおすすめ。EMS美顔器は微量の電気を流して表情筋を刺激する美容家電で、強さやモードを自由に選べます。表情筋が刺激されてピクピクと動いたり、多少引っ張られたりする感覚はありますがほとんど痛みはありません。正しく使えば表情筋をしっかり鍛えられるうえ、手でマッサージするよりも皮膚への刺激を抑えられるのも嬉しいポイントです。
購入が難しい方は、美顔器のレンタルもおすすめです。検討してみてください。
表情筋を衰えさせないコツ
表情筋を鍛えるトレーニングはもちろんですが、やはり重要になるのは“毎日の生活のなかでどれだけ表情筋を使うのか”です。次の2点を意識して、表情筋の衰えを防ぎましょう。
普段から笑顔を意識する
にこっと大きな笑顔を作ると、それだけで顔の筋肉の多くを動かせると言われています。日頃から表情の変化、とくに笑顔を浮かべるように意識してみましょう。マスクをしているとつい目元だけを下げてしまいますが、しっかり口角を上げて頬も引き上げましょう。一度鏡の前で自分の笑顔をチェックするのもおすすめです。
よく噛んで食べる
咀嚼は表情筋を鍛えるうえでとても有効で、口元の引き締めや頬のシェイプアップ、二重あごの解消にも効果があります。忙しい毎日を送っているとつい流し込むように食べてしまいますが、一口あたり30回以上は噛むように意識してみてくださいね。また、パンや麺類などの柔らかい食材ばかり食べるのもNG。ときにはビーフジャーキーやスルメなどの硬い食材を口にして、意識的に表情筋を鍛えていきましょう。
【部位別】表情筋をほどよく鍛えるエクササイズ
最後に、表情筋を適度に鍛えられるおすすめのエクササイズを部位別にご紹介します。ほうれい線や首のシワ、二重あごが気になる方はぜひ実践してみてくださいね。
ほうれい線
表情筋の衰えのほか、加齢や肌のハリ不足、骨格の歪みなどが原因でシワが深くなってしまうほうれい線。舌を大きく上に突き上げる動きやぐるぐると回す動き、口内に空気を含んで頬を膨らます動きなどで口元の筋肉を刺激していきましょう。
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首のシワ
年齢が出やすい首元のシワ。首の筋肉と顔の筋肉は繋がっているため、表情筋を鍛えることでシワの軽減が期待できます。唇や舌を動かしたり、たるんだ首の皮膚を伸ばしたりして、表情筋と首の表面にある広頸筋(こうけいきん)を鍛えていきましょう。
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二重あご
二重あごは姿勢の悪さや皮膚のたるみ、むくみ、表情筋の衰えなどが原因で生じます。頬まわりの表情筋を刺激しながら同時に軽くマッサージして、むくみの原因となる老廃物や溜まった水分を流していきましょう。
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表情筋は鍛えすぎも、鍛えなさすぎもNG!適度に鍛えよう
脱マスクした顔に自信をつけるのはもちろん、美容や健康のためにも表情筋はトレーニングで鍛えたほうがよいでしょう。ただし、鍛えすぎると皮膚のたるみやほうれい線、シワや肌トラブルの原因になるため注意が必要です。表情筋を鍛えるエクササイズ&マッサージを実践する場合は、必ず回数や時間を守ったうえで皮膚を刺激しすぎないようにしてくださいね。