筋膜リリースに使えるおすすめのグッズを紹介!自宅で簡単にできる筋膜リリースのやり方
体を支える重要な役割を持つ「筋膜」
「浅筋膜(せんきんまく)」「深筋膜(しんきんまく)/腱膜筋膜(けんまくきんまく)」「筋外膜(きんがいまく)」「筋周膜(きんしゅうまく)」「筋内膜(きんないまく)」の5つの薄い組織膜が重なり合っている「筋膜」は、それぞれが連携し、筋肉や内臓の組織膜と繋がり合いながら全身に張り巡らされています。体を維持するための重要な役割をもつことから、“体の組織を支える第二の骨格”とも呼ばれています。
筋膜の役割
- 筋肉や骨、内臓、血管、神経、関節などのあらゆる組織を包み込み、分離や結合などを助ける
- 筋肉同士の摩擦を防ぎ、体のスムーズな動きを支える
- 体に力が加わったときのエネルギーを伝達する
筋膜の癒着による悪影響は、「筋膜リリース」で解消しよう!
筋膜が萎縮・癒着してしまうと、体のだるさや痛み、姿勢の悪化、むくみやたるみ、柔軟性ダウンや可動域の縮小などを招く恐れがあります。これらを解消するために、癒着してしまった筋膜をほぐす行為が「筋膜リリース」です。萎縮や癒着の見られる筋膜を引き剥がしたり、ほぐすなどして正しい状態へと改善していきます。
筋膜リリースを行うにあたって
筋膜リリースを実践する場合、主に以下の3通りのやり方があります。
- 専門の鍼灸整骨院や接骨院を受診する
- トレーニンググッズを使用する
- タオルや手技で行う
どのやり方が合うかは個人差があるため「どのやり方が最適」とは言い切れませんが、お金をかけずにできるだけ手軽にトライしたい方は③、本格的に筋膜リリースをしたい方は①②がおすすめです。なかでも、②のトレーニンググッズを使った筋膜リリースは、スキマ時間を使って手軽に本格的な筋膜剥がしを実践できます。
筋膜リリースの前に、まずは現在の体の状態を確認しよう
筋膜リリースを実践する前に、前屈や後屈、首や肩(腕)の可動域チェックを行い、現在の体の状態を確認しておきましょう。実践する前に現在の体の状態を知っておくことで、筋膜リリースによる体の変化を可視化できます。毎日コツコツと筋膜リリースを続けて、理想の体を手に入れましょう!
筋膜リリースにおすすめのグッズ「マッサージボール」
筋肉のこりが気になる部分に、ボールをコロコロと転がし当てるだけで簡単に筋膜リリースができる「マッサージボール」。肩や首、腰まわり、お尻を集中してリリースしたい方におすすめのグッズです。コンパクトサイズなので、職場や旅行中など外出先でも使いやすいのが嬉しいポイント。テニスボールなどで代用するのも一案です。
1.筋膜リリース初心者はやわらか素材から
マッサージボールは「固さ」が刺激の強さに影響します。筋膜リリースにはじめてチャレンジする方は肌当たりもやさしいシリコン製、慣れてきた方は刺激の強いトゲトゲ(突起)タイプがおすすめです。ご自身の体と相談しながら、少しずつ刺激をステップアップさせましょう。筋肉に強く力をかけたからといって、その分だけ筋膜がほぐれるわけではありません。強い力をかけすぎてしまうと痛みやアザの原因になってしまうため注意しましょう。
2.使いたい部位に合わせてサイズを選ぶ
マッサージボールのサイズによって、アプローチしやすい部位が異なります。「腰や太ももなど、下半身の筋膜リリースにはやや大きめ」「肩や脇の下など、ピンポイントに刺激を加えたい場合は小さめ」など、使いたい部位に合わせてサイズを選んでください。“丸”がふたつ連結している「ピーナッツタイプ」は、寝転んだ状態や座った姿勢でも使いやすいのが魅力。首や肩、腰や股関節の筋膜リリースにも向いています。
3.マッサージボールを使った、足裏・膝裏の筋肉リリース
- 足の裏(つちふまず側)にボールを置き、体重を乗せて縦にコロコロ転がします。
- 少しずつボールを移動させながら、親指側から小指側まで足裏全体をほぐしていきましょう。
- 次に、床にお尻をついて座ります。両手は体より後ろの位置で床につけ、反対側の膝を三角に折り曲げてバランスをとりましょう。
- 膝裏にマッサージボールを置き、コロコロと縦方向に転がします。
- 慣れてきたら、マッサージボールを転がしながら足首のストレッチもしていきましょう。
- 30秒経ったら、反対側の脚にチェンジして同様に転がしていきましょう。
■足裏、膝裏の筋膜リリースのポイント
足裏を刺激するときは、ボールに真上から体重をかけましょう。
4.マッサージボールを使ったお尻の筋膜リリース
お尻まわりの筋膜リリースを行うと、綺麗なヒップラインを目指すことができるだけでなく、腰痛の改善にも効果的です。デスクワークの時間が多い方は特に、お尻まわりの筋膜が硬くなっていることが多いので、ぜひほぐしてみてください。
- 床にお尻をついて、両膝を折り曲げます。
- 両サイドにある“腰骨が大きくせり出している部分”より、ボール半個分後ろにマッサージボールを挟みます。
- 手と肘を床について、マッサージボールにお尻をしっかり乗せて体重をかけます。
- 足の裏でバランスをとりながら、小さく縦に揺らしていきます。
- 20秒経ったら、横揺れにチェンジしましょう。
- 最後に円をかいて動きを止めてください。
■お尻の筋膜リリースのポイント
痛みを感じる場合は、ボールを揺らさずに体重をかけるだけでもかまいません。
腕が疲れた場合には、ゴロンと寝転がる姿勢をとって休憩しましょう。
筋膜リリースにおすすめのグッズ「フォームローラー(筋膜ローラー)」
筋膜リリースの大定番グッズであるフォームローラーは、体重のかけ方を調整することで筋肉への刺激の強さを自在に変えられるのが大きな魅力。自宅で本格的な筋膜リリースを実践したい方におすすめです。
1.全身をほぐせる幅30cmサイズがベスト
首や肩、腰など、全身の筋肉のこりをほぐしたい場合には、「幅30cm×直径15cm」程度のフォームローラーがおすすめです。ただし、体の小さな女性や体力に自信のない方はもう少し直径の小さなものでもOKです。
2.フォームローラーを使った、背中の筋膜リリース
背中の筋膜をほぐすことで、姿勢の改善や、肩こりの緩和に効果的です。慣れると簡単に行えますので、日頃の生活にぜひ取り入れてみてください。
- 横向きに置いたローラーに背中を乗せます。このとき、膝は三角に曲げ、お尻とかかとは床につけておきましょう。
- 頭の後ろで両手を組み、肘は上方向に。
- 両膝とお尻を浮かせて、フォームローラーに体重を預けます。
- 上下にコロコロとフォームローラーを転がします。
- 肘を開いたり、上に向かせたりと変化をつけながら数分転がしていきます。
■背中の筋膜リリースのポイント
体の力を抜いた状態で、背中をやや反らせましょう。
背中の丸まった部分や肩甲骨の内側、腰と背中の間など、筋肉の硬い部分を狙いましょう。
3.フォームローラーを使った前ももの筋膜リリース
前ももの筋膜をほぐすことで、骨盤と繋がっている筋肉にアプローチをかけることができ、腰痛の緩和に効果があります。腰痛のお悩みをお持ちの方はぜひ行ってみてください。
- うつ伏せのような姿勢で、フォームローラーを体に対して横向きに置きましょう。
- 肘をついて、フォームローラーに太ももをのせます。
- 自分の体重を利用してフォームローラーを動かしながら、前ももを1分間ほぐしていきましょう。
■お尻の筋膜リリースのポイント
“イタ気持ちいい”強さで、負荷をかけましょう。
フォームローラーやマッサージボールを使うと、初心者でも簡単に筋膜リリースを行えます。体の痛みやこりの解消、姿勢改善やスタイルアップを目指して、毎日コツコツと続けていきましょう。筋肉をほぐしケガを予防する効果も期待できるため、トレーニング前の“柔軟”として取り入れてみるのもおすすめです。
なお、筋膜リリースはグッズなしでもトライできます。より手軽にはじめたい方は、背中の張りや肩こりに効果のある筋膜リリース、腰痛や猫背改善に効く筋膜リリースもあわせてチェックしてみてくださいね。