【ランニング入門】初心者必見!目的別のおすすめメニューやランニング前のストレッチを解説
監修者情報
浦谷 美帆
高校部活動でしたケガをきっかけに、身体の仕組みや機能について興味を持ち、進学。
フィットネスクラブ社員(専門職)を経て、フリーランスインストラクターに2014年転身。都内を拠点に、スポーツクラブでヨガや筋力トレーニング、企業従業員への運動指導、市民ランナーを率いてクラブ活動の運営などを行う。
■資格
・ヨガ、エアロビクスインストラクター
・パーソナルトレーナー
・ラビットフットランニングクラブ コーチ
・Salomon Outdoor Japan ランニングアンバサダー
・全米ヨガアライアンスRYT200
・食育インストラクターprimary
・ラビットフットランニングクラブ コーチ
・フルマラソン 2時間58分21秒(第39回大阪国際女子マラソン)
ランニングの魅力や効果を知ろう
最近、街中でランニングをしている方をよく見かけませんか?「大変そう」「息苦しいのになんで走るんだろう?」と思う方もいるかもしれませんが、実はランニングはさまざまな魅力が詰まったスポーツです。ランニング人気が高まっている理由は、主に次の3つです。
- 細かいルールがないから気軽にはじめられる
- 時間や距離など自分で自由に決められる
- 準備するものが少なく、思い立ったときにすぐできる
このように、ランニングは自由度が高く、気軽にはじめられるスポーツです。体を動かすことに慣れていない運動初心者にもぴったりですよ。
さらに、ランニングには次のような効果が期待できます。
- 持久力アップで疲れにくい体に
- 脂肪燃焼によるダイエット効果が望める
- 体が引き締まる
- 健康維持
- ストレス解消
上記のように、ランニングを続けることでさまざまな効果が期待できます。 ボディラインが気になっている方、健康的な体を手に入れたい方は、ぜひランニングをはじめてみましょう。
ランニングとジョギングの違いは?
混同されやすい「ランニング」と「ジョギング」。同じものと捉えられがちですが、正確には運動強度や速度、カロリー消費量などが異なります。
まずは、運動強度を表した数値「METs」の違いから、ランニングとジョギングにかかる運動の負荷を比較してみましょう。
・ランニング:8.0 METs(134m/分)、10.0 METs(161m/分)
・ジョギング:6.0 METs
参照元:健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023|厚労省
速度の違いを比較すると、ランニングのもっとも遅い速度は134m/分とされ、ジョギングはそれ以下の速度が基準となります。カロリー消費量においても、体重55kgの方が30分間ランニングとジョギングをした場合、ランニングは231~289kcal、ジョギングは173kcalとなります。
つまりランニングはジョギングよりも速いスピードで走るため運動強度が高く、カロリー消費量も多いのです。体力づくりやダイエット目的のためであれば、ランニングがおすすめですよ。
ランニングの目的別のおすすめメニュー
「ダイエットのため」「心肺機能を高めたい」など、ランニングの目的はさまざま。目的を達成するためには、それぞれに合ったメニューに取り組む必要があります。
ダイエットのために脂肪燃焼をしたい方
脂肪を燃焼してダイエット効果を得たい場合は、ランニング前の筋トレが大きなポイント。筋トレをすることで脂肪分解を促す成長ホルモンが分泌され、脂肪燃焼効果がアップします。
【おすすめメニュー】
ウォーミングアップ 10分
筋トレ 30分
ランニング 30分~1時間
クールダウン 5分
筋力アップをはかりたい方
より快適にランニングするためには筋力も必要です。ランニングと同時に筋力アップをはかりたい場合は、筋トレの時間をランニングよりも長めにとってみてください。
【おすすめメニュー】
ウォーミングアップ 10分
筋トレ 30分~1時間
ランニング 30分
クールダウン 5分
心肺機能を向上したい方
健康維持のために心肺機能を向上したいなら、ランニングの後に筋トレを取り入れましょう。有酸素運動(ランニング)によって酸素を多く体に取り込んだあとに筋トレをすることで、効率よく筋力量をアップできます。
【おすすめメニュー】
ウォーミングアップ 10分
ランニング 20~30分
筋トレ 30~50分
クールダウン 5分
ランニングをはじめる前に初心者が知っておきたいこと
ランニングは気軽にはじめられるスポーツですが、いくつか知っておきたいポイントやマナーがあります。初心者は以下の点に気を付けて、ランニングをはじめましょう。
ランニング用のシューズを準備する
ランニングをするときは、ランニング専用で自分の足にあったシューズを準備しましょう。スニーカーや運動靴でも走ることはできますが、長い時間走るランニングでは脚に負担がかかったり、ケガをする可能性があるため要注意です。
スポーツショップや靴屋に行くと、多種多様なランニングシューズが並んでいます。初心者向けからレース向けなど種類が豊富にあるので、自分にぴったりのものを選ぶとよいでしょう。動きやすい服装であれば、わざわざランニングウェアを準備しなくてもよいですが、夜間や早朝、天候が悪い日などに走る場合は、安全のために反射バンドを用意しておきましょう。
無理のない走行距離、時間を設定する
初心者ランナーは3km(おおよそ20分)からはじめ、徐々に走行距離を伸ばしていきましょう。慣れてきたら5kmほどを目安にランニングすることがおすすめです。時間としては1回30分を目標にして、週に2~3回ほどチャレンジしましょう。
早く成果を出そうとしてはじめから毎日1時間以上のランニングを目標にする方もいますが、無理をすると継続が難しくなったり、ケガをする可能性が大!自分のペースでランニングを楽しんでくださいね。
マナーを守る
ランニングに細かいルールはありませんが、快適に走るためのマナーはあります。ランニングをするときは、次の8つのマナーを意識しましょう。
- 歩行者を追い越すときは速度を落とす、または歩く
- 人通りの多い場所や商店街、歩道の全力疾走は避ける
- 複数人でランニングするときは横に広がらず、道幅の狭い場所では1列になるなど工夫する
- 住宅街などでは、夜間や早朝の大声での会話はNG
- 信号待ちでのストレッチはまわりの迷惑にならないように配慮する
- 音楽を聴きながらランニングするときは、外部音取り込み設定などにして周囲に気を配る
- 夜間や早朝は目立つ服装で反射バンドを着用する
ウォーミングアップとクールダウンをする
ランニングの前後には必ずストレッチをしましょう。ストレッチをすることで筋肉の柔軟性が高くなり、ケガ防止やパフォーマンスが向上。さらには疲労回復やリラックスの効果が期待できます。
ランニングのウォーミングアップとクールダウンには、腿の前のストレッチや、太もも裏の筋肉であるハムストリングスとふくらはぎなどの大きな筋肉を伸ばすストレッチがおすすめです。
ランニングにおすすめのストレッチ3選
最後に、ランニングの前後におすすめのストレッチを3つご紹介します。初心者でも簡単にできるものばかりなので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
①股関節スイング
下半身を大きく動かすためには、股関節の柔軟性を高める必要があります。スムーズな走りを維持するためにも股関節をストレッチして、可動域を広げておきましょう。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 壁を横にして立ち、壁側にある手を壁につけます。
- 壁から遠いほうの脚の膝を曲げて、胸に近づけます。
- 2の脚を後ろに振り下ろしましょう。
- 2~3の動きを10回ほど繰り返します。
- 反対の脚も同様に行います。
■股関節スイングのポイント
股関節を動かすイメージで脚を動かしましょう。このとき、背骨が反ったり丸まったりしないように気を付けてください。
②ハムストリングスのストレッチ
太もも裏にあるハムストリングスは、脚を後ろに振るときや膝を曲げるときに使われる筋肉です。力強い走りや、疲労を残さないためにも、しっかりとストレッチをしておきましょう。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 正面にイスを置いた状態で立ち、座面に右足のかかとを乗せて膝を伸ばします。
- 右の足首に両手を添えて、前屈しながら右足の太もも裏を伸ばします。
- 10秒ほどキープしたら元の姿勢に戻り、反対の脚も同様に行います。
■ハムストリングスのストレッチのポイント
太もも裏からふくらはぎにかけての筋肉が伸びているのを感じながら、しっかりとストレッチをしましょう。前屈しているときは背中が丸まらないようにするのがポイントです。
③タオルストレッチ
タオルを使って、ふくらはぎや太もも裏を伸ばすストレッチです。むくみ解消にも効果的なので、お風呂上がりや就寝前にもおすすめです。
■実際に行ってみましょう
難易度:易しい
- 仰向けで寝転びます。
- 右足を天井に向かって伸ばし、タオルを右足のかかとの裏に引っかけて、タオルの両端をそれぞれの手で持ちます。
- タオルを握った状態の手を胸に向かってゆっくりと引き、10秒ほどキープ。
- 元の姿勢に戻って、反対の脚も同様に行います。
■タオルストレッチのポイント
天井に向かって伸ばした脚は、膝を少し緩めておくのがポイントです。気持ちいいと感じる程度に伸ばしていきましょう。
タオルを引っかけた脚を揺らす方法もおすすめ!ぜひこちらの動画を参考にトライしてみてください。
ランニングにチャレンジして理想の体を手に入れよう!
コロナ禍の気分転換&運動不足の解消法として、ランニングをはじめる方が増えています。細かいルールがなく、初心者でも手軽にチャレンジできるのが魅力です。健康維持やダイエットをしたい方は、ぜひランニングデビューしてみてくださいね!