坐骨神経痛に苦しんでいる方必見!お尻の痛みを和らげるストレッチ3選

お尻や脚に痛みやしびれを感じる「坐骨神経痛」にお悩みの方に向けて、原因や痛みを和らげる方法、NG行動などを解説します。また、痛みを和らげるストレッチやヨガのやり方はヨガインストラクターが監修!自宅で5分できるストレッチを毎日の習慣にしましょう。

坐骨神経痛の原因は?

坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりすることで、坐骨神経が通っているお尻から下肢にかけて痛みやしびれが出る坐骨神経痛
坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりすることで、坐骨神経が通っているお尻から下肢にかけて痛みやしびれが出る坐骨神経痛

坐骨神経は、お尻の辺り(腰椎)から脚の先まで伸びている末梢神経です。末梢神経は脳と脊髄からなる中枢神経と体の各部を結び、体を自由に動かしたり、温度を感じたりする役割を担うもの。この末梢神経である坐骨神経があるおかげで、私たちは脚を自由に動かしたりバランス良く歩くことができるのです。

「坐骨神経痛」とは、坐骨神経が圧迫されたり刺激されたりすることで、坐骨神経が通っているお尻から下肢にかけて痛みやしびれが出ることです。症状は片足に出ることが多いですがまれに両足に出ることもあり、長時間立っていたり、お尻が痛ければ座り続けることがつらい場合もあります。

原因となるのは腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった腰の病気のほか、姿勢の悪さや体への強い負荷など、誤った動作や生活習慣があると痛みが生じるようになります。ここでは、日常生活における坐骨神経痛が起こる原因を詳しく解説します。

姿勢の悪さ

姿勢の悪さは、坐骨神経痛が起こる大きな要因のひとつ。猫背やお腹がせり出した反り腰、横座りによる背骨(骨盤)の左右方向のゆがみなどがあると、体の自然なS字カーブが保たれず骨格が歪み、神経が圧迫されて痛みやしびれが出ます。

買い物袋や鞄をいつも同じ手や肩で持つなど、どちらか一方に重心をかけ続けることも原因に。脊柱が傾き姿勢が崩れることで神経を圧迫してしまう可能性があります。

腰に負担がかかる動作

お風呂掃除や床の拭き掃除、草抜きなどの中腰での作業、重いものを前かがみの姿勢で持ち上げるなど、腰に負担がかかる動作にも要注意。無理な姿勢で強い力が加わると神経が圧迫され、痛みが出てしまうこともあります。

お尻の筋肉の衰え

比較的症状の軽い坐骨神経痛の場合、お尻の筋肉の衰えが原因のひとつだと言われています。

お尻の筋肉は、坐骨神経に栄養を送る血管を守ったり、冷えから守り血流を維持したりする役割を持っています。しかし、20代をピークに筋肉量は加齢とともに衰え、とくにお尻を含む下肢の筋肉の衰えは、体のほかの場所に比べて早く、大きく減少していきます。

梨状筋(りじょうきん)の凝り

坐骨神経は、お尻の深部にある筋肉のひとつ「梨状筋(りじょうきん)」の前を通っています。梨状筋は本来やわらかい筋肉ですが、デスクワークで長時間座ったままの姿勢だったり、座るとき背中を丸めて骨盤が後ろに倒れるような姿勢をとり続けると、次第に凝り固まるように。坐骨神経を圧迫し、痛みを引き起こしてしまいます。

坐骨神経痛を和らげる!簡単な梨状筋(りじょうきん)ストレッチ&ヨガ3選

梨状筋の凝りが原因の坐骨神経痛は、硬くなった梨状筋の凝りをほぐして痛みを和らげましょう。ここでは梨状筋をほぐすのに効果的なストレッチやヨガのポーズをご紹介します。

①座位の梨状筋ストレッチ

座位の梨状筋ストレッチ

床に座って行う梨状筋を伸ばすストレッチです。運動が苦手な方でも簡単に取り組めます。

■実際に行ってみましょう

難易度:易しい

  1. 床の上に、両足を伸ばして長座の姿勢で座ります。
  2. 片足は伸ばしたままで、もう片方の脚は、ひざを曲げて両手でひざとかかとを抱えこむように持ちます。
  3. 膝は少し外側に開き、膝下の内側部分を胸のほうに引き寄せていきます。
  4. ゆっくりと呼吸をしながら、20~30秒程度かけてお尻の筋肉を気持ち良く伸ばしていきましょう。
  5. 反対側も同様に行います。

■座位の梨状筋ストレッチのポイント

直に床に座ると痛みを感じる場合は、ヨガマットや座布団などを敷いた上で行ってください。
伸ばした方の脚が外側に倒れないようまっすぐ伸ばしておきましょう。

②寝ながら行う梨状筋ストレッチ

寝ながら行う梨状筋ストレッチ

うつ伏せの状態で行うストレッチなので、就寝前の習慣にぴったりです。

■実際に行ってみましょう

難易度:易しい

  1. うつ伏せになります。
  2. 右膝を曲げ、右手で右足首をつかみましょう。
  3. その姿勢のまま、つかんだ足首を外側から内側、内側から外側へ揺らすイメージで10回ほど動かします。
  4. つかんだ足首を外側に引っ張りながら、5回程ゆっくり呼吸します。
  5. 反対側も同様に行いましょう。

■寝ながら行う梨状筋ストレッチのポイント

腰は反らないようにまっすぐにし、額かあごを床につけたまま行いましょう。

③骨盤と梨状筋の位置を整えるガス抜きのポーズ

膝を抱える骨盤と梨状筋の位置を整えるガス抜きのポーズ
膝を抱える骨盤と梨状筋の位置を整えるガス抜きのポーズ

お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんのように、膝を抱えるヨガのポーズです。骨盤の位置を整えることで梨状筋も元の位置に戻り、筋肉の緊張をほぐすことができます。

■実際に行ってみましょう

難易度:易しい

  1. 仰向けになり、喉の奥と肩をリラックスさせておきます。
  2. 息を吸いながら両膝を抱えます。
  3. 息を吐きながら、両膝を体に引き寄せて3呼吸しましょう。

■寝ながら行う梨状筋ストレッチのポイント

尾てい骨を天井に向けるイメージで、息を吐きながら頭を膝に近づけて体を丸めましょう。
両足で行うのが難しい場合は、片足ずつ膝を抱え体に引き寄せる動きでも梨状筋をストレッチできます。

関連記事:冬の血行不良による腰痛・膝痛・関節痛を緩和する生活習慣とおすすめストレッチをまとめた記事はこちら

梨状筋をストレッチする際に意識するポイント

梨状筋ストレッチを行う際のポイントは「呼吸」です。ゆっくりと息を吐きながら徐々に可動域を広げるようにストレッチしていきましょう。また、座りっぱなしなどで梨状筋が凝り固まることで痛みを引き起こすため、筋肉をほぐすストレッチを日々の習慣にしましょう。続けることで凝りがほぐれていき、痛みの低減、予防につながっていきます。

痛みを強く感じる場合は無理は禁物!無理をするとかえって痛みが増す可能性があるため、症状が落ち着くまで安静にし、なかなか症状が治まらない場合は医師に相談しましょう。

坐骨神経痛が起きているときにやってはいけないこと

坐骨神経痛は日常生活で行う何気ない動作や、運動不足・姿勢の悪さなどの悪習慣が原因になっていることがあります。ここでは坐骨神経痛を感じたときにやってはいけないことを解説します。

体を冷やす

体を冷やすと筋肉が収縮し、痛みやしびれが出やすくなります。冷たい湿布を張るのもNGです。

坐骨神経痛が生じたときは、患部だけでなく体全体を温め血流を良くしましょう。温める温度が高すぎたり汗が出るほど温めすぎると自分で回復する力が低下する恐れがあるため、温めすぎにも要注意です。

重いものを持つ・中腰の姿勢での作業

重いものを持つと腰に負担がかかり、持ち方が悪いと腰痛を引き起こしたり腰椎椎間板ヘルニアの原因になります。同様に、中腰での作業も腰への負担が大きく、繰り返し行っていると神経を圧迫し痛みや症状を悪化させてしまいます。

長時間同じ姿勢でいる・安静にしすぎる

長時間同じ姿勢で座ることでお尻の筋肉・関節が圧迫されて固くなり、痛みやしびれを誘発します。かといって痛みがあるからと安静にしすぎて体を全く動かさないと、運動量の不足・筋力低下につながり、結果体が硬くなり痛みの原因に。適度な運動が坐骨神経痛の緩和や予防につながります。

痛み止めの長期服用

痛み止めの薬を長期間服用し続けると頭痛や胃腸・腎障害などの副作用が出る場合があります。痛みが強い場合に一時的な対処として痛み止めを服用することもあると思いますが、坐骨神経痛自体の改善にはなりません。長期間の服用リスクについても理解しておきましょう。

坐骨神経痛の緩和には継続的なストレッチを

姿勢の悪さや腰に負担のかかる動作など、日常的な習慣が坐骨神経痛の原因になります。共通して言えるのは、筋肉が凝り固まって神経を圧迫し痛みを誘発していること。痛みがあるからと安静にしすぎるのではなく、ストレッチで凝りをほぐし、適度な運動で筋力もつけていきましょう。日々のストレッチや運動の継続が痛みの緩和や予防につながります。

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