背中の凝りをほぐすストレッチ6選!ガチガチの背中を柔らかくする方法を紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
背中が凝る原因とは?
背中の凝りの主な原因は、筋肉の疲労による血行不良です。姿勢不良、猫背、反り腰などによって背中の筋肉に負担がかかり、背中の凝りを引き起こします。特にデスクワークを行う人たちの中には、長時間同じ姿勢を続けるため、背中の凝りや痛みに悩む人が多いでしょう。腕を回したり、体をひねったりした際に背中がバキバキと鳴ることもあるかもしれません。
背中の凝りを解消するために、効果的な方法の一つがストレッチです。次に、背中の凝りを和らげるためのストレッチ方法をご紹介しますので、同じ姿勢が続いていることに気づいたら休憩をとりつつ、ぜひストレッチを試してみましょう。
背中の凝りをほぐすストレッチ6選
背中の凝りをほぐすのに効果的なストレッチを6つ紹介します。これらのストレッチは、自宅やオフィスなどで手軽に実践でき、背中の筋肉をリラックスさせるのに役立ちます。
エアチンニング|肩甲骨まわりをほぐす
エアチンニングは、肩甲骨まわりの筋肉をアクティブに動かすストレッチエクササイズです。「チンニング」とは懸垂のことで、懸垂のような動きを通じて、肩甲骨周辺の緊張を緩和し、肩こりの原因となる問題を改善、血流を促進します。
椅子に座ったままトライできて、体力に自信のない方や初心者でもチャレンジしやすいトレーニングです。背中全体をリラックスさせることができ、猫背対策にもおすすめです。
エアチンニングのやり方
- 椅子に浅めに座り、背筋を伸ばす。
- 両手を広げ、上に向かって腕をまっすぐ伸ばす。
- 息をゆっくり吐きつつ、拳を丸めながら腕を下に引く。
- 鉄棒を掴むイメージで、背中に力を入れる。
- 2~4の動作を10回1セットとし、3セット行います。
エアチンニングのポイント
背中を曲げずにまっすぐなフォームでストレッチを行うことが重要です。正しい姿勢を保たないと、十分な効果が期待できませんので注意してください。正しく行えば手軽に背中の広背筋を鍛えられます。
背中側面のストレッチ|脊柱起立筋や菱形筋をほぐす
「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」は頭や内臓を支える大きな筋肉で、「菱形筋(りょうけいきん)」は背骨から肩甲骨の内側にかけてつながっている背中側の筋肉を指します。これらの筋肉をほぐすことによって、腰痛の緩和、姿勢の改善、ストレスの軽減に役立つとされています。脊柱起立筋と菱形筋をほぐせる背中側面のストレッチ方法をご紹介します。
背中側面のストレッチのやり方
ストレッチを行う際は、床の上にヨガマットやタオルなどを敷いて以下の手順で行ってください。
- 両手と膝を床につけ、四つん這いの姿勢になります。
- 左手を右手の前に置きます。
- 伸びをするように上体をお尻の方向へ真後ろに引き、背中の側面を伸ばします。
- その姿勢を15秒間キープします。
- 息を吸いながらゆっくりと元の四つん這いの姿勢に戻ります。
- 反対の手も同様に行い、逆側の背中側面を伸ばします。
背中側面のストレッチのポイント
上半身を真後ろに引く際に、背中の片側を伸ばす意識でストレッチを行ってください。一度に両方の側面を伸ばすのではなく、片側の背中側面をしっかり伸ばしましょう。背中はなるべく曲がらないように姿勢をキープし、深呼吸をしながら行ってください。
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脇の下のストレッチ|脊柱起立筋や広背筋をほぐす
背中中央部から脇の下、さらに腕へとつながる「広背筋」。そして頭蓋骨の下から背骨の両脇を通り、骨盤まで続く「脊柱起立筋」。いずれも背中でもっとも大きく、かつ長い筋肉です。
慢性的な肩こりの症状を改善するためには、その広背筋と脊柱起立筋に効く脇の下をほぐすことが有効とされています。また、脇の下をほぐすことで、老廃物や疲労物質の流れがスムーズになります。
脇の下のストレッチのやり方
- 床に座り、あぐらをかいた状態で、背中をまっすぐ伸ばし、胸を開いた姿勢をとります。
- 両手を上へ伸ばし、片方の手でもう片方の手首を掴みます。
- 掴んだ手を引っ張るように、上体をそのまま横に倒します。
- 背中を丸めず、15秒間キープします。
- 息を吸いながらゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- 反対側も同様に行ってください。
脇の下のストレッチのポイント
背中を丸めず、できるだけ上体を真横に伸ばすようにストレッチするのがポイントです。動作をゆっくり行うことが大切で、体を無理に引っ張ったりひねったりしないように注意しましょう。
また、息を吐くときに筋肉を伸ばすとより伸びやすいので、試してみてください。
腰をひねるストレッチ|脊柱起立筋・腹斜筋をほぐす
続いては、先ほどの「脊柱起立筋」と、腹筋よりも表層にある「外腹斜筋(がいふくしゃきん)」、その内側にある「内腹斜筋(ないふくしゃきん)」をほぐすストレッチです。この2つをまとめて腹斜筋群といいますが、これらの筋肉をほぐせる、腰をひねるストレッチのやり方をご紹介します。腰痛の緩和や、猫背の解消に役立つストレッチです。
腰をひねるストレッチのやり方
- 床に座って脚を伸ばします。
- 片膝を曲げて反対側の脚と交差させます。
- 立てた膝の外側に逆側の腕をかけ、上半身をひねります。反対側の腕は床につけます。
- 背中とお腹を伸ばし、そのまま60秒間キープします。呼吸をゆっくりと深く保ちます。
- 同じ手順を反対側でも行います。
腰をひねるストレッチのポイント
「もう少しこの筋肉を伸ばしたい」と思う箇所があった場合は、床についている手の位置を変えながら、伸ばし方を調整するとよいでしょう。無理はせず、心地よい伸びを感じながらストレッチすることを意識してみてください。
猫のポーズ|背骨や肩甲骨まわりをほぐす
肩や背中がバキバキな人におすすめのストレッチをご紹介します。肩こりや背中の凝りを改善するには、「肩甲骨」や「背骨」にアプローチすることが重要です。今回ご紹介するストレッチ「猫のポーズ」 はヨガのポーズの一つで、初心者でも簡単に実践できます。
猫のポーズを行うことで、肩甲骨まわりの硬くなっていた筋肉を動かしてほぐす、いわゆる「肩甲骨はがし」や、詰まっていた背骨を伸ばす効果があります。肩、背中の凝りに有効なので、症状を和らげたい人はぜひ行ってみましょう。
猫のポーズのストレッチのやり方
- 四つん這いの状態になります。
- 手首は肩の真下におろし、両膝は脚の付け根の真下におきます。
- 鼻から大きく息を吸ってから、息を吐くときに背中を丸め、頭を下げてお腹を見ましょう。
- 次に息をゆっくり吸いながら腰から背中を反らしていき、頭を上げます。
- この流れをワンセットとして呼吸に合わせて5〜8回繰り返します。
猫のポーズのストレッチのポイント
背中を丸めるときは自分のおへそを見るイメージを、背中を反らすときは背骨を一つ一つ順番に動かすイメージを持つとよいでしょう。また、猫のポーズは呼吸も重要です。ゆっくりと呼吸することを心がけてください。
フォームローラーを使ったストレッチ|脊柱起立筋をほぐす
フォームローラーはセルフマッサージにも便利なアイテムで、特に背中全体の筋肉をほぐすのに役立ちます。フォームローラーの上にただ寝るだけでも背中が伸びて気持ちよいのですが、少し動きを加えてより脊柱起立筋をほぐすストレッチのやり方を紹介します。
フォームローラーを使ったストレッチのやり方
- 床に置いたフォームローラーの端に、フォームローラーを背にして座ります。
- 転ばないように、フォームローラーの脇に両手を置きます。
- 両手で体を支えながら、フォームローラーに寄り掛かるようにして仰向けになっていきます。
- 頭からお尻までをしっかりフォームローラーに乗せましょう。
- バランスをとりながら、フォームローラーの上でゆっくりと体を左右に揺らします。
- 揺らす動きを10回程度繰り返します。
- フォームローラーから降りるときは、降りたいほうにお尻をずらし、ゆっくりと滑り降りましょう。
フォームローラーを使ったストレッチのポイント
ケガを防ぐために、とにかくゆっくりと動くことがポイントになります。ただでさえアンバランスな円柱の上に仰向けで寝転がるため、動作を早くしてしまうと非常にバランスを崩しやすくなってしまいます。また、長時間にわたるフォームローラーの使用は体のバランスを崩す可能性があります。1回の使用時間は5分から10分程度にしましょう。
関連記事:フォームローラーの使い方について詳しく解説した記事はこちら
背中のストレッチの効果を高めるコツ
背中のストレッチを正しく行うことで、背中や肩の凝りを改善・予防できます。以下の4つのコツを意識してストレッチを行いましょう。
- 深呼吸をしながら行う
- 痛みを感じない程度に行う
- 姿勢は20秒以上キープする
- 習慣化して続ける
深呼吸をしながら行う
ストレッチ中、息を止めていませんか? 実は、深呼吸は筋肉の緊張をほぐし、ストレッチの効果を高めます。息を吸うと交感神経に、息を吐くと副交感神経に影響を与えるので、呼吸を止めずにストレッチを行うと、交感神経と副交感神経が交互に働き、筋肉の伸びや血流を促進します。胸いっぱいに空気を満たすイメージで深呼吸しながら、ストレッチをしましょう。
痛みを感じない程度に行う
ストレッチをするときは、痛みを感じない程度に行いましょう。無理に伸ばしてしまうと、筋肉の伸びに対する自然な反射「伸張反射」が働き、効果が弱くなる可能性があります。ストレッチの目的は筋肉や関節を柔軟にし、体の痛みを軽減させることですが、痛みを感じるほどの強いストレッチは逆効果となりかねません。
背中を痛めてしまってはストレッチもトレーニングも行えなくなってしまうので、痛みを感じず、気持ちがよい範囲のストレッチを心がけましょう。
姿勢は20秒以上キープする
動きをともなわないストレッチでは、伸ばす姿勢を少なくとも20秒以上キープしましょう。ストレッチ時間が短すぎると筋肉がじっくりと伸びず、緊張が残ったままになってしまい、効果も限定的です。特に背中の筋肉は範囲が広く大きいので、保持時間を長めに確保することで広範囲の筋肉に刺激をしっかりと与え、柔軟性や血行を改善できます。
習慣化して続ける
ストレッチを日常の習慣にし、継続的に行うことが効果を実感するためには重要です。数日間では効果を実感しにくいため、1日5分でもよいので定期的にストレッチを行うことが大切です。これによって、体は柔軟性を維持し、筋肉をリラックスさせ、日常の不快感や痛みを軽減するのに役立ちます。最初は少しずつでもよいので、徐々に習慣化させていきましょう。
【改善は日常から】背中の凝りを緩和するためにできること
背中の凝りを解消するストレッチをご紹介してきましたが、一番大切なのは、背中が凝らないように意識して日常生活を過ごすことです。日々の生活で背中の健康を維持するために、以下の3つのポイントを意識するとよいでしょう。
背筋を伸ばして過ごす
背中の凝りの主な原因は、姿勢の悪さです。座っていても、立っていても、日常生活のあらゆる場面で背筋を伸ばして良い姿勢を保つことが重要です。正しい姿勢を維持しようとすると、腹筋や背筋など体幹の筋肉に力が入ります。姿勢に気をつけるだけで、日常生活の中で体幹を鍛えられ、筋肉量の維持にもつながるのです。
意識しなくても適切な姿勢を維持できるようになれば、背中にかかる負担が軽減し、背中の凝りや痛みを自然と予防できます。日常的に背筋を伸ばして、よい姿勢を保つ習慣を取り入れましょう。
ストレートネック(スマホ首)に気をつける
ストレートネックは現代病のひとつであり、通常の首のカーブが失われ首が真っすぐになっている状態を指します。「スマホ首」とも言われ、近年症状に悩んでいる方は非常に多くなっています。
ストレートネックになると頭の重さが首や肩にのしかかり、首こり・肩こりが生じやすくなります。筋肉が硬くなり血行不良が起きると背中の張りも強くなるため、ストレートネックの予防・改善は背中の凝りの解消にも効果的です。
関連記事:ストレートネック改善について詳しく解説した記事はこちら
自分に合った枕の高さにする
自分に合った枕の高さを選ぶこともとても重要です。枕の高さが高すぎたり低すぎたりすると、首や背中に負担をかけ、起床時に疲れを感じやすくなります。自然な首のカーブを保てる適切な高さの枕を選びましょう。
枕が高すぎると首が前に突き出てカーブが緩くなり、逆に枕が低すぎると首に余計な負担がかかります。枕の適切な高さには個人差がありますが、首が自然なカーブになるような高さを見つけることが大切です。枕の素材や形状も検討し、自分に合ったものを選んでみましょう。
日常からストレッチを行って背中の凝りを解消しよう
今回は、背中の凝りの原因やストレッチ方法についてご紹介しました。
背中の凝りの解消には整体院などに通うことも有効ですが、日常生活で意識的にケアすることも大切です。この記事で紹介した寝たまま座ったままできるストレッチを実践すれば、背中の凝りの軽減や改善に役立つでしょう。
毎日継続することで、だんだんと背中の凝りや痛みの改善を感じられるようになるはずです。ぜひトライしてみてください。
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