【プロ監修】ダイエットに効果的な運動6選!初心者向けにおすすめメニューを紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
ダイエットに必要な運動は2種類
ダイエットに必要な運動は有酸素運動と無酸素運動の2種類です。この2つをバランス良く行うことで効果的にダイエットを行うことができます。
有酸素運動はウォーキングやジョギングなど強度が低く長時間続けられる運動のことを指し、主に脂肪をエネルギー源として消費する運動です。
無酸素運動は筋トレや全力かそれに近い速度で走るなど強度が高く短時間しか継続できない運動を指し、糖質を主なエネルギー源として利用します。
一見、ダイエットのためには有酸素運動の方が良いのでは?と感じるかもしれませんが、どちらも一長一短があります。
ここではなぜ有酸素運動・無酸素運動の両方がダイエットに必要なのかについて解説します。
有酸素運動
有酸素運動は強度が低く、ある程度の長時間継続できる運動のことです。
例えば、ウォーキングやしゃべる余裕がある程度のジョギング、ゆっくりと気持ちよいくらいで泳ぐ水泳などがあてはまります。
有酸素運動は主に脂肪を分解してエネルギー源として利用するためダイエットに効果的です。強度が低いため初心者でも行いやすく、特別な器具がなくても今すぐはじめられるため継続しやすいことが特徴です。
一方で、無酸素運動と比べて筋肉がつきにくいというのがデメリットです。
日常の消費エネルギー量を増やすという意味で、有酸素運動はとても効果的なのです。
無酸素運動(筋トレ)
無酸素運動は強度が高く、短時間しか継続することができない運動のことを指します。
全力ダッシュやジャンプなどがあてはまりますが、一般的に筋トレのことを指すことが多く、糖質を主なエネルギー源として利用します。
筋トレは強めの負荷で筋肉に刺激を入れ、筋肉量を増やすのに効果的で、見た目の引き締めや基礎代謝の増加が期待できます。
一方、きついものが多かったりエクササイズテクニックが必要になることが多かったりするため、初心者には少しとっつきにくいことがデメリットになります。
運動中の消費エネルギー量が少ないので体重減少に対する即効性では有酸素運動に劣ります。しかし、筋肉量が増えて消費カロリーが増えることにより、長期的に太りにくい体になることができます。
ダイエットに効果的な有酸素運動3選
有酸素運動と無酸素運動の両方が必要なことは理解したけど、次に気になるのは沢山の有酸素運動の中で、どれがダイエットに効果的なのかではないでしょうか?
ここではダイエットに効果的でおすすめの有酸素運動を3つ紹介します。
ウォーキング
- 10分ウォーキングしたときの体重・場面別の消費エネルギー量(kcal)目安
体重 | 散歩 (3.5 METs) | 通勤/通学 (4.0 METs) | 早歩き (4.3 METs) | 全速力の歩行 (5.0 METs) |
---|---|---|---|---|
50kg | 29.1 | 33.3 | 35.8 | 41.6 |
60kg | 35.0 | 40.0 | 43.0 | 50.0 |
70kg | 40.8 | 46.6 | 50.1 | 58.3 |
80kg | 46.6 | 53.3 | 57.3 | 66.6 |
90kg | 52.5 | 60.0 | 64.5 | 75.0 |
100kg | 58.3 | 66.6 | 71.6 | 83.3 |
ウォーキングは最も気軽にできるダイエットのための有酸素運動です。
広い意味ではただ歩くだけでもウォーキングといえますし、1日の歩数を増やすだけでダイエットに効果的です。
もちろん速度を上げても効果的です。消費エネルギー量をさらに増加させることができます。
効果的なウォーキングをするためには良いフォームであることが大切です。ウォーキングをするときのフォームのポイントは以下になります。
- 自然な姿勢で前を向く
- 頭を天井からつられているように首・背筋を伸ばす
- ひじを曲げて腕を振る
- かかとから着地し、重心をつま先へ移動させ、つま先で地面を踏み込む
ダイエットをするならできるだけ長時間行うと効果的です。60分程度行うと十分脂肪を燃やしてエネルギー消費をするため、ダイエットに効果的といえるでしょう。
関連記事:ダイエットに効果的なウォーキングについて詳しく解説した記事はこちら
縄跳び
- 10分縄跳びしたときの体重・速度別の消費エネルギー量(kcal)目安
体重 | ゆっくり (8.8 METs) | ほどほど (11.8 METs) | 速い (12.3 METs) |
---|---|---|---|
50kg | 73.3 | 98.3 | 102.5 |
60kg | 88.0 | 118.0 | 123.0 |
70kg | 102.6 | 137.6 | 143.5 |
80kg | 117.3 | 157.3 | 164.0 |
90kg | 132.0 | 177.0 | 184.5 |
100kg | 146.6 | 196.6 | 205.0 |
縄跳びが特徴的なのが強度が高めというところで、ゆっくりとしたリズムで行ってもウォーキングよりもかなり多くエネルギー量が消費されます。
最もオーソドックスで体に負担がかからないのが両足跳びです。
両足跳びのポイントは以下になります。
- 顔は真っ直ぐ正面を向く
- グリップは軽く握り手のひらが下を向かないようにする
- ひざは「軽く」曲げる
- 脇を軽く締める
- 縄が降りてくるリズムをつかみながら飛び越える
縄跳びにはさまざまな跳び方があるため、飽きがこないようにさまざまな跳び方を取り入れながら行うとよいでしょう。
関連記事:縄跳びで効果的にカロリーを消費する方法を解説した記事はこちら
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ダンス
- 10分ベリーダンスしたときの体重ごとの消費エネルギー量(kcal)目安
体重 | 消費エネルギー(kcal) |
---|---|
50kg | 37.5 |
60kg | 45.0 |
70kg | 52.5 |
80kg | 60.0 |
90kg | 67.5 |
100kg | 75.0 |
ダンスもとても効果的な有酸素運動です。音楽に合わせてさまざまなステップを踏んだり、体をひねったりしながら運動を行うことで、単調な動きにならずに有酸素運動が行えます。
ダンスにはさまざまな種類がありますが、今回はドラマで人気が急上昇しているベリーダンスを例にとって解説します。
「ベリー」はお腹を意味する言葉です。直訳すると“腹踊り”になり、お腹や腰をゆらすことを中心に踊るダンスです。古代エジプト発祥で主にアラブ圏の女性たちに踊られてきましたが、現在は美しさとフィットネス効果が注目され広く世界に広まっています。
ベリーダンスの基本動作としてヒップサークルがあります。これはお尻・腰を回すことでお腹まわりの運動をうながし、シェイプアップを狙えます。
実際の踊り方は以下です。
- 脚を肩幅に開いて立ち、両手を横に広げます。
- 右足に軽く体重を乗せ、左足はかかとが浮いているような状態にします。
- 2.とは逆に、左足に体重をかけて骨盤が横に動くようにします。
- 両脚のつま先に体重をかけて骨盤を前へ出します。
- かかとに体重を乗せて骨盤を後ろに突き出します。
- 2.〜5.の動きを連動させて、腰を円を描くように回してみましょう。
また、上手に行うポイントとしては頭は上下左右に動かさず固定し、下半身の動きだけで踊るように意識すると上手に踊れます。
一見難しそうなダンスですが、初心者でもできる動作がたくさんあります。踊りは苦手だから…と躊躇せずにぜひトライしてみましょう。
ダイエットに効果的な無酸素運動(筋トレ)3選
長期的にダイエットの効果を出すための運動としては無酸素運動がとても大切になります。
無酸素運動は筋肉を増やすことで基礎代謝の向上や見た目の引き締めにもとても効果的で、リバウンドせず長期的に太りにくい体質を作るためには必要不可欠なのです。
一方で、筋トレの消費エネルギー量は体重60kgの人が10分間行ってもおおよそ35〜40kcal程度とかなり低めです。筋トレだけを行っても体重を落としにくいので、有酸素運動と組み合わせることが効果的なのです。
筋トレは自宅でも行いやすいので習慣化しやすいトレーニングです。ここでは自宅でもできる初心者におすすめの筋トレを3つ紹介します。
関連記事:室内で効果的にダイエットができる運動を解説した記事はこちら
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップとは要するに腕立て伏せです。なじみのあるエクササイズですが、上手に行うことで胸の筋肉である大胸筋と、肩の前方にある三角筋前部や二の腕の筋肉である上腕三頭筋を鍛えることができます。
腕立て伏せの効果的なやり方は以下です。
- 手のひらを床につけます。手と手の間隔は肩幅よりも広げてください。
- ひざを床につけ、脚を浮かせます。頭からひざまでが一直線になるように意識しましょう。目線は斜め前に向けます。
息を吸いながら両ひじをゆっくりと曲げ、胸が床につくぎりぎりまで体を下げます。 - 息を吐きながら体を引き上げ、最初のポジションに戻ります。
- 3.〜4.の流れをテンポよく1セット15回繰り返しましょう。それを2~3セット行うと効果的です。
特に肩がすくんでしまうことが多いため、肩をすくませず、体幹を真っ直ぐに保ちながら行うことが大切です。
プランク
プランクは主にお腹の真ん中にある筋肉である腹直筋を鍛えるエクササイズです。プランク(Plank)を日本語に直すと「厚板」を示し、ひじとつま先をついてかかとから頭までを一直線に保つことで腹筋を鍛えます。
特別な道具も必要なく簡単な方法のため初心者でも効果的に腹筋を鍛えることができます。
実際の行い方は以下になります。
- ひじを90度に曲げて床につけ、うつ伏せになります。
- 両脚を揃えてからつま先を立て、下半身が床につかないようにお尻を上げます。
- 頭が下がったり顔が正面を向いたりしないように、頭からかかとまでが一直線になるようにして30秒〜1分間キープしましょう。
特にお尻が上がりすぎたり下がりすぎたりして腹筋に負荷が入らないことが多いため、しっかり負荷がかかっていないと感じるときはお尻の高さを調整して負荷がしっかりと入っているかを感じてみましょう。
スクワット
腕立て伏せと並びスクワットも有名な種目です。
しゃがんで立つというシンプルな動作をするエクササイズで、お尻にある大殿筋、太ももの筋肉の大腿四頭筋、ももの裏の筋肉であるハムストリングなどを主に鍛えることができます。また、腹筋・背筋などの体幹も鍛えることができるとても効率的なエクササイズです。
スクワットの効果的な行い方は以下になります。
- 両脚を腰幅に開いて立ちます。つま先は正面よりもやや外側に向けます。
- 両手を胸の前で組みます。
- 息を吸いながら、後ろにある椅子に腰掛けるイメージでお尻を後方に下げます。
- 太ももが床と平行になるくらいまで腰を落としたら、息を吐きながら1の体勢に戻ります。
- 3~4の動きを15回、3セット繰り返しましょう。
特に注意するポイントはひざとつま先の向きです。スクワットをしているときはひざとつま先の向きを同じ方向へ向けて行うことが大切で、ひざがつま先に対して内側に入ってしまうと余計なストレスがかかり痛めてしまう可能性が高まります。
運動を取り入れて上手にダイエットするためのコツ
運動をすることはダイエットでとても大事ですが、それ以外にも食事や習慣、休息を上手にとることで運動の効果を最大限高めることができます。
ここでは運動を取り入れて上手にダイエットするためのコツについて詳しく解説します。
カロリーバランスを意識する
運動をしてダイエットを成功させるためにはカロリーバランスを意識することがとても大切です。
カロリーバランスとは摂取カロリー量と消費カロリー量の差のことです。摂取が消費よりも多くなれば体重は増加し、逆ならば体重は減少します。
人間は生命活動を維持するために食物からのカロリーが必要ですが、そのカロリーが不足したときに脂肪などを分解してエネルギーを得ます。脂肪は分解され二酸化炭素と水に変化し、それが排出されることで体重が落ちるのです。
どれだけ運動をがんばっても食事からカロリーをたくさん摂取していては体重は落ちません。脂肪1kg落とすのには7,000kcal制限する必要があると言われています。目標体重から逆算して、1日にどれくらいカロリーを制限する必要があるか把握しましょう。
ただし、無理なカロリー制限は、健康に悪影響を及ぼすので気をつけてくださいね。
運動する時間を決めておく
運動する時間を決めておくことも運動を取り入れたダイエットを成功させるためのコツです。
仕事や家事などに追われてどうしても後回しになってしまうのが運動です。
それを防ぐためにはしっかりと時間を決めてスケジュールに入れることが大切です。「この時間はなからず運動をする」「ほかのことはすべて終わらせておいて運動だけのことを考える」と自分の中で決めておくことで運動を実行しやすくなります。
加えて、カレンダーアプリなどに記録し、通知設定をすることでさらに効果的になるでしょう。
運動時間の理想は、
- ストレッチ: 5~10分
- 筋トレ: 10~15分
- 有酸素運動: 20~30分
- クールダウン: 5分
の計40~60分です。
特に有酸素運動は、脂肪燃焼のために20分以上行うとよいでしょう。
また、運動するタイミングとしてはパフォーマンスが高くなりやすい夕方(18時前後)がおすすめです。
休息日を設ける
休息日を設けることも運動でダイエットをするために大切なことです。運動は毎日しなくても効果は出るうえ、やりすぎるとケガにつながるなどデメリットも大きいのです。
特に筋トレは、筋肉がトレーニング前よりも少し強い状態で回復する「超回復」という現象が起こるまで48〜72時間かかるので、その間は続けて筋トレをしないようにすべきです。筋トレは週3回を目安に行うとよいでしょう。
また、有酸素運動は体に疲労が残らなければ毎日行ってもよいのですが、毎日繰り返すと疲労が蓄積してケガにつながってしまうこともあります。
運動は何よりも継続することが大切ですので、体に違和感があったり関節に痛みがあったりしたら無理をせずに休息日を設けることが大切です。
有酸素運動と筋トレのいいところ取りでダイエットを成功させよう
運動の種類はとても多くありますが、ダイエットのためには有酸素運動と無酸素運動の両方を取り入れることが大切です。
有酸素運動はカロリー消費が大きく体重の減少をサポートしてくれますし、無酸素運動の筋トレは筋肉量と基礎代謝を増加させ、痩せやすい体を作ってくれるうえに引き締まった見た目にも変化します。
運動でダイエットを成功させるためには正しい方法を継続することがとにかく大事ですので、生活習慣を見直しながらゆっくりと進めていきましょう。