目指すは女性らしい、しなやかな背中!女性におすすめしたい背中トレーニング。
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
背中のシルエットが崩れる原因
人間は「座っている」だけで姿勢が崩れます。
肩こり、腰痛、猫背、むくみの原因は「座る」姿勢を続けることによって引き起こされることが多いのですが、特に現代人はデスクワークが多く、座った姿勢で過ごす時間が昔に比べて長いため症状が深刻化しやすいと言われています。
同じ姿勢を続けることで筋力が衰え、血流が滞り、むくみが生まれたり、姿勢が崩れることで本来の体のバランスが崩れ、結果として痛みが発生します。特に運動習慣のない方は、自身の姿勢や筋力バランスを意識し改善する機会も少ないため、常態化させてしまいがち。意識的にトレーニングすることによって背中の筋肉を鍛え、ボディシェイプだけでなく、凝りや痛みなどの諸症状も改善することができます。
背中の筋肉が衰えるとどうなるの?
背中の筋肉が衰えることにより、体にとってさまざまな悪影響があるとされています。体質によって個人差はありますが、詳しく知ることで理解を深めていきましょう。
太りやすくなる
背中の筋肉は全身を支える大きな筋肉のひとつです。背中の筋肉が衰えると血行が悪くなるとともに、筋肉量が減ることで基礎代謝が落ち、太りやすい体質になります。
肩こり、腰痛が起きる
背中の筋肉が衰えると姿勢が崩れ、不自然な場所に負担が掛かったり、血行が悪くなり、肩こりや腰痛の原因につながります。
むくみやすくなる
背中はたくさんの部位と繋がっているため、背中の筋肉が衰えることで体の可動域が狭くなり、血行不良を引き起こすことでむくみが発生します。
垂れ胸になる
バストアップのために胸筋を鍛える方は多いですが、背中の筋肉にも意識を向けている方は少ないでしょう。背中の筋肉が衰えて猫背になることで、肩甲骨が開いて肩が前に出て、体の前面が内側に湾曲してしまうため胸の位置が下がります。
背中にある筋肉の部位とそれぞれの役割は?
背中の筋肉といってもいくつかの部位によって構成されているため、それぞれの位置や果たす役割などを理解することが大切です。トレーニング時に「どの部位を鍛えているか」を意識することで、背中を効果的に鍛えることができます。
今回は背中を
- 僧帽筋
- 広背筋
- 脊柱起立筋
の3つの部位に分けて解説していきます。
僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は首から背中にかけて横に広がっている筋肉で、肩甲骨まわりのスムーズな動きに欠かせない筋肉です。首こりや肩こりに悩まされている方は、僧帽筋の筋力不足からくる姿勢の崩れや血行不良が関係しているかもしれないため、この筋肉を鍛えることがおすすめです。
広背筋(こうはいきん)
背中の中央部から脇の下、さらに腕へとつながる「広背筋」。そして脇の下部分に位置する「大円筋」は、いずれも肩関節の動作に関わる筋肉です。例えば腕を後ろに動かしたり、内側にひねる動きを担っています。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋とは、首から腰にかけて背骨の両側に配置している筋肉です。姿勢維持には欠かせない筋肉で、人間がまっすぐ立つことができるのも、この脊柱起立筋が背骨を支えているからです。
背中のトレーニングをはじめてみましょう
「いざ背中を鍛えよう!」と思っても、鍛える部位としては難しそう…と考える方が多く、中にはスポーツジムにあるような特別な器具がないと鍛えられないのでは?と考えている方もいるかもしれません。ですが、自宅にあるものを使って気軽に取り組めるトレーニングもたくさんあります。今回は、自宅でも簡単にできる部位ごとのセルフトレーニング方法を紹介します!
僧帽筋(そうぼうきん)を鍛える:デクラインプッシュアップ
いわゆる「腕立て伏せ」と呼ばれるプッシュアップのレベルアップバージョンが「デクラインプッシュアップ」です。椅子やソファーを用いて僧帽筋の他、胸や腕も同時に鍛えることができます。一見簡単に見えますが、実は正しく行わないと腰を痛める可能性もあるトレーニングです。正しいやり方で、最大限の効果を引き出しましょう。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:難しい
- 両足を椅子に乗せ、腕立て伏せの体勢をとります。
- 両手を肩幅に開き、手首が肩の真下にくるようにします。
- 手をパーの形になるように開き、指先を少し内側に向け、両手が八の字になるようにします。
- 首から背中あたりにある僧帽筋に負荷がかかっていることを意識しながら、ゆっくり肘を曲げて上体を下げます。
- このとき、肘は真横に向けて曲げるようにし、視線は正面方向を向きます。
- 床ギリギリまで下げたら地面を押すイメージで元の位置に戻りましょう。
- 何度か繰り返し行います。
広背筋(こうはいきん)を鍛える:シーテッドロウ
伸縮するトレーニングチューブを使用したトレーニングとなりますが、自宅にない方はタオルを代用して行いましょう。座位で行うのであまりつらく感じないため続けやすく、意識して行えば背中からウエストまでを鍛えることができるトレーニングです。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:易しい
- 脚を伸ばした状態で座り、チューブを足の裏に引っ掛け、チューブの両端をそれぞれ持ちます。
- 膝は曲げすぎず、少々ゆるめた状態にし、背筋を伸ばします。
- 吸う息でチューブを体に引き付けるように引っ張りながら、脇を締めた状態で肘を曲げます。
- 吐く息でゆっくりと元の位置に戻し、繰り返し行います。
シーテッドロウのポイント
タオルで行う方は、脚を正面にプッシュしながら、腕でタオルを引き寄せます。かかとを上手にスライドさせることがポイントです。ヨガマットの上だとスライドさせにくいので、床などで行いましょう。
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)を鍛える:バックエクステンション
うつ伏せの状態から上半身を反らすことで脊柱起立筋を鍛えるトレーニング方法です。このトレーニングを行うときには、頭の重みや反動を使わず、お腹にも力を入れながら肩甲骨を寄せるイメージで行うとより高い効果が得られます。
実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 床にうつ伏せになり、両手を体側に伸ばします。
- 両脚を肩幅に開いて伸ばします。
- 顎を引くようにしながら、胸を床から浮かせ、腕も床から離し、肩の高さでまっすぐ伸ばします。
- 上半身が上がりきった位置で、3秒間姿勢をキープします。
- 息を吐きながら3秒かけて上半身を元の位置に戻します。
- 3〜5を繰り返します。
バックエクステンションのポイント
慣れてきた方は、胸を持ち上げる際に両脚も天井方向に持ち上げてみましょう。
肩が上がらないように、耳と肩の距離を遠ざけるように注意します。
地道な努力で背中美人に!
背中の筋肉を鍛えることで、体のバランスを整え、正しい姿勢を手に入れましょう。デスクワークの休憩時間や、体が温まって柔らかくなったお風呂上がりなどを狙ってコツコツ鍛えることが大切です。鍛えたい部位を意識して、背中美人を目指しましょう!