体幹を鍛えるトレーニング・体幹を鍛えることのメリット
運動が減ると、どんな影響があるのか。
体を動かさず、筋肉を使わない生活をしていると、脳神経の活動が活発に行われないため、脳や心にも影響を受けやすいといわれています。筋肉量は、幸福度に影響するとも言われていますので、筋肉に刺激を与えてエネルギー溢れる毎日を送りたいですね。体のことを意識して観察してみると、以下のような変化を感じることはありませんか?
- 少し動くとすぐ疲れてしまう
- ダイエットをする気持ちも起こらない
- 肩こり、腰痛、背中の痛みが慢性的にある
- 食事を減らしてもぽっこりお腹は消えないまま
- ショーウィンドウに映った自分に愕然とする
運動不足や加齢により、引き起こる不調の原因のほとんどが「筋力の低下」です。筋力は使われなければどんどん衰えていきます。意識的に運動を避けるなど、筋肉を使わない生活を続けていけば、筋力が低下するリスクはより高くなるでしょう。筋肉量が不足していると、基礎代謝が低くなってしまうため、あまり食べていないのに痩せないという状態になってしまいます。
体幹を鍛えたいけど、ハードなトレーニングはしたくない…そう思っていませんか?
運動不足を感じている人は、「運動したいけどハードなトレーニングは避けたい」と思っているのではないでしょうか。日頃、体を動かさない方が急にハードなトレーニングをするのは危険なので、自分のペースではじめることが大切です。
肩こり、腰痛、倦怠感など、生活の中で感じる不調は、腹筋や背筋、背骨を支える筋肉などを中心とした「体幹」を鍛えることにより改善が期待できます。
体にはさまざまな筋肉がありますが、体幹トレーニングではインナーマッスルと言われる深層部の筋肉を鍛えることになります。体幹を鍛えると、姿勢が良くなる、太りにくくなる、健康体を保てる…などさまざまな効果が期待できるのです。
体幹を鍛えることで得られるメリット
体幹を鍛えるメリットは体の軸が安定することです。ハイヒールを履くときに体のバランスが取りにくい方や、電車の揺れで他の方よりふらついたりなどする方は、体幹の筋肉が弱いことが考えられます。
体幹が弱いと、脚の筋肉だけで体を支えようとするため、体幹の筋肉を補うように、脚部の筋肉が発達して脚が太く見える原因になってしまいます。体幹を鍛えれば、ハイヒールを履いてもバランス良く、電車の揺れでもふらつかない、安定した体を目指すことができます。
体の軸が崩れていると、猫背などの姿勢の悪さや姿勢の崩れからくる慢性的な腰痛、肩こりなどさまざまな体の不調の原因に。体幹トレーニングは理想的な姿勢づくりには欠かせません。姿勢が改善できれば腰痛や肩こりなどの緩和と予防につながるでしょう。
自宅でできる、女性におすすめの体幹トレーニングを紹介
①クランチ
クランチは、肋骨から恥骨までをつなぐ、お腹の正面にある筋肉の腹直筋に高負荷をかけることできる体幹トレーニングです。お腹周りの引き締めだけでなく骨盤補正効果もあり、腰痛予防にもおすすめ。正しいフォームで行うことで効果が高まりますので、肩や足の位置、腹筋に意識を向けながらゆっくり一つひとつの動作を丁寧に行いましょう。
実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 仰向けに寝転がり、膝を90度曲げ、太ももを床と垂直になるまで持ち上げ、膝からつま先までを床と平行に保ちます。
- 両手は頭に添えて肩は床から離し、視線はおへそに向けます。
- 息を吐きながら、おへそを覗きこみ肩甲骨が床から離れる程度まで上体を上げていきます。
- 息を吸いながら、上体を元の位置に戻しましょう。
- ゆっくりと動くようにし、繰り返し行います。
クランチのポイント
呼吸を意識することで体幹により効果が期待できます。
上体を起こしている時間を長くしたり、両腕を交差させて胸にのせるなどすると、より強度高く体幹を鍛えることができます。
インナーマッスルに正しく働きかけることで、内臓や骨を包む筋肉を鍛えることができ、コルセットのように胴部を安定させることができます。それにより、内臓の動きが活発になり基礎代謝が上がることで痩せやすい体に近づけていくことができます。
②ヒップリフト
お尻の筋肉を強化することができる、ヒップリフト。お尻には大殿筋という骨盤の安定には欠かせない大きな筋肉があります。大殿筋を鍛えることで骨盤が安定するため、結果として体幹の安定に繋がります。また、大殿筋を引き締めることでお尻の位置が高くなり、脚が長く見える効果も期待できるので、ボディメイクをしたい女性にもおすすめのトレーニングとなります。
大きな筋肉を鍛えることで、基礎代謝アップにも繋がります。日常生活の中で歩く程度では、大殿筋はなかなか鍛えることはできません。ヒップリフトは大殿筋の他に、背中にある脊柱起立筋やお腹の横にある腹横筋といったインナーマッスルも鍛えられます。
ヒップリフトは、体幹を鍛えるトレーニングとして人気のトレーニングですが、他の部位も鍛えられますので、ぜひ普段のトレーニングに取り入れてみてください。
実際にポーズをとってみましょう
難易度:普通
- 床に仰向けで寝そべります。
- 膝を90度に曲げ、足裏は床につけた状態にします。
- 両手は体の横に、こぶしひとつ分程度のスペースをあけておきます。
- お尻の筋肉を使う意識を持ちながら、息を吐きながらゆっくりとお尻を天井方向に持ち上げます。
- 鎖骨、お腹、膝が一直線になるようにし、腰を反らないように注意します。
- 一直線の状態を維持したまま、3呼吸程度キープします。
- 吐く息でゆっくりとお尻を下ろし、4〜7を繰り返します。
ヒップリフトのポイント
より負荷をかけたい方は、回数を増やしたり、お尻を上げた状態をキープする時間を長くしてみましょう。お尻を上げるときは、お腹や腕の力で体を持ち上げないよう注意して行います。お尻の筋肉に効かせる意識をして、上に持ちあげることでヒップリフトの効果を高めましょう。
体幹トレーニングを行う際の注意点
※腰に不安がある方は十分に注意してください。
※無理な動きや間違ったフォームはケガの原因になるので、正しいフォームを意識します。
※痛みや違和感がある場合はすぐにトレーニングをやめ、医師やトレーナーに相談しましょう。
今回は、忙しい毎日でもちょっとした「すきま時間」で簡単に続けやすい体幹トレーニングをご紹介しました。はじめは少々きついと感じるかもしれませんが、体幹トレーニングに慣れると、体も心も軽くなり、精神的にも少し前向きになることができるでしょう。