巻き肩でお悩みの方必見!巻き肩の原因と矯正ストレッチをご紹介
監修者情報
槇村 糸
ヨガ・バレエ講師
幼少時代からバレエを始め、ダンサーとして舞台活動を行う。
現在はフリーランスのフィットネスインストラクターとしての活動も行っており、公共施設や教育機関などで子ども〜成人・高齢者に向けたヨガ、バレエ、ボディメイクなどのレッスン指導を行う。
■資格
・日本ヨガインストラクター協会2級
・ADI(エアロビックエクササイズインストラクター)
そもそも「巻き肩」ってどんな状態?
まずは、「巻き肩」の症状や原因についてチェックしていきましょう。
文字通り、巻き肩は「肩が内側に向かって巻き込まれた状態」のこと。肩が巻き込まれることでバストまわりの筋肉が縮こまり、結果的に肩のトップから肩甲骨のラインが前に出てしまうのです。
長時間のスマートフォン操作によって巻き肩が生じやすいことから、最近では「スマホ巻き肩(スマホ姿勢)」と呼ばれることも。画面に表示された小さい文字を読もうと上半身が前傾することにより、首や肩が前に出やすくなってしまうのです。そのほか、猫背や座り姿勢の悪さ、長時間のデスクワークなども原因となります。
あなたも“隠れ巻き肩”かも!巻き肩チェック法
自分ではなかなか気付けないところも、巻き肩の厄介なポイント。肩こりや首こりにお悩みの方は、次の方法で巻き肩チェックをしてみましょう!
壁と垂直になるようにまっすぐ立ち、全身をリラックスさせます。この姿勢を、誰かに真横から見てもらいましょう。肩が耳よりも前に出ている&首から背中のラインがカーブを描いている場合は、“隠れ巻き肩”の可能性が高いでしょう。
こんな症状にも要注意!巻き肩セルフチェック
- 体をリラックスさせた状態で立っているとき、両肘が自然と外側を向く
- まっすぐ立っているときも上半身がやや丸まっている
- 腕を上げたとき、二の腕が耳のサイドまで届かない
- 仰向け寝よりも、横向き寝のほうが楽に感じる
- 肩の付け根あたりに強い凝りを感じる
- 呼吸の浅さ、呼吸のしづらさを感じる
頭痛や疲れやすさも⁉巻き肩が引き起こすこと
- 肩や首の凝り、痛み
- 肩を上げられないほど鋭く、強い痛み
- 頭痛
- 吐き気
- 全身の倦怠感
- 自律神経の乱れ
- 呼吸が浅くなり、疲れやすくなる
- 代謝の低下
- ボディラインが崩れる
など
肩が内側に巻き込まれることで周辺の筋肉が凝り固まり、肩や首の凝りに繋がる「巻き肩」。筋肉の緊張や凝りを放置することで症状はどんどん悪化し、血行不良による頭痛や吐き気、神経圧迫による自律神経の乱れ、肩や首の激しい痛みを引き起こす可能性もあります。
巻き肩を改善!簡単矯正ストレッチ4選
肩まわりの凝りや緊張をほぐすストレッチは、巻き肩のお悩みに効果てきめん!簡単にセルフケアをして、巻き肩を矯正していきましょう。今回は、「巻き肩矯正ストレッチ」を4つセレクトしました。肩や首の凝り、頭痛、倦怠感などにお悩みの方はぜひ実践してみてくださいね。
<①肘先のばし>
肘先から前腕部にかけてのねじれを解消し、巻き肩矯正を助けるストレッチです。指や手のひらもマッサージできるため、スマホやパソコン操作で疲れている方にもぴったり!
■肘先のばしのやり方
難易度:易しい
- 脚を軽く開いた状態で立ち、右腕を前にまっすぐ伸ばします。
- 親指以外の指を左手で持ち、手前に引っぱりながら30秒キープしましょう。肘先の筋肉を伸ばすイメージで、左右1回ずつ行います。
- 次は親指を左手で持ち、体側に引っぱりながら30秒キープしましょう。手を組み替えて、左右1回ずつ行いましょう。
■肘先のばしのポイント
指を引っぱるときに、手のひらは前を向けましょう。手のひらを体側に向けてしまうと、前腕部のストレッチ効果が薄れてしまいます。
<②ぐるぐる肩回し>
肩をぐるぐると回すことで、緊張して凝り固まった筋肉をほぐすストレッチです。ゆっくりと深呼吸しながら、肩のこわばりをリセットしてあげましょう。
■ぐるぐる肩まわしのやり方
難易度:易しい
- リラックスした状態でイスに座り、肩の力を抜きます。
- 肩甲骨の位置を意識しながら、前方向に肩を10回ぐるぐる回します。
- 同様に、後ろ方向にも肩を10回ぐるぐる回しましょう。
■ぐるぐる肩まわしのポイント
肩を回すときには、脇を締めましょう。
一方向だけでなく、多方向に肩を回してストレッチ効果を高めましょう。
<③肩甲骨ストレッチ>
巻き肩だけでなく、猫背や冷え症の改善効果も期待できる「肩甲骨ストレッチ」。肋骨から肩甲骨をはがすようなイメージで、まんべんなくほぐしましょう。肩や首、背中の痛みを感じている方にもおすすめです。
■肩甲骨ストレッチのやり方
難易度:易しい
- 両肘を曲げ、肩より高く上げます。このとき、手は軽く握った状態で鎖骨のあたりにセットしましょう。
- 両肘をゆっくりと後ろに引きます。肋骨から肩甲骨をはがすイメージで、強めに寄せましょう。
- 肩甲骨を寄せた状態のまま肘を下げ、力を抜いてリラックス。同じ動きを3~5回繰り返しましょう。
■肩甲骨ストレッチのポイント
腕が肩より高く上がらない場合は、無理をせずに上がる位置まででOK。
肘を引くときは、肘の位置をできるだけ下げないように意識しましょう。
<④ローテーショナル・ショルダーストレッチ>
巻き肩によって弱まった背中まわりの筋肉「僧帽筋下部」を強化するストレッチです。肩甲骨から、インナーマッスルである大胸筋や小胸筋まで、凝り固まった上半身の筋肉にまんべんなくアプローチできます。
■ローテーショナル・ショルダーストレッチのやり方
難易度:普通
- 壁を背に垂直に立ち、左手を肩の高さで壁につけましょう。
- 左腕をまっすぐ伸ばせる位置に立ち、体幹を右に向けて左胸を軽く伸ばします。
- 頭を右斜め後ろに倒しながら、左胸をさらにグッと伸ばしていきましょう。深呼吸をしながら60秒キープ。
- 反対側も同様に行いましょう。
■ローテーショナル・ショルダーストレッチのポイント
頭を倒すときに、腰から下を動かさないよう意識しましょう。
巻き肩矯正ストレッチを行う際に意識するポイント
巻き肩矯正ストレッチを行う際に意識して伸ばす筋肉や、ストレッチを行う際のポイントなどをご紹介します。
肩甲骨まわりの筋肉を重点的にほぐしましょう
巻き肩になると、肩甲骨まわりの筋肉がとくに凝り固まりやすくなります。肩甲骨をしっかり動かすと広背筋や僧帽筋、さらに深層の筋肉を働かせることができ、巻き肩が矯正しやすくなります。
呼吸を忘れずに
ストレッチを行うときにゆっくりと深い呼吸をすることで、ストレッチの効果をアップできます。ストレッチが効いていると息を止めてしまいがちですが、無呼吸は血圧の上昇を引き起こします。ストレッチをするときは絶えず呼吸を繰り返しましょう。とくに吐く息は筋肉の緊張を緩めてくれます。
痛みが強い場合はやりすぎない
ストレッチの最中に強い痛みを感じたら、軽めに行うか休憩を挟みながら、やりすぎないようにしましょう。あまりにも筋肉の凝りが強い状態で無理にストレッチを行うと、ケガをしてしまう可能性があります。筋肉の伸びが気持ち良く感じられる範囲でストレッチしましょう。
日常生活で意識したい!巻き肩矯正のための3つの習慣
猫背や反り腰などと同様、巻き肩も体に染みついた“クセ”のひとつ。正しい姿勢に戻すためには、毎日コツコツと矯正していかなければなりません。次は、巻き肩にお悩みの方が日常生活で意識したい3つのポイントをご紹介します。
正しい座り姿勢をマスターする
座り姿勢の悪さも巻き肩を悪化させるポイント。正しい姿勢をキープするためにも、座るときは次のポイントを意識してみましょう。
お尻を背もたれにつけた状態で、頭から背中のラインをまっすぐに伸ばします。天井から糸で吊るされている状態をイメージしましょう。胸がしっかり開き、顔が正面を向いていれば正解です。
スマホを見るときの姿勢に注意
スマホを操作するときはどうしても画面を覗き込むような姿勢になりがちですが、この前傾姿勢こそ巻き肩を悪化させるNGポイント。なるべく肩に負担をかけないためにも、スマホは胸元ではなく顔付近で持ち、視線の正面に画面をセットしましょう。また、目に負担をかけないように、顔から30cm以上離すことをおすすめします。
凝り固まった筋肉を伸ばし、正しい姿勢を維持しよう
巻き肩になると胸の奥にあるインナーマッスルが凝り固まり、肩甲骨が前に引っ張られてしまいます。この状態のまま巻き肩を矯正しようとしても、なかなか上手くいかないもの。巻き肩の矯正を試みる場合は、姿勢矯正とあわせて簡単なストレッチで周辺の筋肉を伸ばしてあげましょう。
簡単ストレッチで巻き肩矯正を目指しましょう!
肩や首の凝りだけでなく、頭痛や自律神経の乱れにも繋がる「巻き肩」。症状の悪化を防ぐためにも、“ちょっとつらいな”と感じたタイミングで早めに対処していきましょう。本記事でご紹介したストレッチは、スキマ時間を利用してだれでも簡単にトライできるものばかり。つらい巻き肩にお悩みの方は、ぜひ実践してみてくださいね。