冷えを改善する入浴中のストレッチ!お風呂でできる簡単ストレッチで血行不良や痛みを緩和しましょう!
監修者情報
槇村 糸
ヨガ・バレエ講師
幼少時代からバレエを始め、ダンサーとして舞台活動を行う。
現在はフリーランスのフィットネスインストラクターとしての活動も行っており、公共施設や教育機関などで子ども〜成人・高齢者に向けたヨガ、バレエ、ボディメイクなどのレッスン指導を行う。
■資格
・日本ヨガインストラクター協会2級
・ADI(エアロビックエクササイズインストラクター)
体の冷えを感じていませんか?
寒い冬が近づいてくると、いっそう気になる体の冷え。暖房やカイロなどいろいろ試したけれどなかなか体が温まらない……という方も多いのではないでしょうか。中には、季節や気温、室温に関わらず、慢性的な体の冷えに悩んでいる方も。実は、生活習慣・食習慣の変化によって低体温化が進んだ現代人は、体の冷えを感じやすいと言われています。
体が冷えてしまうとどうなる?
体が冷えてしまうと、以下のような問題が起こります。
血行が悪くなる
全身に温かい血液を届けている血管は、体が冷えると収縮してしまい円滑に血液を送ることが難しくなってしまいます。とくに手先や足先など毛細血管が集中している部分に温かい血液を送ることができなくなり、いっそう冷えを感じるという悪循環に陥るのです。
代謝が低下し、老廃物が溜まる
老廃物を体の外に排出し代謝を促進する汗腺や排泄器官は、冷えによって働きが低下します。血中の脂肪分や糖分も燃焼・消費されにくくなるため、脂質異常症や高血糖などの生活習慣病に繋がってしまう恐れもあるのです。
免疫力が低下する
体が冷えてしまうと内臓の働きが鈍くなり、風邪や感染症などから体を守ってくれる免疫機能が落ちてしまいます。
肌のターンオーバーを阻害
冷えによって全身の新陳代謝が滞ると、肌のターンオーバーが遅くなります。女性を悩ませる乾燥やくすみ、むくみを引き起こすだけでなく、抜け毛や白髪などの原因にもなるのです。
慢性的な不調をもたらす
体の冷えは万病のもとと言われ、体の不調や病気をもたらすとされています。だるさや胃痛、胸やけ、肩こり、腰痛などを引き起こすだけでなく、女性の場合は生理痛や生理不順などの原因にもなるため要注意です。
体が冷えてしまう原因
体が冷えてしまう原因には以下のようなものがあります。当てはまるものがないか、ご自身の生活習慣を振り返ってみましょう。
運動不足
筋肉は体を温める熱を生産していますが、運動が不足すると十分な熱が作れないだけでなく、熱を生産する筋肉そのものの量まで減ってしまいます。とくに女性は男性に比べて筋肉量が少なく、脂肪が多い体つき。意識的に運動しないと筋肉量が減り、冷えを招きます。
血行不良
座りっぱなしや立ちっぱなしなど、同じ姿勢を長時間続けると全身の血行は滞ってしまいます。この血行不良も温かい血液の循環を妨げ、冷えを引き起こす原因のひとつ。姿勢だけでなく、締め付けの強い服装や下着の着用も血行不良の要因になります。
食生活の乱れ
冷たい飲み物や食べ物は、体の冷えをさらに深刻化させる原因のひとつです。そのほか、血液をドロドロにする化学調味料や食品添加物を多く含む食品(ファストフードやスナック菓子など)も血行不良を引き起こします。
お風呂でのストレッチが効果的な理由
冷え対策には「入浴」が欠かせません。体を直接温めてくれるだけでなく、副交感神経を優位にして血管を拡張したり(血行改善)、筋肉を緩みやすくしてくれます。運動だけで冷えを改善することが難しい場合は、温かいお風呂の中で簡単なストレッチにトライ!運動効果が高まり、体の芯からポカポカしてきますよ。
お風呂でできる簡単ストレッチ4選
冷えを改善する入浴とストレッチを掛け合わせて、体の内側から温めましょう!ここからは、入浴しながら簡単にできるストレッチを4つご紹介します!
①耳ほぐしストレッチ
耳まわりをほぐすストレッチには、顔や頭、首まわりの筋肉の緊張をほぐす効果があり、リラックス効果も抜群。副交感神経の働きを高めて血管を広げ、全身の血行を促進してくれます。
■実際にストレッチを行ってみましょう
難易度:易しい
- 両手で両耳をそれぞれ持ちます。
- 耳で丸を描くようにゆっくり回します。
■耳ほぐしストレッチのポイント
耳の持つ部分や持ち方にとくに決まりはありません。ご自身が無理なく耳を回せる持ち方で大丈夫です。
表情をゆるめ、耳のまわりの筋肉も引っ張るようにゆっくり大きく回してみましょう。
②足先ぽかぽかストレッチ
とくに冷えやすい足指や足首の血行を促進する簡単なストレッチです。湯船に浸かってもすぐにはなかなか温まりづらい足先の毛細血管にまで、新鮮な血液を届けましょう!
■実際にストレッチを行ってみましょう
難易度:易しい
- 座った姿勢で左足を伸ばします。
- 右膝を曲げて横に開き、右足首を左足の上に乗せます。
- 左手の指を右足の指の間に入れて組みます。
- 右手で右足首を軽く押さえながら、左手で左足首を大きく回します。
- 20回以上回したら、左足も同様に行います。
■足指ほぐしストレッチのポイント
足首を大きくゆっくり回すことで、普段の生活では十分に使いきれていない足先の筋肉を動かすことができます。
足首を十分に動かしたら、足の指先も細かく回して、冷えて固まった指の先まで温めましょう。
③太もも・お尻ストレッチ
冷えによって固まりやすい太ももやお尻の筋肉をじんわり伸ばすストレッチも、温かいお風呂の中で行うとより効果的!座りっぱなしや立ちっぱなしで血流の悪くなった筋肉をほぐして、代謝をアップさせましょう。
■実際にストレッチを行ってみましょう
難易度:易しい
- 両手を体の後ろへ置き、座った姿勢で左足を伸ばします。
- 右膝を曲げて横に開き、右足首を左足の上に乗せます。
- ゆっくり左膝を曲げ、右足首を胸に近づけます。
- 右太もも裏やお尻に伸びを感じたら、30秒ほどその状態をキープします。
- 左足も同様に行います。
■太もも・お尻ストレッチのポイント
キープしている間はゆっくり呼吸を繰り返しましょう。吐く息を長くすると筋肉が伸びて血管が拡張され、老廃物の代謝効果も高まります。
胸に近づけるほうの膝が真横を向くと、しっかり太ももとお尻をストレッチできます。
④肩こり改善ストレッチ
つらい肩こりも入浴中のストレッチで解消!勢いで回すのではなく、関節や筋肉の伸びを感じながらゆっくり回しましょう。
■実際にストレッチを行ってみましょう
難易度:易しい
- 右手の指先を右肩先に、左手の指先を左の肩先に置きます。
- 指が肩先から離れないように意識しながら、肘で丸を描くように肩を回します。
- 前回し10回、後回し10回程度ゆっくり回しましょう。
■肩こり改善ストレッチのポイント
肩先に指先を置くことで、肩甲骨まわりを大きく動かせます。
「息を吸いながら肘は後ろへ」「息を吐きながら前へ回す」を意識すると、ストレッチ効果がより高まります。
お風呂×ストレッチの相乗効果で体を温めましょう!
多くの女性を悩ませる体の冷え。普通の運動で改善できない場合は、本記事でご紹介したお風呂×ストレッチの相乗効果を試してみましょう。健康と美容のためにも、お風呂でのストレッチで全身をポカポカに温めてくださいね。