成長期の子供に必要な栄養素を知ってサポート!食事メニューも紹介

本記事でご紹介する商品・サービスは、実際に執筆者が使用・体験した上でレビューを行っています。
監修者情報
板垣 奏穂
管理栄養士
管理栄養士と栄養教諭として働いた経験を活かし、食に関する記事の監修などを行う。
経営者支援事業などを展開する株式会社バシコミを経営するかたわら、プライベートでは20種類以上のアレルギーを持つ子どもの母でもあり、アレルギーや離乳食に関する相談の窓口としても活動している。
◼︎資格
管理栄養士
栄養教諭
成長期の子供の栄養バランスが大事な理由

まずは、成長期の子供にとって栄養バランスがなぜ重要なのかを理解しておきましょう。
その理由について詳しく解説していきます。
急速な体の成長と発達をサポートするため
成長期の子供は身長が急激に伸び、体重も増加します。例えば、思春期のピーク時には1ヶ月で2〜3センチ以上身長が伸びることもあり、体が大きく変化します。この時期は多くの栄養素が必要で、消耗も大人より激しくなります。
こうした成長を支えるには、すべての栄養素をバランスよく摂取することが欠かせません。
骨や筋肉の形成を助けるため
カルシウムやタンパク質は、丈夫な骨格や筋肉を形成するために欠かせない栄養素です。さらに、成長期の子供には鉄分も必要不可欠です。鉄分は成長期において特に不足しやすい栄養素で、食事で意識的に摂る必要があります。
9歳の子供の場合、男の子はお母さんと同じくらいの量、女の子はお母さんより多くのカルシウムが必要とされています。メニューを考える際は、大人と同じメニューだけではなく、牛乳や乳製品をプラスするなどの工夫を取り入れましょう。日本人は子供も大人もカルシウムが不足しがちなので、意識的に摂取することが大切です。
免疫系の強化につながるため
バランスの取れた栄養を摂取することは、免疫力を高め、病気への抵抗力を強化します。腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった腸内細菌が存在し、そのバランスが免疫力に大きく影響します。特に善玉菌は免疫細胞の働きを助ける重要な役割を持ち、善玉菌が多いと免疫力が高まります。
善玉菌を増やすには、ヨーグルトや乳酸菌飲料、味噌、納豆、キムチなどの発酵食品を摂ることがおすすめです。また、善玉菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖を含む野菜や果物も積極的に取り入れましょう。
学習能力や集中力の向上につながるため
適切な栄養摂取は、脳の働きを活性化させ、学習能力や集中力の向上につながります。
脳は、活動時にエネルギーの主成分であるブドウ糖を大量に消費します。特に子供は成長にともなうエネルギー消費が多いため、大人以上に脳へのエネルギー供給が不足しやすく、集中力が途切れる原因になります。
持続的な集中力を保つためには、バランスのよい食事や質のよい睡眠が欠かせません。
健康的な生活習慣の基礎を作るため
子供のころに十分な栄養が摂取できていないと、成長期だけでなく将来の健康にも大きな影響を与える可能性があります。例えば、生まれたときの体重が少なく、小児期に栄養不足が続いた場合、慢性栄養不良となり、成長障害や免疫機能低下など心身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、この時期に身につけた食習慣は、人生全体を通しての健康を左右するといっても過言ではありません。
成長期の子供に必要な栄養素
成長期の子供に必要な栄養素は、タンパク質、炭水化物、脂質の3大栄養素だけではありません。ビタミンやミネラル、食物繊維などもバランスよく摂取しましょう。
成長期の子供に必要な栄養素をそれぞれ詳しく解説します。
タンパク質
タンパク質は、筋肉を作るだけでなく、心臓や肝臓などの臓器の形成や、ホルモンや酵素の生成にも欠かせない栄養素です。また、成長期の子供にとって重要な細胞の修復や免疫機能の維持にも関わっています。子供の成長と健康を支えるため、毎日の食事で十分な量を摂取することが大切です。
おもに豚肉のヒレ、大豆製品、魚類、卵などに多く含まれているため、これらの食材をバランスよく活用しましょう。
タンパク質の摂取量の目安は、大人と比較して以下の通りです。
- 小学生:約30~50g
- 思春期:約55~65g
- 成人男性:60g
- 成人女性:50g
子供の成長期には成人よりも多くのタンパク質が必要になる場合がありますので、適切な量を意識してください。
関連記事:タンパク質を多く含む食べ物について詳しく解説した記事はこちら
炭水化物(糖質)
炭水化物は体を動かすエネルギー源となる栄養素です。特に成長期の子供には、運動や勉強で消費するエネルギーを補うために欠かせません。また、炭水化物は脳の主要なエネルギー源でもあるため、集中力や学習能力を支える役割もあります。
炭水化物は、米、パン、麺類などの主食に多く含まれています。子供の炭水化物の摂取量は、1日の必要なエネルギーの50~65%を占めるのが理想とされています。例えば、主食としてご飯を取り入れる場合、1回に食べる量の目安は以下の通りです:
- 小学1~2年生:約150g
- 小学3~4年生:約170g
- 小学5~6年生:約190g
さらに、パンや麺類などほかの主食も取り入れると、飽きずにバランスよく摂ることができるでしょう。
脂質
脂質は、ダイエット中の大人には避けられがちな栄養素ですが、子供にとっては重要なエネルギー源です。また、脂質は細胞膜の構成成分やホルモンの生成にも関わり、成長期の体を支えるために欠かせません。
脂質はバター、ナッツ類、植物油、魚(サーモンやサバなど)に多く含まれています。子供が好む炒め物や揚げ物などのメニューに取り入れることで、自然に必要な脂質を摂取できます。ただし、過剰摂取は肥満や健康リスクにつながるため、適量を守りましょう。
脂質の摂取基準量は、1日の総エネルギー量の25~30%が目安です。主菜や副菜に適度な油を使用しつつ、揚げ物や炒め物を1食に1品程度取り入れるとバランスが良いでしょう。
ビタミン・ミネラル
ビタミンやミネラルは、体調を整え健康を維持するために欠かせない栄養素です。また、脳や体の発達にも深く関わるため、毎回の食事でバランスよく摂取できるよう工夫することが大切です。
これらの栄養素は、酵素の働きを助ける「補酵素」としての役割を持ち、体内の代謝やエネルギーを生み出すのを支える重要な役割を果たします。
例えば、小学生(12~14歳)の男の子の場合、1日に必要なビタミン量の目安は以下の通りです。
- ビタミンD:8.0μg(魚類やきのこ類に多く含まれる)
- ビタミンK:140μg(緑黄色野菜や納豆に多く含まれる)
- ビタミンB1:1.4mg(豚肉や豆類に多く含まれる)
食物繊維
食物繊維には、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあり、不溶性食物繊維は腸の働きを促進し、便の排出をサポートする役割を持っています。どちらも腸内環境を整えるために欠かせない栄養素です。
食物繊維は、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」とも呼ばれ、成長期の子供にとっても重要な栄養素です。
1日の食物繊維の目安摂取量は以下の通りです。
- 8~9歳:11g以上
- 10~11歳:13g以上
- 12~14歳:17g以上
目安の量を摂取するために、野菜(ごぼう、にんじん、ブロッコリーなど)、果物(りんご、みかん)、豆類、全粒穀物などを日々の食事に取り入れましょう。
子供に必要な栄養を摂れる食事メニュー

子供が必要な栄養素を摂れるメニューの一例として「和風タコライス」を紹介します。小松菜や合いびき肉から、子供に大事な鉄分も摂取できます。
ワンプレートのメニューだと子供が食べやすく、親も準備や片付けが簡単なのでおすすめですよ。
【和風タコライス】
<材料(2人分)>
合いびき肉:100g
蒸しひよこ豆:50g
玉ねぎ:1/4個
パプリカ(赤):1/4個(30g)
小松菜:2束
スライスチーズ:1枚
レタス:2枚
ミニトマト:4個
調味料(A)
醤油:大さじ1
みりん:大さじ1
砂糖:小さじ1
サラダ油:小さじ1
温かいご飯:400g
ごま油:大さじ1
<作り方>
- フライパンにサラダ油を熱し、中火でみじん切りにした玉ねぎ、パプリカ、小松菜を炒めます。
- 野菜がしんなりしたら合いびき肉を加え、さらに炒めます。ひき肉の色が変わったら蒸しひよこ豆を加え、調味料(A)を加えて全体に味を絡めます。
- 器にご飯を盛り、細切りにしたレタスをのせ、その上にステップ2のそぼろをかけます。
- 半分に切ったミニトマトとちぎったスライスチーズを散らし、仕上げにごま油を回しかけて完成です。
子供に足りない栄養素はサプリの活用も検討

毎食の栄養バランスを考えつつ、子供が喜んで食べるメニューを準備するのは親にとって負担になることもあるでしょう。無理をせず、足りない栄養素はサプリメントで補うことも選択肢の一つです。
例えば、鉄分が不足しがちな場合「まめ鉄」は便利なサプリです。このサプリは日本で唯一、えんどう豆由来のフェリチン鉄を配合しており、アレルギーが出にくく*、通常の鉄分より吸収率が高いのが特徴です。鉄分は赤血球の生成に欠かせない重要な栄養素ですが、食事からの吸収率が低いとされています。その点、フェリチン鉄は体内で効率よく吸収され、鉄分が不足しがちな成長期の子供に適しています。
*特定原材料、特定原材料に準ずるもの28品目不使用
関連記事:レピールまめ鉄のサプリについて詳しく解説した記事はこちら
子供の栄養に関するQ&A

子供が栄養不足になるとどんな症状が出る?
子供が栄養不足になると、口内炎ができやすくなる、極端に疲れやすい、肌が乾燥しやすい、または慢性的な肌荒れが続くといった体のサインが現れることがあります。
このような症状が見られたら、まずは日々の食生活を見直してみましょう。不足している栄養素がないか、特定の食材ばかり摂っていないかを確認することが大切です。バランスの取れた食事を心がけ、不足が補いきれない場合は、サプリメントの活用も検討しましょう。
子供に食べさせたいおすすめの食材は?
子供に積極的に食べさせたい栄養素は、ビタミン・ミネラル・食物繊維です。これらの栄養素は不足しやすい傾向があるため、野菜や果物、豆類、全粒穀物などの食材を使ったメニューがおすすめです。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が慢性的に不足すると「新型栄養失調」*と呼ばれる症状が現れることがあるため、子供の成長を妨げないためにも注意が必要です。
*新型栄養失調とは、カロリーは足りているもののビタミンやミネラル、食物繊維などの必要な栄養素が不足している状態を指します。 主な症状として、疲れやすい、肌荒れや口内炎が頻繁にできる、集中力の低下、便秘や免疫力の低下などが挙げられます。
子供の栄養は重要!さまざまな食材を使ったメニューを考えよう

体は小さくても、子供は大人以上に栄養をしっかり摂る必要があります。成長期の栄養は、体の成長だけでなく、脳の発達や将来の健康にも影響を与える可能性があるためです。特に成長期の子供には、毎日栄養豊富な食材を使ったバランスの良いメニューを考えることが大切です。
タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素に加え、腸内環境を整える食物繊維も積極的に取り入れるよう意識しましょう。
ただし、日々の食事だけでは十分に補いきれない栄養素もあるかもしれません。その場合は、サプリメントを活用するのもひとつの手です。子供向けの添加物が少ないナチュラルな商品を選ぶことで、安心して栄養を補えます。