入浴剤の使用方法次第で体に悪いか決まる!懸念される理由や選び方についても
監修者情報
水谷 さなえ
美容ライター・編集者
東北大学大学院農学研究科にて生理学を学ぶ。在学中からモデル・マネージャーとして美の世界に携わり、大学院修了後は美容情報サイトの企画やディレクションに携わる。
現在は美容系メディアのライター・編集者として活動中。
◼︎資格
日本化粧品検定1級
生物科学修士
【結論】入浴剤に使われている成分が大事
入浴剤が体に悪いかどうかは、含まれている成分やその量によって左右されます。成分や体質によっては、体に悪い反応が起こる可能性も。注意が必要なおもな成分として、以下が挙げられます。
香料 | 香料に含まれる化学物質の影響で頭痛がしたり咳が出たりする可能性があります。 |
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サリチル酸 | ピーリング効果がある成分で、やや刺激が強いためアレルギー性皮膚反応を起こす可能性があります。 |
タール系色素 | 見た目を鮮やかにする着色料として使われます。アメリカでは過去に発がん性への懸念から使用が禁じられていましたが、現在は問題ないとされています。 |
硫黄 | 独特なにおいがあり刺激が強いため、体質によっては合わない方もいます。 |
ただし、これらの成分が必ずしも有害というわけではなく、体質や使用量によって影響は異なります。
入浴剤が体に悪い、使わない方が良いと言われる理由
入浴剤のすべてが体に悪いわけではありませんが「体に悪い」「使わないほうが良い」と言われることもあります。それはなぜなのでしょうか?理由について解説します。
肌への影響が懸念される
入浴剤に含まれる成分は基本的に安全が確認されたものですが、敏感肌の方や乾燥肌の方は刺激を感じることがあります。場合によっては、色素や香料による刺激でかゆみや発赤などの肌トラブルを引き起こす可能性も。不安な場合は、成分表示をよく確認してから購入しましょう。また「敏感肌向け」と表示されている製品を選ぶのも手です。
風呂釜を痛める可能性がある
一般的な入浴剤の多くは中性や弱アルカリ性なので、基本的には風呂釜を痛めません。しかし、硫黄が入った入浴剤や一部のバスソルトは金属を腐食させるため、お風呂の配管や風呂釜を痛める可能性があります。また、色のついた入浴剤を使うと、浴槽に色がついてしまう恐れもあります。さらに、製品によっては環境に負荷をかけてしまう可能性もあります。
香りによっては不快感を覚える可能性がある
入浴剤の香りが好きな人がいる一方で、香りが強すぎると頭痛やめまいの原因となることもあります。閉め切った浴室で香りがこもると、不快感が増しやすいため注意が必要です。特に、香りに敏感な方は気をつけましょう。また、香りの強さをどう感じるかは個人によって感覚が異なるため、自分に合った製品を選ぶことが重要です。
体に悪くない入浴剤の選び方
安全に入浴剤を使うためには、選び方のコツを押さえることが重要です。
まず、成分表示をチェックし、刺激の強い成分が含まれていないか確認します。香りに敏感な方は、香料が含まれているかどうかもチェックしておくと安心です。
そのうえで、自分の肌質や使用目的に合っているか確認しましょう。たとえば、保湿効果を求める場合はヒアルロン酸などの保湿成分が含まれた製品がおすすめです。
さらに、環境への配慮がなされているかどうかも、入浴剤を選ぶ基準の1つとして考慮してよいでしょう。
体に良い影響を与える入浴剤おすすめ3選
入浴剤のなかには、体に良い影響を与えるものも多数あります。ここでは、おすすめの入浴剤を厳選して紹介します。
ベルタきざみ本薬湯
「ベルタきざみ本薬湯」は、創業70年の製薬会社が監修した天然生薬100%の薬用入浴剤です。チンピ・ケイヒ・チョウジ・カンゾウ・ドクカツ・コウボク・ソウジュツの7つの生薬を熱加工せず配合しており、生薬の力を余すことなく感じられます。温浴効果によって、入浴後は体がポカポカ温まるのを感じられるでしょう。
また、着色料無添加で、医薬品GMP(医薬品や化粧品などの製造管理や品質管理に関する基準)を遵守した工場で安全性にこだわってつくられています。
キュレル 薬用入浴剤
「キュレル薬用入浴剤」は、赤ちゃんの肌にも使える低刺激性の入浴剤です。無着色・アルコールフリーで低刺激であることに加えて無香料なので、肌がデリケートな方や香りに敏感な方に適しているといえます。
また、うるおい成分としてセラミド機能成分とユーカリエキスを含み、角質の深部まで浸透することで肌を潤し、お風呂上がりの乾燥を防ぎます。荒れ性やしっしんが気になっている肌にも使用が可能です。
バース(BARTH)
「バース(BARTH)」は、ドイツの希少な「中性重炭酸泉」から着想を得た中性重炭酸(※)入浴剤です。独自の技術によってお風呂のお湯を中性に保ち、重炭酸イオンを多く長く溶け込ませることができます。
含有成分には自然や人に配慮したものを使用し、余計な成分をなるべく含まないよう、無香料・無着色のシンプルな配合でつくられています。敏感肌の方や子どもでも使えるでしょう。
※炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムのこと
体に悪い入浴剤に関するQ&A
使用期限が切れた入浴剤は安全ですか?
薬機法では、製造後3年以内で品質に変化がない場合、使用期限の表示は必要とされていません。そのため、3年以内に買ったもので未開封ならば、通常は問題なく使用できると考えられます。
ただし、変色していたり異臭があったりなど品質に不安がある場合は使用を控え、製造元に問い合わせたほうがよいでしょう。
入浴剤を使わない理由は何ですか?
入浴剤を使わない理由として、肌に合わないことが挙げられます。入浴剤によって肌への刺激を感じたりトラブルが起こったりしたことがある方は、入浴剤の使用を避けたくなるでしょう。また、継続的に使用することで生じる経済的な負担、浴槽の汚れを気にする方もいます。
入浴剤は必ず使用しなければいけないものではないため、事情があって使いたくない場合は使用しなくても問題ありません。
体に良いおすすめの入浴剤はありますか?
「イルコルポ」は、肌に優しい入浴剤としておすすめです。温浴効果が高いため、特に冷え性の方に適しているでしょう。また、保湿成分であるスクワラン、整肌成分であるパパインを含み、うるおいのある美しい肌へ導いてくれます。
ほかには、シンプルな成分のバスソルトも体に良いおすすめの入浴剤といえます。ミネラルを含み、肌への刺激が少ないのが特徴です。
入浴剤は正しく選んで使えば体に悪くない
入浴剤の成分のなかには刺激の強いものもあるため、体質に合っていないと肌トラブルが起こったり、強すぎる香りで不快に感じたりする可能性があります。
しかし、自分に合った製品を正しく選んで使用方法を守れば、温浴効果を高めたり肌を保湿してくれたりと、健康や美容にプラスの影響を与えることもできます。
入浴剤を選ぶ際は成分表示をチェックして使用目的に合っているか確認しましょう。また、環境への影響にも配慮できるとさらによいでしょう。