塩抜きダイエットに食べてはいけないものはある?体重が落ちる理由とは

監修者情報
板垣 奏穂
管理栄養士
管理栄養士と栄養教諭として働いた経験を活かし、食に関する記事の監修などを行う。
経営者支援事業などを展開する株式会社バシコミを経営するかたわら、プライベートでは20種類以上のアレルギーを持つ子どもの母でもあり、アレルギーや離乳食に関する相談の窓口としても活動している。
◼︎資格
管理栄養士
栄養教諭
【結論】塩抜きダイエットはおすすめしにくい

塩抜きダイエットとは、食事から塩分を極力減らし、体重を落とす方法です。短期間でむくみが取れ、一時的に体重が減る可能性はありますが、長期間続けると健康リスクが高まります。
塩分は水分バランスを調整し、神経や筋肉の働きを維持するために欠かせない成分です。極端に制限すると、脱水症状や低ナトリウム血症を引き起こし、めまいや倦怠感、ひどい場合は意識障害を伴う危険な状態になることもあります。さらに、血流が悪化して代謝が低下し、ダイエットの効果を損なう可能性も。
そのため、塩抜きダイエットを3日以上継続するのは推奨されていません。無理に塩分を制限するよりも、栄養バランスの取れた食事を意識するほうが、安全で持続可能なダイエットにつながります。
もし正しい知識がない状態で実践するのが不安な場合は「マッスルデリ」などの栄養バランスの整った宅食サービスを活用するのも一つの方法です。「マッスルデリ」について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
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塩抜きダイエットとは?

塩抜きダイエットは、食事から塩分を極力減らし、体内の余分な水分を排出することを目的とした短期間のダイエット法です。塩分を控えることで、むくみの解消や一時的な体重減少が期待できます。
実践する際は、自炊が基本になります。外食や加工食品には塩分が多く含まれるため、できるだけ避けることが必要です。また、しょうゆ・みそ・ケチャップ・ソース・マヨネーズなどの調味料も塩分が含まれているため、使用を控えなければなりません。
塩抜きダイエットは最大3日間が目安で、それ以上の継続は健康リスクを伴うため推奨されていません。無理のない範囲で実施し、塩分の役割や影響を理解したうえで取り入れることが大切です。
塩抜きダイエットで体重が落ちる理由

板垣 奏穂
むくみの解消や血行が良くなることのほかにも、塩分を控えめにすることで食欲を抑える効果も期待できます。
塩抜きダイエットを行うと、一時的に体重が減少しやすくなります。その主な理由は血流の改善・むくみの解消・過食の抑制です。塩分を控えることで、血液の流れがスムーズになり基礎代謝が上がるほか、体内にたまった余分な水分が排出され、むくみが取れてスッキリした見た目に。また、薄味の食事に慣れることで過食を防ぐ効果も期待できます。
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
血流の流れが良くなる
塩分を過剰に摂取すると血液量が増加し、血流が滞って代謝が低下しやすくなります。しかし、塩抜きダイエットを行うことで余分な水分が排出され、血液の流れがスムーズに。
血流が改善されると、基礎代謝が上がり、エネルギー消費が増加します。さらに、体温が上がることで冷え性が緩和され、脂肪燃焼も促進されるため、結果的に痩せやすい体質へと変化していきます。
ダイエットを成功させるには、単に食事制限をするのではなく、基礎代謝を上げることが重要です。
関連記事:基礎代謝アップのメリットや効果的な食べ物について解説した記事はこちら
むくみの解消につながる
塩分を摂りすぎると、体はナトリウム濃度を一定に保つために水分を溜め込もうとします。その結果、余分な水分が体内に蓄積され、むくみの原因に。特に、顔や脚が腫れぼったく見えたり、体が重く感じたりすることもあります。
塩抜きダイエットを行うことでナトリウムの摂取量が減ると、水分が尿として排出されやすくなり、むくみの解消につながります。これにより、体がスッキリと引き締まり、体重の減少も期待できます。
また、むくみを改善するには、塩分のコントロールに加えてリンパマッサージを取り入れることも効果的ですよ。
関連記事:リンパマッサージの効果ややり方を紹介した記事はこちら
過食防止につながる
濃い味付けの食事は、食欲を刺激しやすく、つい食べすぎてしまう原因になります。塩抜きダイエットを行うと、自然と薄味の食事に慣れ、塩分による食欲増進の影響を抑えられるため、食事量のコントロールがしやすくなります。
また、塩分の多い食品は、喉の渇きを引き起こすうえに、甘い飲み物やスナック菓子の摂取につながりやすいという特徴があります。塩分を控えることで、こうした不必要な間食や糖分の摂取も減らせるでしょう。
さらに、自然と健康的な食品を選ぶ習慣が身につくようになり、間食の頻度が減ってダイエットの効果が高まります。
塩抜きダイエットのやり方

塩抜きダイエットを成功させるためには、次の3つのポイントを押さえるのが重要です。
- 自炊を行う
- 塩分が多い食材を控える
- 短期間で終了する
それでは、塩抜きダイエットの具体的なやり方についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
自炊を行う
塩抜きダイエットでは、調理時に塩を控えることが基本となるため、自炊が必須です。外食やコンビニ弁当には塩分が多く含まれているため、適していない場合がほとんどです。
自炊なら食材や調味料の塩分量を細かく調整でき、意図せず摂りすぎるリスクを防げます。また、薄味に慣れることで食材本来の旨みを感じやすくなり、塩分を減らしても満足感を得られるようになります。
とはいえ、毎回の調理が負担に感じる場合もあるでしょう。その場合は、塩分控えめの宅食サービスを活用するのも一つの方法です。
関連記事:毎日のご飯作りが苦痛に感じたときの対処法を解説した記事はこちら
以下、塩抜きダイエットに適した塩分控えめのレシピを3つ紹介します。
かぼちゃともち麦の炊き込みご飯
かぼちゃの甘みともち麦のプチプチ食感が楽しめる、塩なしでも美味しい炊き込みご飯です。
<材料>
かぼちゃ:1/8個(約150g)
もち麦:大さじ2
お米:2合
水:適量
しょうが(すりおろし):小さじ1
昆布(5cm角):1枚
<作り方>
- お米を研ぎ、2合の目盛りまで水を入れる。もち麦を加えて15分ほど水に浸す。
- かぼちゃを皮付きのまま一口大に切る。
- お米ともち麦の上にかぼちゃ、しょうが、昆布をのせ、通常通り炊飯する。
- 炊き上がったら昆布を取り出し、軽く混ぜて蒸らす。
さばと玉ねぎのホイル焼き
玉ねぎの甘みとレモンの酸味で、塩を使わずにさっぱりとした味わいに仕上がります。
<材料>
さば(切り身):1切れ
玉ねぎ:1/4個(薄切り)
しめじ:適量
オリーブオイル:小さじ1
ブラックペッパー:適量
レモン(輪切り):1枚
<作り方>
- アルミホイルの上に玉ねぎとしめじを敷き、その上にさばをのせる。
- オリーブオイルを回しかけ、ブラックペッパーを振る。
- 輪切りのレモンをのせてアルミホイルで包む。
- フライパンにホイル包みをのせ、蓋をして中火で約4分蒸し焼きにする。
- 弱火にし、そのまま7〜8分じっくり火を通す。
- ホイルを開け、火が通っているか確認。足りない場合は追加で1〜2分加熱する。
フライパンではなく、トースターで20分加熱してもOKです。
鶏肉のハーブトマト煮込み
トマトの酸味とハーブの香りで、塩なしでも満足感のある味わいに仕上がります。
<材料>
鶏もも肉:400g
ブラックペッパー:適量
トマト:2個(ざく切り)
にんにく(すりおろし):小さじ1/2
オリーブオイル:小さじ1
ローズマリー(またはタイム):適量
<作り方>
- 鶏もも肉にブラックペッパーを振る。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、鶏肉を皮目を下にして中火で5分焼く。
- 裏返してさらに2分焼き、一旦取り出す。
- 同じフライパンにトマトとにんにくを加え、弱火で5分ほど煮込む。
- 鶏肉を戻し、ローズマリーを加えてさらに5分ほど煮込みながら火を通す。
- 皿に盛り付け、仕上げにブラックペッパーを振る。
塩分が多い食材を控える
塩抜きダイエット中は、塩分の多い食材を避けることが重要です。特に、加工食品には想像以上に塩分が含まれているため、無意識に摂取しすぎないよう注意しましょう。
以下のような食品は、塩分を多く含みます。
- 加工肉(ベーコン、ウインナー、ハム)
- 塩蔵食品(梅干し、塩昆布、干物)
- チーズ
- 練り物(かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ)
- パン類(特に市販の食パンや惣菜パン)
- スナック菓子(ポテトチップス、せんべい)
見た目以上に塩分が含まれていることが多いため注意したいのが、練り物やパンです。塩抜きダイエット中はこれらの食品はできるだけ控えるようにしましょう。
短期間で終了する
塩抜きダイエットは1〜3日以内の短期間で行うことが基本です。長期間続けるとナトリウム不足による体調不良を引き起こす可能性があります。
また、3日以上継続しても、それ以上の効果が期待できるわけではありません。むくみの改善や一時的な体重減少は見込めますが、長期間の塩分制限は疲労感やめまい、筋力低下の原因となることも。無理のない範囲で、適切な期間内に終えるようにしましょう。
塩抜きダイエット中に食べていいもの

塩抜きダイエットでは、塩分を含まない食材や調味料を選ぶことが大切です。特に調味料は無意識のうちに塩分を摂取してしまうことが多いため、成分表示を確認する習慣をつけましょう。
◎ 食べていい食材
栄養バランスを保ちながら、塩分を控えやすい食材を選びましょう。
- 野菜(ほうれん草、さつまいも、里芋、キャベツ、なすなど)
- 肉類(鶏肉、豚肉、牛肉 ※加工品は避ける)
- 魚の水煮缶(無塩のもの)
- きのこ類(しめじ、えのき、しいたけ など)
- 海藻類(塩抜き処理したもの)
- 大豆製品(豆腐、納豆、おから)
- ナッツ類(無塩のアーモンドやクルミ)
- こんにゃく
◎ 使える調味料
塩分なしでも味に変化をつけるために、香りや酸味を活かす調味料を選びましょう。
- 酢類(穀物酢、バルサミコ酢)
- 柑橘類の果汁(レモン、すだち)
- スパイス類(ブラックペッパー、七味唐辛子、一味唐辛子)
- 香味野菜(にんにく、しょうが)
- オイル類(ごま油、オリーブオイル、亜麻仁油)
◎ 飲んでいいもの
飲み物も塩分や糖分が含まれていないものを選ぶことが重要です。
- 水
- 無糖のお茶(緑茶、ほうじ茶、麦茶 など)
- ブラックコーヒー
- 無調製豆乳
- 牛乳
- 無塩トマトジュース
いくつかの食材や調味料を組み合わせることで、塩分を控えながらも飽きのこない食事を作ることができます。シンプルな味付けに慣れると、素材本来の風味を楽しめるようになるでしょう。
また、栄養バランスを整えたいのに自炊が難しい場合は、宅食サービスを活用するのもおすすめですよ。
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塩抜きダイエット中に食べてはいけないもの

塩抜きダイエット中は、塩分を多く含む食品や調味料を避けましょう。特に加工食品や市販の味付け食品には、思っている以上に塩分が含まれているため注意が必要です。
◎ 避けるべき食材
塩分が多く含まれているため、できるだけ控えましょう。
- 加工食品(ハム、ベーコン、ウインナー、練り物、チーズ)
- 塩蔵食品(塩昆布、梅干し、干物)
- パン、スナック菓子
◎ 避けるべき調味料
以下は塩分を多く含むため、塩抜きダイエット中は使用を控えましょう。
- しょうゆ
- みそ
- ソース類(ウスターソース、焼肉のたれ など)
- マヨネーズ
- ケチャップ
- ポン酢
◎ 避けるべき飲み物
飲み物にも塩分が含まれていることがあるため、選ぶ際に気をつけましょう。
- スポーツドリンク(電解質として塩分を含む)
- 野菜ジュース(商品によっては塩分が添加されている)
パンやお菓子は甘みがあるため、塩分が含まれていることに気づきにくいですが、意外と多くの塩分を含んでいます。さらに、市販のサラダチキンも味付けによっては塩分が高いため注意しましょう。
塩分を知らずに摂取しないよう、できるだけシンプルな食材を選び、成分表示を確認する習慣をつけることが大切です。
塩抜きダイエットを行う際の注意点

塩抜きダイエットは、正しく実践しないと体調を崩すリスクがあります。特に以下のポイントに注意しましょう。
- 過食に注意する
- 積極的に水分を摂取する
- 汗が出やすい夏季は避ける
3つの注意点についてそれぞれ詳しく解説します。
過食に注意する
塩抜きダイエットでは食事の量に制限はありませんが、食べすぎるとダイエットの効果が薄れてしまいます。
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると体重は減らず、むしろ増える可能性もあります。また、塩分を抜いた食品でも、食べすぎればカロリーや塩分を無意識に摂取しすぎてしまうことがあるため注意が必要です。
食事は適量を守り、栄養バランスを意識することが大切です。なお、適量を守っているのに痩せない場合は、ほかに原因がある可能性もあります。なかなか痩せられないという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:痩せたいのに痩せられない人について詳しく解説した記事はこちら
積極的に水分を摂取する
塩抜きダイエット中は、意識的に水分を補給することが重要です。塩分を控えると体内のナトリウムが減少し、脱水症状を引き起こすリスクがあります。
脱水状態になると、体温調節がうまくできず、めまいや意識障害を引き起こす可能性があります。そのため、水分補給はこまめに行うことが大切です。飲み物は水、無糖のお茶、無塩トマトジュースなど、塩分を含まないものを選びましょう。
一方、スポーツドリンクや市販のジュースには塩分が含まれていることが多いため、塩抜きダイエット中は避けるのが理想です。
汗が出やすい夏季は避ける
塩抜きダイエットは、汗をかきやすい夏場に行うのはやめましょう。塩分が不足した状態で大量に発汗すると、低ナトリウム血症のリスクが高まるため危険です。
低ナトリウム血症になると、めまい、吐き気、倦怠感、さらには意識障害や熱中症を引き起こす可能性も。特に、以下のような状況では塩抜きダイエットを避けるべきです。
- 炎天下での活動(屋外での長時間の運動や作業)
- サウナ・岩盤浴などの高温多湿の環境
- 激しいスポーツや肉体労働
汗をかく予定がある場合は塩抜きダイエットをせず、別日に実施しましょう。
塩抜きダイエット中に食べていいものに関するよくある質問
塩抜きダイエットの後の食事は何がおすすめ?
塩抜きダイエット後の食事には、カリウムを多く含むさつまいもを使った料理がおすすめです。カリウムは体内の水分バランスを整え、塩分を控えた後の食事にもなじみやすい栄養素です。
どんな調理法で食べても構いませんが、塩を使わずに野菜の旨みを引き出せるスープが良いでしょう。例えば、さつまいもと玉ねぎを煮込んだポタージュやしょうがを加えた温かいスープなら、体にやさしく塩分を抑えながら満足感も得られます。
料理の手間を減らしたい場合は、栄養バランスが考えられた宅食を利用するのも良い選択肢です。
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塩抜きダイエットは1日だけでも効果がある?
塩分を控えると、体内の余分な水分が排出されやすくなり、むくみの解消につながります。そのため、塩抜きダイエットを1日行うだけでも、顔や手足のむくみが取れて見た目がスッキリすることがあります。
ただし、効果は一時的であり、長期的な体重減少にはつながりにくいため注意が必要です。また、極端に塩分を減らしすぎると、体調不良や代謝の低下を招くこともあるため、健康を意識しながら適度に調整することが大切です。
塩抜きダイエットは短期間勝負!食べていいもの・悪いものをしっかり把握しよう

塩抜きダイエットは、塩分を控えることでむくみを解消し、一時的に体重を落とす方法です。短期間での実施が基本で、長く続けるとナトリウム不足による体調不良を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
成功の鍵は、塩分は控えても栄養バランスは崩さないこと。食べていいもの・避けるべきものを事前に把握し、無意識に塩分を摂取しないよう気をつけることが大切です。安全に実践しながら、体の変化を感じてみてくださいね。
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