脇汗に効果的な対策方法を紹介!汗をかく原因や予防方法も解説

監修者情報
水谷 さなえ
美容ライター・編集者
東北大学大学院農学研究科にて生理学を学ぶ。在学中からモデル・マネージャーとして美の世界に携わり、大学院修了後は美容情報サイトの企画やディレクションに携わる。
現在は美容系メディアのライター・編集者として活動中。
◼︎資格
日本化粧品検定1級
生物科学修士
効果的な脇汗対策|日常的にできる実践方法を紹介

脇汗が多いと、人目やニオイが気になって自信を持てなくなってしまうことがあります。
しかし、適切な対策を行えば脇汗の悩みを軽減することができます。たとえば、以下のような対策なら日常的に行えるでしょう。
- 脇汗を防ぐ制汗剤を選ぶ
- 脇汗対策インナーと適切な衣類を選ぶ
- 食生活を見直す
- 脇汗パッドなどのアイテムを活用する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
脇汗を防ぐ制汗剤を選ぶ
脇汗対策の中でも、制汗剤は最も手軽で基本的な方法です。
市販されている制汗剤には、以下のようなタイプがあり、使用感や効果の持続時間に違いがあります。
- スプレータイプ:広範囲にすばやく塗布でき、外出先でも使いやすい
- ロールオンタイプ:液体状で密着力があり、効果が長続きしやすい
- スティックタイプ:乾いた状態で塗れるため、ベタつきが気になる人におすすめ
- クリームタイプ:密着性が高く、汗の多い人でも長時間カバーしやすい
敏感肌の人は、アルコールフリーや無香料の製品を選ぶことで肌トラブルのリスクを抑えやすくなるでしょう。
脇汗対策インナーと適切な衣類を選ぶ
脇汗対策では、インナーや衣類の選び方も重要なポイントです。
肌に直接触れるインナーを工夫するだけでも、汗ジミや不快感を大きく軽減できます。
特におすすめなのが、吸湿性・速乾性に優れた汗取りインナーです。
脇部分に厚めの布が縫い込まれていたり、パッド付きになっているものなら、汗をしっかり吸収し、洋服への染み出しを防げます。
汗を吸ってもすぐ乾くインナーの素材であれば、ベタつきも感じにくくなります。
また、アウターも吸湿性・速乾性の高いものを選びましょう。
ゆったりとしたシルエットのトップスを選べば、脇の蒸れを防ぐことができ、空気がこもりにくくなります。
「汗ジミを隠したい」という場合は、グレーや水色などの目立ちやすい色よりも、ブラックやネイビーといった濃色系の服を選ぶと安心です。
食生活を見直す
汗のニオイが気になる人は、食生活に原因がある可能性もあります。
脂質の多い揚げ物や、肉類中心の食事を続けていると、皮脂の分泌が増えたり、体臭が強くなったりすることがあります。
また、ニンニクやタマネギに含まれるアリシン、アルコールの代謝で生じるアセトアルデヒドなどの成分も、汗を通じてニオイの原因になりやすいため注意が必要です。
こうしたニオイを抑えるには、野菜や果物を積極的に取り入れることが効果的です。
なかでも、ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化成分が豊富な食材は、体内の酸化を抑え、ニオイの元を中和する働きが期待できます。
さらに、ヨーグルト・味噌・納豆などの腸内環境を整える発酵食品を食べることも、体臭の軽減に役立つとされています。
- スミフル
- スミフル
脇汗パッドなどのアイテムを活用する
外出中や仕事中など、汗のケアが難しいシーンでも活躍するのが「脇汗パッド」などの便利アイテムです。
脇に直接貼って汗を吸収するタイプのパッドは、汗ジミを防ぎつつ、ニオイの原因となる湿った状態を軽減できるのが大きなメリット。
汗をかいたらすぐに交換できるため、清潔さを保ちやすく安心感もあります。
脇汗パッドを選ぶ際は、吸湿性に優れた素材や、肌への刺激が少ないやわらかな素材を使用したものを選ぶと快適に使えます。
なかには、抗菌・防臭加工が施されているものや、衣類にしっかり固定できるズレにくい設計の製品もあるので、使いやすさにも注目しましょう。
使用時のポイントは、脇の中央部分にしっかり密着させ、動いてもズレないように貼り付けることです。
さらに制汗剤を併用すると、より高い効果を期待できるでしょう。
専門的な治療法で脇汗を根本的に対策する方法

日常的な対策だけでは脇汗の改善が難しい場合、医療機関での専門的な治療を受けることも選択肢の一つです。
脇汗の症状の重さや体質に応じて、薬物療法・注射・機器による照射・手術など、さまざまな治療法があります。
まずは医師に相談し、自分に合った方法を見つけることが大切です。
塗り薬や処方薬を活用する
比較的軽度な脇の多汗症には、薬による治療が有効な場合があります。なかでも代表的なのが抗コリン薬と塩化アルミニウム製剤です。
抗コリン薬は、神経から汗腺への信号をブロックして発汗を抑える仕組みで、外用薬と内服薬の2種類があります。
特に外用薬は、発汗が気になる部位にだけ塗布できるため、全身への影響が少なく副作用が比較的軽いとされています。
一方、塩化アルミニウム製剤は、皮膚の表面にある汗腺を物理的にふさぐことで、汗の分泌自体を抑えるタイプです。
市販薬としても入手しやすく、夜間の使用が推奨されるケースが多いのが特徴です。
ただし、どちらの薬にも肌への刺激やかぶれ、口の渇きや便秘などの副作用が出る可能性があります。
特に敏感肌の人や持病がある人は、自己判断せず、必ず医師に相談したうえで使用を開始することが重要です。
注射や手術による治療
薬で解決できない場合は、注射や機器による照射、手術による治療を検討してもよいかもしれません。
たとえば、ボトックス注射を打つことで汗腺に関わる神経の働きを一時的にブロックできるのをご存じでしょうか。
この処置をすることで、脇の発汗を約4〜6か月間は抑えられるとされています。
また、マイクロ波を脇に照射して汗腺が働かないように壊す方法もあります。
半永久的な効果が期待でき、しかもメスを使わないため傷跡が残らないのも魅力です。
さらに外科手術という選択肢もありますが、代償性発汗(ほかの部位での発汗増加)のリスクがあるため、慎重な検討が必要です。
そもそも脇汗の原因とは?

脇汗の効果的な対策をするためには、発汗のメカニズムを理解することが重要です。
脇汗の原因としては、主に以下があげられます。
- 温熱性発汗(体温上昇)
- 精神性発汗(緊張やストレス)
- 味覚性発汗(辛い食べものなど)
- 生活習慣の乱れ
それぞれの原因と対策をチェックしていきましょう。
温熱性発汗(体温上昇)
温熱性発汗は、体温調節のための生理的な反応です。
気温が上昇したり運動をしたりすると、脳の視床下部から交感神経に発汗の指示が出され、発汗によって体温を下げようとします。
温熱性発汗は正常な生理現象であり、完全に止めることはできません。
むしろ、温熱性発汗を止めてしまうと体温調整がうまくできなくなる可能性があり危険です。
汗が気になるときは、涼しい環境に移動したり太い血管を冷やしたりすることで自然におさまるでしょう。
精神性発汗(緊張やストレス)
精神性発汗は、緊張やストレス、不安などの心理的要因によって引き起こされます。
交感神経が活性化されることで体温に関係なく汗が出ますが、特に手のひらや脇での発汗量が多くなる傾向があります。
プレゼンテーションや面接、重要な会議などの場面で精神性発汗を経験する人は多く、特に脇汗は目立ちやすいため余計に不安やストレスを感じてしまう人も少なくありません。
精神性発汗の対策としては、深呼吸や瞑想などを行ってリラックスすることが有効です。
慢性的なストレスが原因である場合は、生活習慣を見直したり日頃からストレス発散の時間をとったりすることが大切になります。
味覚性発汗(辛い食べものなど)
味覚性発汗とは、辛味や酸味などの強い刺激がある食べ物を口にしたときに起こる発汗のこと。
これは、味覚神経が刺激を受けることで反射的に発汗中枢が働き、汗が分泌される仕組みによるものです。
特に額やこめかみ、首元など顔まわりに汗をかきやすいのが特徴になります。
味覚性発汗は、ほかの発汗と違い食習慣を調整することでコントロールしやすい発汗です。
たとえば、汗をかきたくない日は辛い食べものや酸味の強い料理、スパイスの多いメニューを避けることで、ある程度予防することが可能です。
生活習慣の乱れ
自律神経は、体温調節や発汗のコントロールにも深く関わっています。
そのため、生活習慣が乱れると自律神経のバランスが崩れ、交感神経が過剰に働きやすくなり、必要以上に汗が出ることがあります。
たとえば、次のような状態が続くと注意が必要です。
- 睡眠不足で疲れが抜けない
- 食事の時間や内容が不規則
- 長時間のデスクワークや運動不足
- 慢性的なストレスにさらされている
こうした状態が続くと、わずかな運動やちょっとした緊張でも「体が過敏に反応して汗をかいてしまう」といった状況になることもあります。
対策としては、7時間前後の質のよい睡眠や栄養バランスの整った食事、適度な運動・入浴などでのリラックス時間の確保が重要です。
生活リズムを整えることで、自律神経を安定させましょう。

脇汗を事前に予防するために効果的な方法

脇汗の不快感を軽減するには、汗をかいてから対処するのではなく、日頃からの予防がカギになります。
まず見直したいのが、毎日着る衣類です。
吸湿性・速乾性に優れた素材を選ぶことで、汗をすばやく吸収・発散でき、脇まわりのムレを抑えられます。
さらに、通気性の良いゆったりとしたシルエットの服であれば、熱がこもりにくく快適に過ごせます。
また、食生活の見直しも重要です。
汗をあまりかきたくないときは、辛い食べものやすっぱいものなどの刺激物を避けましょう。
カフェインも交感神経を優位にして発汗を促進するため、避けたほうが無難です。
さらに、汗をかいたらそのままにせず、タオルやボディシートで早めに拭き取ることも大切です。
汗を放置すると、皮膚の上で雑菌が繁殖し、ニオイの原因になったり肌荒れにつながったりするおそれがあります。
持ち歩きやすい汗ふきシートやタオルを常備しておきましょう。
脇汗の原因を知って自分に合った対策を見つけよう
脇汗は多くの人が抱える悩みですが、原因を正しく理解し、自分に合った方法で対策をとれば、不快感を軽減することは十分に可能です。
日常生活の中では、制汗剤の使い方やインナー・衣類の工夫、食生活の改善といった手軽な対策を組み合わせることで、汗ジミやニオイのストレスを減らせます。
それでも改善が難しい場合は、外用薬やボトックス注射、マイクロ波治療など医療的アプローチも視野に入れてみましょう。
治療法にはそれぞれ特徴があるため、専門医に相談しながら自分にとって最適な方法を選ぶことが大切です。