【難易度別】握力を鍛える方法10選!女性にもおすすめの簡単な鍛え方も紹介
監修者情報
柴田 直樹
トルチャインストラクター
株式会社ティップネス勤務。
入社後、店舗マネージャーとしてジムの運営やトレーナー育成に携わりながら、自身もパーソナルトレーナー、スタジオインストラクター、企業フィットネス講師として活動。
現在はオンラインフィットネス「トルチャ」の事業運営に従事。
◼︎資格
・NESTA認定-PFT
・NESTA認定-クラブマネジメントスペシャリスト
・NESTA認定-メンタルフィットネストレーナー
・中学・高等学校教諭一種免許状(保健体育)
・食コンディショニングトレーナー
・栄養コンシェルジュ®︎1ッ星
・一般社団法人 日本美腸協会 美腸プランナー®︎
握力と前腕筋群の関係性|3つの力を鍛えよう
握力には「クラッシュ力」「ピンチ力」「ホールド力」の3種類があります。
これらの握力につながる指や手の筋肉は、手首から肘までの前腕部にある「前腕筋群」の筋肉が深く関係しています。前腕筋群は複数の筋肉をまとめた総称で、手関節を曲げる役割を担っている筋肉はおもに次の5つです。
- 長橈側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)
- 短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)
- 尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)
- 指伸筋(ししんきん)
- 小指伸筋(しょうししんきん)
このほかにも、前腕の手首近くには指の伸筋群が存在しているため、握力を高めたいなら前腕を鍛えることがカギになります!前腕筋群が関わる3つの力について、もう少し詳しく見てみましょう。
クラッシュ力
握力として一般に広く知られているのがクラッシュ力です。クラッシュ力はものを握る力のこと。握力は握力計を握って計りますが、このときに発揮される力がクラッシュ力です。
クラッシュ力を強化すると、小さいボールやラケットなどをしっかり握れるようになり、プレーが安定するでしょう。また、ボクシングをする場合はパンチ力も向上します。
ピンチ力
クラッシュ力は手のひら全体で握る力を指しますが、ピンチ力は指先で握る(つまむ)力を指します。洗濯ばさみを開く動作をイメージするとわかりやすいでしょう。
日常生活では、指先だけでつり革につかまるときなどに発揮されます。スポーツにおいては、ボルダリングの際に指の力で体を支えたり、野球などで送球したりする場面で重要です。
ホールド力
ホールド力とは、物をつかんでから離さずに握り続ける力のこと。クラッシュ力やピンチ力が瞬発力であるのに対し、ホールド力は持久力です。
日常生活においては、重い物を持ち続ける場面でホールド力が必要になります。スポーツでは、鉄棒にぶら下がり続けたり綱引きで縄を引き続けたりする際に発揮されます。
握力を鍛えるメリット
握力を鍛えると、日常生活はもちろん、運動におけるコントロールの質向上や脳の活性化にもつながります。
握力を鍛えることは、日常生活のちょっとした動作で役に立つだけでなく、運動パフォーマンスの向上、脳の活性化などにもつながります。どのようなメリットがあるのか 詳しくご紹介します。
- マシンを使った筋トレの質を高めることができる
- 二の腕をすらっと細くすることができる
- 道具を使ったスポーツでコントロールの質が高まる
- 日常生活を快適に過ごせる
- 脳が活性化され、認知症予防になる
握力は、ものを持つ(握る)ときやビンのふたを開けるときだけでなく、食事をするときや字を書くときなど、日常の何気ないシーンでも使っている力です。
スポーツにおいては、握力を鍛えておくとハンドボールなど道具を使った種目でコントロールの質が高まるというメリットがあります。
このように重要な役割を果たしている握力ですが、年を重ねて筋肉量が減っていくと弱くなる可能性も。
また、握力は指や手の力だけでなく、腕や脚など全身の筋力とも深く関係しています。全身の筋肉量を表す指標になるとも言われており、加齢によって筋力や身体機能が著しく低下した状態である「サルコペニア」を判断する評価方法にも採用されています。
初心者向け!器具なしで簡単にできる握力の鍛え方
普段あまり運動をしていない方はもちろん、筋トレが苦手な女性でも取り組める内容なので、安心してトレーニングをしてみましょう!
ここからは、運動初心者や握力の弱い女性にもおすすめの、握力を鍛える方法について具体的に紹介します。
グーパー法
グーパー法は、誰でも手軽にできる握力トレーニングです。立ち姿勢でも座った姿勢でもできるので、仕事や家事のスキマ時間にやってみてくださいね。
グーパー法のやり方
難易度:易しい
- 両手を体の前に伸ばして肩の高さまで上げます。
- 手のひらを閉じて手にぐっと力を入れましょう。その後、両手をパッと開きます。
- 2の動きを50~100回ほど繰り返します。
グーパー法のポイント
前腕を意識しながらトレーニングを行うのがポイントです。また、グーパーを繰り返すときに、肩が上がらないように注意してください。
指タッチ
指タッチは、指先を鍛えるトレーニング方法です。このトレーニングをすることで、ビンのふたを開けやすくなったり、蛇口をひねったりしやすくなります。
指タッチのやり方
難易度:易しい
- 右手を開きます。
- 親指の腹と人差し指の腹をくっつけて、すぐに元の状態に戻します。
- 2と同様の流れで、親指の腹を中指の腹とくっつけて元の状態に戻します。このように、親指の腹を人差し指→中指→薬指→小指→薬指→中指→人差し指の順番でタッチしていきましょう。
- 左手も同様の手順でトレーニングをします。
指タッチのポイント
一つひとつの指をしっかりとタッチしながら、リズムよくトレーニングをしましょう。スピードは速くなくても大丈夫なので、自分のペースで行ってみてください。
雑巾絞り
その名の通り、雑巾を絞るように力を込めてタオルをひねるトレーニングです。タオルが1枚あれば、どこでも簡単にできるのがメリット。このトレーニングを行うと、日常生活に必要な握力や腕力が鍛えられます!
雑巾絞りのやり方
難易度:易しい
- 雑巾くらいの大きさのタオルを1枚用意します。
- タオルの両端を持って、両腕を前へ伸ばします。
- 両腕を伸ばした状態でキープしつつ、雑巾を絞るようにタオルをひねります。
- タオルをひねった状態で3秒ほどキープし、元に戻します。これを10回ほど繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
- 4~5を3セットほど繰り返します。
雑巾絞りのポイント
途中で腕の位置が下がらないよう、腕の位置も意識してトレーニングを行うことで効果的に握力と腕力を鍛えられます。握力が弱くてひねる動作が難しい場合、ひねらずにタオルの両端を強く握るだけでもOKです。
ブックホールド
ブックホールドは、自宅にある本を使って行うトレーニングです。腕力があまりなくてもできるので、筋トレを普段やらない方も挑戦しやすいですよ。
ブックホールドのやり方
難易度:易しい
- 複数の本を用意して重ねます。
- 重ねた本を親指と4本指ではさみ、腕をまっすぐ前に伸ばして持ち上げます。
- 2の状態を握力が続く限りキープ。限界がきたら本を置きます。
- 2~3を4セットほど繰り返しましょう。
ブックホールドのポイント
本を持ち上げたときに、前腕部を意識しながら指に力を入れましょう。このトレーニングは、厚みのある本を増やすことで強度をアップすることができます。
よく運動している中級者向け!器具を使った握力の鍛え方
日頃、筋トレや有酸素運動をよく行っている運動中級者に向けて、器具を使った握力の鍛え方をご紹介します。
ハンドグリップ(ハンドグリッパー)
ハンドグリップは、握力を鍛えるのによく使われる定番の筋トレグッズです。ものを握る力だけでなく、つかむ力も強化することができます。
ハンドグリップのやり方
難易度:普通
- 片手にハンドグリップを持ちます。
- ハンドグリップを握って、器具の持ち手同士が近づくようにゆっくり力を入れましょう。
- 力いっぱい握ったら、ゆっくりと手を広げます。
- 3~4を繰り返し行い、反対の手も同様に取り組みます。
ハンドグリップのポイント
手を開くときは、ハンドグリップのバネの反動を使わないようにして、手の力をほどよくキープしながら開くようにしましょう。ハンドグリップは商品によって強度が選べるので、無理なく続けられる強度のものを購入してくださいね。
パワーボール
パワーボールは野球やテニスボールほどの大きさの器具で、内側に回転ローラーがあることが特徴です。パワーボールでは前腕筋群をはじめ、上腕筋や三角筋などを鍛えることができます。
パワーボールのやり方
難易度:普通
- パワーボールの内側にある回転ローラーに付属の紐を巻いて、勢いよく引っ張ります。
- パワーボールを片手で握り、手首をぐるぐるとまわしましょう。
- 2を5分ほど行ったら、反対の手も同様に行います。
パワーボールのポイント
中のローラーが高速回転しているパワーボールは、持っているだけでも握力を鍛える効果があります。
手首を速くまわし続けると痛めてしまう可能性があるため、スピードは求めず自分のペースで行うようにしてください。
リストカール
リストカールは、ダンベルを使って行う前腕の筋トレ方法です。手首関節の強化も同時にできるので、スポーツをしている方や筋トレをしている方におすすめ!
リストカールのやり方
難易度:普通
- ベンチ台の前に座り、手のひらを上に向けて片腕を台に置きます。このとき、手首だけ台から出した状態にしましょう。
- 台に乗せた手でダンベルを持ち、手首を反らせてダンベルをできる限り下げます。
- 手首をしっかり反らしたら、今度は手首を返すようにしてダンベルを上げましょう。
- 2~3を15~20回繰り返し、反対側にスイッチして同様のトレーニングをします。
リストカールのポイント
ダンベルは軽めのものでOKです。前腕をしっかりと固定して、手首だけでダンベルを持ち上げるようにしましょう。
上級者向け!トレーニングに役立つ握力の鍛え方
マシントレーニングを定期的に行っている運動上級者は、次のような握力トレーニングをやってみましょう。
指腕立て伏せ
通常の腕立て伏せは手のひら全体を床につけて行いますが、指腕立て伏せは指だけを床につけて行います。大胸筋や上腕筋、体幹も鍛えられるので、上半身の強化につながります。
指腕立て伏せのやり方
難易度:難しい
- 四つん這いの姿勢になり、両手を肩の真下につきます。
- 片足ずつ後ろにまっすぐ伸ばして、頭頂からかかとまでが一直線になるようにキープしましょう。
- 5本指をしっかりと広げて手のひらを浮かせ、指の第一関節のみが床についている状態にします。
- 肘をゆっくり曲げて、体全体を床に近づけましょう。
- 体全体が床に近づいたら数秒キープして、ゆっくりと肘を伸ばしていきます。
- 3~5を1セットとして、5~10回ほど行います。
指腕立て伏せのポイント
回数は目安です。無理をすると指の関節を痛めたり腱鞘炎になったりする可能性があるので、無理せず自分のペースで行いましょう。膝を伸ばして行うのがつらい方は、膝を床につけた状態で行ってもかまいません。
懸垂(けんすい)
懸垂は、鉄棒のような器具にぶら下がって、腕や背中の筋肉を使ってバーの高さまで体を引き上げる筋トレです。バーにぶら下がるためには握力が必要なので、握力強化につながります。
懸垂のやり方
難易度:難しい
- 両手を肩幅程度に開き、手のひらが自分に向くようにして逆手でバーをつかみます。
- 手や腕、背中の筋肉に力を入れて、あごがバーの高さまで上がるように体を引き上げましょう。
- ゆっくりと力を抜いて体を下げます。
- 2~3を繰り返しましょう。
懸垂のポイント
体を引き上げるときは、肩甲骨を寄せるイメージで行いましょう。体を下ろすときは、肘を伸ばし切らないようにすることがポイントです。
- PTP(PTP)(メンズ、レディース)懸垂 プルアップバー PUB1 ブラック
- PTP
ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウはバーベルを使う筋トレで、床に置いたバーベルをお腹に引き寄せるように上げます。おもに背中の筋肉を鍛えるトレーニングですが、重いバーベルを握り続ける必要があるため、握力もしっかりと強化できます。
ベントオーバーロウのやり方
難易度:難しい
- バーベルの前に立ち、脚を肩幅に開きます。
- 両手を肩幅より開いてバーベルを握り、膝を軽く曲げてお尻を突き出した姿勢になります。
- 息を吸いながら、バーベルをお腹に引き寄せるように上げましょう。
- 息を吐きながら、膝下までゆっくりとバーベルを下ろします。
- 3~4を10回繰り返しましょう。
ベントオーバーロウのポイント
トレーニングをするときは、背中や腰を丸めないように気を付けましょう。常に後ろに重心を置き、膝がつま先よりも前に出ないようにしてください。
握力トレーニングの3つの注意点
せっかく握力を強くするためにトレーニングをしていても、やり方を間違えると負荷がかかりすぎてオーバーワークになってしまう可能性があります。トラブルを回避するには、以下の注意点を意識してトレーニングを行いましょう。
いきなり負荷をかけすぎない
握力に関係する筋肉は小さいため、大きな負荷をかけるとダメージを受けて痛みが出る可能性があります。特に、これまで握力を鍛えてこなかった方がいきなり大きい負荷をかけるのはNG。
まずは負荷の小さい簡単なトレーニングから始め、負荷に耐えられる筋肉をつけることが大切です。慣れてきたら少しずつ負荷を上げるようにしましょう。
トレーニングをしすぎない
握力は、トレーニングをしていなくても日常生活のさまざまな場面で使われています。さらに運動をする方であれば、知らず知らずのうちに結構な負荷がかかっている可能性も。
この状態で握力のトレーニングをしすぎると、疲労がたまってなかなか取れなくなったり痛みが出たりする可能性があります。腕のコンディションと相談しながら、休養をはさみつつトレーニングしましょう。
たんぱく質の摂取を忘れない
握力を強くするには、腕の筋肉を増やすことが必要です。筋肉を増やすためには、トレーニングだけでなく栄養も重要。筋肉の元になるたんぱく質をしっかり摂取しましょう。
食事だけでたんぱく質を十分に摂取することが難しい場合、プロテインを飲むのも1つの方法です。プロテインを飲むと、不足しがちなたんぱく質を効率よく摂取できます。
日々のトレーニングで握力を強化しよう!
握力を鍛えると、ビンのふたを開けるなどの日常動作がスムーズになるだけでなく、マシンを使った筋トレの質や道具を使ったスポーツのコントロール力アップにもつながります。また、二の腕をすらっとさせる効果も期待できますよ。簡単なトレーニングならスキマ時間でも行えるので、ぜひ毎日コツコツと取り組んでみてくださいね。