【完全版】ダンベルで大胸筋を鍛える筋トレメニュー10選|下部・内側・上部まで徹底アプローチ

監修者情報
渡邉 輝
フィットネスインストラクター
「健康」に関する正しい知識を多くの人に届けるために、実体験や科学的根拠のある情報を発信する理系健康ライター。
ベンチプレスなどの重さを競う「パワーリフティング」の現役選手としても活躍中。
◼︎資格
・NSCA-CPT(全米公認パーソナルトレーナー)
ダンベルで大胸筋を鍛えるメリット|マシン・自重との違いとは?

大胸筋を鍛える方法には自重やマシンもありますが、ダンベルは負荷・可動域・扱いやすさのバランスに優れているのが特徴です。
マシンのように軌道が固定されていないため、角度や手首の向きを少し変えるだけで大胸筋の上部・中部・下部を狙い分けて刺激を与えられます。
自重トレーニングは慣れると負荷が不足しやすく、マシンは可動域が制限されやすいという弱点があります。
ダンベルはその両方を補い、十分な負荷をかけながら自然な動きで筋肉を伸縮させられる点が大きなメリットです。
また、コストや場所の負担が少ないのもポイントです。
マシンのように大きな設備は不要で、可変式ダンベルがあれば重量調整も簡単にでき、自宅でも本格的な大胸筋トレーニングが行えます。
大胸筋の構造と鍛えるべき部位|上部・中部・下部・内側の違い

大胸筋はひとつの大きな筋肉ですが、部位によって筋肉の向きや働きが少しずつ異なるため上部・中部・下部・内側と分けて考えると、より効果的に鍛えられます。
それぞれの特徴を理解して狙い分けることで、胸の仕上がりやシルエットに大きな違いが生まれます。
上部:胸の立体感やデコルテラインに関与する部位
鎖骨から始まる大胸筋の上部は、胸の立体感をつくる土台となる部位です。
鍛えることで胸と肩の境界がくっきりし、デコルテラインが整います。
特に「胸板を厚くしたい」「上半身を引き締めたい」という人は鍛えておきたい部位です。「インクライン系」の種目で重点的に鍛えるのが効果的です。
中部:胸の厚みを構成するメインパート
大胸筋の中部は、胸の真ん中から広がる最も大きなエリアで、胸全体のボリュームを決定づけるメインの部位です。
いわゆる「胸板が厚い」という印象は、この中部の発達に大きく左右されます。
「プレス系」の押す動作で強く刺激されやすく、効率よく筋肥大が狙えるパートでもあります。
中部を集中的に鍛えることで、前から見たときの存在感が大きく増し、Tシャツ越しでもしっかり筋肉の厚みが伝わる体につながります。
下部:胸のたるみ防止やラインの引き締めに関与
大胸筋の下部は、肋骨の下側に沿って広がるエリアで、胸の下ラインを引き締め、腹筋との境目をはっきり見せます。
特に年齢や姿勢の影響で胸が下がって見えやすい人にとって、この部位のトレーニングは非常に重要です。
下部が鍛えられると、胸の輪郭が整い、自然とシャープでメリハリのあるシルエットに。
体脂肪がやや多めの人でも、下部に筋肉があると胸が引き締まって見える効果も期待できます。
下部を鍛えるには「デクライン系」の種目をうまく取り入れるのがポイントです。
内側:谷間の形成や見た目の完成度を左右する部位
胸の中央に位置する大胸筋の内側は、いわゆる「谷間」を形づくる部位です。
筋肉としての大きさはそこまで目立たないものの、見た目の印象には大きく関わります。
内側が鍛えられていないと、せっかくほかの部位を鍛えても、胸板が平らに見えやすくなってしまいます。
内側に厚みが出てくると、胸全体がしっかりまとまり、バランスよく立体的に見えるようになります。
プレス系やフライ系のトレーニングで「胸を寄せる」動きを意識すると、内側に刺激が入りやすくなります。
初心者は何kgからはじめる?ダンベル重量と選び方のコツ

運動初心者が胸筋トレーニングで使うダンベルの重量は、1セット10〜15回を3セット、ギリギリ行える程度の重量からスタートするのがおすすめです。
筋肉を大きくするためにはしっかりと負荷をかけてトレーニングを行わなければなりません。
0〜15回をギリギリ3セット行える程度の負荷であれば初心者にとって筋肉を大きくするのに十分な刺激になります。
「3セット目のラスト1回がギリギリできるかできないか」くらいの重量を選ぶとよいでしょう。
体重や体格によって適切な重量は異なるため、ひとまずできそうな重さからはじめてみて、ちょうどいい重さを探してみましょう。
自宅でダンベルトレーニングを行う場合は、多くのダンベルを置くスペースを確保するのは難しいので、可変式ダンベルを利用することをおすすめします。

【ベンチなしでOK】ダンベルでできる大胸筋トレーニング5選

胸筋トレーニングというと、ベンチを使ったトレーニングをイメージするかもしれませんが、実はベンチなしでも効果的にトレーニングを行えるのがダンベルの魅力です。
ここからは、ベンチを使わずに行える、ダンベルを使った胸筋トレーニング5つを詳しく解説します。
ダンベルアダクション|大胸筋下部

ダンベルアダクションは立った状態でダンベルを持ち、腕を胸側に入れる動作を行って大胸筋下部を鍛えるためのトレーニング。
大胸筋下部は最適なトレーニングが少ないため、しっかりと刺激を入れられるトレーニング種目は貴重です。シンプルな動きでも、効果的に大胸筋の下部を鍛えられるため初心者にも非常におすすめのトレーニングです。
ダンベルアダクションのやり方
- 右腕に1つダンベルを持ち、腕をまっすぐ下げます。手のひらを体側に向けます。
- 軽く胸を張り、膝を曲げ、背中をまっすぐに保ったまま上半身を30〜45°程度倒します。
- 肘を伸ばしたまま肩を軸に右腕を左側へ目一杯スライドさせます。口から息を吐きながら行います。
- 鼻から息を吸いながら最初の位置に戻ります。
- 10〜15回を1セット行い、反対側も同様に行いましょう。1〜2分休憩を入れて3セット行いましょう。
ダンベルアダクションのポイント
体幹をまっすぐ保つことが大切です。ダンベルの動きとともに体幹がブレてしまっては大胸筋下部に刺激が入りにくくなります。
肩甲骨を固定したまま、肩と腕だけを動かすイメージで行うと効果的に行えるでしょう。
クローズドチェストプレス|大胸筋中部
クローズドチェストプレスは床に仰向けになりダンベルを両手に持ち、ダンベルをくっつけながら肘の曲げ伸ばしをするエクササイズです。
ダンベルでのチェストプレスは、トレーニング用ベンチがないと大胸筋に刺激が入れにくいですが、クローズドチェストプレスで行うことで大胸筋中部に効果的に刺激を入れることができます。また、同時に上腕三頭筋や三角筋も鍛えられます。
クローズドチェストプレスのやり方
- 両手に1つずつ適切な重さのダンベルを持ち、膝を曲げて仰向けに寝転がります。
- 胸の前でダンベルをくっつけて保持します。脇は締めすぎず、腕はわき腹から肘をこぶし半個ほど開きます。
- ダンベルをくっつけたまま肘を目一杯伸ばしてダンベルを上げます。口から息を吐きながら行います。
- 鼻から息を吸いながらダンベルが胸に触れるまで下げます。
- 10〜15回を1セットとし3セット行いましょう。
クローズドチェストプレスのポイント
動きをしっかりとコントロールして行うことが大切です。特にダンベルを下げるときはゆっくりと行わないと負荷が弱まるうえ、ダンベルが体に強く当たってケガをする可能性が高まります。
ひとつずつ動作をゆっくり丁寧に行って、安全に大胸筋を鍛えましょう。
アッパーレイズ|大胸筋上部
アッパーレイズはイスなどに座ってダンベルを両手に持ち、その名の通り「アッパー」のパンチのようにダンベルを上げるトレーニングです。
主に鍛えられるのは大胸筋の上部です。大胸筋上部は単独では鍛えにくい部位ですが、アッパーレイズでは大胸筋上部だけを集中的にアプローチできるので、胸板を厚くすることができます。
アッパーレイズのやり方
- 適した重さのダンベルを両手に1つずつ持ち、イスなどに座り背筋を軽く伸ばします。
- 腕を下ろしたまま、手のひらを自分側に向けて肘を直角に曲げます。
- 息を吐き、肘を直角に保ったままダンベルを上腕が地面と平行になるまで上げます。
- 鼻から息を吸い、肘を直角に保ったままゆっくりと肘を下げます。
- 10〜15回を1セットとし3セット行いましょう。
アッパーレイズのポイント
体幹をしっかりとキープすることがポイント。体幹がブレてしまうと腕もブレてしまい、大胸筋上部にしっかりと負荷を入れることが難しくなります。
軽く胸を張ったままお腹に力を入れて、体幹をキープしながら腕の上げ下げを行いましょう。
フロア・プレス|大胸筋上部

フロア・プレスは、ベンチを使わず床で行えるため、自宅でも簡単に実践できるトレーニングです。
大胸筋上部を中心に、上腕三頭筋や肩の三角筋を鍛えることができ、動作範囲が床によって制限されるため、肩や肘に余計な負担をかけにくいのが特徴です。
そのため、初心者でも安心して大胸筋上部を効果的に鍛えることができます。
フロア・プレスのやり方
- 床に仰向けに寝て、膝を立てて体を安定させます。
- 両手でダンベルを握り、胸の上で構えます。このとき、手の甲を頭側に向けてセットしましょう。
- 息を吐きながら、肘を伸ばしてダンベルを押し上げます。ただし、肘を完全に伸ばしきらないところで止めましょう。
- 息を吸いながら、肘を曲げてダンベルをゆっくりと下ろします。肘が床に触れる直前で止めます。
- 10~12回を1セットとし、3セット繰り返します。
フロア・プレスのポイント
ダンベルを動かしているときは腰を反らさないようにし、床にしっかりとつけて体を固定することが大切です。
また、ダンベルを持ち上げる際に肩がすくまないよう注意し、首や肩がリラックスするのを意識すると良いでしょう。
また、肘を完全に伸ばさないことで、大胸筋に負荷をかけ続けることができます。
ダンベルの重量は自分の限界に近い負荷で行い、効率良く筋肉を鍛えましょう。
ダンベル・ローテーション|大胸筋中部
ダンベル・ローテーションは、大胸筋中部を集中的に鍛えるトレーニングで、胸の厚みを増やしたい方におすすめです。
動作がシンプルで初心者でも取り組みやすく、正しいフォームを意識することで肩関節を安全に動かすことができます。
また、自分にあった適切な重量のダンベルを使うことで、効率的に筋肉へ刺激を与えることができます。
自宅でも手軽に行えるため、ぜひ胸筋のトレーニングメニューに加えてみましょう。
ダンベル・ローテーションのやり方
- 横向きに寝転び、下側の腕で頭を支えるようにします。
- 上側の手で軽いダンベルを持ち、肘を90度に曲げて前腕を地面に垂直にセットします。
- ダンベルをゆっくり下げて前腕が地面に近づくまで動かします。
- ダンベルを肩の高さまで持ち上げます。動作中は肘を体の脇に固定しましょう。
- 肩の高さで1〜2秒静止した後、ゆっくりと元の位置に戻します。
- 12〜15回を1セットとし3セット行いましょう。
ダンベル・ローテーションのポイント
ダンベルを選ぶ際は、軽めの重量を選ぶことが大切です。重すぎるダンベルを使うと正しいフォームを維持しづらくなり、トレーニングの効果が下がるだけでなく、ケガのリスクも高まります。
ダンベルの上げ下げの動作を行う際は、ダンベルが自然なアーチを描くように動かしながら、肘が体の脇からぶれないよう意識しましょう。
さらに、スムーズでゆっくりとしたペースで行い、肩への負荷が一定に保たれるよう心がけることが重要です。
今回紹介したトレーニングのほかに、大胸筋を鍛えられるプッシュアップ(腕立て伏せ)のやり方は以下の関連記事をご覧ください。

【ベンチあり】本格的に鍛えたい人のための大胸筋トレーニング5選

ダンベルトレーニングをより効果的に行うためには、トレーニングベンチを利用するとよいでしょう。
ベンチのおかげで胸筋の可動域を最大限に使うことができ、筋肉をストレッチしやすくなります。より効果的に筋肉に負荷をかけられるので、筋肉を大きくさせます。
ここからは、ベンチを使って行うダンベルトレーニングを5つ紹介します。
ダンベルプレス|大胸筋中部
ダンベルベンチプレスはトレーニングベンチの上に仰向けになり、ダンベルを上に押し上げていくエクササイズ。大胸筋を鍛えるトレーニングでもっとも有名なベンチプレスをダンベルで行います。
大胸筋の中部に大きな刺激を入れやすいうえ、上腕三頭筋や三頭筋にも刺激を入れることができます。 非常に効率的なトレーニングなので初心者にもおすすめです。
ダンベルプレスのやり方
- ダンベルを両手に持ったまま、トレーニングベンチの上にゆっくりと仰向けに寝て、ダンベルを胸の前にセットします。
- 両足、お尻、上背部、後頭部をしっかりと床やベンチにつけて体を安定させ、ダンベルを脇まで持っていきましょう。このとき手のひらを足側に向けます。
- 口から息を吐きながら、肘が伸びきる直前までダンベルを上に向かって押し上げます
- 鼻から息を吸いながら、脇までダンベルを戻し、肘を下げられるところまで下げます。
- 10〜15回を1セットとし、3セット行いましょう。
ダンベルプレスのポイント
ダンベルトレーニングはやや不安定な体勢でダンベルを持つため、安全に行うには慎重にトレーニングすることが大切です。肘を上げるときも下げるときもゆっくりと動作を行いましょう。
また、常に床とダンベルを平行に保つことを心がけましょう。どちらかに傾くと腕がダンベルを支えられず落下してしまうことがあります。
ダンベルフライ|大胸筋中部
ダンベルフライはダンベルプレスと同じように、ベンチの上で仰向けになって行います。フライの大きな特徴は肘の曲げ伸ばしをあまりしないこと。肩だけの動きでダンベルを上げ下げすることで大胸筋を使用する割合が高まります。
また、ダンベルフライは力こぶの筋肉である上腕二頭筋に刺激が入りやすいのも特徴です。ダンベルフライとダンベルプレスは、お互いの鍛えにくい部分をカバーすることができるので両方行うのがおすすめです。
ダンベルフライのやり方
- ダンベルを両手に持ったまま、ベンチの上でゆっくりと仰向けになります。
- 腕を上げてダンベルを胸の前でセットします。このとき、肘を軽く曲げ、手のひらを向かい合わせにします。
- 肘の角度を固定したまま、ストレッチ感があるところまでダンベルを胸の横まで下ろします。鼻から息を吸いながら行いましょう。
- 口をすぼめて息を吐きながら腕を最初の位置に戻していきます。肘の角度は固定したまま行います。
- 10〜15回を1セットとして3セット行いましょう。
ダンベルフライのポイント
肘を完全に伸ばして行ってしまうと、肘に余計な負担がかかってしまい、ケガにつながります。肘は軽く曲げた状態をキープしましょう。
また、大胸筋をストレッチしやすい種目ですが、筋肉は伸ばしすぎてもケガにつながります。
無理のない範囲でトレーニングを行うようにしましょう。
インクラインダンベルプレス|大胸筋上部

インクラインダンベルプレスは、トレーニングベンチを斜め上向きの角度に調整して行うダンベルプレスのトレーニングです。主に大胸筋上部に刺激を入れることができるほか、上腕三頭筋や肩の筋肉である三角筋前部にも負荷がかかります。
ベンチが傾く仕様のトレーニングベンチ(アジャスタブルベンチ)が必要ですが、見栄えのよい胸板をつくるためには行いたいトレーニングです。
インクラインダンベルプレスのやり方
- トレーニングベンチを背もたれが斜め上向きになるように30〜45°の角度に設定します。
- ダンベルを両手に持ち、トレーニングベンチの上に座ります。ダンベルは太ももにのせます。
- ベンチの背もたれにゆっくりと体を預け、ダンベルを胸の前に持ちます。
- 両足、お尻、上背部、後頭部をしっかりと床やベンチにつけて体を安定させ、ダンベルを脇まで引いて手のひらを足側に向けます。
- 口から息を吐きながら肘が伸びきる直前までダンベルを上に向かって押し上げます。
- 鼻から息を吸いながら脇までダンベルを戻し、肘を下げられるところまで下げます。
- 10〜15回を1セットとし3セット行いましょう。
インクラインダンベルプレスのポイント
ダンベルを真上に押し上げていくのが大切なポイントです。腕の角度は地面と直角にしましょう。
初心者が行いがちなミスは、体に対して腕が直角になるように肘を伸ばすこと。
角度がついたベンチに座っているので、これではダンベルが床に落ちてしまいやすく、肩に大きな負荷がかかりケガの可能性が高まります。
必ず「地面」に対して垂直に押し上げるようにしましょう。
デクラインダンベルプレス|大胸筋下部
デクラインダンベルプレスは、インクラインダンベルプレスとは逆にトレーニングベンチを下向きに調整して行うダンベルプレスで、大胸筋下部を集中的に鍛えるトレーニングです。
大胸筋下部を鍛えることで、胸と腹筋の境目が際立ち、胸全体の形状を整えることができます。
また、通常のダンベルプレスより可動域が広くなるため、筋肉に深い刺激を与えることが可能です。
アジャスタブルベンチがない場合は、膝を立てて背中をわずかに下げる姿勢で代替することもできます。
デクラインダンベルプレスのやり方
- トレーニングベンチを背もたれが斜め下向きになるよう、15〜30°程度の角度に調整します。
- ベンチに仰向けに寝て、両手にダンベルを持ち、胸の上で構えます。肩甲骨を寄せて胸を張ること安定させます。
- 息を吐きながらダンベルを真上に押し上げます。
- ダンベルを胸の高さまでゆっくりと下ろします。
- 8〜12回を1セットとし、3〜4セット繰り返します。
デクラインダンベルプレスのポイント
デクラインダンベルプレスでは、動作中に肩甲骨を寄せて胸を張ることが重要です。胸を張ることで、大胸筋下部に効果的に負荷をかけることができます。
また、負荷が抜けてしまうため、ダンベルを押し上げるときは肘を完全に伸ばしきらないように注意しましょう。
さらに、ダンベルを下ろす際は大胸筋がしっかりと伸びる感覚を意識しましょう。体幹を安定させることも大切で、背中や腹部を反らさないように注意が必要です。
ダンベルプルオーバー|大胸筋上〜下部
ダンベルプルオーバーは、大胸筋をはじめ、小胸筋や広背筋も同時に鍛えられる万能なダンベルトレーニングです。胸板の厚みを出し、胸全体のバランスを整えるのに効果的で、胸を開く動作が含まれるため呼吸筋のトレーニングにも役立ちます。
また、スポーツパフォーマンスの向上や姿勢改善など、機能的な筋力向上としても活用されています。
見た目を整えるだけでなく、実生活でも役立つ筋肉を鍛えられるため、多くの人に人気のあるトレーニングです。
ダンベルプルオーバーのやり方
- トレーニングベンチに仰向けに寝て、両手でダンベルを握り、顔の上でセットします。
- ダンベルを頭の後ろにゆっくりと下ろしていき、肩の高さまで下ろしたところで止めます。
- 胸の力を使いながら、ダンベルを元の位置に戻します。
- 10回を1セットとし、2〜4セット繰り返します。
ダンベルプルオーバーのポイント
ダンベルを下ろす際は、肘の角度を一定に保ちながら動作をなめらかに行うことが重要です。肘が動いてしまうと負荷が分散し、トレーニング効果が薄れてしまいます。また、大胸筋がしっかりと伸びる感覚を意識すると、トレーニングの効果をより高めることができます。
さらに、腹筋を意識して体を安定させ、腰が浮かないようにすることもポイントです。腰が浮くとフォームが崩れやすくなり、ケガのリスクが高まります。
適切な重量のダンベルを選ぶことも重要で、無理のない負荷を使うことで正しいフォームを維持しましょう。可変式のダンベルを使うことで重さを調整するのもおすすめです。
なお、本格的に大胸筋を鍛えたい人は、トレーニングベンチやさまざまな重さのダンベルがそろった環境があると理想的です。
自宅でのトレーニングに限界を感じたら、プロの指導が受けられるパーソナルジムを活用するのも一つの選択肢です。
たとえば「24/7Workout」では、正しいフォームや負荷設定を含めた個別指導が受けられるため、ダンベルプルオーバーのような複合種目もより効果的に取り組めます。
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大胸筋がなかなかつかない原因と改善法【フォーム・頻度・負荷】

「大胸筋を鍛えているのに、なかなか筋肉がつかない」と感じる場合は、フォーム・頻度・負荷のいずれかに問題がある可能性があります。
特に初心者に多いミスを中心に、原因とその改善策を確認していきましょう。
フォームに問題がある
大胸筋を鍛えるつもりでも、実際には肩や腕に負荷が逃げてしまっているケースは少なくありません。これはフォームが崩れていたり、可動域が狭かったりすることで起こりやすくなります。
たとえば、腕を真上に押し出す動きを意識しすぎるあまり肩主導になっていたり、ダンベルを下ろす位置が浅くて胸がしっかり伸びていなかったりすると、大胸筋への刺激は弱まります。
胸の動きをメインにし、しっかり伸ばしてから収縮させるフォームを意識することが、筋肥大には重要です。
オーバーワークや間隔の空けすぎ
トレーニング頻度が極端に多すぎる、あるいは少なすぎる場合も、思うように筋肉がつかない原因になります。
筋肉はトレーニング後に十分な休養を取ることで回復・成長するため、連日鍛え続けると回復が追いつかず、むしろ逆効果になることがあります。
一方で、週に1回だけなど刺激が少なすぎる場合も、大胸筋が発達しにくくなります。さらに、慢性的な疲労や睡眠不足があると、筋肉の回復力そのものが落ちてしまうため、生活習慣の見直しも重要です。
適切な頻度の目安は中2〜3日の休息を挟んで週2〜3回程度。無理のないスケジュールで、継続的に刺激を与えることが理想です。
負荷の設定ミス
ダンベルトレーニングでありがちなミスが、重量設定の失敗です。
軽すぎると大胸筋に十分な刺激が入らず、フォームが正しかったとしても筋肉が成長しにくくなります。目安としては、10〜15回で限界がくる負荷を選ぶとよいでしょう。
一方で、重すぎる重量によってフォームが崩れ、反動を使った動作になってしまうと、大胸筋以外に余計な力が入ってしまいます。
しっかり大胸筋に効かせるなら「丁寧なフォームでコントロールできるギリギリの重さ」が最適です。
ダンベル大胸筋トレを効果的にする3つのポイント

ダンベルは自重よりも高い負荷を与えられるため、より筋肉を鍛えたい方に役立つトレーニング器具ですが、さらに効果を高めるためのポイントがあります。
ここではダンベルで胸筋を鍛えるときのコツについて詳しく解説します。
トレーニングする「部位」を意識する
胸筋を鍛えるときは、アプローチしたい「部位」を意識するとさらに効果が高まります。筋トレは「この筋肉を使っている」と意識しながら行うことで、該当の筋肉をより使うようになり、トレーニング効果がアップします。
さらに、胸筋の筋トレにおいて大切なのは胸筋のどの部位を意識するかです。大胸筋は大きな筋肉で、上・中・下部に分かれています。この3つの部位にまんべんなく刺激を入れることで効率よく分厚い胸板をつくることができます。
しかし、トレーニング種目が偏って、たとえば中部ばかり鍛えてしまうと上部や下部の発達が不足します。胸筋も大きくはなりますが、バランスの悪い見た目になってしまうのです。胸筋のトレーニングは上・中・下部をくまなく行うようにしましょう。
自重トレーニングを組み合わせる
ダンベルを使ったトレーニングは効果が大きい反面、負荷が高いため追い込みすぎるとケガのリスクが高まります。
しかし、筋肉を発達させるためにはある程度の追い込みが必要です。そこで、ダンベルである程度刺激を入れた後に腕立て伏せなどの自重トレーニングを追加することで、負荷をコントロールしながら限界まで追い込みやすくなるのです。
ケガのリスクを下げるためには休養も大切。追い込むまでトレーニングを行ったら、中2日程度の期間を空けてしっかりと回復させてからトレーニングを行いましょう。
胸筋の「伸び」を意識する
胸筋を効果的に鍛えるためには「伸び(ストレッチ)」を意識してトレーニングしましょう。
筋肉にしっかりと刺激を入れるためには、筋肉が十分に伸びた状態からしっかりと縮ませることを意識しなければなりません。
そのためには、関節が動く範囲をできるだけ大きくしてトレーニングを行うことが大切で、筋肉が伸びた実感を得る程度まで動かすと刺激が大きくなります。
また、伸びているときに動きを丁寧に大きく行うことによって「エクセントリック収縮」が起こり、トレーニング効果を高めてくれます。
特にダンベルプレスやフライなどは筋肉の伸びを意識しやすいので、注意しながら行うようにしましょう。
胸筋のダンベルトレーニングに関するよくある質問

ダンベルが胸筋に効果的なことは理解したうえで「ダンベルで胸筋のすべての部位を鍛えられるのか」「マシンと比較してどうか」といった疑問が浮かぶかもしれません。
ここでは胸筋をダンベルでトレーニングする際によくある疑問について解説します。
筋肉痛があるときもトレーニングは続けるべき?
基本的に強い筋肉痛が残っているときは休むべきです。筋肉はトレーニングによってダメージを受け、その後の回復過程で成長していきます。痛みが強いうちに無理をすると回復が遅れたり、ケガの原因になる可能性があります。
軽い張りや違和感程度であっても、無理にトレーニングを続けるのは避けたほうが安全です。痛みが残っている間は、大胸筋を使う種目は控え、ストレッチやほかの部位の軽めのトレーニングに切り替えるなど、体をいたわる選択をしましょう。
筋肉をしっかり回復させることもトレーニングの一部と考え、焦らずにコンディションを整えることが重要です。
効果が出るまで期間はどのくらいかかる?
大胸筋は比較的反応の出やすい筋肉なので、個人差はありますが、早ければ2〜3週間で「筋肉にハリが出てきた」と感じる人もいます。
ただし、見た目に変化があらわれるには通常1〜2ヶ月以上かかると考えておくとよいでしょう。
食事や睡眠などの生活習慣がしっかり整っているかといった点でも、筋トレの効果の出方は大きく変わります。焦らずコツコツ取り組むことが成功のカギです。
ダンベルで胸筋の内側は鍛えられる?
多くの方が鍛えにくいのでは?と思うのが、胸の中央にある平らな骨のそばあたり。その近辺は胸筋の内側の大胸筋の起始部です。意識しないと刺激が入りにくいのが大胸筋内側で、初心者には鍛えることが難しい部位です。
大胸筋の内側を鍛えるコツは、トレーニング動作中に胸を寄せて行う意識を持つことです。特にダンベルプレスやフライなどで意識すると、大胸筋の内側に刺激が入り鍛えることができます。
ダンベルよりもマシンの方が効果的に鍛えられる?
ダンベルもマシンも一長一短があるため、状況によって最適な器具は変わります。
マシンは軌道が決まっているため、初心者でもしっかりと負荷を入れることができます。反面、軌道が決まっているため細かい動きができなかったり、自分の体の構造に合っていない動きになったりすることがあります。
ダンベルは軌道が決まっておらず、自分自身の体にあわせてトレーニングを行うことが可能で、マシンよりも多くの筋肉を使うことが多く、効率よくトレーニングができます。その反面、トレーニングテクニックが必要になるため慣れるまで時間がかかるなどのデメリットもあります。
状況に応じてダンベルとマシンを併用するのが理想です。
もし自宅でトレーニングを完結させたい場合は、ダンベルで十分です。マシンを置くスペースや価格、トレーニング効果などを考えるとマシンを何台もそろえるのは非現実的でしょう。
ダンベルを使って効果的に胸筋を鍛えよう
ダンベルは、自分の筋力にあわせて適切な負荷を調整できる便利なトレーニング器具であり、胸筋を鍛える際にも効果的です。
正しいフォームを守りながらトレーニングを行うことで、大胸筋の上部・中部・下部をバランスよく鍛え、胸板を厚くすることができます。
鍛える部位を意識してトレーニングを行い、理想的なたくましい胸板を作り上げましょう。
ただし、独学でトレーニングを行う場合、フォームが誤っていることに気づかず、効果が半減してしまうこともあります。特にダンベルを使用した大胸筋のトレーニングは、正しい動作が重要です。
より効率的に胸筋を鍛えたい方は、パーソナルジムでトレーナーの指導を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。
たとえばパーソナルジム「24/7 Workout」では、プロのトレーナーが一人ひとりに合ったトレーニングプランを提案し、正しいフォームを丁寧に指導してくれるため、ダンベルを使った胸筋トレーニングを効果的に進められます。
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