生理痛の緩和にも効果的。「合蹠のポーズ」のやり方とその効果
つらい生理痛やPMS。原因を理解して改善していきましょう!
生理痛が深刻化することの原因は人によってさまざまですが、主に骨盤の歪みや血行障害、ストレスによるホルモンバランス悪化によるところが大きいと考えられています。
ヨガをすることによって筋肉をほぐし、骨盤の歪みを正常化することで血行がよくなります。さらに適度な運動で体を温めることも生理痛を緩和させるための大切な要素の1つといえるでしょう。
ヨガで期待できるのはこうした身体的な要因に対するものだけではありません。定期的に行うことで自律神経を整える効果もあり、ホルモンバランスの正常化、不眠症の改善などにもつながります。鎮痛薬などの対症療法だけではなく、ヨガを行ってみたり、規則正しい生活習慣を意識的に取り入れ、自身の体を正常な状態に保つことを心がけましょう。
合蹠(がっせき)のポーズの効果とやり方
合蹠(がっせき)とは足の裏を合わせることを指し、座った状態で両膝を曲げ、股関節を広げる姿勢のことです。難易度としては低めといえるでしょう。合蹠のポーズは靴職人が作業をしている様子に似ていることから「靴職人のポーズ」とも呼ばれます。難しいイメージがあるヨガの中でも比較的簡単にできるものなので、ご自宅で入門編として始めるのにおすすめのポーズです。
効果・効能
- 生理痛の主な原因となる骨盤内の血行障害の改善
- リンパが集まっている「そけい部」を中心に筋肉がほぐれていくことによるデトックス効果
- 骨盤の歪みを整え血流がスムーズになることによる安眠効果
実際にポーズをとってみましょう
ポーズのやり方は、座った状態で行うものと仰向けで行うものの2種類があります。膝に圧迫感を感じる方は足裏同士を合わせている部分を正面にスライドさせて膝に余裕を持たせたり、前屈するときは股関節から頭頂まで真っ直ぐにし、顎を少し引くとよいでしょう。
座って行う場合
- 体育座りのような姿勢から両膝を左右に開いていきます。
- 足の裏を合わせ、離れないように両手で足先を固定します。
- 吸う息で背筋を伸ばし、息をゆっくり吐きながら上体を前に倒します。
【ポイント】
- 頭から倒していくのではなく、背筋をなるべく伸ばしたまま倒すことを意識しましょう。
- 無理に体を倒すと効果が得られないほか、ケガにもつながります。
仰向けで行う場合
- 仰向けで、足の裏が床についた状態で両膝を立てます。
- 座った状態と同じように両膝を左右に開き、足裏同士を合わせます。
- 吐く息で力を抜き、膝が床につくようなイメージでストレッチします。
【ポイント】
- 両手は楽な状態で深呼吸をしながら膝を開いていきましょう。
その他生理痛の緩和・改善に効果的なヨガポーズ 1
ウッティタパールシュヴァコナーサナ
体側を伸ばすポーズも生理痛に効果的で、難易度も低めです。こちらはウッティタパールシュヴァコナーサナと呼ばれ、「ウッティタ」はサンスクリット語で「伸ばす」を意味します。「パールシュヴァ」は側面、「コナ」は「角」という意味です。
体側を伸ばすポーズは、背中やお尻、太もものストレッチができるポーズです。合蹠のポーズと同じように、ご自宅でちょっとした時間にできる簡単なポーズですのでぜひ試してみてください。
効果・効能
- 骨盤の歪みを整え、血行障害の改善
- 腸をゆっくりと刺激することによる便秘改善
- 太ももの引き締め効果
実際にポーズをとってみましょう
- 両足を大きく左右に広げ、脚1本分程度の幅に広げます。
- 左足のつま先はそのまま、右足のつま先は右側に向け、右膝を90度になるまでゆっくり曲げていきます。
- 上半身をゆっくりと右側に傾けて、右手は床につけるか、右膝に置きます。左手は一度天井方向に伸ばし、ゆっくりと頭側へ倒していきます。
- 胸を天井に向けて開き、ゆっくりと呼吸をしながらキープしましょう。呼吸をとりながら左手を斜め上へ思い切り伸ばします。
【ポイント】
- 骨盤はまっすぐ正面を向いたままキープしましょう。
- 膝を曲げすぎずに直角になるようにしましょう。
- 上に伸ばしている手から足までが一直線になるように意識しましょう。
その他生理痛の緩和・改善に効果的なヨガポーズ 2
生理痛緩和・改善のためのヨガ「ラクダのポーズ」
ラクダのポーズ
ラクダのポーズも生理痛に効果的といわれています。体を大きく後ろに倒して胸を開いたようなポーズがラクダの背中のように見えることが名前の由来です。難易度は中程度といえるでしょう。ラクダのポーズは、デスクワークなどで腰に負担を感じている方などにも効果的。全身を使った難しいポーズになるので間違えた認識のままやってしまうとケガにつながるので十分に気をつけましょう。
効果・効能
- 血行促進による冷え性やむくみの解消
- バストアップやヒップアップ、体幹の強化
- 首周りの筋肉をほぐすことによる不眠症改善
実際にポーズをとってみましょう
- 膝立ちの状態で足を肩幅に開き、両手を腰に当てましょう。
- 息をゆっくりと吸いながら上半身を少しずつ後ろに反らしていきます。
- 上半身を反らした状態をキープしながら右手で右の踵、左手で左の踵をつかみます。
- 胸を天井に向けて開き、ゆっくりと呼吸をしながらキープしましょう。
- 両手を腰に戻して最初の状態にゆっくりと戻していきます。
この手順を数回繰り返しましょう。
【ポイント】
- 上半身を反らすときは腰から曲げるのではなく、お腹を前に突き出すようなイメージを持ちましょう。腰から無理に曲げてしまうと効果が半減するほか、ケガの原因にもなります。
- 爪先を立てて行っても十分効果があります。無理をすると思わぬケガにつながりますので注意が必要です。
生理中には避けておきたいポーズもあります。逆転のポーズと呼ばれる、下半身が頭よりも上部にくるようなポーズは、体外に排出されるべき経血を逆流させるおそれがあるため避けるべきでしょう。頭立ちのポーズ、肩立ちのポーズ、鋤のポーズは生理中には不向きですので、他のポーズで代用するのがおすすめです。
ご自身の体調をよく観察し、無理のない範囲で行いましょう!
ここまで、生理痛に効果的なヨガや生活習慣をご紹介してきました。ご自宅で簡単にできるものばかりですので、ぜひ実践してみてください。
できることからチャレンジしてみて、それでもなかなか改善されないようであれば迷わず病院を受診することをおすすめします。医師の適切な診断を受けて自分の体のことをよく知った上で対策をしていきましょう。
さまざまな効果が期待できるヨガですが、間違えたまま続けていては効果が得られないだけではなく、ケガにつながる可能性もあります。特に独学で始める場合には注意が必要です。
できれば専門の知識を持ったインストラクターの指導のもと行うのが理想的といえます。