足の付け根の痛みでお悩みの方へおすすめなストレッチ5選!痛みを和らげる改善法も紹介

足の付け根の痛みでお悩みの方へおすすめなストレッチ5選!痛みを和らげる改善法も紹介

年齢を重ねていくと、足の付け根・股関節に痛みを感じることがありますよね。足の付け根や股関節の痛みの原因は加齢だけでなく、体の硬さや運動不足、周辺の筋肉の凝りなどさまざま。痛みの原因を知ったうえで、改善策を実践していきましょう。今回は、足の付け根の痛みや違和感に効く簡単ストレッチをご紹介します。痛みを和らげる改善方法も解説しているので、生活に取り入れてみましょう。

監修者情報

杉山 なつみ

杉山 なつみ

ヨガ講師・バリ島ヨガスタジオマーケター

2015年12月にヨガの資格を取得後、都内を中心に企業向け健康セミナーの実施や、ヨガスタジオでの自主開催レッスンやスポーツ選手向けのパーソナルヨガレッスンを行う。

2019年1月にインドネシア・バリ島へ移住。現在はフリーランスのヨガインストラクターとして、現地のマーケティングや、バリ島からのオンラインレッスンを開催中。

■資格

・日本ヨガインストラクター協会2級

足の付け根に痛みが起こる原因と改善策

足の付け根に痛みが出る原因はさまざまですが、主に股関節の硬さや加齢、脚のむくみや冷えが挙げられます。

まず、股関節が硬いと関節の可動域が狭くなります。関節の可動域は普段動かす範囲で決まるため、いつもと違った動きをするだけで足の付け根に痛みが起こることも。股関節の硬さは、運動不足による血行不良や姿勢の悪さ、骨盤の歪みなどが要因として挙げられます。

一方、加齢が原因になっている場合は、加齢によって軟骨がすり減ってしまったことで、骨同士が当たって擦れることで痛みが発生している可能性があります。これは「変形性股関節症」と言われる病気で、40代以降の女性に多く見られます。

ここからは、足の付け根の痛みを改善する方法を3つご紹介します。

  • 股関節が硬い場合|運動療法を取り入れる
  • 骨盤が歪んでいる場合|骨盤を支える筋肉をほぐす
  • 脚にむくみや冷えが生じている場合|ストレッチの効果を高めて痛みを改善

どの方法も普段の生活に簡単に取り入れられるので、試してみましょう!

股関節が硬い場合|運動療法を取り入れる

股関節の硬さによって痛みが生じている場合には、関節を動きやすくするために運動療法を取り入れましょう。足の付け根に痛みがあるからといってまったく動かさないでいると、股関節まわりの筋力がさらに低下して動きが悪くなり、症状が悪化するという悪循環を招いてしまいます。

股関節はもちろん、周囲の筋肉も刺激できる運動がおすすめです。負荷をかけすぎると痛みがひどくなる場合があるため、ウォーキングやサイクリング、水泳などにトライしてみてください。自宅では「椅子に座って脚を開閉する」「足上げ運動をする」などの簡単な運動を取り入れてみましょう。自宅でもできる簡単なストレッチ方法は後ほど詳しくご紹介します。

骨盤が歪んでいる場合|骨盤を支える筋肉をほぐす

骨盤の歪みによって痛みが引き起こされている場合は、骨盤を支える筋肉もほぐしてあげましょう。骨盤を支えている筋肉は、主に太ももの内側にある「内転筋」、お腹の側面にある「腹横筋」、骨盤を上と下から支える「骨盤底筋群」の3つです。とくに骨盤底筋群は日常生活であまり使わない筋肉なので、ストレッチや運動でしっかり刺激してあげましょう。

このほか痛みの原因は多岐にわたり、たとえば背骨付近の椎間板が周囲の神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」という病気が進行したときにも足の付け根に痛みやしびれが生じます。根本の原因を特定しなければ正しい治療ができないため、足の付け根以外にも症状がある場合や不安がある場合には医療機関を受診するようにしてくださいね。

脚にむくみや冷えが生じている場合|ストレッチの効果を高めて痛みを改善

脚のむくみや冷えを感じる場合は、生活習慣を見直して、ストレッチや運動療法の効果を高めていきましょう。特に意識したいのが「入浴」です。忙しい毎日を送っているとシャワーでサッと済ませたくなりますが、湯船で体を温めながらストレッチをすると血行が促進され、ストレッチ効果がアップします。湯船に入れないときは、足湯やホットタオルで温めるのもおすすめです。

また、こまめに水分補給することもストレッチ効果を高めるポイントです。水分が足りない状態だと老廃物をうまく排出できないため、むくみやすくなります。また水分不足により血流が悪くなることで冷えを引き起こす可能性も。むくみや冷えで悩まないためにも、運動前後でコップ1杯程度の水分を補給しましょう。なお、足のサイズに合った靴を履くこともポイントになります。サイズの合っていない靴を履いていると脚への負担が大きくなり、足の付け根の痛みの要因になることも考えられます。

足の付け根の痛み改善ストレッチ5選

今回は股関節の動きをスムーズにするストレッチと、股関節から太ももの裏にある筋肉を柔らかくするストレッチを5種類ご紹介します。

  • 股関節揺らしストレッチ
  • 膝を開いたチャイルドポーズストレッチ
  • ハムストリングスのストレッチ
  • 股関節調節ストレッチ
  • 股関節のつっぱり解消ストレッチ

ぜひ、お風呂上がりや就寝前などに取り入れてみてくださいね。

1.股関節揺らしストレッチ

ストレッチに慣れていない方でもトライしやすい
ストレッチに慣れていない方でもトライしやすい

脚を大きく開き、つま先を前後に倒すことで股関節の柔軟性を高めるストレッチです。難しい動きがないので、ストレッチに慣れていない方でもトライしやすいですよ。

股関節揺らしストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 床に座って両足を開脚させ、背筋を真っ直ぐにします。
  2. 両手はお尻の後ろあたりの床につけ、指先はお尻に向けます。
  3. 体重を少し支えながら、両足のつま先を前後に倒すようにして、脚全体を揺らします。

股関節揺らしストレッチのポイント

両足を一気に開くと股関節を痛めてしまうため、開脚に自信のない方は片足ずつゆっくりと開くようにしましょう。
また、つま先を前後に揺らす際、股関節から脚が揺れるように意識して行いましょう。

2.膝を開いたチャイルドポーズストレッチ

通常のポーズよりも深く前屈できるので股関節の柔軟性を高めることができる
通常のポーズよりも深く前屈できるので股関節の柔軟性を高めることができる

チャイルドポーズは、腰まわりやもも裏にアプローチできるヨガのポーズです。膝を開くチャイルドポーズは、通常のポーズよりも深く前屈できるので股関節の柔軟性を高めることができます。

膝を開いたチャイルドポーズストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 正座をしてから、両膝を腰幅よりも少し広くなるように左右に開きます。
  2. 息を吐きながら上半身を徐々に前に倒していき、おでこを床につけて両手を前に伸ばしましょう。
  3. 背中の力を抜いて、5回程度呼吸を繰り返します。 

膝を開いたチャイルドポーズストレッチのポイント

上半身を倒したときに、お尻が上がりすぎないように注意しましょう。また、股関節が痛いと感じたら、顔の横で肘をついて体を支えてみてください。

3.ハムストリングスのストレッチ

太ももの後ろから膝裏にかけての筋肉が伸びているのを感じながら、しっかりとストレッチをしましょう。
太ももの後ろから膝裏にかけての筋肉が伸びているのを感じながら、しっかりとストレッチをしましょう。

ハムストリングスは、足の付け根から太ももの裏にある大腿二頭筋(だいたいにとうきん)、半腱様筋(はんけんようきん)、半膜様(はんまくようきん)の3つの筋肉の総称です。ハムストリングスが硬くなると、足の付け根に痛みを感じることもあるので、ストレッチでほぐしていきましょう。

ハムストリングスのストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 膝立ちになり、右足を前に出して膝を伸ばします。
  2. 吸う息で背筋を伸ばして胸を張り、吐く息でお尻を後ろに引いた状態で、呼吸をしながら30秒キープ。
  3. 反対の脚と入れ替えて同様に行います。

ハムストリングのストレッチのポイント

太ももの後ろから膝裏にかけての筋肉が伸びているのを感じながら、しっかりとストレッチをしましょう。

4.股関節調節ストレッチ

蹴ったときに股関節からつま先までが一直線に伸びるように意識して行う
蹴ったときに股関節からつま先までが一直線に伸びるように意識して行う

脚を大きく揺らすことで、股関節の動きをスムーズにするストレッチです。脂肪燃焼効果も期待できるので、ダイエットをしている方にもおすすめですよ!

股関節調節ストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 壁を横にして立ち、壁側にある手の肘を曲げて壁に添えます。
  2. 壁から遠い方の脚を浮かせて、力を抜いた状態で足首をぶらぶらと揺らしましょう。
  3. 脚は浮かせたまま、膝を曲げ伸ばしして外に向かって蹴る動きを30回繰り返します。
  4. 反対の脚も同様に行いましょう。

股関節調整ストレッチのポイント

外側に向かって蹴る動きをするときは、硬くなった脚の筋肉を揺らすイメージで行いましょう。蹴ったときに股関節からつま先までが一直線に伸びるように意識して行います。
動画を見ながら行いたい方は、下記の公式インスタグラムをチェックしてみてくださいね。

5.股関節のつっぱり解消ストレッチ

体を上下に揺らしながらテニスボールをゴロゴロ転がしてお尻まわりの硬さをほぐしましょう
体を上下に揺らしながらテニスボールをゴロゴロ転がしてお尻まわりの硬さをほぐしましょう

テニスボールを使って、骨盤横のお尻の筋肉をほぐすストレッチです。腰痛予防にも効果が期待できるので、デスクワークが多い方はぜひチャレンジしてみてください。

股関節のつっぱり解消ストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 横向きに寝て、テニスボールをお尻の下に置きます。
  2. 床に近い方の手を体の横について上半身を支え、下の脚を伸ばします。もう一方の手は体の前につき、上の脚は膝を曲げて前にクロスさせましょう。
  3. 上半身を支えている腕を曲げて、テニスボールに体重をかけたり緩めたりしながら圧迫を繰り返します。
  4. 余裕のある方は、体を上下に揺らしながらテニスボールをゴロゴロ転がしてお尻まわりの硬さをほぐしましょう。

股関節のつっぱり解消ストレッチのポイント

テニスボールにお尻を乗せたときに痛みを強く感じる場合は無理をせず、体重をあまりかけないようにして圧迫を緩やかにしてください。

足の付け根まわりのお悩み改善ストレッチ

最後に、足の付け根まわりの痛みやしびれなどを改善するストレッチをご紹介します。痛みがある足の付け根のまわりを一緒にストレッチをして相乗効果を高めましょう!

  • 股関節の外側の痛み|スパイダーランジ
  • 股関節の内側の痛み|脚クロスストレッチ
  • 背中の筋肉をほぐす|膝抱えストレッチ
  • お尻まわりの筋肉をほぐす|お尻上げストレッチ

痛みを感じる部位別におすすめのストレッチを解説しているので、ぜひトライしてみてください。

股関節の外側の痛み|スパイダーランジ

関節の可動域を広げ、凝り固まった周辺の筋肉をほぐしてくれます
関節の可動域を広げ、凝り固まった周辺の筋肉をほぐしてくれます

股関節外側の痛みを解消し、さらにお尻や太ももの筋肉も刺激できるストレッチです。関節の可動域を広げ、凝り固まった周辺の筋肉をほぐしてくれます。勢いをつけて動かすのではなく、筋肉の収縮や股関節の動きを感じながらゆっくり行いましょう。

スパイダーランジのやり方

難易度:普通

  1. 両手を肩幅に広げて床に手をつき、腕立て伏せのような姿勢をとります。両手はちょうど肩の下にくるようにセットしましょう。
  2. 頭からつま先までまっすぐに伸ばしましょう。
  3. 右足が右手の横にくるように大きく踏み出し、また元の位置に戻しましょう。
  4. 左足も同様に行いましょう。それぞれ15回ずつ行ってください。

股関節の内側の痛み|脚クロスストレッチ

クロスさせることで普段はあまり動かさない部位を伸ばせます
クロスさせることで普段はあまり動かさない部位を伸ばせます

股関節の内側を重点的にケアしたいなら、骨盤と股関節の両方をほぐせる脚クロスストレッチがおすすめ。クロスさせることで普段はあまり動かさない部位を伸ばせます。ストレッチを終えたあとは脚の疲れもとれて軽やかに感じるはずです。

脚クロスストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 床にお尻をつけて座ります。両膝は立てておきましょう。
  2. 両手を後ろについてバランスをとります。
  3. 右足を曲げて、左足の太ももにのせましょう。このまま20秒キープします。
  4. 左足も同様に行いましょう。

背中の筋肉をほぐす|膝抱えストレッチ

背中からお尻の筋肉までを広範囲にほぐしていきましょう
背中からお尻の筋肉までを広範囲にほぐしていきましょう

背中の筋肉が張ったり衰えたりすると、体がまるまって骨盤を歪ませる原因になります。このストレッチで、背中からお尻の筋肉までを広範囲にほぐしていきましょう。背中には大きな筋肉があるため、ストレッチを続けることで血行促進や姿勢改善などの効果も期待できます。

膝抱えストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 床に寝転がり、膝を曲げてお尻を浮かせます。
  2. 両手を膝の下に入れて、膝を抱えて胸に近づけます。
  3. なるべく膝が胸につくように深く抱えたら、その姿勢で30秒キープしてください。
  4. これを3〜5回繰り返します。

お尻まわりの筋肉をほぐす|お尻上げストレッチ

膝を立てたままお尻をぐっと引き上げ、肩から背中、お尻までのラインがまっすぐになるようにします。
膝を立てたままお尻をぐっと引き上げ、肩から背中、お尻までのラインがまっすぐになるようにします。

足の付け根と同時にお尻にも痛みが生じている方は、股関節だけではなくお尻もほぐす必要があります。次の簡単なストレッチでほぐしていきましょう。

お尻上げストレッチのやり方

難易度:易しい

  1. 床に寝た状態で膝を立てます。
  2. 両腕は軽く開き、体の横に沿わせます。
  3. 膝を立てたままお尻をぐっと引き上げ、肩から背中、お尻までのラインがまっすぐになるようにします。
  4. この姿勢のまま30秒キープしましょう。

ストレッチを習慣化して足の付け根の痛みを解消しよう

足の付け根・股関節の痛みは加齢だけでなく、股関節まわりの筋肉の硬さも原因になります。股関節まわりの筋肉の硬さが原因の場合は、年齢に関係なく痛みが生じることもあるので、柔軟性を高めるストレッチを日常で取り入れて予防・改善をしましょう

今回ご紹介したストレッチは自宅で手軽にできるものばかりなので、ぜひトライしてみてくださいね。

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