筋トレして“細見え”を目指そう!女性向けにインナーマッスルの鍛え方を解説
インナーマッスルとは
インナーマッスルとは、体の深層部(股関節や肩関節、背骨など)についている筋肉のことです。表層の筋肉(アウターマッスル)が体の動きを司るのに対し、インナーマッスルは姿勢を細かく調節したり、関節や内臓の位置を正常に保って体を支える働きをしています。
インナーマッスルを鍛えると得られる効果
インナーマッスルを鍛えると、女性に嬉しいボディメイク効果が得られます!
お腹まわりの引き締め
腹横筋や腹斜筋などの腹筋群を鍛えることで、お腹まわりを引き締めることができます。
また、重力で下がりやすい内臓の位置を元に戻すことができるため、ぽっこりお腹をスッキリさせて、厚みのない腰まわりに。内臓が元の位置に戻ることで、消化機能の改善にも繋がり、痩せやすい体づくりにも効果があるんです。
基礎代謝アップ
人間は呼吸したり、心臓を動かして体温を維持するだけでも、カロリーを消費しています。この、生きているだけで消費されるエネルギーのことを”基礎代謝”と言います。基礎代謝量が多ければ、何もしていないときでも消費されるカロリーが高くなるため、より痩せやすい体を目指すことができます。
基礎代謝量を増やすには筋肉を強化することがポイント。筋肉の中でも重要なのは、血液循環を促し、体温維持に関わるインナーマッスル。インナーマッスルを鍛えることで内臓が正しい位置に戻り、正常に機能することで冷えも改善され、痩せやすい体になっていくのです。
美姿勢
インナーマッスルは、姿勢保持筋などとも呼ばれます。体の姿勢を維持するためのインナーマッスルを鍛えることで、美姿勢に近づくことができます!
インナーマッスルが弱って体のバランスが崩れると、猫背や巻き肩、お腹ぽっこりの原因に。
姿勢の悪さは血液の循環にも悪影響を与えます。血流が悪いとカロリーを消費しにくくなってしまうため、痩せにくい体質になってしまうのです。
インナーマッスルを鍛えることで美姿勢を保ち、ダイエットに向いた体質へと改善していきましょう!
【初心者向け】女性におすすめのインナーマッスルトレーニング
インナーマッスルトレーニングは、アウターマッスルを鍛えるときのような大きな動作が必要なく、宅トレに最適です。体の内側の小さな筋肉を鍛えるトレーニングであるため、外見がムキムキと大きくならないのも嬉しいポイント。
ここからは主なインナーマッスルの種類と、初心者向けのトレーニング方法をご紹介します。
肩関節のインナーマッスルトレーニング
肩のインナーマッスルは胴体と腕の継ぎ目付近にあります。回旋筋腱板(かいせんきんけんばん:ローテーターカフ)を形成している肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋という筋肉で、肩関節の安定に関わっています。
肩関節のインナーマッスルが働いていないと、腕の先だけを酷使することになり、脇から二の腕にかけて余分な肉がつきやすくなります。そのままにしておくと首から肩、二の腕、背中にかけて全体的に動かしにくくなるため脂肪がつきやすく、腕だけのトレーニングでは引き締めることが難しくなります。
<肩のインナーマッスルストレッチ>
固まった肩関節まわりをほぐし、巡りを良くするストレッチをご紹介します。二の腕トレーニングやプランクの前に行うと肩まわりが安定し、効果もアップします。
■実際に行ってみましょう
難易度:普通
- 左手を背中側に回して左肘を曲げ、手の甲を背中に当てます。
- 右手で左手首をつかみ、右側に引っ張るようにして、左肘を背中の中央に向けて引き寄せます。
- 30秒キープします。
- 反対側も同様に行います。
■肩のインナーマッスルストレッチのポイント
慣れてきたら、つかむ位置を手首から少しずつずらし、肘の近くに変えてみましょう。曲げた肘側の肩甲骨を内側に回転させ、肩先が下がるようなイメージを持って行います。
股関節のインナーマッスルトレーニング
股関節後面深部にある深層外旋六筋の梨状筋(りじょうきん)、外閉鎖筋(がいへいさきん)、内閉鎖筋(ないへいさきん)、上双子筋(じょうそうしきん)、下双子筋(かそうしきん)、大腿方形筋(だいたいほうけいきん)、および小殿筋(しょうでんきん)、腸腰筋(ちょうようきん:大腰筋、腸骨筋)などで、股関節まわりを安定させる筋トレです。
ダイエットに成功したのに、お尻の下だけたるんでいたり、お尻の横の張り出しが取れない場合は股関節まわりのインナーマッスルが緩んでいる可能性があります。ここを鍛えることで、太ももとヒップの境目がくっきりした美尻を手に入れることができます。
<クラムエクササイズ>
美尻効果で有名なトレーニングです。股関節と膝の角度を90度にして行うクラムエクササイズは、ほかの角度で行うときよりも、しっかりとインナーマッスルのみに効果が出ます。寝たまま省スペースで行えるため、自宅トレーニングにも最適です。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 左の体側を下にして、肘をついた状態で左手で頭を支えて床に横向きに寝ます。右手は軽く胸の前の床に置きます。
- 両膝を揃えて直角に曲げ、股関節も直角に曲げます。
- 上半身を固定して、吸う息で両かかとを床につけたまま膝を開きながら股関節を開きます。
- 吐く息でゆっくりと股関節を閉じていきます。このときぴったりと膝を合わせず、少し浮かせた状態をキープします。
- 3~4を10回繰り返します。
- 反対側も同様に行います。
■クラムエクササイズのポイント
膝を動かすのではなく、股関節を開くことで膝も上げていくことがポイントです。上半身がブレると効果が半減するため、背筋を伸ばした状態で体の軸を感じるようにしましょう。
ただ痩せているだけのスタイルよりも、ふっくらバストにくびれたウエスト、上向きヒップの曲線が美しい、メリハリのある体型を目指したいですよね。食べないダイエットは卒業して、今日からは自宅でできるインナーマッスルトレーニングをはじめましょう!ご紹介した記事のリンクには、わかりやすく初心者でも取り組みやすいトレーニング方法が記載されていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。体の内側から鍛えて、メリハリボディを手に入れましょう!
体幹のインナーマッスルトレーニング
女性は男性に比べて筋力が弱く、生理や出産準備のために骨盤がゆがみやすいため、お腹まわりの体幹筋は女性には大切な筋肉です。体幹の筋肉がなく正しい姿勢をキープできないと、ぜい肉がつきやすくなります。お尻、ウエスト、バストにかけての女性らしいボディラインをつくるのも体幹の筋肉なのです。
腹横筋(ふくおうきん)
腹筋の最も深部にあり、体幹を安定させる筋肉です。腹部を引き締めて内臓へ腹圧をかける役割があり、排泄を助ける作用があります。尿もれや便秘のお悩みがある方は、この筋肉を鍛えることがおすすめです。
多裂筋(たれつきん)
腰背部の筋の中で最も深部にある筋肉で、頸椎から腰椎にかけて細かい束をなした筋肉が連なっています。背骨の椎骨同士をつないで脊柱を安定させる作用と脊柱の伸展に作用し、真っ直ぐな姿勢を維持するのに重要な役割をもっています。
腹横筋・多裂筋を鍛えることで、天然の矯正下着をつけているようにお腹まわりを安定させ、緩んだお腹や垂れさがったお尻を引き締めることができます。ここを鍛えるには、トレーニング初心者でも取り組みやすいプランクがおすすめです!
おすすめのトレーニングをこちらの記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
横隔膜(おうかくまく)
胸郭の下方に半球型についているネット上の筋肉で、腹式呼吸時の呼吸に作用します。息を吸うときは横隔膜が下がり、腹腔の内臓が押し下げられます。息を吐くときは横隔膜が持ち上がって胸腔に圧がかかります。
呼吸による横隔膜の動きは、体の内側から美しく引き締まったくびれを作ってくれます。横隔膜は、息を吸う際に、すぐ下にある胃腸を押すことで腸の蠕動運動を促します。便秘改善、ぽっこりお腹解消の効果も期待できますね。
骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
尿道括約筋(にょうどうかつやくきん)、球海綿体筋(きゅうかいめんたいきん)、肛門挙筋(こうもんきょきん)、外肛門括約筋(がいこうもんかつやくきん)など、骨盤の下部にハンモック状についている筋肉の総称です。骨盤底筋群は内臓を支えているため、緩むと内臓が下垂し、尿漏れや便漏れなどにつながります。
尿漏れや冷え性を改善し、内臓下垂によるぽっこりお腹を引き締めるためには、骨盤底筋群のトレーニングが有効です。骨盤底筋群を鍛えたい方には、こちらの記事で紹介している、自宅でできるヨガポーズがおすすめです!
【中級者向け】女性におすすめのインナーマッスルトレーニング
<①スパイダープランク>
プランクが安定してできるようになってきたら、ぜひこのバリエーションに挑戦してみましょう!
プランクで鍛えることのできる体幹の筋力(腹筋群・背筋群)に加え、お尻(臀筋群)を鍛えることができます。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 床の上でうつ伏せの状態になり、肘と手のひらを床につけ、つま先を立てます。
- 体を浮かせ、肘で支えるプランクの姿勢になります。
- 右のつま先を床からそっと離して右膝を右側に開くようにして曲げ、右膝を右肩に向かって引き寄せたあと、元の位置に戻します。
- 左膝も同様に、左右交互に行います。
- 左右交互に10回を1セットとし、2〜3セット行います。
■スパイダープランクのポイント
お尻が高くなってしまわないようにしましょう。
水平を保ったまま膝を引き寄せるためのコツは、股関節を外旋する(床に向いている膝を外向きに開きながら肩方向へ引き寄せる)ことです。
余裕があると感じる方は、肘だけを床につけるようにし、手のひらは床から離して行ってみましょう。
<②ハンドニー>
体幹の筋力(腹筋群・背筋群)を鍛えます。
一見簡単そうに見えるトレーニングですが、体幹の筋力を意識してゆっくり行うことでより効果的に鍛えることができます。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 四つん這いの姿勢になります。
- お腹を平らに保つように腹筋に軽く力を入れます。
- 重心がずれないように注意しながら、ゆっくり右腕と左足を床と水平になるように持ち上げてピンと伸ばし、数秒キープしたら元の位置に戻します。
- 左腕と右足も同様に行います。
- 交互に10回を1セットとし、2〜3セット行います。
■ハンドニーのポイント
腰を反らさないように注意しながら、ゆっくりと行いましょう。
手や膝の力で体を支えるのではなく、お腹をグッと引き寄せるようにしてぐらつかないように支えることで体幹の筋力を高めることができます。
<③Vシットアップ>
腹筋群と、骨盤の中を通る体幹の筋力である腸腰筋群を鍛えることができるトレーニングです。
少し難易度の高いトレーニングですが、綺麗なV字を目指して頑張りましょう。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:難しい
- 仰向けに寝た姿勢になり、まずは両手を頭側に伸ばしてバンザイの状態にします。
- 股関節を起点に、上半身と脚を同時に床から持ち上げ、体がV字になるようにします。
- このとき、両腕はお腹の方へ振り下げて床と水平になるところで止めます。
- V字ができたら、元の仰向けの姿勢に戻ります。
- 10回を1セットとし、2〜3セット行います。
■Vシットアップのポイント
脚から持ち上げると上体を起こすことが難しくなるので、少しだけ上体を先に持ち上げるようにすることがポイントです。
おへそを太ももに近づけるようにすることで、腸腰筋群を効果的に使うことができます。
10回行うのが難しければ、まずは5回を目標に行ってみましょう。
<④レッグツイスト>
主に腹筋まわりを中心とした体幹の筋力を鍛えるトレーニングです。ゆっくり行うことで、内もも(内転筋)の引き締めにも効果的です。
■実際にトレーニングを行ってみましょう
難易度:普通
- 仰向けに寝た姿勢になり、両手を頭側に伸ばしてバンザイの状態にします。
- 両足を揃えて持ち上げたら、両膝が90度になるように曲げ、膝からつま先までが床と平行になるようにします。
- 膝を90°に曲げたまま、右足を外側へ開きます。
- ゆっくり元の位置に戻し、左足も同様に行います。
- 左右交互に10回を1セットとして、2〜3セット行います。
■レッグツイストのポイント
脚を左右に開いた時に、体がぐらつかないよう、脚の重さを体の中心に引き付けることを意識しながら行ってみましょう。
脚はゆっくり閉じて、内ももに力が入ることを感じながら行ってみましょう。
インナーマッスルトレーニングを効果的に行うポイント
なんとなく気に入ったトレーニングを同じ方法と回数で繰り返し行っている、という方はいらっしゃいませんか?
もしかしてそのトレーニング、もっと効果的にできるかもしれません!
普段からトレーニングをされていらっしゃる方も、ご自身のトレーニングメニューを振り返りながらさらに効果的なトレーニングを行ってみましょう!
しっかり負荷を与えるトレーニングを行いましょう
筋力を増加させるためには、最大筋力の40%以上の力の発揮が必要であるとされています。
普段の生活動作で使用される筋力は最大筋力の30%以下とされており、日常の動作だけでは筋力の増加は認められないのです。
簡単にできすぎてしまうトレーニングより、行ってみて「少し疲れたな」と感じるトレーニングを選んでみましょう。
トレーニングの負荷を少しずつ上げてみましょう
筋力トレーニングは、同じトレーニングを繰り返し行えば良いという訳ではなく、強度を段階的に上げていく必要があります。
トレーニングを長期的に続けると筋力がつくので、だんだんと最初に設定した負荷が最大筋力の30%以下になってしまいます。
最初は大変だったメニューが徐々にこなせるようになってきたと感じたら、レベルアップのチャンス!負荷をあげるバリエーションがわからない場合は、回数や時間を増やすことをおすすめします。
しかし、インナーマッスルを集中的に鍛えるときは少しだけ注意するべきポイントがあります。
筋肉は小さな力を発揮するときは主にインナーマッスルが働きますが、徐々に負荷が強まっていくとアウターマッスルが働くようになっていきます。
そのため、インナーマッスルを鍛えたいという場合は、あまりに大きすぎる負荷をかけるのはおすすめできません。楽にできる強度から少しだけ負荷を高めたものを、じっくり時間をかけて行うことが重要です。
継続的なトレーニングを行いましょう
トレーニングは1回で効果が現れるものではありません。継続してトレーニングを行うことで筋力を高めていくことができます。そのため、1度だけ頑張るのではなく、トレーニングの間隔を筋肉の回復期(超回復)に合わせて週2〜3回程度にすることでより効果的なトレーニングになるようにしましょう。
効果的なインナーマッスルトレーニングでバランスの良い体を手に入れましょう!
インナーマッスルは、トレーニングすることで引き締まった体づくりに役立つだけでなく、体の本来の機能も改善させることができ、まさに縁の下の力持ちのような存在。
普段の筋トレにインナーマッスルを鍛えるトレーニングも取り入れて、自宅トレーニングをより充実させましょう!